雇用保険の休職手当とは?受給条件や申請方法をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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雇用保険の休職手当とは?受給条件や申請方法をわかりやすく解説

コインと電卓退職後の従業員が病気やケガで働けなくなった場合、雇用保険の休職手当(傷病手当)を受給できる可能性があります。

傷病手当は、退職後に療養を余儀なくされた元従業員の生活を一時的に支える制度であり、労務担当者として知っておくべき重要な知識の一つです。

この記事では、雇用保険の休職手当の概要や受給条件、申請方法、注意点について詳しく解説します。労務担当者として制度を正しく理解し、従業員からの相談や退職時の説明に役立ててください。

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1. 雇用保険の休職手当(傷病手当)とは

けが

雇用保険の休職手当とは、健康保険の休職手当金と異なる制度です。また、労災保険とも違うため、制度の内容と似ている制度との違いをまずはしっかりと理解しておきましょう。

1-1. 健康保険の傷病手当金との違い

雇用保険の休職手当(傷病手当)とは、失業中に病気やケガで働けない人が受け取れる給付金のことです。対象となるのは、雇用保険に加入している会社員などで、自営業やフリーランスは含まれません。

失業等給付の一種で、基本手当の受給資格を持つ人が、15日以上続けて就業できない場合に支給されます。生活費を支援する目的で支給され、使い道に制限はありません。

本記事で扱う「休職手当」は、雇用保険から支給されるもので、失業中に病気やケガで働けない場合に申請できる制度です。

一方、在職中に病気などで働けない場合に健康保険から支給される「傷病手当金」は、一般に「休職手当」とよばれることがあります。それぞれ名称が似ているため注意が必要です。

1-2. 労災保険との違い

労災保険は、正式名称を「労働者災害補償保険」といいます。仕事や通勤中の事故や、業務が起因とされる病気、障害、死亡などに対して、国が保障をおこなう公的保険制度です。

正社員だけでなく、条件を満たしたパートタイム労働者も加入対象になります。

雇用保険の休職手当との違いは、「仕事が原因かどうか」という点が大きいです。仕事中や仕事が原因の病気やケガの場合は労災保険が適用され、そうでないプライベートな病気やケガをし、尚且つ失業中である場合は雇用保険の休職手当が適用されます。

2. 雇用保険の休職手当を受け取るための条件

はてな

雇用保険の休職手当を受けるには、以下のすべての条件を満たす必要があります。

  1. 基本手当の受給資格があること
  2. ハローワークで求職申し込みをしていること
  3. 離職後に病気・ケガで働けない状態にあること
  4. 受給期間中に15日以上働けないこと
  5. 労災に該当しないこと

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

2-1. 基本手当の受給資格があること

雇用保険の傷病手当を受けるには、基本手当の受給資格があることが前提です。

具体的には、原則として離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上あることが必要です。

ただし、会社都合による退職や契約満了など、やむを得ない理由で離職した場合は、直前1年間に6ヵ月以上の加入があれば要件を満たします。

2-2. ハローワークで求職申し込みをしていること

雇用保険の休職手当を受け取るには、ハローワークで休職の申し込みをしている必要もあります。

ハローワークに出向き、求人情報を見るだけでは求職申し込みをしたことにはなりません。必ず正式な手続きをおこない、求職者として登録してもらうことが重要です。

2-3. 離職後に病気・ケガで働けない状態にあること

健康保険の休職手当金と混同しやすい部分ですが、雇用保険の休職手当を受け取るには「離職後」に病気やケガで働けない状態であることが条件です。

在職中の場合は、健康保険の休職手当金の支給条件を満たすため、雇用保険の休職手当を受け取ることはできません。併用もできないため、受給条件を混同しないように注意しましょう。

2-4. 受給期間中に15日以上働けないこと

傷病手当を受け取るには、基本手当の受給資格を得たうえで、引き続き15日以上(連続して)病気やケガで職業に就くことができない状態であることが必要です。

病気やケガで一時的に働けない場合でも、14日以内であれば傷病手当の対象にはなりません。

また、ハローワークでの求職の申し込みをおこなう前に発生した病気やケガは、傷病手当の対象外です。申請には「求職の意思がある状態で就労不能であること」が条件となります。

申請時には、医師の証明書類や診断書が必要になるため、受診日や就労不能期間の記録を正確に残しておくことが大切です。

2-5. 労災に該当しないこと

業務中や通勤中に発生した負傷や疾病は、傷病手当の対象外となります。労働災害による病気やケガは、雇用保険ではなく労災保険の給付対象となるためです。

例えば、勤務中の転倒や通勤途中の交通事故などは、傷病手当ではなく労働災害として取り扱われます。そのため、労災保険に基づく申請や手続きが必要です。

対象となる保険制度を誤って申請すると、給付が受けられないおそれもあります。ケガや病気の原因が「業務に関連するかどうか」を事前に確認しておくことが大切です。

3. 雇用保険の休職手当の支給金額

貯金箱

傷病手当の金額は、退職前6ヵ月間の給与をもとに次の式で計算可能です。

(直前6ヵ月の賃金合計 ÷ 180)× 給付率(50〜80%、60歳〜64歳は45〜80%)

例えば、退職前6ヵ月の合計賃金が120万円だった場合、1日あたりの支給額は次のように計算されます。

1日あたりの賃金日額:120万円 ÷ 180日 = 約6,666円

支給日額(給付率70%の場合):6,666円 × 0.7 = 約4,666円

給付率は年齢や賃金額によって異なり、収入が低い人ほど高めに設定される仕組みです。生活保障の観点から、所得の少ない人が手厚い支援を受けられる仕組みになっているためです。

実際の支給額は離職理由や年齢、賃金の状況によっても変わります。正確な金額を知りたい場合は、ハローワークで試算してもらうのが確実です

4. 雇用保険の休職手当の申請方法

書類

雇用保険の傷病手当を受け取るための申請手順を、ステップごとにまとめました。

内容 詳細
1.受給条件の確認 ・基本手当の受給資格を満たしているか確認する

・求職申込み後に発生した傷病であることを確認する

2.申請書類の準備 ・傷病手当支給申請書を取得する

・雇用保険受給資格者証を用意する

・医師に診断書を記入してもらう

3.ハローワークへ申請 ・窓口へ提出する、または郵送・オンラインで申請する

・内容に誤りがないか確認する

4.支給決定と振込 ・支給決定通知を受け取る

・指定口座に振込されるのを待つ

上記の手順をしっかりと把握し、必要な書類や条件を事前に揃えておくことで、スムーズに申請手続きを進められます。

とくに初回申請では、書類の不備や記入ミスによって支給が遅れるケースもあるため注意しましょう。また、医師の証明書は取得までに時間がかかることがあるため、早めに相談しておくと安心です。

支給が決定すると、通常は1〜2ヵ月以内に指定の口座へ振り込まれます。

5. 雇用保険の休職手当が支給されないケース

財布

雇用保険の休職手当は申請すれば必ず受け取れるわけではありません。以下のようなケースでは、支給されない可能性があるため注意しましょう。

  1. 申請手続き・タイミングに不備がある場合
  2. ほかの給付制度と重複する場合
  3. 年金・労災と重複する場合

それぞれ、詳しく解説します。

5-1. 申請手続き・タイミングに不備がある場合

雇用保険の休職手当は、申請方法やタイミングを間違えると支給されないことがあります。

よくある不備や理由を以下にまとめました。

不備の内容 支給されない理由
申請期限を過ぎた場合 最初の失業認定日までに申請しないと、受給資格が失われるため
初診日が求職申込み前の場合 「求職中に発生した傷病」でなければ支給対象外となるため
求職申込みをしていない場合 雇用保険の手続きが未完了のため、傷病手当の申請ができないため

不備を避けるためには、求職申込みと受診のタイミング、書類の準備状況を事前に確認しておくことが大切です。

特に初回申請では、診断書の取得やハローワークでの手続きに時間がかかることもあるため、早めに動くことをおすすめします

5-2. ほかの給付制度と重複する場合

雇用保険の休職手当は、同じ時期にほかの給付制度と重複して受け取られない場合があります。

制度によっては原則として併給が認められていないほか、支給額に応じて一部のみが支給されるケースもあるため注意が必要です。

以下に、重複時の対応が必要な代表例をまとめました。

重複する制度 支給されない理由・対応
失業給付 支給の前提条件が異なるため、両方を同時に受け取ることはできない
出産手当金 出産手当金の受給期間中は、原則として雇用保険の傷病手当は支給されません。

制度によって取り扱いが異なるため、給付制度を正しく理解することが重要です。必要に応じて制度の違いを案内することで、従業員の安心や信頼の確保にもつながるでしょう。

5-3. 年金・労災と重複する場合

雇用保険の休職手当は、年金や労災保険の給付と重複して受け取る場合、全額が支給されないことがあります。制度によっては、支給額が調整されたり、差額のみが支給されたりするケースもあるため、事前に内容を確認することが大切です。

以下に、よくある重複パターンや対応についてまとめました。

重複する制度 支給されない理由・対応
障害年金・障害手当金 原則支給されない。ただし、年金日額より傷病手当が高ければ差額が支給される
老齢退職年金 原則支給されない。ただし、傷病手当の方が高い場合は差額が支給される
労災保険の休業補償 同一傷病では支給対象外。ただし、労災給付が少額な場合、傷病手当との差額のみ支給される

年金を受給している従業員や、過去に労災保険を利用した従業員がいる場合は、併給可否や支給調整の仕組みを事前に確認しましょう。

適切な申請につながるようサポートできる体制を整えることが大切です。

6. 雇用保険の休職手当を受給する人に会社がすべきこと

はてなと手

雇用保険の休職手当を受給する場合、基本的には離職者本人がハローワークで手続きをおこないます。しかし、ハローワークで手続きをおこなうには、会社が発行する重要な書類が必要です。

雇用保険の休職手当の受給資格を満たす人が退職する場合、速やかに「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出し、できるだけ早く「雇用保険被保険者離職票」を受け取れるようにしましょう。雇用保険被保険者離職票は、離職者がハローワークでおこなう休職の申し込みに必要な書類で、雇用保険の休職手当を受給する際にも必要です。

また、離職者に対して給付金の受け取り方や必要な手続きなどを案内し、スムーズに手当を受け取れるようにサポートすることも忘れてはなりません。受給期間や受給額に不安を抱える人も多いため、可能であれば目安を提示すると親切です。

病気やケガが原因で就業が困難になっている状況では、生活費が足りなくなる可能性もあります。そのような状況を回避できるように、できるだけスムーズに雇用保険の休職手当を受給できるようにサポートしましょう。

7. 雇用保険の休職手当でカバーしきれない場合の選択肢

電卓

雇用保険の休職手当だけでは、生活費や医療費を十分にまかなえないこともあります。

従業員が長期間働けなくなった場合に備えて、民間の保険や公的支援制度の活用を提案しましょう。

7-1. 民間保険で備える

傷病手当ではカバーできない部分をサポートする手段として、民間の保険商品について知識を持っておくと、従業員の対応に役立ちます。

例えば、以下のような保険が挙げられます。

保険の種類 特徴
医療保険 入院や手術、通院時に給付金が支払われる保険
就業不能保険 働けなくなった期間の収入を補償する保険

従業員から相談を受けたり、制度を説明したりする際に、民間保険についてもあわせて案内できるようにしておきましょう。

7-2. 公的支援制度を活用する

公的支援制度を活用し、足りない生活費や治療費を賄う方法があります。利用できる可能性があるのは、以下のような制度です。

制度名 特徴
高額療養費制度 医療費が一定額を超えた場合に、超過分を払い戻してもらえる制度
医療費控除 年間の医療費が一定額を超えた場合に、所得税の一部が還付される制度
自立支援医療制度 精神疾患などで通院が必要な人の医療費負担を軽減する制度
生活福祉資金貸付制度 一時的な生活費などを低利または無利子で借りられる制度
生活保護制度 最低限の生活を支えるための支援制度

上記の制度は、それぞれ利用条件や申請方法が異なります。従業員から相談があった際に適切に制度を案内できるよう、必要に応じて関係機関への相談先も把握しておくとよいでしょう

8. 従業員の安心のために雇用保険の休職手当制度を正しく理解しよう

けが

雇用保険の休職手当(傷病手当)は、失業中に病気やケガで働けなくなった人を支える大切な制度です。生活費や治療費として活用されることを想定しているため、できるだけ早く支給されることが望ましいです。

受給には「基本手当の資格」「15日以上の就労不能」など、いくつかの条件を満たす必要があります。また、申請時期や書類に不備があると受給できない場合もあるため、事前準備が欠かせません。企業は、対象者が安心して治療と社会復帰を目指せるよう、必要な手続きを迅速におこないましょう。もし何らかの理由で手続きに遅れが発生する場合は、その旨を事前に伝えることが大切です。

病気やケガは突発的に発生することが多いです。退職した従業員が安心して療養に専念できるよう、制度の仕組みや注意点をしっかり理解しておくことが大切です。

給与計算ミスが起きたらどうする? 料率の変更、残業割増…間違いやすい項目と対策まとめ

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