雇用契約書と就業規則の優先順位とは?見直す際の2つのポイントをご紹介 | jinjerBlog

雇用契約書と就業規則の優先順位とは?見直す際の2つのポイントをご紹介

従業員と雇用契約を締結した場合、雇用主はその雇用契約書の内容を守らなければなりません。しかし、なかには雇用契約書の内容と就業規則とが異なるケースが存在します。

こういった事態は雇用契約書を見直すタイミングでもよく起こることで、担当者の方であれば、数年に一回の見直しをする際にお困りになることも多いのではないでしょうか。

本記事では、「雇用契約書の内容と就業規則が異なる場合、どちらの内容を優先すればいいのか?」等、雇用契約書を見直すうえでのポイントについて解説します。

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1. 就業規則と雇用契約書の違いとは?

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雇用契約書の見直しは、年に一度見直したほうがいいといわれています。雇用契約書を見直す際、就業規則との違いを意識しながら見直さなければ、後々労働者との間でトラブルが発生するケースがあるため注意が必要です。見直しにあたり、まずは雇用契約書と就業規則の違いや要点を押さえておきましょう。

● 就業規則・・・労働者が就業する上で守るべき規律や、労働条件に関する内容を定めた規則(雇用主と労働者間のルールブックといえるもの)
● 雇用契約書・・・雇用主と労働者間の雇用条件に関する内容が記載された契約書(雇用主と労働者双方が個別に交わす1人1人のルールブックといえるもの)

また、雇用主と労働者間の契約書には、「労働契約書」もあります。雇用契約は民法、労働契約は労働契約法に規定されており、違いはありますが、意識する必要はありません。

雇用契約書は企業によって交付しないところもありますが、交付する場合、就業規則と内容が異なる部分がないか見直しをする必要があります。

もし、雇用契約書と就業規則の内容が異なる場合には、労働者との間でトラブルが発生する等、会社側にとってリスクが生じるため、どちらが優先されるかを知っておかなければなりません。そのため、下記にそれぞれのケースを紹介します。

2. 就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合の優先順位

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就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合、就業規則の方が条件がよい時と、そうでない時、ケースを2つに分けて紹介していきます。

2-1. 就業規則の内容が雇用契約書の内容を上回る場合

就業規則の内容が雇用契約書よりも好条件となっている場合、基本的には就業規則が優先されます。

【例1】
就業規則で規定されている福利厚生が雇用契約書に含まれていない場合、就業規則に記載のある福利厚生が受けられる。

【例2】
残業代の支払いについて、就業規則上には記載があるが、雇用契約書にはない場合、就業規則に記載のある残業代を支払う。

このような場合には就業規則が優先されます。労働契約法第12条にて、就業規則で定めている基準に達しない雇用契約については、その部分に関して無効となり、就業規則で定めた基準が適用されることになっています。

【参照】労働契約法のあらましhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/leaf.pdf

2-2. 就業規則の内容が雇用契約書の内容を下回る場合

上記とは逆に、就業規則の内容が雇用契約書の基準よりも下回っている場合、基本的には雇用契約書が優先されます。

【例1】
時給について、雇用契約書には1,000円、就業規則に900円と記載がある場合、雇用契約書に記載のある時給1,000円が優先される。

【例2】
雇用契約書に、就業規則には書かれていない手当を支給する旨が記載されている場合、雇用契約書に記載のある手当を支給することが優先される。

このような場合には雇用契約書が優先されます。雇用契約書の方が好条件のため、労働者間とのトラブルになることは少ないです。

これらのように、就業規則と雇用契約書の内容が異なる際、優先順位があります。基本的には就業規則が優先されますが、場合によっては従業員に有利な方が優先されます。これらを押さえたうえで、最後に雇用契約書を見直すポイントを紹介します。

3. ここだけは知っておきたい!雇用契約を見直す際の2つのポイント

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見直しをする際のポイントは、雇用契約書を新しく作成する際と大きく相違はないですが、会社がリスクを負わないために、最低限確認しておいたほうがいいことを紹介します。

3-1. 絶対的明示事項と相対的明示事項

雇用契約書を作成する際には、必ず明示しなければいけない「絶対的明示事項」と「相対的明示事項」があります。これは労働基準法第15条第1項で規定されたもので、すべての労働者を対象としたルールです。

3-1-1. 絶対的明示事項とは

絶対的明示事項は、労働者に書面で必ず交付しなければいけない項目です。雇用契約書を見直す際はこちらが網羅されているか、今一度確認しましょう。

①労働契約の期間に関する事項
②期間の定めがある契約を更新する場合の基準に関すること
③就業場所、従事する業務に関すること
④始業・終業時刻、残業、休憩、休日・休暇などに関すること
⑤賃金の決定や計算方法、支払い方や支払い時期などに関すること
⑥退職に関すること(解雇の事由を含む)

3-1-2. 相対的明示事項とは

相対的明示事項とは、もし会社で規定しているのなら交付すべき項目です。

①退職手当に関すること
②昇給に関すること
③賞与などに関すること
④食費、作業用品などの負担に関すること
⑤安全衛生に関すること
⑥職業訓練に関すること
⑦災害補償や傷病扶助などに関すること
⑧表彰や制裁に関すること
⑨休職に関すること

【参照】労働契約締結時における労働条件の明示義務についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000036410.pdf

現在では働き方改革や法改正を機に雇用契約書だけを変更し、後々就業規則との内容に相違があることが発覚する場合もあるため、見直しを行う際は厳密に確認するとよいでしょう。

3-2. 適用範囲の記載

正社員、契約社員、パート/アルバイト等、雇用形態別に労働条件の違いがあるため、各雇用形態ごとに就業規則と雇用契約書の見直しが必要です。

正社員であれば転勤の有無、契約社員であれば契約期間や契約更新の有無、パート/アルバイトであれば昇給や賞与の有無など、見直しをする点は違うため、必ず各雇用形態と就業規則に整合性があるか確認しましょう。

また、雇用形態は異なるが、就業規則を1つしか作成していないケースもあります。基本的には就業規則の方が強い効力を持っているため、場合によっては契約社員やパート/アルバイトに正社員と同様の労働条件が適用されることもあります。その際は「どの雇用形態において適用するのか」等、適用範囲を明記するとよいでしょう。

就業規則と雇用契約書の内容が異なった際、場合によっては雇用主側が不利になるケースもあるため、就業規則と内容の整合性が取れるように留意することが最も重要だといえます。

また、就業規則においても一度作成すればいいというものでもなく、労働基準法等の法改正がおこなわれた際は適宜変更が必要となります。雇用契約書の見直しをされる際は、同時に就業規則も見直しをされることがおすすめです。

4. 雇用契約書と就業規則の内容が異なる場合は従業員に有利な方が優先される

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これまでお話しした通り、就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合、法律的には雇用契約書が就業規則に優先されるものの、内容が異なる場合には従業員に有利な方が採用されることになります。

雇用契約書も就業規則もない場合には、トラブルのもとになったり従業員のモチベーションが下がったりするなど会社が不利益を被ることになりかねません。

雇用契約書も就業規則も重要な書類であることを認識し、法律に則って運用しましょう。

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