育児休業申出書の書き方や記入例・提出手続きの流れを詳しく解説
更新日: 2026.5.21 公開日: 2022.9.12 jinjer Blog 編集部

育児休業申出書とは、従業員が育児休業を取得する場合、企業へ育休取得を申し出るための書類です。
育児休業の取得を予定している従業員から育児休業取得の申し出があった場合、企業は社会保険の手続きをおこないます。育児休業の開始日や期間などを確認するために育児休業申出書が必要です。
また、育児休業申出書は、従業員が育児休業の取得を申し出たことを示す重要な記録です。そのため、労務担当者は育児休業申出書の内容を正確に理解し適切な管理が求められます。
この記事では、育児休業取得に必要な、育児休業申出書の書き方や記入例、手続きの流れについて詳しく解説していきます。
目次
育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。
◆この資料でわかること
- 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
- 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
- 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
- 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要
2025年10月施行の改正内容も詳しく解説しています。「このケース、どう対応すれば?」といった実務のお悩みをお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 育児休業申出書とは?


育児休業申出書は、育児・介護休業法に基づき、従業員がその1歳に満たない子を養育するために育児休業を取得する意向を企業に伝えるための書類です。原則として、この申出は書面でおこないます。
育児休業を取得するには様々な書類の提出が必要ですが、最初に提出するのが育児休業申出書です。ただし、育児休業申出書は行政に提出する書類ではなく、育児休業を取得する意向を事業主に伝えるための書類です。
そのため、指定の様式はなく、企業での保管が必要です。ただし、企業に指定のフォーマットがなければ、厚生労働省の様式例を参考にするとよいでしょう。
1-1. 出生時育児休業申出書との違い
出生時育児休業申出書とは、出生時育児休業を取得する際に従業員が企業に提出する書類です。出生時育児休業は子の出生後8週間以内に取得できる育児休業制度です。要件を満たす場合は女性も対象となりますが、主に男性の取得を想定した制度のため、別名「産後パパ育休」とよばれます。
通常の育児休業を取得する際に提出する書類は育児休業申出書ですが、出生時育児休業を取得する際に提出する書類は「出生時育児休業申出書」です。
関連記事:産後パパ育休とは?取得期間や期間変更の条件、育休との違いを解説!
1-2. 育児休業等取得者申出書との違い
「育児休業等取得者申出書」とは、育休中の社会保険料を免除するために、企業の担当者が年金事務所に提出する書類です。従業員が企業に提出する「育児休業申出書」と名称が似ていますが、別の申請書です。
|
提出義務者 |
提出先 |
内容 |
|
|
育児休業申出書 |
従業員 |
企業の人事部など |
従業員の育休取得の意思表示 |
|
育児休業等取得者申出書 |
企業の労務担当者など |
管轄の年金事務所 |
育休中の従業員の社会保険料免除申請 |
「育児休業等取得者申出書」に記載する主な内容は次のとおりです。
- 提出者である事業所情報(所在地・事業所名・事業主名など)
- 従業員情報(被保険者整理番号・マイナンバー・本人氏名・子の氏名など)
- 育児休業の開始日と終了日
- 延長の場合は変更後の終了予定日
- 予定より早く休業を終了する場合は実際の終了日
育児休業等の期間中または育児休業等終了後の終了日から起算して1ヵ月以内が提出期限です。
関連記事:育児休業等取得者申出書の書き方・記入例や提出期限・方法をわかりやすく解説
1-3. 育児休業申出書の提出期限・提出先
育児休業申出書は、原則として育児休業を開始する1ヵ月前までに提出しなければなりません。なお、1歳到達後の育児休業の延長(1歳から1歳6か月までの延長、または1歳6か月から2歳までの延長)を希望する場合は、育児休業開始予定日(1歳から1歳6か月までの延長の場合は1歳の誕生日、1歳6か月から2歳までの延長の場合は1歳6か月に達する日の翌日)の2週間前までの提出が必要です。
ただし、育児休業を取得する1ヵ月前ではすでに産前休業に入っているケースが多く、書類を回収するのが難しくなってしまう可能性があります。従業員が出社している間に回収するのであれば、遅くても産前休業前には申請してもらうのが望ましいでしょう。
育児休業申出書は、所属する部署や人事部など、企業が指定した窓口に提出します。育児休業申出書は原則として社内で保管する書類ですが、育児休業給付金の申請手続きの際に、ハローワークから確認資料として写しの提出を求められることがあります。
2. 育児休業申出書の書き方・記入例


育児休業申出書を提出する場合、書き方に迷ってしまう従業員もいるかもしれません。そのため、担当者は、従業員から書き方について質問された際に正確に答えられるようにしておきましょう。
なお、育児休業申出書の様式は任意ですが、この章では厚生労働省のテンプレートを参考に解説します。
2-1. 申出年月日・申出先
申出年月日の記入は、忘れがちな部分ですが申出日を特定する重要な項目です。育児・介護休業法で定められている「原則1ヵ月前の申出が必要」などのルールにも関わるため、記載漏れがないか確認しましょう。
申出先は、社内の受付部署が明確になるよう統一しておくことが重要です。
2-2. 従業員と配偶者の情報
本人情報に加え、配偶者の状況は制度適用や給付手続きに影響する場合があるため、正確に記載しましょう。特に配偶者の就業状況や育休取得状況については、記載内容に誤りがないか確認が必要です。
2-3. 育児休業の対象となる子どもの情報
子の生年月日や出産予定日によって、育児休業の取得可能期間がいつまでか判断されます。また、記載内容に基づき制度の適用可否を判断するため、母子手帳の写しなどのその他の添付書類などとの整合性もあわせて確認しておくと安心です。
2-4. 休業の申出期間
育児休業の開始予定日と終了予定日を記入します。就業規則も確認しながら余裕をもって設定するのがおすすめです。育児休業の開始日や終了日などが、育児介護休業法および社内運用に適合しているかを確認します。
2-5. その他
企業によっては、休業中の連絡先や復職予定、引き継ぎ状況などの記載欄が設けられている場合があります。任意項目であっても、後の手続きを円滑に進めるため、できるだけ具体的に記入しておくと安心です。
3. 育児休業申出書における手続きの流れ


育児休業の手続きは、一般的に次の手順でおこないます。
- 育児休業取得の意向を確認する
- 育児休業申出書を提出してもらう
- 育児休業申出書受理の通知をする
ここでは、これらの手順について解説していきます。
3-1. 育休取得の意向を確認する
育児介護休業法が改正され、2022年4月より、従業員から妊娠の報告があった際は、個別に以下の4点を周知することが義務化されました。
①育児休業・産後パパ育休に関する制度
②育児休業・産後パパ育休の申し出先
③育児休業給付に関すること
④従業員が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
また、制度についての説明や、対象の従業員が育児休業を取得するかどうかの意向確認をする義務があります。
参考:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和4年4月1日から3段階で施行|厚生労働省
ここで注意しておきたいポイントは、必ず育児休業の制度を周知することです。就業規則に制度の概要が明記されていても、すべての従業員が目を通して理解しているとは限りません。
周知を怠ると、場合によっては後から「知らなかった」とトラブルに発展する可能性もあります。労使トラブルを未然に防ぐためにも、妊娠報告を受けた場合は必ず、担当者が育児休業について説明する時間を設けましょう。
なお、本人が育児休業を希望している場合は、休業開始と終了予定日を確認してください。育児休業取得を希望していることが確認できたら、育児休業申出書を用意して従業員に渡します。
3-2. 育児休業申出書を提出してもらう
個別の周知と意向確認を経たら、従業員に育児休業申出書を提出してもらいます。記載事項を確認して記載漏れがないか必ず確認しましょう。
また、申出書を受理する際には、企業は従業員に対して申し出に係る子の出生等を証明する下記のような書類の提出を求めることができます。
- 医師が交付する当該(妊娠)事実についての診断書
- 官公署が発行する出生届受理証明書
- 医師が交付する当該(出産)事実についての診断書
- 官公署が発行する養子縁組届受理証明書
提出は義務ではありませんが、出生日等の確認のため、こうした添付書類を提出してもらうのが一般的です。
3-3. 育児休業申出書受理の通知をする
従業員から育児休業申出書が提出されたら、企業は申出に対する取扱いを従業員に通知する必要があります。この通知は「育児休業取扱通知書」を交付するのが一般的です。
そのため、育児休業申出がされたときは、企業は最低でも次の3点を「育児休業取扱通知書」に明示しておくことが望ましいです。
- 育児休業申出を受けた旨
- 育児休業開始予定日と終了日
- 育児休業の申し出を拒む場合はその旨及びその理由(ただし、拒否できるのは法令で定められた場合に限る)
また、上記の内容だけでなく、休業中の給与に関することや休業後の労働条件などをあわせて記載していても問題ありません。
4. 育児休業申出書|実務の判断ポイント


たとえ育児休業申請書を提出した後でも、家庭の状況の変化や健康上の理由などで、育児休業期間を延長・短縮したり、開始日付を繰上げ・繰下げしたりすることができます。
このような場合、従業員は上司や人事担当者に状況を詳しく説明し、新たな日程や条件について合意を得ることが不可欠です。
この章では、変更できるケースや変更の手順などの実務での判断ポイントについて解説します。
4-1. 育児休業の申し出を変更できる場合
育児休業の申し出を変更できる主なパターンは次のとおりです。
- 出産予定日が前後した場合
- 保育所に入所できないなど、復職予定に影響が出た場合
- 配偶者の就業状況や育児体制が変わった場合
- 子の体調不良や家庭事情に変化があった場合
育児・介護休業法では、こうした事情がある場合、従業員は育児休業の開始日や終了予定日について変更の申出をおこなうことが認められています。
例えば、出産予定日がずれた場合には休業開始日を調整したり、保育所に入れなかった場合には休業期間を延長したりすることが可能です。
ただし、変更の際には原則として事業主への再申出が必要となり、一定の期限内に手続きをおこなう必要があります。また、変更できる回数には制限が設けられているため、事前に社内ルールや制度内容を確認しておくことが重要です。
4-2. 育児休業申出書の回収が遅れる・できなかった場合
育児休業は育児介護休業法に定められた従業員の権利です。そのため育児休業申出書の提出が遅れたことによって育休が取得できなくなることはありません。
しかし、育児休業申出書の提出が遅れたり未提出だったりした場合、育児休業の開始日や期間が確定せず、社保手続きに支障が出る可能性があります。
こうしたトラブルを防ぐためにも対象者には早めに案内をおこない、提出期限を明確にしたうえで、必要に応じて督促をおこなうことが重要です。
2022年4月の改正育児・介護休業法施行により、企業は個別に意向確認や情報周知をおこなうよう義務づけられました。この改正を受けて、育児休業申出書の提出は実務上ほぼ必須となり、育休を取得するうえで重要な手続きとなっています。
さらに、近年の度重なる法改正によって、育休に関する制度や手続きは年々複雑化しており、これまで以上に正確な理解が求められています。誤った対応はトラブルや従業員の不利益につながるおそれもあるため、育休制度については正しい知識を身につけ、常に最新情報へアップデートしていくことが重要です。
疑問点や判断に迷う場合には、行政機関へ確認したり、顧問の社会保険労務士へ相談したりするなどして適切に対応しましょう。
5. 育休取得の申し出を受けたら育児休業申出書を提出してもらおう


従業員が育児休業を取得する際、労務担当者は社会保険や雇用保険など多くの手続きをおこないます。まずは、育児休業申出書を従業員から提出してもらい、出産予定日や休業期間の確認をしましょう。
育児休業申出書は、原則として育児休業開始日の1ヵ月前までに回収が必要です。回収後の手続きをスムーズに進めるために、フォーマットや提出方法を整備して、従業員が申請しやすい環境を整えておきましょう。
共働き家庭が増加している現代において、育児休業の取りやすさは、働きやすい職場を形成する上で重要なポイントです。仕事と子育ての両立が出来る職場の形成は、離職率の低下につながります。企業は育休取得のための環境整備をおこない、働きやすい職場作りを目指しましょう。



育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。
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