KPI(重要業績評価指標)とは?KPIの意味やKGIとの違いをわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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KPI(重要業績評価指標)とは?KPIの意味やKGIとの違いをわかりやすく解説

二つのはてな

KPIは、ビジネス用語では「重要業績評価指標」というもので、ビジネスシーンでよく使われる重要キーワードのひとつです。

しかし、ビジネスパーソンの中には、KPIの意味を理解していなかったり、KPIとKGIとの違いを間違って覚えていたりする人も少なくないようです。KPIには、KGIを達成するための道しるべとという役割があります。つまり、KPIを追跡することで、KGIの達成状況を定量的に評価することが可能になるので、正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、KPIの意味やKGIとの違い、KPIの設定方法やメリットなどをわかりやすく解説します。

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1. KPI(重要業績評価指標)の意味とは?

KPI

KPI(Key Performance Indicator)は、日本語で「重要業績評価指標」と呼ばれ、目標の達成状況を評価するための中間的な指標を意味します。

KPIは、ひとつの目標に対して複数のKPIを設計するのが一般的です。それぞれのKPIを追跡していくと、チームや個人が目標達成に向けてどのくらい近づいたかを定量的に評価できるので、マネジメントに活かすことが可能になります。

内閣府はKPIを「目標を達成するための取組の進捗状況を定量的に測定するための指標」と定義しています。

このことから、KPIは先行指標と遅行指標(結果指標)の2種類に分けられます。

先行指標 すぐに成果が表れるKPI
遅行指標(結果指標) 後から成果が表れるKPI

先行指標でよい結果が出ると、後で遅行指標も達成できるようにKPIを設定する必要があります。例えば、ブログを使ったマーケティングの例を考えてみましょう。

ブログマーケティングの場合、先行指標に当たるKPIには以下のようなものがあります。

先行指標の例 ● 投稿1件当たりの検索キーワード数
● 投稿1件当たりの外部リンク数
● 外部サイトからの被リンク数

「先行指標」のKPIは、ブログの記事を投稿するとすぐに成果が表れます。

一方、以下のKPIは成果が出るまで時間がかかるため、遅行指標として設定する必要があります。

遅行指標の例 ● ブログ記事の検索順位
● 投稿1件当たりのトラフィック数
● 投稿1件当たりのコンバージョン数

これらの例のように、先行指標の達成→遅行指標の達成→目標達成の流れになるようにKPIを設定することが大切です。

参考:地方創生事業実施のためのガイドライン|内閣府

1-1. KPIとKGIの違い

KPIとよく間違われるのが、KGI(Key Goal Indicator)と呼ばれる指標です。

KGIは日本語で「重要目標達成指標」といい、チームや個人が目指すべき最終的なゴールのことを指します。企業の目標達成プロセスでは、1つのKGIに対して複数のKPIを設定し、KGIの達成状況を評価していくことが一般的です。

例えば、営業部門の目標設定として、売上目標1億円の達成を目指す場合を考えてみましょう。

次にすべきことは、売上目標1億円というゴールから逆算し、案件獲得数やアポイント件数などの中間的な指標を考えることです。この例では「売上目標1億円」がKGI、「案件獲得数100件」や「アポイント件数1,000件」がKPIに当たります。売上目標1億円というゴールの達成に向けた取り組み状況を、案件獲得数やアポイント件数といったKPIで評価していくイメージです。

指標
KGI 売上目標1億円
KPI ● 案件獲得数100件
● アポイント件数1,000件

1-2. KSFやOKRとの違い

KGIだけでなく、KPIには他にも「KSF」や「OKR」とも混同されやすいので、これらのワードとの違いについても押さえておきましょう。

KSF(Key Success Factor)は、日本語で「重要成功要因」とも呼ばれており、事業を成功させるための要素を指します。例えば、売上1億円というKGIに対し、KSFが新規顧客の獲得などKGI達成に欠かせない要素を表します。それに対して、アポイント件数1,000件などKGI達成に必要な数値を伴うアクションがKPIです。

次に、OKR(Objectives and Key Result)は、日本語で「目標と主要な結果」を意味し、目標と主要な結果をそれぞれ設定して達成度合いを測ります。KPIと似ていますが、OKRの場合は難易度の高い目標設定となっているのが特徴です。あえてハードルを上げることで、個人や組織の成長を促す狙いがあります。

2. KPIの設定方法

指標

KPIは最終目標を達成するための指標であるため、最初にKGIとKSFを決めておかなくてはなりません。

そのため、KPI設定の流れは以下のとおりになります。

  1. KGIを設定する
  2. KSFを設定する
  3. KPIを設定する

基本的には各項目を設定するだけなのですが、設定の際のポイントを踏まえておきましょう。

2-1. KGIを設定する

KGIを決めるには、数値化されており且つ達成可能な目標であることが条件となります。

一般的には、売上高や粗利益、営業利益などを指標にするケースが多いようです。

まずは、チーム内で最終目標のすり合わせをおこないながら、数値に落とし込む期限を決めて、KGIを設定していきましょう。

2-2. KSFを設定する

KGIを設定したら、目標達成のためのプロセスを具体化してKSFの設定をおこないます。

例えば、ECサイトの売上〇%アップというKGIを設定した場合、KSFはSNS運用やWEB広告の出稿などが挙げられます。

KSFを設定する際は、KGIに与える影響が大きく、管理のしやすいものに絞っていくのがポイントです。

2-3. KPIを設定する

KGIとKSFを設定したら、最後にKPIを設定します。

上記のKSFを例に説明すると、「SNS運用」の場合は「SNSからの流入数:○○人」がKPIとなります。

KPIを設定する際は、必ず具体的な数値に落とし込むことが大切です。KPIが設定できたら、チーム内での役割分担や業務の洗い出しなど、KPI達成に向けた行動に移りましょう

3. KPIを設定するメリット

メリット

KPIを設定するメリットは、下記の4つが挙げられます。

  • 個人がすべきことを明確化できる
  • 目標達成のプロセスを可視化できる
  • PDCAを効率よく回すことができる
  • 評価基準の曖昧さを解消できる

ここでは、これらのメリットについて解説していきます。

3-1. 個人がすべきことを明確化できる

KPIを設定すれば、個人がすべきことを明確化できるというメリットを得られます。

最終的なゴールとなるKGIだけ設定しても、目標達成までの道のりがはっきりとイメージできません。しかし、目標達成までの道しるべとなるKPIを設定することにより、一人ひとりの責任やすべきことが明確化されます。

例えば、Web広告事業のKGIとして「月商1,000万円」を設定するケースを考えてみましょう。「月商1,000万円」がKGIだと伝えられても、一人ひとりが具体的に何をすればよいのかが見えてきません。ここで、「ユニークユーザー数を200件増やす」「問い合わせからの成約率を20%改善する」といったKPIを設定すれば、チームメンバーのすべきことが明確化されます。

KPI すべきこと
● ユニークユーザー数を200件増やす
● 問い合わせからの成約率を20%改善する
● Web広告への流入を増やす
● 問い合わせからの動線を見直す

このようにKPIには、KGIの実現に向けて個人の役割分担を明確化し、業務効率を上げる効果も期待できます。

3-2. 目標達成のプロセスを可視化できる

KPIを設定すれば、KGIを達成するための道のりを具体的にイメージしやすくなるので、目標達成のプロセスを可視化できるというのもメリットです。また、目標達成に向けてチームの意識を統一し、結束力を高める効果も期待できます。

KPIの達成率は企業によってまちまちです。例えば、難易度の高いストレッチゴールをKPIとして設定する場合、KPIの達成率は60~70%くらいにとどまります。しかし、チームが一丸となってKPIの達成に向けて協力しあうことで、組織全体のモチベーションアップにもつながります。

3-3. PDCAを効率よく回すことができる

KPIを設定すれば、PDCAを効率よく回せるというメリットもあります。

KGIを達成するためには、KPIで設定した役割分担に沿ってアクションを起こしていなくてはいけません。また、KPIの指標をこまめにチェックし、課題の抽出や改善を図ることも必要です。もし、KPIで設定した指標と実績に大きな乖離がある場合は、KPIの設定自体を見直す必要も出てくるでしょう。

このような一連の流れを繰り返していくことで、効率よくPDCAが回せるようになり、KGIの達成にも近づくことができます。

3-4. 評価基準の曖昧さを解消できる

KPIは、評価基準の曖昧さを解消できるのもメリットです。

数値化された目標設定がない場合、従業員の評価は評価者の裁量に委ねられてしまうため、主観が入りやすくなって評価エラーが起きやすくなります。

しかし、KPIを設定することで、数値化された目標が従業員に与えられるため、実績に沿って適切に評価をおこなうことが可能となります。評価基準も明確になるため、評価エラーも少なくなり、人事評価の公平性を高めることにもつながるのです。

4. KPIを効果的に設定するポイント

KGIとKPI

KPIを設定するときのポイントは、下記の3点が挙げられます。

  • SMARTの法則を活用する
  • KPIの数は最大10個までにする
  • KPIツリーを作成する

KPIはシンプルでわかりやすく、納得感の得られる指標が理想的で、たくさん設定しすぎるとKPIが形骸化する可能性もあるため、ポイントをしっかり押さえて設定してください。

4-1. SMARTの法則を活用する

KPIを設定するときは、SMARTの法則を活用しましょう。

SMARTの法則は目標設定の際に使われるフレームワークですが、KPIを設定するときにも役立ちます。

  • 具体的でわかりやすいKPIを設定する(Specific)
  • 測定可能なKPIを設定する(Measurable)
  • 現実的に達成可能なKPIを設定する(Achievable)
  • 経営目標と関連したKPIを設定する(Relevant)
  • 明確な期限を決めてKPIを設定する(Time-bound)

複雑なKPIを設定しても、チームや個人に理解してもらえないので、わかりやすさや納得感を意識してKPIを考えましょう。

4-2. KPIの数は最大10個までにする

KPIの数が多すぎると、チームや個人のリソースが分散され、KPIを追跡するのが難しくなります。さらに、KGIとKPIの関連性もわかりづらくなるため、KPIの数は最大でも10個までに絞りましょう。

一般的には、1つのKGIに対して3~5個のKPIを設定します。KPIとして設定したい項目が多い場合は、いったん優先順位付けをおこない、本当に重要なものを取捨選択することが大切です。

4-3. KPIツリーを作成する

KPIツリーは、KGIからKPIまでをツリー状の図にして全体のフローを見やすくしたものです。「目標達成のために何が必要なのか」を可視化させて、一目で把握することができます。

KPIツリーを作成しておくと、全体像が見渡せるためチームで役割分担や課題なども共有するのに便利です。また、ボドルネックについても、KPIツリーを活用すれば問題となっている箇所を抽出しやすくなります。

5. KPIの部門別指標の一例

虫眼鏡

ここでは、各部門でどのようなKPIの指標を設定しているのかを紹介します。

KPIを設定する際の一例として、参考にしてみてください。

部門 KPIの指標例
製造部門 生産量、稼働率、不良率、事故発生件数、廃棄率、総合設備効率、事故発生件数
営業部門 顧客単価、成約率、アポイント件数、解約件数、クレーム数
マーケティング部門 新規顧客獲得数、顧客満足度、リピート率、PV数、直帰率
総務・人事部門 新卒応募者数、採用者数、辞退者数、研修コスト、離職率

これらの例のように、部門に特化したKPIを作成することで、よりKGI達成に向けた取り組みをおこなうことができます。

【製造部門のKPIの指標一例】

生産量、稼働率、不良率、事故発生件数、廃棄率、総合設備効率、事故発生件数

【営業部門のKPIの指標一例】

顧客単価、成約率、アポイント件数、解約件数、クレーム数

【マーケティング部門のKPIの指標一例】

新規顧客獲得数、顧客満足度、リピート率、PV数、直帰率

【総務・人事部門のKPIの指標一例】

新卒応募者数、採用者数、辞退者数、研修コスト、離職率

6. KPIを適切に設定して業務効率を高めよう

目標の積み木

KPIは「重要業績評価指標」、KGIは「重要目標達成指標」を表す言葉です。チームや個人にとって、KGIは目指すべきゴールに当たり、KGIの達成に必要な中間目標をいくつか設定したものがKPIです。KPIを追跡することで、KGIの達成に向けた取り組み状況を定量的に評価することができます。

つまり、KPIの設定が、企業にとっての重要目標達成のポイントとなるので、しっかりと意味を把握しておくことが重要です。また、KPIがあることでチームや従業員の業務の方向性があっているかも判断できるので、適切に設定して業務効率のアップにもつなげていきましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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