外国人を雇用する方法とは?手順・メリット・注意点をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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外国人を雇用する方法とは?手順・メリット・注意点をわかりやすく解説

笑顔の人々

人手不足が続くなか、外国人雇用を検討し始めたものの「何から始めればいいかわからない」と悩む人事担当者の方は多いのではないでしょうか。「自社に合う人材が採用できるのか」「手続きを間違えてトラブルにならないか」といった不安から、一歩を踏み出せない企業も少なくありません。

しかし、在留資格の基本と採用の手順さえ押さえれば、外国人材は人手不足を補う心強い戦力になります。

本記事では、外国人雇用の現状から在留資格の種類、募集方法までを初めての方にもわかりやすく解説します。

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1. 外国人の雇用状況

はてな

厚生労働省の調査によると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で、前年比約26.8万人増(11.7%増)と過去最多を更新しました。外国人を雇用する事業所数も37万1,215所と過去最多で、前年から8.5%増加しています。主なデータは次のとおりです。

  • 国籍別:ベトナムが60万5,906人(全体の23.6%)で最多。中国、フィリピンと続き、近年はミャンマーやインドネシアの増加率が高い
  • 業種別:製造業が最多で、全体の24.7%を占める
  • エリア別:東京・愛知・大阪の三大都市圏に集中している

また、外国人を雇用する事業所の6割以上は従業員30人未満の規模であり、外国人雇用は企業規模を問わず広がっているのが現状です。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ (令和7年10月末時点)|厚生労働省

1-1. 技能実習制度が法改正|就労支援制度の創設

外国人雇用をめぐる近年の最も大きな動きが、技能実習制度の廃止と「育成就労制度」の創設です。

2024年6月に改正入管法および育成就労法が成立し、約30年続いた技能実習制度は発展的に解消され、新制度は2027年4月1日に施行されます。技能実習制度は国際貢献を目的としながら、実態は人手不足を補う労働力として運用され、目的と実態の乖離が国内外から指摘されてきました。これに対し育成就労制度のポイントは、次の3つです。

  • 人材の「育成」と「確保」を正面から目的に掲げた制度である
  • 原則3年間で、特定技能1号水準の人材育成を目指す
  • 特定技能への移行を前提とした、中長期のキャリアパスが整備される

企業にとっては、外国人材を長期的な戦力として定着させやすくなる転換点です。

関連記事:育成就労制度とは?2027年4月施行の概要や技能実習・特定技能との違いを解説

参考:育成就労制度|出入国在留管理庁

1-2. 法整備が進み、外国人保護が強化

育成就労制度の創設に代表されるように、近年は外国人労働者を保護し、適正な雇用管理を求める法整備が加速しています。最新の動きが2026年の「外国人雇用管理指針」の改正で、同年6月14日から段階的に適用が始まりました。今回の改正で明記された主なポイントは、次の3つです。

  1. 同一労働同一賃金ガイドラインが外国人労働者にも適用されることが、改めて明確化されたこと
  2. 事業主は、外国人労働者の日本語学習の支援等に努めること
  3. 外国人雇用状況の届出の際に、在留カード読取アプリを活用すること

さらに2026年10月からは、パート・有期雇用の労働者を雇い入れる際、正社員との待遇差の説明を求めることができる旨の明示も義務化され、外国人にも同様に適用されます。国籍を理由に待遇へ差をつけることは許されず、企業には公正な待遇と適正な雇用管理が、求められています。

参考:外国人雇用管理指針改正の主なポイント|厚生労働省

2. 外国人を雇用できる主な在留資格とは

はてなのブロック

外国人が日本に滞在して働くためには、活動内容に応じた「在留資格」が必要です。通称「ビザ」「就労ビザ」とよばれることもありますが、正式には在留資格といいます。在留資格は全部で29種類あり、就労の可否という観点から大きく次の4つに分類できます。

①就労制限のない在留資格(永住者など)

②専門的・技術的な仕事に就ける在留資格(技術・人文知識・国際業務など)

③特定の分野・制度で働ける在留資格(特定技能・技能実習)

④資格外活動許可で働ける在留資格(留学生など)

どの分類に該当するかによって、任せられる業務の範囲や労働時間の上限、雇用時の注意点が大きく異なります。在留資格を確認せずに雇用すると、意図せず不法就労をさせてしまい、企業側が不法就労助長罪に問われるおそれもあるため注意が必要です。

自社が任せたい業務に合った在留資格はどれかをイメージしながら、それぞれの特徴を順に見ていきましょう。

2-1. 就労制限のない在留資格

「身分または地位にもとづく在留資格」とよばれるもので、次の4種類が該当します。

  • 永住者:法務大臣から永住の許可を受けた人
  • 日本人の配偶者等:日本人の配偶者や子など
  • 永住者の配偶者等:永住者の配偶者や子など
  • 定住者:日系人など、法務大臣が特別な理由を考慮して居住を認めた人

これらの在留資格を持つ人は、職種・業種・労働時間に一切の就労制限がありません。日本人と同じように、正社員・パート・アルバイトなど、どのような形態・職種でも雇用できます。単純労働を含めて任せられるため、企業にとって最も受け入れハードルの低い層といえます。

2-2. 専門的・技術的な仕事に就ける在留資格

専門知識やスキルを活かして働くための在留資格で、認められた範囲の業務にのみ従事できます。主なものは次のとおりです。

  • 技術・人文知識・国際業務(通称:技人国):エンジニア、企画・営業・経理などの事務職、通訳・翻訳、デザイナーなど。就労系在留資格のなかで最もメジャーな資格です。
  • 高度専門職:学歴・職歴・年収などをポイント制で評価し、高度人材と認められた人。優遇措置が多く設けられています。
  • 介護:介護福祉士の資格を持ち、介護業務に従事する人
  • 技能:外国料理の調理師、スポーツ指導者など熟練技能を持つ人
  • 企業内転勤:海外の本店・支店から日本の拠点へ転勤する人

このほか「経営・管理」「教育」「医療」なども専門的・技術的分野に含まれます。

2-3. 特定の分野・制度で働ける在留資格

人手不足分野での受け入れを目的とした制度にもとづく在留資格です。

  • 特定技能:介護、外食業、製造業、建設、農業など、人手不足が深刻な特定産業分野で、即戦力として働くための在留資格。1号と2号があり、2号は在留期間の更新に上限がなく家族帯同も可能です。特定技能の外国人労働者数は近年急増しており、外国人雇用の主要ルートになりつつあります。
  • 技能実習:技能移転による国際貢献を目的とした制度にもとづく在留資格。2027年4月からは「育成就労制度」へ移行します。

なお、特定技能は「人材確保」が目的であり、技能実習は「国際貢献」が目的であるため、両者はまったく異なる制度です。ここでは説明の便宜上ひとつの分類にまとめていますが、制度の趣旨や受け入れ企業に求められる対応は大きく異なる点に注意してください。

2-4. 資格外活動許可で働ける在留資格

本来は就労を目的としない在留資格でも、「資格外活動許可」を得ることでアルバイトが可能になります。

  • 留学:日本の大学や日本語学校などで学ぶ留学生
  • 家族滞在:就労資格を持つ外国人の配偶者・子など

資格外活動許可を得た場合でも、労働時間は原則週28時間以内(留学生は教育機関の長期休業期間中は1日8時間・週40時間以内)に制限されます。また、風俗営業関連の業務には従事できません。

コンビニや飲食店などで多くの留学生が働いているのはこの仕組みによるものです。雇用の際は、在留カードとあわせて資格外活動許可の有無を必ず確認し、週28時間を超えて働かせないよう労働時間の管理を徹底しましょう。超過させた場合、外国人本人だけでなく企業側も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

参考:在留資格一覧表|出入国在留管理庁

3. 外国人を募集する方法

増加のグラフ

外国人の募集チャネルは日本人採用と重なる部分もありますが、外国人ならではの効果的なルートも存在します。

代表的な方法は、求人広告・転職エージェント、ハローワーク、外国人向けの専門学校、SNS・外国人コミュニティの4つです。

それぞれ特徴やコストが異なるため、採用したい人材像や予算に応じて複数のチャネルを組み合わせるのがおすすめです。

3-1. 求人広告や転職エージェント

日本人採用と同じ感覚で始めやすいのが、求人広告や転職エージェントの活用です。求人広告には日本人向けの大手求人サイトのほか、多言語対応や在留資格での絞り込みができる外国人特化型サイトもあり、応募数を集めたい場合に向いています。

一方、転職エージェントは、自社の要件に合った人材を紹介してもらえるサービスで、外国人採用に特化して在留資格の手続きまでサポートしてくれる場合もあります。採用単価は求人広告より高めであるものの、初めての外国人雇用でも安心して進められる点が魅力です。

3-2. ハローワーク

ハローワークは無料で求人を掲載できるため、採用コストを抑えたい企業に適した選択肢です。とくに東京・名古屋・大阪・福岡などには外国人の就職支援に特化した「外国人雇用サービスセンター」が設置されており、留学生や専門人材の紹介を受けられます。

外国人求職者が多い地域のハローワークには通訳が配置されているところもあり、地域に住む外国人材との接点をつくれます。求人票は平易な日本語で仕事内容を具体的に書くことを心がけると、応募につながりやすくなります。

参考:通訳がいるハローワークのご紹介|厚生労働省

3-3. 外国人向けの専門学校

外国人留学生が多く在籍する専門学校や日本語学校に、直接求人を出す方法もあります。一定の日本語能力や専門知識を学んだ人材にアプローチでき、学校の就職担当者が間に入るためミスマッチが起こりにくい点がメリットです。

ITエンジニアならIT系専門学校、介護人材なら介護福祉士養成校など、任せたい職種と学校の専門分野を合わせると効果的です。

留学生を採用する場合は、卒業までに在留資格を「留学」から就労資格へ変更する必要があるため、入社スケジュールには余裕を持たせましょう。

3-4. SNS・外国人コミュニティやリファラル採用

SNSや外国人コミュニティ経由のリファラル採用も、外国人採用では非常に効果的なチャネルです。ポイントは国籍ごとに使うSNSを分けることで、ベトナムやネパール、フィリピン出身者にはFacebook、中国出身者にはWeChatなど、国籍によって利用するSNSが異なる場合があります。

厚生労働省の「令和6年外国人雇用実態調査」によると、現在の仕事に就く前から日本に住んでいた外国人労働者の入職経路は、「知人、友人」が35.2%と最も多く、「求人広告(求人情報誌、インターネット)」の19.7%を上回っています。この結果からも、既存の外国人社員に知人や友人を紹介してもらうリファラル採用は、有効な募集方法の一つと考えられます。

参考:「令和6年外国人雇用実態調査」の結果を公表します|厚生労働省

また、外国人住民が多い地域で、外国人のコミュニティにアプローチする方法もあります。江戸川区の公表資料によると、西葛西駅圏内には外国人住民が1万324人おり、そのうちインド人は4,596人です。採用したい人材の国籍や使用言語を踏まえ、自治体の外国人向け窓口や国際交流団体、日本語教室などを通じて求人情報を周知できないか検討するとよいでしょう。

参考:外国人データ|江戸川区

4. 外国人を雇用する際の流れ

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外国人を雇用する際の流れは、次の5ステップです。

  1. 採用予定の職種で就労できる在留資格を確認する
  2. 外国人労働者を募集し選考をおこなう
  3. 在留資格や就労制限を確認して雇用契約を締結する
  4. 必要に応じて在留資格に関する手続きをおこなう
  5. 受け入れ準備および入社後の手続きをおこなう

なお、この章では技能実習や特定技能といった制度独自の受け入れ方法ではなく、一般的な採用活動で外国人を雇用する場合の流れを解説します。

4-1. 採用予定の職種で就労できる在留資格を確認する

最初におこなうべきは、採用したい職種や働き方で就労できる在留資格の確認です。例えば飲食店の短時間アルバイトなら、資格外活動許可を得た留学生でも週28時間以内で働けます。しかし同じ接客でも、フルタイム勤務の正社員として雇うなら、就労制限のない身分系の在留資格や特定技能などが候補になります。

雇用形態や職種といった募集要項次第で、募集できる在留資格の範囲は大きく変わります。募集を始める前に自社の条件を整理し、どの在留資格の人材が対象になるのかを明確にしておきましょう。

4-2. 外国人労働者を募集し選考をおこなう

次に外国人労働者を募集し、選考をおこないます。複数の募集方法を組み合わせて、計画的に募集活動をおこないましょう。

  • 自社のホームページに掲載する
  • SNSで募集をおこなう
  • ハローワークなど公的機関を利用する
  • 教育機関の求人情報に掲載する
  • 新卒・転職求人サイトに掲載する
  • 人材紹介会社を利用する

選考をおこなう際は、応募者の日本語レベルのみで判断しないことが大切です。仮に日本語レベルが高かったとしても、業務の適性があるとは限らないためです。

今までの経験や応募者の性格、仕事に対する考え方などを入念にヒアリングすることで、入社後のミスマッチを防げます。

4-3. 在留資格や就労制限を確認して雇用契約を締結する

在留カードの原本で在留資格・在留期限・就労制限の有無を確認したうえで、雇用契約書を作成します。雇用契約書の作成方法は、日本人労働者と基本的に同様です。

ただし可能であれば、日本語の雇用契約書に加えて、雇用する外国人の母国語に翻訳した契約書もあわせて作成するとよいでしょう。

契約内容の誤解は採用後のトラブルの大きな原因になるため、本人が確実に理解できる形で締結することが、リスク低減につながります。内定を出したら、雇用契約書を作成します。雇用契約書の作成方法は、日本人労働者と基本的には同様です。

もし可能であれば、日本語の雇用契約書に加え、雇用する外国人の母国語に翻訳した分の雇用契約書も作成するとよいでしょう。これにより、採用後のトラブルが起きる確率を低減できるためです。

4-4. 必要に応じて在留資格に関する手続きをおこなう

在留資格に関する手続きは、採用する人の状況によって異なります。すでに就労可能な在留資格を持ち、業務内容もその範囲内であれば、手続きは必須ではありません。手続きが必要になる主なケースは次のとおりです。

  • 海外から呼び寄せる場合:「在留資格認定証明書」の交付申請
  • 留学生を新卒採用する場合:「留学」から就労可能な在留資格への変更許可申請

在留資格の申請は原則として外国人本人がおこなうものですが、本人が手続きをすべて理解しているとは限りません。審査には数ヵ月かかる場合もあるため、入社日から逆算し、必要に応じて企業側もサポートすることをおすすめします。次に採用した外国人労働者に、就労ビザの申請手続きをおこなってもらいましょう。

就労ビザの申請は原則として、外国人労働者本人がおこなうものです。ただし、外国人労働者が手続き方法をすべて理解しているとは限りませんし、不安もあることでしょう。必要に応じてサポートすることをおすすめします。

4-5. 受け入れ準備および入社後の手続きをおこなう

最後に外国人労働者を受け入れる準備および入社後の必要手続きをおこないましょう。受け入れ準備には、次のようなものがあります。

  • 教育・研修カリキュラムの作成
  • 環境・備品整備(デスクやパソコン、ロッカー、社員証、制服など)
  • 住居(社宅)の手配
  • 引っ越しやスマートフォンの契約、銀行口座開設など生活面のサポート
  • 教育・研修カリキュラムの作成
  • 環境・備品整備(デスクやパソコン、ロッカー、社員証、制服など)
  • 住居(社宅)の手配

参考:外国人雇用状況の届出について|厚生労働省

5. 外国人を雇用する際の注意点

面談する

外国人雇用は日本人の採用と共通する部分も多い一方、外国人ならではの手続きや配慮を怠るとトラブルにつながるおそれがあります。

届出などの労務手続きや在留資格の確認は法令に関わるため、漏れがあると企業側が罰則を受ける可能性もある重要なポイントです。

日本語レベルの見極めや、差別のない公正な待遇、価値観・文化の違いへの理解といった受け入れ側の姿勢も、採用後の定着を大きく左右します。ここでは、外国人を雇用する際に押さえておきたい注意点を、手続き面と受け入れ体制面の両方から解説します。

 5-1.  外国人ならではの労務手続きを漏れなく対応する

外国人を雇用する際は、日本人の採用にはない手続きが発生します。代表的なのが「外国人雇用状況の届出」で、雇入れ時と離職時にハローワークへの届出がすべての事業主に義務付けられており、怠ると罰則の対象になります。2026年6月からは、届出の際に出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリ」を活用することが指針上も明記されました。

雇用契約書は本人が確実に理解できるよう、母国語や平易な日本語を併記した書面で交わすことがトラブル防止につながります。どのような書類がいつ必要になるかを事前に整理し、漏れのない受け入れ準備を進めましょう。

関連記事:外国人を雇用する際に必要な書類は?注意点や確認するポイントを解説

関連記事:外国人雇用状況の届出とは?対象者・様式・届出期限・罰則・2026年改正のポイントを解説をわかりやすく解説

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実務で意外と知られていないのが、雇用保険に加入する外国人は、被保険者資格取得届に在留資格などを記載して提出すれば、外国人雇用状況の届出を兼ねられるという点です。一方、雇用保険に加入しない短時間アルバイトなどは別途届出が必要になるため、こちらのほうが漏れやすく注意が必要です。

在留期限の管理は本人任せにせず、企業側でも一覧化して更新時期の3ヵ月前に確認する仕組みを作っておくと安心です。労働条件通知書はやさしい日本語と母国語を併記し、口頭でも説明する運用をおすすめします。

解説:社会保険労務士

5-2. 在留資格の確認・有効期限の確認を怠らない

外国人を採用する際は、在留カードで在留資格の種類と有効期限を必ず確認しましょう。就労が認められない在留資格の人や在留期限が切れた人を働かせると、不法就労にあたり、企業側も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

近年は在留カードの偽造も多いため、出入国在留管理庁が提供する読み取りアプリなどを活用し、カードの真偽を確認することが推奨されています。

確認は雇用時の1回で終わりにせず、在留期限の更新状況を定期的にチェックする体制を整えておくことが大切です。

参考:外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください|厚生労働省

5-3. 日本語レベルを確認しておく

採用する外国人の日本語レベルも、選考の段階で必ず確認しましょう。優秀な技術やスキルを持っていても、コミュニケーションが不十分だと業務上のすれ違いや予期せぬトラブルにつながりかねません。

目安としては、N1〜N5の5段階で認定される「日本語能力試験(JLPT)」のレベルが広く使われています。ただしJLPTは読解・聴解中心の試験のため、得点が高くても会話が苦手な人もいます。

読み書きと会話のどちらがどの程度必要な仕事なのかを明確にしたうえで募集・選考をおこない、面接では実際の会話力を確認することが大切です。

参考:N1〜N5:認定の目安|日本語能力試験

5-4. 国籍や人種などによる差別はしない

当然ながら、外国人だからといって差別的な扱いをしてはいけません。労働基準法では国籍を理由とした賃金や労働条件の差別的取り扱いが禁止されており、給与を日本人より不当に低く設定するのは違法です。

職業安定法の趣旨により、求人募集で「◯◯人歓迎」など特定の国籍・人種を選別する書き方も原則として認められません。

最低賃金や社会保険・労働保険の加入義務、労災の適用なども日本人と同様であり、外国人にも各種法令がそのまま適用されます。

同一労働同一賃金のルールも国籍を問わずもともと適用対象ですが、2026年6月の外国人雇用管理指針の改正で、同一労働同一賃金ガイドラインが外国人労働者にも適用されることが改めて明確化されました。

「外国人だから」という理由で条件を変えないことが大原則です。

5-5. 価値観や文化の違いを確認しておく

外国人を採用する際は、価値観や文化の違いについてもあらかじめ理解しておきましょう。例えば宗教上の理由で勤務中にお祈りの時間が必要だったり、食べられないものがあったりする場合があります。

時間の感覚が日本ほど厳密でない国や、契約にない残業はせず定時できっちり帰ることが当たり前という国も多く、勤務態度の違いとして表面化しがちです。

こうした違いを「常識がない」と捉えるのではなく、事前にルールをすり合わせ、受け入れる側も歩み寄ることが、外国人材に気持ちよく長く働いてもらうためのポイントです。

6. 外国人を雇用した際に受給できる助成金

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外国人労働者を雇用した際に受給できる代表的な助成金として「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」があります。

外国人が働きやすい職場環境を整備した事業主に支給される制度で、整備措置ひとつの導入につき20万円、最大4つで上限80万円まで受給できます。具体的な受給条件はこちらのとおりです。

  1. 外国人労働者を雇用している企業である
  2. 認定を受けた就労環境整備計画にもとづき、外国人労働者に対する就労環境整備措置を新たに導入し、外国人労働者に対して実施している
  3. 計画期間終了後の離職率算定期間における外国人労働者の離職率が原則15%以下であること

ちなみに、上記2番の「就労環境整備措置」は、次に掲げる1および2の措置に加え、3〜5のいずれかを選択する必要があります。

  1. 雇用労務責任者の選任
  2. 就業規則などの社内規程の多言語化
  3. 苦情・相談体制の整備
  4. 一時帰国のための休暇制度の整備
  5. 社内マニュアル・標識類などの多言語化

制度は令和8年4月1日付けで支給要領が改正され、申請様式の更新に加えて実務に影響する変更が複数加えられました。

この改正により、これまで小規模な個人経営の事業者などが申請しにくかった要件が見直され、より幅広い事業主が活用しやすくなっています。

ただし、令和8年3月31日以前に就労環境整備計画を提出済みの場合は従前(令和7年度)の規定が適用されるため、申請時期によって取扱いが異なる点に注意が必要です。

助成金の詳細は、厚生労働省が公表しているこちらのページより確認できます。

参考:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省

7. 外国人を雇用する方法を正しく理解して労働環境を充実させよう

笑顔の男性

日本で働く外国人労働者は257万人を超え、外国人雇用はもはや特別な取り組みではなく、人手不足時代の有力な選択肢となっています。

外国人を雇用する際は、まず自社の職種で就労できる在留資格を確認し、条件に合ったチャネルで募集・選考を進めることが大切です。

在留カードの確認や各種届出といった手続きを漏れなくおこない、日本語レベルや文化の違いにも配慮した受け入れ体制を整えましょう。助成金なども活用しながら働きやすい労働環境を充実させることが、外国人材の定着と自社の成長につながります。

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