外国人雇用状況の届出とは?対象者・様式・届出期限・罰則・2026年改正のポイントを解説をわかりやすく解説
更新日: 2026.8.31 公開日: 2025.6.8 jinjer Blog 編集部

外国人労働者を雇用する場合、どのような届出をすればいいのかと悩みを抱く経営者や人事担当者もいるのではないでしょうか。
2026年6月14日には外国人雇用管理指針が改正され、在留カードの確認方法や同一労働同一賃金、日本語学習の支援など、外国人を雇用する企業に求められる対応がより明確になります。
本記事では、外国人雇用状況の届出について、対象者や届出方法、使用する様式、提出期限、罰則を解説するとともに、2026年改正のポイントをわかりやすく紹介します。
入社手続きは確実に対応する必要がありますが、社会保険の資格取得手続きや雇用契約の締結など対応しなくてはならない項目が多く、漏れや遅れが発生してしまうこともあるのではないでしょうか。
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1. 外国人雇用状況の届出の対象者とは


「外国人雇用状況の届出」とは、事業主が外国人を雇入れるときと、雇用していた外国人が離職する際におこなう届出義務です。外国人雇用状況の届出で得られた情報は、外国人の雇用環境の改善のための助言や指導、再就職支援などに活用されます。
外国人雇用状況の届出は、労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)により、すべての事業主に届出が義務付けられており、厚生労働省では、年に1度、外国人雇用状況の届出状況をとりまとめて公表しています。
当制度の施行日前(2007年9月30日以前)から継続的に雇用している外国人に対しても届出が必要です。
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等 に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号) 抜粋 (外国人雇用状況の届出等) 第二十八条(抄) 事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合に は、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格、在留期間その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない
1-1. 雇用保険の被保険者となる外国人の場合
外国人雇用状況の届出は、雇用する外国人が、雇用保険の被保険者となるかどうかによって、提出する様式が変わります。
外国人労働者が雇用保険の被保険者となる場合は、日本人労働者と同様に「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出します。この様式を提出することで、外国人雇用状況の届出をおこなったとみなされます。
雇用していた外国人労働者が離職する際も、日本人労働者と同様に「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。雇入れ時と同様にこの様式の提出をもって、外国人雇用状況の届出をおこなったこととみなされます。
◆届出期限
- 雇い入れの場合は翌月10日まで
- 離職の場合は翌日から起算して10日以内
日本人労働者の雇用保険被保険者資格取得届または雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限と同様の届出期限です。
◆様式(ハローワークインターネットサービスで取得可能です)
1-2. 雇用保険の被保険者とならない外国人の場合
外国人労働者が、雇用保険の被保険者とならない場合、「外国人雇用状況届出書」を提出します。雇入れ時だけでなく、離職したときも同様の様式で届出が必要です。
◆届出期限
雇入れ時、離職時ともに「翌月末日」まで
雇用保険に加入する外国人を雇うときと比べると、雇用保険未加入者の場合は提出期限にゆとりがあります。しかし、外国人を雇入れ前後は業務のフォローや確認事項が増える場合もあるため、早めの提出を心がけましょう。
◆様式
なお、外国人の雇用保険手続きをより詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:外国人を雇用する際も保険加入は必要?手続き方法や注意点を解説
1-3. 届出の対象外となる外国人
原則、外国人を雇用する場合は届出が必要ですが、次のいずれかに該当する場合は、外国人雇用状況の届出は必要ありません。
- 在留資格が「外交」または「公用」の場合
- 特別永住者である場合
特別永住者は、特別の法的地位が与えられているため、日本での活動内容に制限がないため届出が不要とされています。
なお、雇用保険の被保険者となる場合は、外国人雇用状況の届出とは関係なく「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。
2. 外国人雇用状況の届出が必要な理由


外国人雇用状況の届出は、外国人労働者の雇用実態を正確に把握するために義務化されています。厚生労働省は、外国人労働者の人数や国籍、業種などのデータを毎年集計・公表しており、集められた情報は外国人の労働環境の整備や人材政策に関する課題の分析・解決に活用される重要なものです。
外国人労働者を受け入れる際、言語や文化の違いから対応に悩む企業もあるでしょう。。外国人雇用状況の届出で集められたデータをもとに、国からの助言や指導を受けられるメリットもあるため、必ず提出しましょう。
2-1. 届出制度は外国人労働者の雇用管理改善につながる
外国人雇用状況の届出制度は、外国人労働者の雇入れや離職を国へ報告するだけでなく、企業の雇用管理を見直すきっかけにもなります。届出を行う際には、在留カードなどによって氏名、在留資格、在留期間、資格外活動許可の有無などを確認する必要があるため、不法就労の防止につながります。
また、外国人労働者が安心して働くためには、社会保険・労働保険への適切な加入、職場内での相談体制の整備なども必要です。届出をきっかけに、これらの対応が十分に行われているかを確認しましょう。
外国人労働者の情報を正確に把握し、届出後も継続して支援や管理を行うことで、職場への定着やトラブルの防止が期待できます。届出制度をただの手続きとして終わらせず、雇用管理を改善するための仕組みとして利用することで雇用管理の改善につながります。
3. 外国人雇用状況の届出の記入方法


社会保険や労働保険など、通常の入社手続きと同様に、外国人雇用状況の届出も、様式に沿って記入をおこなう必要があります。この章では、記入項目と記入方法を解説します。
3-1. 雇用保険に加入する外国人を雇入れる場合
雇用保険に加入する場合は「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
◆様式
雇用保険被保険者資格取得届
◆雇用保険に加入する外国人を雇入れるときの届出事項
①氏名
②在留資格
③在留期間
④生年月日
⑤性別
⑥国籍・地域
⑦資格外活動許可の有無
⑧在留カード番号
⑨雇入れに係る事業所の名称及び所在地など、取得届に記載が必要な事項
在留資格「特定技能」の場合は分野、「特定活動」の場合は活動類型を含みます。
なお、外国人雇用状況の届出とは別に、特定技能外国人を受け入れる特定技能所属機関には、出入国在留管理庁への定期届出などが義務付けられています。
「雇用保険被保険者資格取得届」の17~23番が、外国人の国籍や在留資格を記入する欄となっています。
「17.被保険者氏名(ローマ字)」欄は、 届出される外国人の氏名を在留カードを参照しながら記入しましょう。「19.在留資格」欄は、在留カードに記載された在留資格か、パスポートの上陸許可証印に記載されたとおりの内容を記入します。
なお、在留資格が「特定技能」または「特定活動」の場合は、次の図、右下の黄色い枠内から該当するものを選び、記入しましょう。
3-2. 雇用保険に加入する外国人が離職する場合
雇用保険に加入する場合は「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。
◆様式
雇用保険被保険者資格喪失届
◆雇用保険に加入する外国人が離職するときの届出事項
①氏名
②在留資格
③在留期間
④生年月日
⑤性別
⑥国籍・地域
⑦在留カード番号
⑧離職に係る事業所の名称及び所在地など、喪失届に記載が必要な事項
表面に外国人被保険者の住所または居所を記入し、裏面の14~19番に在留資格など記入します。
3-3. 雇用保険に加入しない外国人の雇入れ・離職の場合
外国人が雇用保険に加入しない場合は、雇入れと離職時に同じ様式を用いて届出をおこないます。利用するのは「外国人雇用状況届出書」で、様式はハローワークの窓口や厚生労働省ホームページからダウンロードができます。
◆様式
外国人雇用状況届出書
◆届出事項
①氏名
②在留資格
③在留期間
④生年月日
⑤性別
⑥国籍・地域
⑦資格外活動許可の有無
⑧在留カード番号
⑨雇入れ又は離職年月日
⑩雇入れ又は離職に係る事業所の名称、所在地等
様式に沿って外国人の氏名や国籍・地域などを記入します。在留資格や在留期間などを記入するために、あらかじめ在留カード・パスポート・資格外活動許可証などを外国人から提示してもらいましょう。
参考:外国人雇用状況届出書
4. 外国人雇用状況の届出の提出方法・期限・届出先


ここまで外国人雇用状況の届出は雇用保険の被保険者かどうか、雇入れ時か離職時かなどによって、利用する様式や届け出期限が異なることを解説しました。それらをすぐに確認できるよう、一覧表でまとめたので手続きをする際の参考にしてください。
4-1. 提出方法・期限・届出先
| 雇用保険の加入有無 | 雇入れ時 | 離職時 |
| 外国人が雇用保険の被保険者となる |
|
|
| 外国人が雇用保険の被保険者とならない |
|
|
4-2. 電子申請の方法
外国人雇用状況の届出は、ハローワークインターネットサービスの「外国人雇用状況届出システム」をとおして電子申請が可能です。
ただし、過去に一度でも雇用保険被保険者資格取得届や喪失届、外国人雇用状況の届出の届出様式を用いてハローワークに届け出たことがある事業主は、インターネット上からユーザーIDやパスワードを取得できません。事業所を管轄する最寄りのハローワークに問い合わせをおこないましょう。
外国人雇用状況届出システムの使い方は、厚生労働省のリーフレットをご覧ください。
参考:外国人雇用状況届出書(様式第3号)による届出はインターネットで登録できます|厚生労働省
なお、雇入れる外国人が雇用保険被保険者の場合は、日本人と同様に雇用保険資格取得届を「e-Gov」 から電子申請ができます。
5. 外国人雇用状況の届出に関する罰則


外国人雇用状況の届出をしなかった場合や、虚偽の届出をした場合は、30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。外国人を雇い入れたときだけでなく、離職したときにも届出が必要なため、手続きの漏れに注意しましょう。
事業主は、外国人本人からの申告だけで届出事項を判断するのではなく、在留カードや旅券などの提示を求め、氏名、在留資格、在留期間、資格外活動許可の有無などを確認することが重要です。確認した内容を適切に記録し、雇入れ時と離職時に漏れなく届け出られるよう、社内の管理体制を整えておきましょう。
6. 外国人雇用に関して、2026年に確認しておきたいポイント


外国人雇用管理指針が改正され、2026年6月14日から適用されています。企業は改正内容を確認しましょう。また、2027年にスタートする「育成就労制度」の実務上の注意点もあわせて押さえておくことが重要です。
6-1. 同一労働同一賃金ガイドラインの適用に留意する
改正後の外国人雇用管理指針では、外国人労働者についても同一労働同一賃金ガイドラインが適用されることに留意するよう明記されました。この改正同一労働同一賃金ガイドラインが、2026年10月1日から適用されます。改正後は、正社員と契約社員、パート・アルバイトなどとの待遇差について、待遇の目的や性質に照らして判断することがより明確に求められます。外国人労働者にも適用されているので留意しましょう。
企業は、賃金だけでなく、福利厚生や教育訓練制度を点検し、待遇差がある場合は、その理由を説明できるようにしておかなければなりません。日本人労働者と外国人労働者との間に不合理な待遇差がある場合は、是正が必要です。
関連記事:同一労働同一賃金とは?法改正の背景・目的や不合理な待遇差の禁止についてわかりやすく解説
6-2. 外国人労働者の日本語学習支援等に努める
改正外国人雇用管理指針には、企業が外国人労働者の日本語能力の向上に必要な支援を行うよう努めることが明記されました。具体的な支援の方法は次のとおりです。
- 日本語教育を受ける機会に関する情報提供
- 日本語学習のための時間や費用への配慮
- 職場で使用する専門用語や業務上必要な日本語の習得支援
外国人労働者が業務内容や安全衛生上の指示を正しく理解できるよう、分かりやすい日本語や多言語資料を活用することも重要です。
6-3. 外国人雇用状況届出時は在留カード等読取アプリを活用する
外国人労働者を雇い入れる場合、または、外国人労働者が離職した場合には、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、外国人雇用状況を届け出なければなりません。
2026年6月14日からは、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した特定在留カードの交付が始まっています。届出事項を正確に確認し、偽造・変造された在留カードによる不法就労を防止するため、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」を活用しましょう。
「在留カード等読取アプリケーション」とは、在留カード等のICチップ内に保存されている情報を読み取ることができるアプリのことです。読み取った情報と券面の情報から在留カードが偽造されたものか確認できるので不法就労の防止につながります。
参考:在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ|出入国在留管理庁
6-4. 育成就労制度の施行に向けて準備する
2027年4月から「育成就労制度」がスタートします。2026年のうちに育成就労制度への準備を進めましょう。企業は制度変更の内容を確認し、外国人労働者の受け入れ体制を整えましょう。
育成就労制度とは、現在の技能実習制度に代わって、外国人を日本で働きながら育成し、将来的に「特定技能1号」へ移行してもらうことを目的とする制度です。従来の技能実習制度は「国際貢献・技能移転」を目的としていましたが、育成就労制度では、実態に合わせて人材育成と人材確保を正面から目的に掲げている点が大きな違いです。
参考:外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針
7. 外国人雇用状況の届出に関するQ&A


外国人の雇用をおこなう際、実務対応での疑問点もあるでしょう。この章では外国人雇用状況の届出に関する、よくある質問を紹介しますのでご覧ください。
7-1. 氏名や言語から外国人と判断できなかった場合はどうする?
外国人によっては、氏名やその方の話す言語から、外国人と判断しにくい場合もあります。その際、通常の注意を払っても外国人であると判断できなかった場合は、確認や届け出をしなかったからといって、法違反を問われることはありません。ただし、外国人であることが判明した場合は、速やかに在留カードなどを確認し、管轄のハローワークに対応を相談しましょう。
厚生労働省では、「通常の注意力をもって、雇入れようとする人が外国人であると判断できる場合」に、在留資格の確認をおこなうよう定めています。
7-2. 外国人であることを知りながら届け出なかったら罰則の対象になる?
厚生労働省は、「容易に判断できるのに届け出なかった場合」は指導や勧告の対象となる可能性があります。指導や勧告の対象となり、また、外国人の雇入れ・離職に関する届出をしなかった場合や、虚偽の届出をした場合は、労働施策総合推進法により30万円以下の罰金に処される可能性があります。
7-3. 短期アルバイト・外国人留学生のアルバイトも雇用状況の届出は必要?
短期間のアルバイトや外国人留学生がおこなうアルバイトも、外国人雇用状況の届出の対象です。短期アルバイトの場合、雇入れ日と離職日の双方を記入して、まとめて届出をおこないましょう。
また、外国人留学生の場合は、「資格外活動許可」を得ていることもあわせて確認します。資格外活動許可とは、本来就労が認められていない留学生に対して、就労を認めるものです。なお、資格外活動許可を受けていても、就労時間や従事できる業務には制限があります。
7-4. 届出期間内に同じ外国人を複数回雇入れたらどうする?
届出期間内に、同じ外国人を何度も雇入れるケースもあるでしょう。その場合、複数回分の雇入れと離職日を届出様式にまとめて記入して提出できます。ただし、雇用保険の被保険者となる外国人については、通常の労働者と同様、個人ごとに雇用保険被保険者資格取得届や資格喪失届によって手続きをおこないます。
8. 外国人雇用状況の届出について正しく理解しよう


外国人雇用状況の届出は、外国人の雇い入れ時・離職時に提出する義務があります。雇用保険の被保険者かどうかによって、利用する様式と提出期限が異なるため、確認した上で正しく手続きをおこないましょう。
また、2026年6月14日に外国人雇用管理指針が改正されています。外国人労働者に対する日本語学習支援などの内容が追加・見直しされています。改正のポイントを把握し、外国人労働者が安心して働ける職場環境の整備に努めましょう。
外国人採用では、外国人雇用状況の届出以外にも、社会保険や労働保険の加入手続きで迷う場面が多いかもしれません。外国人を雇入れる際の必要書類や雇用契約の基本について関連記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:外国人を雇用する際に必要な書類は?注意点や確認するポイントを解説
関連記事:外国人の雇用契約書の作成における注意点とは?テンプレートを交えて解説!



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