KPI管理シートとは?作成方法や活用のポイントを解説
更新日: 2024.11.20
公開日: 2023.3.10
OHSUGI
KPI(Key Performance Indicator)を管理するときに役に立つのが、KPI管理シートです。KPI管理シートは、記入欄を埋めていくだけでKPIの管理ができる仕組みになっています。KPIツリーと同様に、KPIの管理を効率化するためのツールとして使われます。本記事では、KPIの管理方法がわからない人向けに、KPI管理シートの重要性や作成方法、活用するときのポイントを解説します。
人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。
しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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1. KPI管理シートとは?
KPI管理シートは、KPIの運用に必要な情報を1枚のページにまとめ、一元管理するためのツールです。KPI管理シートのフォーマットはとくに決まっていませんが、以下の7つの項目を記載することが一般的です。
KPI | 企業のゴールを目指すために必要な数値目標(重要目標達成指標) |
KPIの達成に必要なタスク | KPIを構成する要素を分解し、必要なタスクを洗い出したもの |
担当者 | タスクを担当する従業員の氏名 |
成果物の場所 | 成果物を納品する場所やリンク |
ToDoリスト | タスクを遂行するための作業リスト |
進捗状況 | タスクの進捗状況 |
振り返り | 管理者からのフィードバック |
KPIに関する情報がKPI管理シートに集約されるため、KPIの運用を効率化することが可能です。また、マーケティング組織を立ち上げたばかりの企業が、KPIの運用に必要な情報を集めるためにKPI管理シートを導入するケースもあります。KPIをツリー状に網羅したKPIツリーと並んで、KPI管理シートはKPIを運用するうえで欠かせないツールとなっています。
2. KPI管理シートの重要性
なぜKPI管理シートを作成する必要があるのでしょうか。KPI管理シートを作成するメリットは2つあります。
- KPIの達成に必要なタスクを可視化できる
- 情報共有を効率化できる
2-1. KPIの達成に必要なタスクを可視化できる
KPI管理シートには、設定したKPIや、KPIの達成に必要なタスクを網羅的に記入していきます。タスクの難易度が高い場合はToDoリストを記入し、タスクの細分化(ブレイクダウン)をおこないます。
KPI管理シートを作成すれば、取り組むべきタスクの一覧を可視化することが可能です。また、KPI管理シートにタスクの進捗状況を記入することで、進捗が遅れたタスクを発見し、すばやくフォローできます。
2-2. 情報共有を効率化できる
KPI管理シートには、KPIの管理に必要な情報が集約されています。必要な資料を探す手間がなくなるため、情報共有を効率化することが可能です。
また、KPI管理シートをExcelなどのオフィスソフトで作成すれば、オンラインでファイルを共有できます。テレワークやリモートワークを導入している企業でも、オフィスワークと同様にKPIを運用することが可能です。
3. KPI管理シートの作成方法
KPI管理シートを作成する手順は、4つのフェーズに分けられます。
- KPI管理シートのテンプレートを作成する
- KPIを設定する
- KPIの実現に必要なタスクを整理する
- タスクの性質に合わせて担当者を決める
3-1. KPI管理シートのテンプレートを作成する
まずはExcelなどのオフィスソフトを使用し、KPI管理シートのテンプレートを作成しましょう。KPI管理シートを紙ベースで作成する企業も存在しますが、ほかの従業員と情報共有しづらく、テレワークやリモートワークに対応できない点がデメリットです。
KPI管理シートに必要な項目はそれほど多くないため、Excelの操作に慣れた人なら、短時間でテンプレートを作成できます。人事管理システムによっては、KPI管理シートを作成する機能が用意されている場合があります。
3-2. KPIを設定する
次にKPIを設定します。KPIには、企業が目指すべきゴール(=KGI)の中間目標としての役割があります。1つのKGIに対して、3~5個のKPIを設定することが一般的です。KPIの設定方法がわからない場合は、KPIツリーなどのほかのフレームワークも併用しましょう。
3-3. KPIの実現に必要なタスクを整理する
KPIを設定したら、KPIを実現するために必要なタスクを洗い出します。
たとえば、Webマーケティングにおいて、コンバージョン率をKPIに設定する場合を考えてみましょう。コンバージョン率を改善するためのタスクとして、ランディングページ(LP)のデザイン向上や、サイト導線の改善、キャンペーンの強化などの施策が挙げられます。
必要なタスクを整理することで、一人ひとりが具体的に何をすればよいのかが明確化され、生産性の向上につながります。
KPI | KPIの達成に必要なタスク |
コンバージョン率◯%アップ | ランディングページ(LP)のデザイン向上 |
サイト導線の改善 | |
キャンペーンの強化 |
3-4. タスクの性質に合わせて担当者を決める
KPIの実現に必要なタスクを洗い出したら、タスクの性質に合わせて担当者を割り振ります。タスクの進捗状況の確認や、担当者が困ったときのフォローのため、作成したKPI管理シートは必ずチーム内で共有しましょう。
KPI | KPIの達成に必要なタスク | 担当者 |
コンバージョン率◯%アップ | ランディングページ(LP)のデザイン向上 | ▲▲ |
サイト導線の改善 | ▲▲ | |
キャンペーンの強化 | ▲▲ |
4. KPI管理シートを活用するときのポイント
KPI管理シートを活用するときのポイントは3つあります。
- 無料のテンプレートを活用する
- KPI管理シートを共有する仕組みをつくる
- KPIの達成率を集計する
4-1. 無料のテンプレートを活用する
業種によっては、KPI管理シートのテンプレートが無料で公開されている場合があります。他社のテンプレートをたたき台として、自社独自の項目を追加していくことで、効率よくKPI管理シートを作成できます。
4-2. KPI管理シートを共有する仕組みをつくる
KPI管理シートは、チームで共有して目標やタスク管理していく必要があります。そのために、チーム内の関係者がKPI管理シートにアクセスできる仕組みを作ることが望ましいです。
例えば、クラウド上にKPI管理シートのテンプレートを設定しておけば、外出先からでもアクセスして作業できるようになるでしょう。
このように共有する仕組みを作ることで、互いにタスクの進捗状況を確認できるようになり、必要に応じてフォローに入れるため、KPIの達成がしやすくなるでしょう。
4-3. KPIの達成率を集計する
KPI管理シートを集計し、毎月KPIをどのくらい達成できたかを分析しましょう。KPIの達成率は、簡単な計算で求められます。たとえば「見込み顧客を200人獲得する」をKPIとして設定した場合を考えてみましょう。
目標数200人に対し、150人しか獲得できなかった場合、KPIの達成率は150人÷200人×100=75%です。
KPIの達成率=目標÷実績×100
KPIの達成率を毎月集計することで、ボトルネックとなっているタスクを発見し、すばやく改善できます。
5. KPI管理シートの重要性を知り、目標設定を見直そう
KPI管理シートは、KPIの管理や運用を効率化するためのツールです。KPIのほかにも、KPIの達成に必要なアクション、ToDoリスト、進捗状況、振り返りなどの記入欄が設けられています。
KPI管理シートの記入欄を埋めていくだけで、簡単にKPIを管理できるのがKPI管理シートのメリットです。KPI管理シートのテンプレートを作成すれば、経営戦略に関するKPIだけでなく、チームや個人の目標設定にも活用できます。KPIの運用が初めての人は、KPI管理シートの作成を検討しましょう。
人事評価は、従業員のモチベーションや生産性に直結するため、正しく制度化され運用されていることが欠かせません。労働人口の減少が問題視される昨今では、優秀な人材を採用し定着させること、従業員エンゲージメントを高めることが、企業の成長に繋がるためです。
しかしながら「工数がかかる割には、人事評価をうまく制度化できていない」「制度自体はあるけれど、評価結果を活かせていない」」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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