産休はいつから?産前産後休業の期間や計算方法・出産手当金の基本を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

産休はいつから?産前産後休業の期間や計算方法・出産手当金の基本を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

産休はいつから?産前産後休業の期間や計算方法・出産手当金の基本を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

産休はいつから?産前産後休業の期間や計算方法・出産手当金の基本を解説

よろこぶ父親

従業員から「産休はいつから取得できますか?」と質問されたとき、説明できるよう準備しておくことが大切です。労働基準法第65条に定められた産前産後休業は、開始日の計算、多胎妊娠の特例、社会保険料の免除、各種手当の申請など、実務で押さえるべき情報は多岐にわたります。

本記事では、会社が円滑な労務管理をおこない、従業員が安心して出産に臨めるように必要な知識を解説します。

育児・介護休業の対応、もう迷わない! すべてがわかる【実務担当者向けルールブック】

育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。

◆この資料でわかること

  • 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
  • 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
  • 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
  • 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要

2025年10月施行の改正内容も詳しく解説しています。「このケース、どう対応すれば?」といった実務のお悩みをお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 産休の期間はいつからいつまで?

考えるお母さん

産休とは、産前休業と産後休業のことで、それぞれ取得期間が労働基準法によって明確に定められています。はじめに産休の期間を一覧表で確認しましょう。

 

期間

目的

産前休業

出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得可能

出産に備えるための期間

産後休業

出産翌日から8週間まで

産後の体を回復させるための期間

なお、厚生労働省の提供する産休期間自動計算ツールを使用すると、出産予定日や出生日を入力することで自動的に期間を計算することができます。

参考:産休・育休はいつから? 産前・産後休業、育児休業の自動計算|厚生労働省

1-1. 産前休業は出産前6週間(多胎の場合は14週間)

産前休業は、産前の6週間前(多胎の場合は14週間前)が開始日となります。産前休業開始以降、出産日までの期間内に、従業員が休業を請求することで、会社はその女性を働かせてはならないと規定されています。産前休業は労働者からの請求にもとづく制度であり、本人が希望しない場合には出産直前まで働き続ける選択も可能です。

例えば、出産予定日が2026年3月31日の場合、産前休業を請求できる期間は2026年2月18日(出産予定日の6週間前)以降となります。従業員が2026年2月18日以降の産前休業を請求した場合、その期間に就業させられません。

多胎妊娠の場合には体への負担が大きいため、特例的に14週間前から休業取得を請求できます。

1-2. 産後休業は出産翌日から8週間

産後休業とは、出産直後の女性が体を回復させるために取得する休業期間です。出産日の翌日から起算して8週間(出産日の翌日を1日目としてカウント)は、原則として女性を働かせてはならないと法律で定められています。

この8週間は母体保護の観点から強制的な休業期間であり、本人の意思に関わらず就業は禁止されます。ただし例外として、産後6週間を経過した段階で、従業員が就業を希望し医師が支障ないと認めた場合に限り、6週間経過後から8週間までの間に就業することが認められます。

1-3. 出産予定日の前または後に生まれた場合

出産予定日と実際の出産日は、必ずしも同じ日とは限りません。出産日が予定日と前後した場合、産前休業の期間は次の表のように調整されます。

 

産前休業

産後休業

出産日が予定日より早まった場合

産前休業の終了日は実際の出産日(出産当日)までとなる。

予定より早く生まれた分、産前休業は短縮される。

実際の出産日の翌日から数えて8週間(原則)

出産日が予定日より遅れた場合

産前休業の終了日は実際の出産日(出産当日)まで。

出産予定日を過ぎても出産するまで産前休業が続くため、産前休業は延長される。

2. 産休期間の取り扱いに迷いやすいケース

育休期間・カレンダー

産休は基本的なルールが決まっていますが、実務では例外的なケースに直面することもあります。ここでは、人事担当者が対応に迷いやすい代表的なケースを取り上げます。それぞれのケースでのポイントを押さえ、適切に対応できるようにしましょう。

2-1. 流産・死産(妊娠4ヵ月以降)の場合

妊娠中の不幸な出来事として、流産・死産に至ってしまった場合でも、一定の条件下で産休に準じた休業が認められます。

労働基準法上、「妊娠4ヵ月以上の分娩」であれば、たとえ流産や死産であっても「出産」に該当するとされています。そのため、妊娠4ヵ月以降に流産・死産した女性労働者については、出産翌日から起算して原則8週間就業させてはなりません。

本人が希望し、かつ医師が問題ないと認めた場合に限り、産後6週間を経過した時点での復職は可能です。しかし、基本的には流産・死産後も、出産後8週間の産後休業と同様の休業期間が保障されるといえます。

また、社会保険上の扱いも妊娠4ヵ月以降の場合は出産と同様です(※健康保険法上は「妊娠85日以上の分娩」)。例えば、健康保険の出産育児一時金や出産手当金については、妊娠4ヵ月以上(85日以上)であれば死産・流産でも支給対象となります。

2-2. 私傷病休職と重複する場合

従業員がすでに、私傷病による休職中である場合に、途中で妊娠・出産を迎えるケースも考えられます。このような場合、産休をその私傷病休職期間中に重ねて取得できるかが問題になります。結論から言えば、法令で定められた産前産後休業は休職中であっても取得可能であり、会社は本人から申し出があれば産休を認める必要があります。

産休が開始されたことで、もとの私傷病休職が「中断」扱いになるのか、それとも制度上は産休と私傷病休職が併存するのかは、就業規則などの定めによります。

健康保険の傷病手当金と出産手当金の両方を受給できる権利があるときは、両方が支給されるのではなく、出産手当金の支給が優先されます。ただし、出産手当金の額が傷病手当金の額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。

2-3. 前の子の育児休業中に次の子を妊娠した場合

前の子の育児休業中に次の子の妊娠が判明することもあります。この場合、前の子の育休期間と次の子の産前休業期間の重なりが問題になります。

一般的には、次の子の産前休業開始日をもって前の子の育児休業は終了とさせるパターンが多いですが、育児休業給付金と出産手当金の関係に注意が必要です。例えば次の子の産前休業をあえて請求せず、前の子の育休を継続した場合、育児休業給付金と出産手当金の両方を受給できるケースがあります。

なお、実際の出産日を迎えた時点で産後休業が従業員の請求にかかわらず発生するため、その時点で前の子の育休は終了します。制度の組み合わせは複雑になるため、迷った場合は社労士など専門家へ確認するとよいでしょう。

3. そもそも産休とは?制度や対象となる人の条件

考える妊婦

ここでは、期間以外の産休の基礎について説明します。取得できる対象者などを、混同されやすい育児休業(育休)との違いを比較しながら確認していきます。

3-1. 産休とは?育児休業制度との違い

産休(産前産後休業)とは、労働基準法65条で定められた休業制度です。

(産前産後)

第六十五条 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

2 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

3 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

引用:労働基準法|e-Gov法令検索

産後休業を取得した後には、続けて育休を取得するケースがほとんどです。

育休は、正式には「育児休業」といい、育児・介護休業法に基づいて定められた、子どもを養育するための休業制度です。産休と育休の違いは表のとおりです。

 

産休(産前産後休業)

育休(育児休業)

取得期間

出産予定日の6週間前から出産翌日より8週間まで

子どもが1歳になる前日まで

対象者

女性労働者(パート・アルバイト・派遣労働者を含むすべての労働者)

1歳に満たない子を養育する労働者


(男性労働者も取得可能・勤続1年未満の場合など、対象外となることもある)

根拠法

労働基準法

育児介護休業法

給付金

健康保険から支給

雇用保険から支給

延長

産前休業に限り出産が遅れた場合は延長される

やむを得ない理由がある場合にのみ最長子が2歳に達するまで延長可能

育休は、条件を満たせば母親だけでなく父親も取得できるのが産休との大きな違いです。原則として子どもが1歳になるまでの期間内で休業が認められています。例外として、「保育所等の申込みをおこなっているが見つからない」などのやむを得ない事情がある場合は、最長で2年間延長できます。

関連記事:育児休業期間(育休)はいつからいつまで?延長や期間変更はできる?

関連記事:育児休業は延長できる?必要な手続きを徹底解説

3-2. 産休の取得対象となる人の条件

産休を取得できる人は、「妊娠中・出産後の女性労働者」です。正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、契約社員、派遣社員など、雇用形態を問わず労働基準法上の労働者であれば産休の適用対象になります。

労働基準法はすべての労働者に適用される法律なので、試用期間中の社員であっても、妊娠・出産の事実があれば産前産後休業の権利は保障されます。会社は妊娠を理由に休業取得を拒否することはできず、取得を理由とした不利益扱いは禁止されています。

4. 産休中の給与や社会保険

子供の補助金

産休期間中は、会社から給与を支給しないケースが一般的です。産休中の社会保険上の制度には、産前産後期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の免除、健康保険から支給される「出産手当金」と「出産育児一時金」があります。

ここでは、それぞれの制度の詳細を説明します。

4-1. 産休中の給与

産休中は通常、会社からの給与は支払われません。会社によっては一部または全部の給与が支払われるケースもありますが、ごくわずかです。

このような状況でも安心して生活を送れるよう、健康保険から「出産手当金」が支給されます。これは、産休中の生活を保障するための制度で、休業中の給与を補填する目的があります。

関連記事:産休を取得した従業員の給与計算の方法は?ルールや注意点を解説
関連記事:住民税は産休・育休中でも支払う必要はある?納付方法や納付書がいつ届くのかを解説

4-2. 社会保険料の免除

産休中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は従業員本人負担分・会社負担分ともに免除されます。産休の取得期間が決まったら「健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書」を申請しましょう。

免除期間中も保険料を納めたものとみなされ、将来の年金給付や健康保険給付の受給資格にも影響はありません。

参考:産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき|厚生労働省

4-3. 出産手当金

出産手当金は、産休中の生活を保障することを目的とした制度です。被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合、産休期間中の範囲内で会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。

出産手当金の1日あたりの金額は次の計算式により算出されます。

1日あたりの金額

【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)

(※)支給開始日の以前の期間が12ヵ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。

ア 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額

イ 標準報酬月額の平均額

  • 30万円:支給開始日が令和7年3月31日以前の方
  • 32万円:支給開始日が令和7年4月1日以降の方

会社の健康保険制度が健康保険組合の場合には要件や金額が異なる可能性があるので確認しましょう。

参考:出産手当金について|全国健康保険協会

関連記事:出産手当金の申請方法とは?いつまでにどこに申請する?必要書類や書き方、申請期間を解説
関連記事:従業員が出産手当金をもらえないケースとは?支給条件や対応策を解説

5. 産休前後に人事が対応すべき実務とは?

はてなマーク

従業員から妊娠の報告を受けてから産休に入るまでに、人事担当者がおこなうべき対応について解説します。

ここでは協会けんぽ(全国健康保険協会)の手続きを例に説明しますが、会社が健康保険組合に加入している場合は、必ず会社や加入先の保険組合に内容を確認しましょう。

5-1. 対象者への産休の説明と意向確認・必要書類の回収

妊娠した報告を受けたら、産休制度の説明をおこないましょう。すでに出産予定日がわかっている場合は、産休の開始日と終了日を算出し、その時点での従業員の取得の意向を確認します。

なお、休業届がなくても、産前産後休業を取得することは法的に可能です。しかし、会社の規定で休業届の提出を求める場合は、休業開始までに回収しましょう。

また、産休に入る前にあわせて育児休業制度の説明と取得意向の確認もおこないましょう。育児・介護休業法では、従業員から妊娠・出産の報告を受けた際には、育児休業などの制度を個別に周知し、取得希望を確認する義務が課されています。詳細は関連記事をご覧ください。

関連記事:2025年の育児・介護休業法改正のポイントは?2025年4月・10月の施行内容と企業の対応をわかりやすく解説

5-2. 対象者の部署の業務調整やサポート

産休による欠員で部署への負担が過度にかからないよう、業務の分担や優先順位の見直しをおこなうことも重要です。必要に応じて、他部署からの応援や派遣の活用、外部委託などを検討し、運営を維持できる体制を整えましょう。

5-3. 産休中の社会保険料の免除手続き

産休に入ったら、会社は産休中の社会保険料免除の手続きをおこないます。「健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書」を日本年金機構に提出しましょう。

手続きは産前・産後休業中のいずれでも可能ですが、産前休業中に申請して実際の出産日が予定日と異なった場合は、産後に「健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者変更(終了)届」の提出が必要です。

参考:産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき|厚生労働省

5-4. 出産日の報告と育児休業の申請受領

産後は、従業員から出産日の報告をしてもらいます。出産日の翌日から産後8週間の休業期間が確定します。届け出られた出産日をもとに産後休業終了予定日を算出し、本人および所属長に改めて通知しましょう。もし産後6週経過後に本人が早期復職を希望する場合は、医師の診断書提出を求めるなど、所定のフローに沿って対応します。

同時に、育児休業の申請受付もおこないましょう。一般的に女性従業員の場合、産後休業が明けた翌日から引き続き育児休業に入るケースが多いです。育児休業の申し出は、法律上は「休業開始予定日の1ヵ月前まで」におこなう必要があります。そのため、産後すぐに育休申出書を提出してもらうのが一般的です。

5-5. 出産育児一時金の申請

出産育児一時金は、出産にかかる経済的負担を軽減することを目的とした制度です。この一時金は制度上、産休とは直接関係しない「健康保険の給付」ですが、出産にまつわる制度として産休付近の時期に手続きがおこなわれることが多いです。

健康保険や国民健康保険の加入者が出産した際、一児につき一律の金額が支給されます。この制度により、まとまった出費となる出産費用を実質的に補助してもらえるのです。

多くの病院では、この一時金を直接医療機関に支払う「直接支払制度」を利用できるため、本人が多額の現金を準備する負担を避けられます。

参考:出産育児一時金等について|厚生労働省

5-6. 生まれた子を扶養に入れる手続き

生まれた子を社会保険の扶養に入れる手続きをおこないます。申請には、氏名(漢字・よみがな)・性別・生年月日・マイナンバーなどの情報が必要です。

夫婦共働きの場合、一般的には収入が高い方の扶養に入れることが多いです。加入する健康保険に配偶者の収入の証明書の添付が必要となるかなどを確認しておくとよいでしょう。

健康保険証は、産後の検診や乳児健診などでも必要となるため、通院に支障が出ないよう、早急に対応しましょう。なお、税法上の扶養に関する手続きは年末調整時におこないます。

関連記事:社会保険の扶養とは?加入条件と手続き、130万円の壁についても解説

5-7. 出産手当金の申請

健康保険から支給される出産手当金の申請手続きをします。産休に入る前に申請用紙を渡しておき、産後に従業員が医療機関で証明を受けられるようにするとスムーズです。

産後、従業員が「出産手当金支給申請書」の本人記入欄を記入し、分娩を担当した医師または助産師に出産日などの証明欄を記入してもらいます。次にその用紙を会社に提出してもらい、人事担当者が会社証明欄に記入します。産後休業終了後、健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に提出します。

申請期間は産前産後休業の全期間が対象ですが、産前分、産後分に分けて申請することも可能です。

6. 産休に関連するよくある質問

プラス

産休に関して、従業員からのよくある質問をまとめました。実務の参考にしてください。

6-1. 派遣社員も産休を取得できる?

派遣社員の場合でも、正社員や契約社員と同様に産休を取得できます。雇用契約は派遣元との契約となるため、まずは派遣元に報告・申請をおこないましょう。

派遣先との直接調整は必要最低限にとどめ、休業期間や引き継ぎなどの連絡は派遣元を通じておこなうのが一般的です。

6-2. 産休や育休を理由に従業員を解雇することはできる?

産休・育休中の不利益取り扱いは、男女雇用機会均等法第9条により禁止されています。そのため、産休や育休を理由とした解雇も当然禁止です。

(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

第九条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。

ー中略ー

3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

引用:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律|厚生労働省

参考:男女雇用機会均等法のあらまし|厚生労働省

関連記事:男女雇用機会均等法とは?禁止事項と違反時の罰則、実施すべき措置をわかりやすく解説

6-3. 復職後のフルタイム勤務が難しい場合はどう対応すべき?

復職後にフルタイム勤務が難しい従業員には、産休や育児休業終了後も利用できる制度の活用を検討しましょう。労働基準法や育児・介護休業法では、子どもの年齢に応じて次のような柔軟な勤務形態が認められています。

  • 育児時間(1日2回・各30分)
  • 短時間勤務制度
  • 子の看護等休暇
  • 時間外労働・深夜業の制限

参考:育児中の女性労働者への配慮|女性にやさしい職場づくりナビ

これらの制度は申出制であるため、本人の希望や家庭状況を確認し、制度利用の可否や社内の運用ルールを明確にしておくことが重要です。

関連記事:復職とは?判断基準・タイミングや手続きの流れについて解説!

6-4. 転職後すぐに産休を取ることはできる?

産前・産後休業の取得に勤続期間の条件はないため、転職直後であっても取得できます。企業は、採用して間もない従業員から産休取得の申出を受けた際でも、これを拒むことはできないことを把握しておきましょう。

6-5. 法律で定められた産前休業より早く産休は取得できる?

原則として、産前休業は出産予定日の6週間前(多胎の場合は14週間前)より前に開始することはできません。

ただし、妊娠中の体調不良などで早めに就業を控える必要がある場合、産休前でも年次有給休暇や会社独自の病気休暇、傷病手当金の利用が可能なケースがあります。例えば、医師から「安静が必要」と診断された場合、会社の就業規則に基づく病気休職を適用したり、傷病手当金の対象として扱ったりする対応が考えられます。まず、従業員からの申出内容を確認し、就業規則に定められた内容と照らし合わせ確認しましょう。

また、男女雇用機会均等法では、妊婦健診のための時間確保や医師の指示に基づく業務軽減措置を事業主に義務づけています。対応の際は、医師の診断書を提出してもらうことで、必要な措置や休暇の判断がしやすくなります。状況に応じて柔軟に対応できるよう、社内関係者とも情報を共有しましょう。

6-6. 公務員や教員の産休はいつから入れる?

公務員や教員の産休も、会社員と同様、出産予定日の42日前(多胎妊娠の場合98日前)から取得可能です。労働基準法第65条に準じて、国家公務員・地方公務員それぞれの育児休業関連法や人事規則に規定されています。

7. 産休の期間と実務を正しく押さえてスムーズに対応しよう

働く女性

産休は「産前休業」と「産後休業」に分かれており、出産予定日の6週間前から、出産の翌日から8週間後までの期間が法律で定められています。

従業員が安心して産休を取得できる職場環境は、法令遵守だけでなく会社の信頼性や定着率向上にもつながります。制度の正しい理解と円滑な手続きを心がけ、休業中も復帰後も安心して働ける体制を整えていきましょう。

育児・介護休業の対応、もう迷わない! すべてがわかる【実務担当者向けルールブック】

育児・介護休業に関する法改正が2025年4月と10月の2段階で施行されました。特に、育休取得率の公表義務拡大など、担当者が押さえておくべきポイントは多岐にわたります。
本資料では、最新の法改正にスムーズに対応するための実務ポイントを網羅的に解説します。

◆この資料でわかること

  • 育児・介護休業法の基本と最新の法改正について
  • 給付金・社会保険料の申請手続きと注意点
  • 法律で義務付けられた従業員への個別周知・意向確認の進め方
  • 子の看護休暇や時短勤務など、各種両立支援制度の概要

2025年10月施行の改正内容も詳しく解説しています。「このケース、どう対応すれば?」といった実務のお悩みをお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事