労働安全衛生法とは?施行令や規則との違いをわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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労働安全衛生法とは?施行令や規則との違いをわかりやすく解説

「労働安全衛生法の概要や目的を知りたい」
「労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の違い知りたい」

上記のようにお困りの方も多いでしょう。

労働安全衛生法とは、労働災害の予防などを目的とした、事業者に対する国の法律の一つです。また、職場における労働者の安全や健康確保、快適な環境整備などを促す目的もあります。

本記事で紹介する内容は、労働安全衛生法の概要や目的、義務一覧や2024年の法改正の変更点についてです。

そのほかに、労働安全衛生法施行令や労働安全衛生規則との違いも解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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1. 労働安全衛生法とは

労働安全衛生法とは、以下のための基準や対策などを総合的・計画的にまとめた国の法律です。

  • 労働災害の防止
  • 職場環境の整備
  • 職場での労働者の安全確保
  • 職場での労働者の健康確保

労働者を使用する事業者に対する法律で、事業者が法律違反した場合の罰則も定められています。

労働災害とは、職場の環境や設備、作業行動やそのほかの業務などが原因となり、労働者が以下のような状態になることです。

  • 負傷する
  • 病気になる
  • 死亡する

労働安全衛生法をわかりやすく説明すると、職場の労働者への対応や職場環境などに関する企業に向けたルールを国がまとめたものといえるでしょう。

参考:労働安全衛生法|e-Gov法令検索

2. 労働安全衛生法の目的

労働安全衛生法の目的は、労働災害や労働者の職場での健康被害の防止です。また事業者に次のような事柄を促し、労働者が働きやすい職場環境を整える目的もあります。

  • 職場での労働者の安全の確保
  • 職場での労働者の健康の確保
  • 快適な職場環境の整備

事業者が上記の目的を果たすための規定と簡単な各概要は、以下のとおりです。

危険防止基準の確立 労働者の健康障害の防止に向けたリスク管理を実施し、また労働者の健康リスクの有無を確認して必要に応じた対策を取るために健康診断を実施する
責任体制の明確化 安全管理者・安全衛生管理者・産業医などを選任する
自主的活動の促進 労働者の安全・健康のサポートのために、安全衛生委員会の設置や快適な職場環境の整備に向けた取り組みを実施する

事業者は、労働安全衛生法により、職場の安全衛生管理体制を確立して労働者の労働災害の防止に向けた具体的措置を実施する義務があります。

参考:労働安全衛生法|e-Gov法令検索

参考:労働安全衛生法令の概要|厚生労働省

3. 労働安全衛生法で定められている義務の一覧

労働安全衛生法で定められている主な義務一覧は、以下のとおりです。

安全衛生管理体制の確立のための選任 ・総括安全衛生管理者

・安全管理者

・衛生管理者

・安全衛生推進者

・産業医(50人以上の労働者がいる事業場のみ)など

安全衛生管理体制の確立に向けた各種委員会の設置 ・安全委員会

・衛生委員会

・安全衛生委員会

労働者の危険・健康障害を防止するための措置 ・事業者は建設物・設備・原材料・ガス・蒸気・粉じんなど、また作業行動や業務が原因となる危険性や有害性などを調査する

・調査結果に基づいた措置をとり、労働者の危険や健康障害の防止に必要な措置を取るために努力する

労働者の就業にあたり実施する安全衛生教育 ・雇い入れたときの教育

・作業内容を変更した場合の教育

・危険・有害な業務に従事する際の教育

・定めのある業種で職長や労働者を直接指導・監督する者への教育

労働者の健康保持や増進のために実施する健康診断・ストレスチェック ・医師による健康診断の実施および結果の通知など

・定めのある有害業務の従事者に、医師による特別項目についての健康診断と歯科医師による健康診断の実施および悔過の通知

・医師や保健師などによる心理的負担の程度把握に向けた検査および検査結果の通知(50人以上の労働者がいる事業場のみ)

委員会の設置において、事業場に常時50人以上の働き手がいる場合には、安全衛生委員会を設置しなければなりません。ただし安全衛生委員会の設置により、安全委員会と衛生委員会をそれぞれ設置する必要がなくなります。

上記の各委員会の実施内容においては、定められた業種・規模の事業場ごとに調査審議すべき事項の定めがあるため注意が必要です。

また労働安全衛生法では、事業者は継続的・計画的に以下の措置を講じて、快適な職場環境の整備に努めることを推奨しています。

  • 快適な職場環境の整備のために必要な措置
  • 快適な作業環境を維持管理のための措置
  • 作業方法を改善に向けた措置
  • 作業従事者の疲労回復のための施設・設備の設置や整備

上記の措置を取ることで、職場の安全衛生水準の向上が期待できるでしょう。

参考:労働安全衛生法|e-Gov法令検索

4. 労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令との違い

労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令との違いは、以下のとおりです。

労働安全衛生法 労働安全衛生法施行令
制定機関 国会 内閣
法的拘束力 最も強い 労働安全衛生法よりも弱い
種類 法律 政令

労働安全衛生法施行令は、労働安全衛生法から委任された事項について規定されています。また、労働安全衛生法を実施するための細かな取り決めをまとめたものです。

なお立法権をもつ国会では法律の制定・変更・廃止をおこない、行政権をもつ内閣では国会が決めた法律や予算にもとづき実際の行政をおこないます。

参考:労働安全衛生法施行令|e-Gov法令検索

5. 労働安全衛生法と労働安全衛生規則との違い

労働安全衛生法と労働安全衛生規則との違いは、以下のとおりです。

労働安全衛生法 労働安全衛生規則
制定機関 国会 厚生労働省
法的拘束力 強い 労働安全衛生法施行令よりも弱い
種類 法律 省令

厚生労働省は、労働安全衛生規則により以下の定めを実施するための詳細なルールを定めています。

  • 労働安全衛生法
  • 労働安全衛生法施行令

また、上記の法律や政令に委任された事項に関する定めです。

参考:労働安全衛生規則|厚生労働省

6. 2024年からの労働安全衛生法改正の変更点

虫眼鏡

労働安全衛生法改正による2024年からの主な変更点は、以下のとおりです。

化学物質管理体系の見直し ・ラベル表示・通知すべき化学物質の追加

・ばくろを濃度基準値以下にすること

・皮膚障害など健康障害を起こすおそれのある化学物質への直接接触の防止

・労働基準監督署長による、化学物質労災発生事業場などへの指示

・リスクアセスメントにもとづく、健康診断の実施と記録作成など

実施体制の確立 ・化学物質管理者の選任の義務化

・保護具着用管理責任者の選任の義務化

・労働者を雇い入れた際の教育の拡充

情報伝達の強化 SDSなどによる通知事項の追加・含有量の表示の適正化

化学物質管理者の選任が必要な事業場は、危険・有害物質について次のような対応を取る事業場です。

  • 物質を製造して取り扱う事業場
  • 物質を譲渡提供する事業場

上記の物質とは、労働安全衛生法によりリスクアセスメントの実施義務のある危険・有害物質を指します。

なお保護具着用管理責任者の選任が必要な事業場は、化学物質管理者を選任した上記の事業者です。かつ、労働者に保護具を使用させる場合に選任しなければなりません。

加えて、2024年からの変更では第三管理区分事業場の措置についても強化されました。

2024年からの変更は、年間450件ほどで推移する化学物質を起因とする労働災害の防止が目的です。また2023年からの変更と合わせて、段階的な変更が実施されています。

参考:新たな化学物質規制項目の施行期日|厚生労働省

7. 労働安全衛生法について理解を深めよう

労働安全衛生法とは、労働災害の防止や快適な職場環境の整備、労働者の職場での健康や安全の保護を目的とする、事業者に対する国法の一つです。

上記の法による事業者の義務には、労働者への健康診断や安全衛生教育の実施、安全衛生委員会の設置などがあります。

また法改正に伴う2024年からの変更では、増加傾向にある化学物質を原因とする労働災害の防止のために、化学物質規制の新たな制度が導入されました。

今後も時代の変化に伴う法改正などが予想されるため、必要に応じて最新情報をチェックしましょう。

労働安全衛生法施行令や労働安全衛生規則との違いも把握しつつ、労働安全衛生法について理解を深めてください。

\法改正の内容も解説/
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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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