オンボーディング施策とは?ポイントやメリット、プロセスを解説
更新日: 2025.5.27
公開日: 2025.5.21
jinjer Blog 編集部
「オンボーディング施策とはどのようなもの?」
「オンボーディング施策のポイントやメリットは?」
「オンボーディング施策のプロセスを知りたい」
このような疑問や悩みをお持ちの方もいるでしょう。
オンボーディング施策とは、新入社員や中途採用者を企業に定着させて、早期に有用な人材に育成する施策のことです。
早期離職を防ぎ、個々のパフォーマンスを発揮させることにより、組織力および生産性の向上が望めます。
本記事では、オンボーディング施策のメリットやポイント、プロセスを解説します。ぜひ社員育成にあたっての参考にしてください。
目次
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
当サイトではそのような企業のご担当者に向けて「人事評価の手引き」を無料配布しています。
資料では、人事評価制度の基本となる種類の解説や、導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。自社の人事評価に課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

1. オンボーディング施策とは
オンボーディング施策とは、新入社員の早期離職を防ぎ、早期に活躍できるよう育成する施策のことです。新入社員の教育を目的として企業全体で継続的に実施します。
新入社員研修と大きく異なるのは、組織全体で実施する点です。新入社員への企業情報の提供と、企業の価値観の伝達を重視します。
具体例として、新入社員がリーダーや上司と定期的に面談して相談する機会を設ける、懇親会などを実施して部門を越えて交流を深めるなどの方法があります。
2. オンボーディング施策の目的
オンボーディング施策の目的は以下の3つです。
- 新入社員の早期離職の防止
- 新入社員・中途採用者の早期パフォーマンス発揮
- 人材育成の安定化
詳細を解説します。
2-1. 新入社員の早期離職の防止
オンボーディング施策の最大の目的は、新入社員の早期離職の防止です。新入社員の教育や育成を目的に組織全体で継続的に実施し、仕事を効率よく進めるために必要な事項を伝えています。企業の価値観を伝えることも大切です。
新規学卒者の3年離職率は大卒で3割超、高卒で4割近くとされています。新入社員を組織にスムーズに溶け込ませ、彼らの不安や悩みを解消するために、ぜひオンボーディング施策を活用しましょう。
2-2. 新入社員・中途採用者の早期パフォーマンス発揮
オンボーディング施策の目的の2つ目は、新入社員および中途採用者の早期パフォーマンスを発揮させることです。
企業文化やルール、必要な知識を習得させ、能力を発揮できる環境を整えます。経験豊かな中途採用者でも、社内システムに慣れるまでには時間がかかるでしょう。システム把握を手助けすれば、早期に能力の発揮が期待できます。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
2-3. 人材育成の安定化
オンボーディング施策の目的の3つ目は、人材育成の安定化です。
人事部が体系的に施策のプログラムを組むため、全新入社員に公平で安定した品質の教育機会を与えられます。
3. オンボーディング施策のメリット
オンボーディング施策には以下のメリットがあります。
- 新入社員の定着率アップと早期戦力化
- コスト削減
- 生産性の向上
- 従業員のエンゲージメントの向上
詳しく解説します。
3-1. 新入社員の定着率アップと早期戦力化
オンボーディング施策の1つ目のメリットは、働きやすい環境が生まれて新入社員の定着率が上がり、早期戦力化を望めることです。
先輩社員との交流や丁寧なケアによって新入社員の孤独感や不安が解消され、モチベーションアップにつながります。早期離職により企業側の採用活動が振り出しに戻る危険を避けるためにも、オンボーディング施策は効果的です。
3-2. コスト削減
オンボーディング施策の2つ目のメリットは、大幅なコスト削減です。
採用手法の多様化や長期化なども手伝い、採用コストは年々増加傾向にあります。社員定着率が上がれば、採用に関わる人件費や広告費、研修コストなどを大きく抑えられるので、施策をぜひ活用してください。
3-3. 生産性の向上
オンボーディング施策の3つ目のメリットは、生産性の向上です。
新入社員の早期戦力化とともに、既存社員らも指導労力・時間が減って自身の仕事に集中できるので、生産性が向上します。
人間関係が良好になることによりチーム力も向上することもおおきな利点です。
3-4. 従業員のエンゲージメントの向上
オンボーディング施策の4つ目のメリットは、従業員全員のエンゲージメントの向上です。
社員同士のコミュニケーションの機会が増えることにより、会社や業務に対する前向きな感情が自然に生まれます。
4. オンボーディング施策のポイント
オンボーディング施策のポイントは以下の3点です。
- 信頼関係の構築
- 教育体制の充実
- 効果の検証と改善
順に説明します。
4-1. 信頼関係の構築
オンボーディング施策の1つ目のポイントは、新入社員と密で透明性の高いコミュニケーションをとり、信頼関係を構築することです。
できるだけ情報をオープンにし、新入社員の疑問や不安にしっかりこたえます。よい情報だけではなく、仕事をするために乗り越えるべき課題についてもきちんと伝えるようにしましょう。
先輩社員をサポート役につける「メンター制」も効果的です。信頼関係が深まり、早い段階で悩みを打ち明けやすくなります。
4-2. 教育体制の充実
オンボーディング施策の2つ目のポイントは、教育体制を充実させることです。
テレワークを導入している企業の場合、Web会議システムやチャットツールを導入するなど必要な環境を整えましょう。オンラインで外部研修を利用するのもおすすめです。
4-3. 効果の検証と改善
オンボーディング施策の3つ目のポイントは、効果の検証と改善です。
新入社員一人ひとりに目標を立ててもらい、スパンを決めて明確な到達点を設定します。一定期間の後、上司や同僚らも本人と一緒に達成度を確認し、改善策をみつけていきましょう。
人事部では、オンボーディングの施策そのものについても効果検証と改善を重ねてください。長期間をかけて施策を磨き、理想の形に近づけていきましょう。
5. オンボーディング施策のプロセス
オンボーディング施策のプロセスは以下の通りです。
- 目標設定
- 環境作り
- 計画立案
- 実施
- 振り返り
詳しく解説します。
5-1. 目標設定
はじめに社員からのヒアリングや組織課題の洗い出しをおこない、オンボーディング施策の目標を設定します。
自社にとってどのような施策内容が必要なのかを明確にしましょう。
5-2. 環境作り
目標を決めた後、従業員・新入社員にとって施策を進めやすい環境を作ります。
定期的にリーダーと新入社員が1on1をおこなう、日付を決めたランチ会を設定するなどして、コミュニケーションの場を作りましょう。会社全体でしっかり目的と理想を共有し、一丸となり新入社員をサポートする体制の構築が欠かせません。
5-3. 計画立案
目標設定と環境作りが終わったら、期間を決めた計画を立案します。例えば3ヵ月で1タームなどのスパンを設定してみましょう。具体的な施策計画を立てやすくなります。
計画には全従業員に共通する重要な事項や、新入社員に期待する内容を盛り込んでください。
5-4. 実施
準備が整ったら、計画に沿って施策を実施します。計画どおりに進めることだけにとらわれず、柔軟に対応しましょう。新入社員に寄り添う姿勢を大切にしてください。
5-5. 振り返り
実施期間を終えたら、必ず振り返りをしましょう。良かった点、悪かった点をしっかり確認してください。実施した側の社員だけではなく、新入社員の意見もできるだけ聞いて、認識のずれが生じないようにしましょう。
6. オンボーディング施策で環境を整え早期離職を防ごう
オンボーディング施策で社内環境を整えると新入社員が会社に溶け込みやすくなり、早期離職を防ぐとともに早期戦力化が望めます。また、社内全体のコミュニケーションが促進されてチーム力が向上し、企業全体の生産性アップも期待できることでしょう。
社員定着による採用コストの削減も大きな利点です。
オンボーディング施策をいかして全社員のエンゲージメントを向上させ、よりよい会社作りを目指してください。
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
当サイトではそのような企業のご担当者に向けて「人事評価の手引き」を無料配布しています。
資料では、人事評価制度の基本となる種類の解説や、導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。自社の人事評価に課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

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