ソフトスキルとは?ハードスキルとの違いや具体例一覧・鍛える方法を解説
更新日: 2025.3.22
公開日: 2025.3.22
OHSUGI
「ソフトスキルって何?ハードスキルとの違いは?」
「従業員のソフトスキルを鍛える方法は?」
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
ソフトスキルは、社会人に求められる基礎的な能力です。従業員のソフトスキルを高めることで、組織全体の業務効率化や生産性向上につながります。
本記事では、ソフトスキルの定義や具体例一覧、ハードスキルとの違いをわかりやすくまとめました。ソフトスキルを有する人材を育成し、事業の成長につなげたい方はぜひ参考にしてください。
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1. ソフトスキルの定義
ソフトスキルとは、業務を遂行するうえで土台となる性格特性や能力のことを指します。多くのビジネスパーソンに求められる基礎的なスキルで、具体例は以下のとおりです。
- コミュニケーション力
- 問題解決力
- 協調性
- リーダーシップ
ソフトスキルは、おもに生活や仕事における「経験」を通して身に付きます。数値化することが難しく、客観的に評価しにくいことが特徴です。
2. ソフトスキルが重要となった3つの背景
ソフトスキルが重視される背景として、以下の3点が挙げられます。
- AIの普及・進化
- 働き方改革の進行
- 顧客ニーズの多様化
それぞれの詳細を見ていきましょう。
2-1. AIの普及・進化
ソフトスキルが重視される理由の1つとして、AIの普及・進化が挙げられます。多くの業務がAIに置き換わりつつあるなか、人工知能で代替できない能力の重要性が見直されているのです。
現代のビジネス環境を生き抜くうえでは、柔軟性やチームワークなど、人間特有のスキルを活かすことが求められています。
2-2. 働き方改革の進行
働き方改革に取り組む企業の増加を背景として、ソフトスキルが注目を集めています。創造力やタイムマネジメント力などの能力などを有する人材は、より短時間で成果を出せるためです。
従業員一人ひとりのソフトスキルが向上することで、組織全体の業務効率化や生産性向上につながります。結果として働き方改革の実現可能性が高まり、企業の労働環境が良化するでしょう。
2-3. 顧客ニーズの多様化
多様化した顧客ニーズに対応する必要性が高まったことも、ソフトスキルが重要視されている理由の1つです。
顧客が能動的に情報収集する現代において、画一的なマーケティングは顧客の心に刺さりません。顧客ニーズを適切に理解し、商品・サービスの提供の仕方を工夫するためには「柔軟性」や「問題解決能力」が求められます。
ソフトスキルは、顧客ニーズの変化や多様化が進むビジネス環境で、企業が生き残るための重要な要素です。
3. ソフトスキルの具体例一覧
ビジネスシーンで特に重要視されるソフトスキルの具体例は以下のとおりです。
- コミュニケーション力
- 協調性
- 問題解決力
- 柔軟性・適応力
- 発想力・創造力
- タイムマネジメント力
- リーダーシップ
- EQ(心の知能指数)
それぞれの能力の詳細を解説します。
3-1. コミュニケーション力
コミュニケーション力とは、他者と円滑に意思疎通を図り、適切に情報をやり取りする能力のことです。情報を伝える力だけではなく、相手が伝えたい情報を柔軟にキャッチする力も含まれます。
ビジネスにおいてコミュニケーション力が求められるシーンは以下のとおりです。
- 直接的な対話
- 電話・メール
- 会議・プレゼンテーション
- 商談
コミュニケーション力はあらゆる場面で求められる、社会人に必須のスキルといえるでしょう。
3-2. 協調性
協調性とは、他者と協力しながら共通の目標に向かって行動できる性質のことです。協調性が高い人材は、周りの意見を傾聴できるため、異なる立場の人とも互いに高め合いながら物事を達成できます。
協調性によってチームワークが向上すると、プロジェクトをより円滑に進行できるでしょう。結果として、組織の目標達成に貢献しやすくなることから、協調性をもつ人材は多くの企業で求められています。
3-3. 問題解決力
問題解決力とは、問題の本質を見極め、最適な解決策を導き出して実行できる能力のことです。問題解決力は、以下の3つの力に大別されます。
- 問題の本質をとらえる力
- 解決までのアクションプランを計画する力
- 解決策を実行する力
問題解決力が高い人材は、表面化していない潜在的な問題を未然に防ぎ、同じ失敗を繰り返しません。従業員一人ひとりの問題解決力を強化することで、組織全体の問題発生率を大幅に軽減できるでしょう。
3-4. 柔軟性・適応力
柔軟性・適応力とは、状況に応じた判断・処理をすばやくできる性質や、環境の変化に臨機応変に対応できる能力のことです。
ビジネスシーンにおいては、状況の変化や不確実性への迅速な対応が求められます。柔軟性があり、適応力の高い人材は、勤務地や部署、役職などが変化しても自身の能力を十分に発揮できるでしょう。
3-5. 発想力・創造力
発想力とは、独自の視点で新たなアイディアを生み出す力で、創造力とはアイディアを実際に形にする力のことです。
発想力・創造力のある人材は、ビジネスにおいて新たな価値を創出し、課題に対して独自の解決方法を見出します。社会変化の激しい現代では、全業界のプロフェッショナルに求められる能力です。
3-6. タイムマネジメント力
タイムマネジメント力とは、業務の生産性を最大化するために、時間の使い方や管理方法を最適化できる能力を指します。限られた時間を有効活用し、業務の質を高めるうえで多くの企業に求められているスキルです。
タイムマネジメント力のある人材は、チーム全体の生産性を高めることに貢献します。働き方改革を推進したい組織においては、とくに強化を図るべき能力です。
3-7. リーダーシップ
リーダーシップとは、集団をまとめ、目標に向けて行動を促す能力のことです。「指導力」「統率力」と言い換えることもできます。
従業員の多様性が重視される現代のビジネス環境では、一人のリーダーで組織を束ねることは困難です。管理職を含む全メンバーにおいて、リーダーシップのある人材が求められています。
3-8. EQ(心の知能指数)
EQ(心の知能指数)とは、自分や他者の感情を適切に察知・コントロールし、応用する能力を指します。ビジネスシーンにおける対人関係を良好に保つうえで、必要不可欠な基礎能力です。
先天的な要素が大きい「IQ」とは異なり、EQは後天的に高められるといわれています。教育やトレーニングの機会を設け、従業員のEQ向上に取り組むことが有効です。
4. ソフトスキルとハードスキルの違い
ハードスキルとは、業務上必要とされる専門技術や知識を指します。ハードスキルの具体例は以下のとおりです。
- 語学力
- プログラミング
- UI・UXデザイン設計
- データサイエンス
- マーケティング
ソフトスキルとハードスキルの違いを、3つの側面から確認してみましょう。
ソフトスキル | ハードスキル | |
習得の過程 | 経験や実践で身につく | 座学やトレーニングで身につく |
評価しやすさ | 明確な数値で評価しにくい | テストや資格取得によって客観的に評価できる |
活用シーン | 時代や職種を問わず活用できる | 専門性の高い業務で活用できるが、時代とともに知識が古くなる可能性がある |
ソフトスキルとハードスキルは、どちらか一方のみを重要視するのではなく、バランスよく鍛えていくことが大切です。
5. 従業員のソフトスキルを高める3つの方法
従業員のソフトスキルを鍛える有効な方法は以下のとおりです。
- 従業員のスキルを可視化する
- 社員研修の機会を設ける
- 従業員の自己学習を促す
それぞれ詳細を解説します。
5-1. 従業員のスキルを可視化する
ソフトスキルを高めるには、従業員一人ひとりの能力を把握するための「可視化」が必要になります。ソフトスキルを可視化するための施策例は以下のとおりです。
- スキルマップを活用し、従業員のスキルを一覧で示す
- 360度評価を採用し、あらゆる立場から客観的なフィードバックを得る
- 個人ミーティングで対話を重ね、管理者が従業員のソフトスキルを把握する
ソフトスキルを可視化することで、向上のための具体的なアクションプランを策定・実行できるようになります。
5-2. 社員研修の機会を設ける
従業員のソフトスキルを高める方法として、研修を活用することも有効です。ソフトスキル向上研修に取り入れるべき項目例を以下に示します。
内容 | |
問題解決力養成 | ロジカルシンキングや問題発見など |
コミュニケーション力養成 | 説明や質問の仕方、非言語コミュニケーションなど |
セルフマネジメント力養成 | 時間やタスクの管理、自己理解など |
研修ではロールプレイやシミュレーションを用いると、身につけた知識を実践の場で活用しやすくなるでしょう。
5-3. 従業員の自己学習を促す
従業員が自ら学習できる環境を整備することも、ソフトスキルの向上に寄与します。自己学習を促す施策の具体例は以下のとおりです。
- オンライン学習プラットフォームの利用を支援する
- メンター制度を導入する
- 社内に学習コミュニティを形成する
ソフトスキルは座学で身につきにくいとはいえ、情報のインプットは重要です。自己学習を奨励する文化を醸成し、従業員のモチベーションを高めましょう。
6. ソフトスキルを高めて組織力を強化しよう
AIの普及や働き方改革の進行など、近年の社会変化にともないソフトスキルの注目度は高まっています。ソフトスキルを有する人材は、組織全体の生産性向上に貢献するためです。
従業員のソフトスキルは、研修や自己学習の促進によって鍛錬できます。本記事で紹介した能力向上の方法を参考に、自社に適した施策を検討してみてください。
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