雇用保険被保険者資格取得届の記入例・書き方や提出先をわかりやすく解説!
更新日: 2025.4.15
公開日: 2022.1.12
jinjer Blog 編集部
雇用保険被保険者資格取得届は、原則的に記載内容に則って手続きが進みます。ハローワークでは内容の正確性の確認まではしておらず、記載に誤りがあれば加入手続きがされないだけです。
そのため、雇用保険被保険者資格取得届の記入は慎重におこなわなくてはいけません。
本記事ではそのような雇用保険被保険者資格取得届の記入例・書き方や添付書類について、詳しく解説します。
▼そもそも「雇用保険被保険者資格取得届とは?」という方はこちらをご覧ください
雇用保険被保険者資格取得届の郵送方法や他の申請方法について
目次
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社会保険料は従業員の給与から控除するため、ミスなく対応しなければなりません。
しかし、一定の加入条件があったり、従業員が入退社するたびに行う手続きには、申請期限や必要書類が細かく指示されており、大変複雑で漏れやミスが発生しやすい業務です。
さらに昨今では法改正によって適用範囲が変更されている背景もあり、対応に追われている労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
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1. 雇用保険被保険者資格取得届とは
事業主は、1人でも従業員を雇い入れ、その従業員が雇用保険加入の条件を満たしている場合は強制的に加入させなければなりません。その際に、ハローワークに提出しなければいけない書類が「雇用保険被保険者資格取得届」になります。
1-1. 提出が必要なケース
雇用保険被保険者資格取得届は、新たに従業員を雇用し、その従業員が次の要件に該当する場合に提出が義務づけられています。
- 所定労働時間が週20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
これらの要件を満たす場合、正社員・パート・アルバイト・派遣など名称や雇用形態にかかわらず、雇用保険に加入させる必要があります。特に「31日以上の雇用見込みがある」とは、具体的に31日以上継続雇用される可能性がある場合を指します。たとえ契約期間が31日未満であっても、更新の規定がある場合や、同様の契約で雇用された労働者の実績がある場合には、31日以上の雇用が見込まれるものと判断されます。
加えて、令和4年1月からは「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が開始され、複数の事業所で働く65歳以上の労働者も特定の条件を満たすと雇用保険に加入できるようになりました。例えば、2つの事業所で合計週20時間以上働き、かつ31日以上の雇用見込みがある場合などです。雇用する際には、副業状況を確認することが重要です。
雇用保険被保険者資格取得届の提出が必要になるケースを正しく理解し、適切に提出をおこないましょう。
1-2. 雇用保険の加入対象外となるケース
「週の所定労働時間が10時間」「契約期間が1ヵ月に満たない」といった場合、加入条件を満たさないため、雇用保険に加入させる義務はありません。また、雇用保険法第6条「適用除外」に則り、次のような労働者も、雇用保険の加入対象外となります。
- 国や地方公共団体の公務員(その他準ずる事業に雇用される労働者も含む)
- 季節的事業に雇用される労働者(4ヵ月以内の期間の定めあり、もしくは、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満)
- 日雇労働者(日雇労働被保険者に該当する人を除く)
- 昼間学生(夜間学生や通信学生などを除く)
- 船員保険の被保険者
このように、雇用保険の原則的な加入要件を満たしている場合でも、適用除外となるケースがあるため注意しましょう。
(適用除外)
第六条 次に掲げる者については、この法律は、適用しない。
一 一週間の所定労働時間が二十時間未満である者(第三十七条の五第一項の規定による申出をして高年齢被保険者となる者及びこの法律を適用することとした場合において第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)
二 同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれない者(前二月の各月において十八日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及びこの法律を適用することとした場合において第四十二条に規定する日雇労働者であつて第四十三条第一項各号のいずれかに該当するものに該当することとなる者を除く。)
三 季節的に雇用される者であつて、第三十八条第一項各号のいずれかに該当するもの
四 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条、第百二十四条又は第百三十四条第一項の学校の学生又は生徒であつて、前三号に掲げる者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者
五 船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条に規定する船員(船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第九十二条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第十四条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者を含む。以下「船員」という。)であつて、漁船(政令で定めるものに限る。)に乗り組むため雇用される者(一年を通じて船員として適用事業に雇用される場合を除く。)
六 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの
2. 雇用保険被保険者資格取得届の記入例と書き方
上記画像は実際の雇用保険被保険者資格取得届になります。
ここでは、雇用保険被保険者資格取得届を記載する際に役立つ記入例とポイントを解説します。
2-1. 【1. 個人番号 / 2. 被保険者番号 】
個人番号にはマイナンバーを記載します。労働者の本人確認をおこなったうえで、マイナンバーがわかるものを提出してもらいましょう。
過去の勤め先で雇用保険に加入した実績がある場合、被保険者番号は「雇用保険被保険者証」で確認できます。新卒入社などで雇用保険被保険者証がない場合は「空欄」にしておきましょう。
2-2. 【3.取得区分】
「1新規」に該当するのは、原則として雇用保険に加入したことがない人です。
しかし、過去に雇用保険に加入したことがある人でも、退職してから雇用保険に加入することなく7年以上経過している場合、被保険者番号の記録が抹消されてしまうので、「1新規」を選択することになります。
その他のケースで雇用保険の加入実績がある場合、「2再取得」を選択し、雇用保険被保険者証を基に被保険者番号を記載しましょう。
なお、被保険者番号が上下2段で16桁により構成されている場合もあります。その場合、下段の10桁のみを記載します。この場合、最後の枠は空枠となるので気を付けましょう。
2-3. 【4.被保険者氏名 / 5.変更後の氏名】
被保険者氏名は被保険者になる労働者の氏名を記入します。被保険者氏名の欄には漢字で、フリガナの欄にはカタカナで「姓と名の間は1枠空けて」記入してください。変更後の氏名は「3. 取得区分」で「2再取得」を選択した人で、雇用保険被保険者証に記載されている氏名と、現在の氏名が異なっている場合に記載します。結婚で名字が変わった人や、名前の漢字を変えた人などが該当者です。
2-4. 【6.性別 / 7.生年月日 / 8.事業所番号】
性別は該当する労働者の、戸籍に書かれている性別を番号で記入します。
生年月日には該当する元号の番号を記入し、年月日を記入します。1年や2年、3月や4月のように1桁の場合は、十の位に「0」を記入して2桁にしましょう。昭和56年9月8日と記入したい場合、記入例は「3-560908」となります。
事業所番号には事業所番号をそのまま記入します。連続した10桁になっている場合は、左に詰めて記入しましょう。最後の枠が空欄になったとしても問題ありません。なお、事業所番号がわからない場合、処理済の雇用保険被保険者資格取得届で確認できます。
2-5. 【9.被保険者となったことの原因】
雇用保険被保険者資格取得届の記入で迷う人が多いのが「被保険者となったことの原因」の欄です。それぞれの原因をわかりやすく解説します。
多くの場合は、1か2を記入することになります。新卒採用は1、転職は2とシンプルに捉えても問題ありませんが、日雇いからの切り替えなど、特殊な経歴がある場合は注意しましょう。
2-6. 【10.賃金 / 11.資格取得年月日】
賃金欄には、入社時点の賃金の支払い態様と月額の賃金を記入しましょう。月給25万5000円の場合は「1-0255」となります。賞与や残業手当は含みません。時給の場合は、時給に1ヵヶ月の労働時間を掛けて算出します。
資格取得年月日は入社日を記入します。雇用保険被保険者資格取得届を作成している日ではありません。また、試用期間・研修期間がある場合でも、雇い入れ日を記入することになるので注意しましょう。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の賃金欄に記入する内容について
2-7. 【12. 雇用形態】
雇用形態も少し複雑な部分なので注意しましょう。
具体的には、よく使われる番号として正社員が「7その他」になるので、あらかじめ覚えておきましょう。週の所定労働時間が20時間~30時間の人(派遣労働者、船員を除く)は、「短時間労働者」として「3パートタイム」を選択します。契約期間が定められている人(派遣労働者、パートタイム、船員を除く)は、「有期契約労働者」として「4有期契約労働者」を選択することになります。
2-8. 【13.職種 / 14.就職経路 / 15.1週間の所定労働時間】
裏面に1~11の番号が振られた職種が記載されています。職種にはその中から該当するものか、もっとも近いものを選んで記入しましょう。
就職経路には該当する就職経路の番号を記入します。
1週間の所定労働時間は、入社日時点での通常の週に勤務する労働時間を記入します。就業規則、雇用契約書の内容と同じで問題ありません。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の「13.職種」欄の区分例と書き方を解説
2-9. 【16.契約期間の定め】
契約期間の定めには契約期間がある場合は「1」を記入し、契約期間を正確に記入します。また、契約更新条項の有無の記載も必要です。一方、契約期間の定めがない場合は「2」を記入すれば問題ありません。
「16. 契約期間の定め」の下にある事業所名欄には、事業所の名前を正式名称で記入します。備考欄は「9. 被保険者となったことの原因」で「4」を選んだ場合の説明を記入する場所です。
2-10. 【17~23.「17欄から23欄までは、被保険者が外国人の場合のみ記入してください。」の箇所】
17欄から23欄までは、被保険者が外国人の場合にのみ記入する欄です。在留カードなどをチェックし、正しく記入しましょう。
公共職業安定所記入欄の下にある事業主欄には、事業主の住所・氏名・電話番号を記入します。事業主が法人の場合、住所欄は本社やメインとなる事業所の所在地を、氏名には法人の正式名称と、代表者の氏名を記入します。
2-11. 雇用保険被保険者資格取得届の取得方法
雇用保険被保険者資格取得届は、ハローワークのホームページより入手できます。個人情報の取り扱いや、利用上の注意点に同意できる場合、該当箇所にチェックを入れることで様式のダウンロードが可能です。
なお、様式そのものを印刷できるだけでなく、必要事項を入力してから印刷もできるので、自社のニーズにあわせてダウンロード方法を選択しましょう。
参考:雇用保険被保険者資格取得届|ハローワークインターネットサービス
3. 雇用保険被保険者資格取得届の提出方法
雇用保険被保険者資格取得届の手続きは、必要事項を記入して添付書類を準備すればほぼ完了です。最後に事業所を管轄するハローワークに提出しましょう。
ハローワークへの提出方法は、3つの方法から選べます。
- 窓口への持参
- 郵送
- 電子申請
また、雇用保険被保険者資格取得届の届出期限は、入社した月の翌月10日です。期限を過ぎてしまうと、改めて添付書類が必要になることもあるので、必ず提出期限を守って手続きを進めましょう。雇用保険以外の社会保険も入社後の対応が必要になります。健康保険や厚生年金保険の資格取得手続きは入社後5日以内までとすぐに対応しなければなりません。
このように、それぞれの保険ごとに仕組みが異なるため、違いを理解して正しい対応を取らなければなりません。当サイトでは、社会保険の手続きについて、入社時と退社時に必要な対応を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。法改正による変更点も解説しているため、社会保険の手続きで不安な点があるご担当者様は、こちらから「社会保険の手続きガイド」をダウンロードしてご確認ください。
3-1. 窓口への持参
最寄りのハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を持参して提出する方法では、専門の職員が直接対応してくれるため、雇用保険の事務対応に不慣れな人でも安心です。紙媒体の書類を直接手渡すことで、記入漏れや誤りをその場で確認し、修正することができます。ただし、ハローワークは地域によって混雑することがあり、長い待ち時間が発生する場合もあるので、時間に余裕を持って行動しましょう。
3-2. ハローワークへ郵送
雇用保険被保険者資格取得届を郵送する際は、まずハローワークインターネットサービスから必要な帳票をダウンロードします。作成した書類にはマイナンバーなどの個人情報が含まれるため、郵送方法に十分注意が必要です。
特定記録や簡易書留を利用して、安全かつ確実に届けましょう。郵送の場合、投函日・消印日でなく到着日が受理日となるので、早めに郵送手続きをすることが大切です。また、郵送する際には、切手を貼付した返信用封筒を必ず同封し、管轄のハローワークに送付してください。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の郵送方法や他の申請方法について
3-3. 電子申請で提出
雇用保険被保険者資格取得届は、電子申請システムを活用してオンラインで提出できます。電子申請とは、e-Govや労務管理ソフトを利用し、オンラインで申請する方法です。企業が労務管理システムを導入していれば、電子申請が非常に簡便であり、ハローワークに行く手間や郵送コストを削減できます。まずは電子証明書を取得し、システム環境を整えることから始めましょう。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の電子申請のメリットや手続きの流れ
4. 雇用保険被保険者資格取得届を作成・提出する際の注意点
ここでは、雇用保険被保険者資格取得届を作成・提出するにあたり、注意しなければいけない点について詳しく紹介します。
それぞれの内容に不備があると、書類の再提出が必要になることもあります。もし加入手続きをおこなわなかった場合は、雇用保険法に基づき6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性もあるので、忘れずに対応しましょう。
4-1. マイナンバーの記入が必要
雇用保険被保険者資格取得届には、従業員のマイナンバーの記入が必要です。個人情報を含むため、その取り扱いには十分注意が求められます。雇用保険に加入する従業員には、マイナンバーの使用用途を事前にしっかりと伝え、理解を得ることが重要です。
従業員がマイナンバーの提供を拒否した場合、その旨を所轄のハローワークに報告すれば問題ありません。その際、雇用保険被保険者資格取得届の備考欄に「本人事由によりマイナンバー届出不可」と記載して対応します。
また、従業員がマイナンバー通知カードやマイナンバーカードを所持していない場合でも、住民票を取得することでマイナンバーを確認できます。これにより、適切な情報の記入が可能となります。個人情報の取り扱いに関しては、従業員の信頼を損なわないよう、細心の注意を払いましょう。
4-2. 指定された数字で記入する
雇用保険被保険者資格取得届は、各項目で当てはまる数字を記入するだけで書き終えることが可能ですが、次のように特に記入時に注意すべきポイントがいくつかあります。
- 【2.被保険者番号】を確認しても不明な場合、雇用する従業員の同意を得て備考欄に前職の事業所を記入するか、職歴がわかる履歴書を添付してください。
- 【11.資格取得年月日】には、雇用契約書に記載された雇用関係が開始した日を記入します。実際の入社日や研修期間後の日を書きがちなので、間違いがないように特に注意が必要です。
- 【15.所定労働時間】については、雇用契約書に記載された通常の週に働く時間を記入します。残業や試用期間がある場合は、雇用契約書や就業規則をしっかり確認してください。
これらの注意点を守ることで、誤りのない雇用保険被保険者資格取得届を作成できます。
4-3. 印刷・入力時のポイントを理解しておく
雇用保険被保険者資格取得届の様式は、管轄のハローワークで受け取れるほか、ホームページからのダウンロードも可能です。ただし、様式を印刷する際は、次のような点に注意が必要です。
- A4の白色用紙であること
- 等倍(100%)で印刷すること
- 読取時の基準マーク(3点の■)が印刷できていること
- 印刷した様式が用紙に対して極度に傾いていないこと
- 文字や枠線にかすれがない、2重に印刷されていないこと
紙の雇用保険被保険者資格取得届を提出した後は、光学式文字読取装置(OCR)によって読み取られます。その際に■マークが基準となるため、届出する前に正しく印刷されてるか必ず確認するようにしましょう。
また、正しく読み取られるよう、□が使われる記入枠は鉛筆(HB程度)を使用することが推奨されます。それ以外の部分は、ボールペンやゴム印を使用しましょう。
必要事項を入力してから印刷する場合、半角の表記がない箇所は全角で入力してください。このように、印刷・入力時のポイントを押さえておくことで、正確かつスピーディーに雇用保険被保険者資格取得届を作成・提出することができます。
4-4. 提出期限に遅れることなく、提出先へ届出ること
雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は、対象者が被保険者となった日(=入社日)の翌月10日までです。提出先は、事業所のある管轄のハローワークとなります。
月末に雇い入れをおこなった場合、提出期限まで十数日しかないという可能性もあります。先に手続きの準備を進めておくか、難しい場合は採用部と連携して入社するタイミングをずらしてもらうようにしましょう。
4-5. 雇用保険被保険者証の管理に気を付ける
雇用保険に新規で加入する場合、雇用保険被保険者証が発行されます。雇用保険被保険者証は、会社を通じて交付することが認められています。そのため、会社に雇用保険被保険者証が届いたら速やかに本人に交付しましょう。
また、雇用保険被保険者証は、従業員が退職して資格喪失手続きをする場合や、退職者が転職先で再び雇用保険に加入する場合などに必要となる書類です。十分管理に気を付けるよう従業員にも伝えておきましょう。
(被保険者証の交付)
第十条 公共職業安定所長は、法第九条の規定により被保険者となつたことの確認をしたときは、その確認に係る者に雇用保険被保険者証(様式第七号)を交付しなければならない。
2 前項の規定による被保険者証の交付は、当該被保険者を雇用する事業主を通じて行うことができる。
5. 雇用保険被保険者資格取得届以外の必要書類
雇用保険被保険者資格取得届は、定められた期限内に提出すれば、原則として添付書類は必要ありません。しかし、特定のケースに該当する場合、雇用保険被保険者資格取得届とは別に書類の提出を求められることがあります。
5-1. 添付書類が必要になるケース
以下の場合は添付書類が必要になります。
- その事業の事業主として、初めて雇用保険被保険者資格取得届を提出する
- 雇用保険被保険者資格取得届の提出期限(入社月の翌月10日)を過ぎている
- 過去3年以内に事業主の届け出内容が原因の不正受給が発生した
- 労働保険料を滞納している
- 雇用保険被保険者資格取得届の記入内容に大きな矛盾がある
- 労働関連の法令に大きな違反歴のある事業主による届け出
- 取締役をはじめ、経営者に近い立場の人で従業員としての身分をもつ人が被保険者
- 事業主と同居している親族の届け出
- 被保険者が在宅勤務者の場合
- 有期契約労働者の場合
これらは特殊な事情ですが、初めて雇用保険被保険者資格取得届を提出するケースや、提出期限の超過は当てはまることも多い部分です。
雇用保険被保険者資格取得届を作成する際に、添付書類についても確認するようにしましょう。
5-2. 求められる添付書類の一例
雇用保険被保険者資格取得届とは別に求められる書類の種類は、管轄のハローワークのホームページ、または窓口で確認できます。添付書類の一例をご紹介します。
- 労働者名簿
- 賃金台帳
- 雇用と資格取得日が確認できるもの(タイムカード、出勤簿など)
- 有期労働者の労働条件が確認できるもの(就業規則、雇用契約書など)
基本的には、労働者を雇ったという証拠になる書類や、就業条件のわかる書類が求められます。自治体によって対応に違いがあることもあるので、添付書類を求められる条件に当てはまりそうな場合は、必ず確認しましょう。
また、大幅に提出期限を遅れて雇用保険の加入手続きをする場合、遅延理由書の添付が必要になります。無駄な添付書類を省くためにも、提出期限を守って正しく手続きしましょう。
関連記事:雇用保険被保険者資格取得届の遅延理由書の書き方や例文を紹介
6. 雇用保険被保険者資格取得届は正しく記入して期限内に提出しよう
雇用保険被保険者資格取得届は、新しく入社した人や雇用保険適用になる人が生じた際に、必要になるものです。
記入すべき内容が多いため、ついつい後回しにしがちですが、提出期限があることを忘れずに、早めに処理しましょう。労務管理システムがある場合は、時間を大きく短縮できる電子申請がおすすめです。
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