ワークフローの承認ルートとは?重要性と承認フロー作成のコツを解説
更新日: 2026.6.1 公開日: 2022.12.7 jinjer Blog 編集部
社内で書類を作成すると、上司や別の部署の担当者など複数の従業員からのチェックや、役員からの承認を得なければならないケースがあります。
こうしたチェックや承認の一連の流れを承認ルートといいます。
承認ルートは明確化されていないことも多く、業務を非効率にしている原因の1つでもあります。
今回はワークフローにおける承認ルートとはなにか、承認ルートの重要性や基本形について解説します。
- 「承認者が出張/直行/休暇などの不在で稟議が止まってしまう…」
- 「期日のある申請の進捗状況に関する問い合わせ対応に追われている…」
- 「稟議承認のためだけに出社するのはもうやめたい…」
このような課題は、ワークフローの見直しで解決できるかもしれません。本資料では、紙やExcelでの申請・承認業務が抱える課題と、システム化によって得られる解決策をわかりやすく解説しています。
◆この資料でわかること
- 自社の運用に合わせた承認ルートの組み方(直線・並列・条件分岐など)
- 導入で失敗しないためのシステム選定・運用のポイント
興味はあるけれど「何から手をつければいいかわからない」という方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. ワークフローの承認ルートとは?


ワークフローの承認ルートとは、「申請された内容がチェックや承認を受け、決裁されるまでの道筋」です。
経費が発生した場合のよくある承認ルートを考えてみましょう。経費が発生した「申請者」は「課長」経費申請書を提出し、課長がそれを承認したら次は「部長」に承認を求めます。「部長」が承認をしたら、「部長」から「経理部課長」に承認を得て、決裁がされます。
「申請者→課長→部長→経理部課長」という流れを経て、経費申請が決裁される一連の工程があり、これがワークフローの申請ルートです。このルートは企業によって大きく異なりますが、申請者から最終決裁に至るまでの道程はすべてワークフローの承認ルートと呼べます。
こうしたワークフローの承認ルートが明確に設定されていると、申請した書類の状況を把握しやすくなり、紛失や改ざんなどのリスクを下げられます。また、社内ルールに則った決裁がされることで、適切な意思決定もされやすくなるでしょう。
2. ワークフローにおける承認ルートの重要性


正しいワークフローの作成には、承認ルートの確認が大切です。その理由を3つ紹介します。
2-1. 業務フローを効率化する
承認ルートが明確になると、申請した書類の状況を確認しやすくなります。複数人の確認が必要な場合は、どこまで承認されているのかを確認することや、遅滞が発生している箇所や理由を知りやすくなります。また、必要以上のチェックを削減することや、ボトルネックになりやすい箇所の発見もできるでしょう。
これによって業務フローが効率化され、スムーズに決裁までたどり着けるようになります。
2-2. 担当者不在時に対応できる
申請した書類を担当者がすぐに承認してくれるとは限りません。
出張、休暇、会議などによって確認が遅くなるのはよくあることで、急ぎの案件の場合に担当者が1人だけだと非常に困った状況になります。
そのようなときに備えて、承認ルートで代理の担当者をあらかじめ決定しておけば、承認をスムーズに進められます。
本来の担当者も代理の担当者のことを把握できているため、その後のやりとりもスムーズにできます。
2-3. 申請や決裁時の不正、偽造、ミスを防ぐ
承認ルートが明確になっていると、いつ誰が承認したかを客観的に把握できます。
反対に、承認ルートが不明慮なままだと申請内容を全員が確認できなかったり、途中で承認が滞ったり、さらに不正、偽造、ミスが発生する可能性もあります。
すべての担当者が正しく承認ルートに携わっていれば、ミスや不正の可能性も低減でき、クリーンな経営ができるでしょう。
このように、ワークフローの承認ルートを定めることにはいくつかのメリットがあります。しかし、複雑な承認ルートの場合、紙の管理だと紛失のリスクやボトルネックのわかりにくさなどが発生し、承認ルートを構築しても上手く機能しない可能性があります。
何段階にも分かれた複雑な承認ルートを効率化したい場合は、ワークフローシステムの導入がおすすめです。システムによって承認状況が可視化できるため、紛失や遅滞などのリスクを下げられます。
当サイトでは、ワークフローシステムで解決できる課題と導入イメージを紹介した資料を無料でお配りしています。ワークフローを電子化した際の業務フローを具体的に知りたい方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
3. ワークフローにおける承認ルートの種類を基本型から紹介


ワークフローの承認ルートにはさまざまな型があります。直線型、指名型、条件分岐型、並列型の基本の型を見ていきましょう。
3-1. 直線型
直線型はその名のとおり、申請から承認、決裁をする担当者までが一本の直線でつながっている型です。
直線型の承認ルートに則って承認を進めるだけであるため、スムーズに作業を進められます。
最終決定をする担当者は、特定の肩書、職位を持つ人が担当することが多いです。
3-2. 指名型
指名型は直線の承認ルートの中に新しく承認者を追加したものです。
承認を進めていく中で、他部署の担当者の承認や確認が必要になるケースもあります。
そのときに担当者を指名して追加します。
指名型は派生していく可能性が高く、指名された承認者がさらに別の承認者を指名するパターンもあるため、複雑になりやすいです。
すべての承認者を正確に把握できるよう、情報を共有することで適正な運用をしやすくなります。
3-3. 条件分岐型
条件分岐型は、申請内容や金額等一定の条件によって承認ルートが分岐する形式です。たとえば、申請書の金額が10万円未満の場合は課長が最終決裁をおこない、10万円以上であれば課長が承認し、さらに部長が最終決裁を担当する設定が考えられます。このように、申請内容の重要性や金額が増えるほど、必要な承認ステップが増える仕組みです。
他には、会議の中で対応するエリアが西日本に決定したら西日本を担当する部署に、東日本に決定したら東日本を担当する部署に……と、ルートを適宜変更する必要があります。
条件分岐型は規模が大きくなればなるほど承認者が増える傾向にあります。
こうした設定により、申請プロセスの最適化が図れ、各グループや部門の特性やニーズに応じた柔軟なフローを実現できます。また、上長による適切な判断を得ることで、企業全体の業務効率を向上させることが期待されます。条件分岐型を導入することで、ワークフローシステムの精度とスピードが大幅に向上し、経営層のニーズにもしっかりと応えることができます。
3-4. 並列型
並列型は特に大規模な業務で取り入れられる承認ルートです。
1つの業務を複数の承認ルートに同時に提出し、最終的に1人の決裁者に届くようにしなければなりません。
すべての承認ルートで承認した上で最終決定に進む、過半数の承認を受けて最終決定に進む、いずれか1つでも承認されれば最終決定に進むなど、条件は複数のパターンがあり非常に複雑です。
業務内容によってどのパターンを選択するか適宜確定しなければなりません。
複雑になる分承認がどこで止まっているか、なぜ止まっているか、正しいルートを通っているかなど確認すべき事項も増え、ミス、不正も多くなりやすいです。
3-5. 未定義のケース
未定義のケースでは、あらかじめ承認者や決裁者を決めず、申請内容に基づいて随時承認ルートを指定する方法を採用します。このような未定義の承認ルートは、新規事業開発のように複数の部署が連携する際の利用が特に有効です。
事業内容によって関係部署が変わるため、事前にパターン化するのは困難ですが、未定義のルートであれば申請内容に合わせて適切な承認者を臨機応変に設定でき、柔軟に対応できます。具体的には、予備のルートや担当者を追加することで迅速かつ適切な承認プロセスを実現し、企業全体のワークフローの効率化に寄与します。このアプローチにより、変化の多いビジネス環境でも柔軟かつ効果的に対応できます。
3-6. 代理が必要なケース
特定の条件や承認者が不在時、迅速かつ確実に承認フローを進行するためには代理が必要な場合があります。代理の存在は、急ぎの決裁が必要なときや担当者の長期不在の際に欠かせません。
代理による柔軟な承認ルートを確保するためには、事前に代理承認者を設定することが重要です。あらかじめ代理を決めておくことで、担当者が不在の際も即座に他の社員が申請や承認をおこない、スムーズなワークフローの継続が保証されます。
4. ワークフローの承認ルートを見直すコツ


ワークフローの承認ルートが間違っていると、最終決定までに時間がかかったり連絡漏れが発覚したりする可能性があります。
業務を効率化しクリーンに業務を遂行するためには、承認ルートの見直しは必要不可欠です。
見直しの際に意識すべきコツを見ていきましょう。
4-1. 導入の準備はしっかりする
ワークフローにおける承認ルートの見直しをする際は、事前準備をしっかりしましょう。
業務のすべてを洗い出し、本当に必要な承認の数、最短で最終決定に進むためのルートなどを確認しなければなりません。
改善のためには1人だけではなく、多くの担当者や部署の人間が話し合いに参加する必要があります。
どの方法が効率的か、どのような点が非効率だと感じているかなどを聞き出し、承認ルートの見直しに活用してください。
業務の無駄の見直し、効率化はワークフローの管理において重要です。
承認ルートをスムーズなものにするためにも事前準備は特に入念におこないましょう。
4-2. 代理となる担当者を決定する
担当者が不在時にもスムーズの最終決定に進むためには、代理となる担当者を決定しておくことも大切です。
承認ルートを見直しても、代理人を決定していなかった場合はその段階で業務がストップし、余計な日数がかかるケースも出てくるでしょう。
事前に代理人を決定し、すべての担当者に把握しておいてもらえれば、担当者が不在だった際にも円滑に業務を進められます。
代理人は事前に決定し、他の担当者にも代理人を周知させておきましょう。
4-3. 担当者や担当部署に周知させる
承認ルートを決定しても、担当者、担当部署が把握していなければ意味がありません。
決定した承認ルートはすぐに担当者、担当部署に連絡し、全員が承認ルートを正しく把握できるようにしてください。
ワークフローを管理するのが大変な場合は専用のシステムを導入することも可能ですが、システムの操作についても全員が把握しておかなければなりません。
じっくり時間をかけて丁寧に研修し、従業員全員が使いこなせるようにしましょう。
4-4. 条件別に承認ルートを設定する
承認ルートには上記で解説したとおりさまざまな型があります。
業務内容の条件別に、承認ルートを設定しておかなければなりません。
規模が大きい場合は並列型が便利ですが、これにはミスや不正が起きやすいデメリットがあります。
日常的な業務は基本的に直線型を採用し、臨時に指名型も取り入れるなど、臨機応変な対応が必要です。
4-5. ボトルネックを分析する
従来の承認ルートで発生していたボトルネックを見つけ、それを解消することも重要です。ボトルネックを見落としたまま新しい承認ルートを作ってしまうと、同じ場所で遅滞が発生し、新しい承認ルートでも同じ問題が発生する可能性が高いからです。
決裁に至るまでの時間がかかりすぎている場合は、まずはその原因を見つけ、分析し、問題を解消できる承認ルートを作りましょう。
4-6. 自動化できる部分を見つける
承認ルートの中には、自動化できる部分があるケースも多いです。例えば、申請フォームのチェックや入力漏れのチェック、申請書の生成などは自動化がしやすい部分です。単純で日常的に発生する承認は、特に自動化がしやすい部分です。
人の手を離れる割合が多いほどにワークフローは効率化され、ミスも防げます。各担当者の手間も省けるため、ワークフローシステムなどを活用し、最大限に自動化を進めましょう。
5. 各担当者の意識が滞留を生むこともある


ワークフローの承認ルートを見直し、自動化を進めても、必ず人による確認や承認は必要です。何らかの原因によって人の手が入るところで流れが止まってしまうと、順調だった流れも途端に止まってしまいます。人が原因の滞留を知り、それを解消することが大切です。
5-1. 心理的負担が滞留の原因になる
心理的負担とは、仕事や私生活でのストレスなどが原因で「面倒くさい」「億劫だ」「イライラする」など、心にかかっている負荷のことを指します。
こうした心理的負荷は仕事の遅滞や滞留を発生させます。噛み砕いて表現すると、「仕事が多くて書類のチェックや承認が面倒になり後回しにする」という状況です。
後回しにしても、処理がされれば多少の遅滞で済みますが、そのまま忘れたり、書類を紛失したりすると長期間承認がされないままになります。こうした状況が多発すれば、業務は滞り、生産性の低下や従業員からの不満につながるでしょう。
ワークフローの承認ルートを見直したとしても、心理的負担による滞留を解消できないと必ずボトルネックが発生します。そのため、承認ルートは可能な限り短く、承認作業も簡単におこなえることが大切です。
5-2. 心理的要因による承認ルートの滞留を減らすには
承認ルート上における「めんどくさい」「今忙しい」が原因の滞留を減らすには、可能な限りの簡略化を進める必要があります。
- 不要な工程を削減する
- デジタル化や自動化を進める
- 定型化する
- 期限を設定する
- 進捗を可視化する
こうした対策で心理的要因による滞留を減らすことが可能です。
必要以上の承認や冗長な確認を減らし、自動化や定型化することで人がおこなう工程を削減できれば、それだけボトルネックが発生する可能性がある箇所も減らすことが可能です。
さらに期限を設定したり、進捗を可視化したりすることで承認作業の優先度が上がります。
6. ワークフローの承認ルート設定に関するよくある質問


ワークフローの承認ルートや、ボトルネックの解消が必要なことなどは理解できたと思います。しかし、実際に承認ルートを見直したり、新たに構築しようとすると疑問が出てきます。ここではそうしたよくある疑問を2つ紹介します。
6-1. 承認ルートの決め方がわかりません
ワークフローの承認ルートを決めるには、まず現行の業務フローを可視化し、ステップごとに責任者を明確にすることが重要です。
そのうえで業務の特徴を把握し、多様な承認ルートを検討していきます。次に、不必要な承認や冗長なチェックを省き、自動化や定型化できる部分を見つけて対応していきましょう。これまでの承認ルートで遅滞が発生していた場合は、ボトルネックを見つけ、解消する必要もあります。こうした工程を経て、最短で効果的な承認フローを構築します。
しかし、承認ルートは上手く機能するとは限らず、状況に応じた変化も求められます。そのため、現場の意見を取り入れつつ定期的な見直しをおこないましょう。
6-2. 承認ルートの無駄が多く改善したい
承認ルートの無駄を減らすためには、シンプルで簡単な基本型のワークフローを採用することが重要です。まず、現行のルールやプロセスを見直し、不要な承認・回覧ステップを廃止することが優先されます。基本型で紹介しているような一般的な事例を参考に問題点を可視化し、それに基づいて改革をすることで、現状のワークフローにおける無駄を洗い出しましょう。
正しい承認ルートの改定は、意思決定のスピードを向上させます。また、会社内の情報システムを活用し、通知機能を使って業務の対中を防ぎ業務効率を向上させることもできるため、大変な作業ではありますが承認ルートの無駄を削減し、業務のスムーズな進行を実現しましょう。
7. ワークフローの承認ルートを正しく設定して効率化を図ろう


ワークフローの承認ルートとは、申請から決裁に至るまでの一連の流れのことを指します。この承認ルートが適切に設定されていないと、申請がなかなか進まず、必要な決定がいつまでもされません。また、ミスや不正が発生する原因にもなるため、ワークフローの承認ルートは会社の安定や透明性のある運営には欠かせないものです。
ワークフローの承認ルートを作ったり、見直したりする際は余計なステップを省き、代理の承認者を設定することが重要です。自動化や定型化も取り入れ、人がおこなう作業を極力減らすことで、ボトルネックも発生しにくくなるでしょう。
承認ルートの自動化には、ワークフローシステムが活躍します。可視化もできるため、スムーズに業務を進めるために、ぜひご活用ください。



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