立替金の基本から仕訳方法、よく似た勘定科目との違いを徹底解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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立替金の基本から仕訳方法、よく似た勘定科目との違いを徹底解説

立替金

会社の内部あるいは外部を問わず、お金のやり取りがあるなかで、取引先または従業員などが負担するべき部分を企業が立て替えた際に用いられる勘定科目が立替金です。
会社が支払っておくという点において、仮払金や貸付金、預り金と混同しやすい要素を含んでいます。

今回は、立替金の基本的な部分や仮払金や貸付金、預り金との違いについて、詳しく解説します。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

そこで当サイトでは、勘定科目や仕訳に関する基本知識と各科目ごとの仕訳例を網羅的にまとめた資料を無料で配布しております。 会計の理解を深めたい方には必須の知識となりますので、ぜひ資料をダウンロードしてご覧ください。


1. 立替金とは?わかりやすく解説

とは

まずは立替金がどのようなお金なのか、該当する条件と合わせてみていきましょう。

1-1. 会社が一時的に立て替えたお金を処理する勘定科目

立替金は、会社が一時的にお金を立て替えた際に用いられる勘定科目です。

取引先や従業員などが、本来負担すべきときに会社が一時的に立て替えている状態になった場合、その金額を処理するために使います。

立替金とよく似た勘定科目に仮払金や貸付金などがあります。いずれも会社がお金を立て替えた際に発生するものですが、すべて異なるものです。本ページではこの違いについても解説するため、しっかりと区別して正しい仕訳ができるようにしましょう。

1-2. 立替金に該当する条件

立替金にはよく似た勘定科目もあるため、該当する条件を正確に把握しておきましょう。

社内外問わず立て替える相手を問わない

立替金に該当する条件として、まず挙げておきたいのは立て替える相手を問わないという点です。
取引先や自社の従業員など、会社の内部または外部を問わず、立て替えた際に用いられます。

この点を勘違いしていると貸付金や仮払金と間違えてしまうことがあるため、十分に注意しておきましょう。

立て替えたお金が一時的なものである

もう1つの条件は立て替えたお金は一時的なものであるということです。
あくまでも一時的に支払って立て替えたお金であるため、やがては回収されます。この点において貸付金とは異なり、利息がつきません。

立替金に該当する具体例として、以下3つのようなシチュエーションが考えられます。

  • 従業員や役員が自ら支払うべき私的な金銭を会社が一時的に支払った
  • 配送料など、取引先が支払うよう決めていたものを自社で一時的に支払った
  • 雇用保険料のように従業員が支払うべきものを会社が一時的に支払った

いずれも本来金銭を負担する側が明確になっており、一定の期間後には返ってくることがわかっているお金です。

立替金の仕訳の際にはこの点にも注意し、どのような背景があったのか確認することも重要です。

関連記事:立替金が売上になるケースや実務上の立替金の位置づけについて解説

2. 立替金の勘定科目と仕訳例

説明

立替金が発生した際と、発生していた立替金を回収した際にはそれぞれ個別の仕訳が必要です。その内容を例を挙げながら解説します。

2-1. 立替金が発生した場合

まずは立替払いをし、立替金が発生した際の仕訳方法です。

会社側が従業員や取引先に12万円を立て替えたと仮定した場合の仕訳方法は以下の通りです。

借方 貸方
立替金 120,000 現金 120,000

加えて、摘要欄には立替金の詳細やどのような内容ものであるのか記載します。

2-2. 立替金を回収した場合

会社側が立て替えて支払っていた金額を回収した際も、その際のお金の動きを遺しておく必要があります。

12万円の立替金を回収した場合の仕訳方法は以下の通りです。

借方 貸方
現金 120,000 立替金 120,000

このようになり、立替金には利息がつかない元の金額を記載します。なお、回収までに時間がかかった場合は、立替金ではなく貸付金振替をしなくてはなりません。

その際は利息の計上も必要になるため、できるだけ回収は迅速におこなえるように準備をしておくとよいでしょう。

3. 立替金と似た勘定科目

考える

立替金と似た部分があるために混同してしまいがちな勘定科目がいくつかあります。
仮払金と貸付金、預り金との違いをそれぞれ見ていきましょう。

3-1. 仮払金 

仮払金とは、会社側があらかじめ、ざっくりとした金額を支払っておいた際に用いられる勘定科目です。
代表的な例として出張が挙げられます。

出張では経費が必要になりますが、端数まで細かく計算するのは難しいです。
そこで、これくらい必要になるだろうと大まかに予算を立てて、まとまったお金をあらかじめ払っておきます。

出張のほか、営業所に対して小口資金としてひと月あたりに必要となる予算から金銭を支払う場合にも仮払金となります。

仮払金は、金額が明確になってから支払いをします。
基本的に、仮払金は経費として計上されることが確定しているため、債権を伴いません。

3-2. 貸付金

貸付金は、立替金のように相手に代わってお金を支払った際に用いられる勘定科目です。
取引先や従業員個人に対してお金を貸した際は、貸付金となります。

立替金と明確に異なる点として、お金の返済が挙げられます。
貸付金には返済期日がはっきりと決められており、その日までに返す約束を結びます。

立替金は、返済期日をはっきりと定めません。
しかしいつまでも待っているわけではなく、返済が見込めない場合は勘定科目を貸付金に変えて返済期日を設定する必要があります。

加えて、貸付金はその用途が明確に決められていません。
どのように使われるのかがはっきりとしているのであれば、立替金として処理することが可能です。

3-3. 預り金

預り金は、本来であれば会社側が負担しない費用を、あらかじめ取引先や従業員からお金を預かっておき、その都度支払うお金を指す勘定科目です。

とくにわかりやすい例として、社会保険料が挙げられます。
給料からあらかじめ天引きしておいて支払われる社会保険料は、従業員のお金を一時的に預かっておき、本人の代わりに支払えるように預り金にしておきます。

立替金とは、誰のお金かという点で異なります。
立替金は会社のお金で立て替えて支払い、預り金は従業員や取引先のお金で支払います。

支払いのためにあらかじめその本人からお金を受け取っているか、あるいはあとから返してもらうのか、この点で区別ができますので覚えておきましょう。

3-4. 従業員立替金

従業員立替金とはその名称の通り、立替金の中でも従業員が立て替えたお金に対して使われる勘定科目です。立て替えた先が取引先なのか、従業員なのかを判別するために利用されます。

関連記事:従業員立替金が発生する例について具体的なシチュエーションを解説

4. 立替金は消費税の対象になるのか

税金

立替金は原則として消費税の対象になるものです。これは立替金の多くが「自社のために消費されたお金」であるからです。

例えば、会社が従業員の雇用保険や出張先での思わぬ出費を立て替えたり、取引先の送料を立て替えたりした場合が挙げられます。いずれも自社のことであるため、立替金が消費税の対象になります。

反対に消費税の対象にならないケースは、社外のことに立替金が使われた場合です。頻出することはありませんが、一例としては取引先が支払うと決まっている送料や費用を立て替えた場合が該当します。

社内ではなく、社外の取引先のために立て替えているお金になるため、こうしたケースでは消費税の対象になりません。

関連記事:立替金は原則として消費税の対象となる!例外と合わせて詳しく紹介

5. 立替金の消込処理を効率化する方法

計算

立替金には消込処理というものがあります。少し複雑な処理方法であるため、消込処理について説明するとともにミスの少ない処理方法を紹介します。

5-1. 立替金の消込処理とは

立替金は一時的にそのやり取りを仕訳するための勘定科目です。
入金があったら、それぞれに応じて売掛金や買掛金のように債権の勘定科目を消していく作業が必要となります。

これが、消込処理です。
立替金として仕訳したものを明細から一つひとつ照らし合わせる必要があり、数が多いほどにかなりの時間と労力を要してしまいます。

仮払金や貸付金、預り金など、ほかの勘定科目にも同じことが言えるため、あらゆる入金消込と並行して処理しなければいけません。
限られた人員でおこなっていれば、どうしてもミスが発生してしまうでしょう。

そこでおすすめしたいのが以下のような業務の正確性と効率性を上げる方法です。

5-2. 業務のシステム化

金融機関との連携が行えるソフトやアプリを活用して、出金や入金といったデータの取り込みと消込処理を自動化させるアイデアです。
これまで担当者が手動でおこなっていたところをソフトやアプリに任せてしまうことで、大幅な業務効率化を期待できます。

消込処理を手動でおこなう場合、以下6点の問題があります。

  • 請求と振込の名義が違うため、照合が大変
  • 複数ある場合、合算して支払われてしまう
  • 請求と入金の金額が違う
  • もし未入金だった場合、繰越請求が必要
  • 人力で作業するとどうしてもヒューマンエラーのリスクがともなう
  • 担当者が異動あるいは退職することでノウハウ不足に陥る

こういった問題は、システム化によってまるごと解決することが期待できるでしょう。

5-3. 仮想口座の作成

立替金を管理するために、仮想口座を活用するアイデアです。
顧客ごとあるいは注文ごとに仮想口座を割り当てることで、立替金がわかりやすくなり、効率よく管理できます。

履歴を確認することで、入金の間違いがあったとしても柔軟に対応することができるのがポイントです。

5-4. 外部委託

消込処理を自社でおこなうのではなく、委託業者に任せてしまうアイデアです。
システム化が自社に合わなかったり、仮想口座を用いた管理するには取引先が多かったり、根本的な人材不足に悩まされていたりする場合におすすめできます。

システム化と同様に自社内でおこなう作業を大きく減らすことができ、コア業務に割ける労働力をより多く確保できるでしょう。

6. 立替金を処理する際の注意点

請求書

立替金は本来負担すべきだった代金を立て替えて支払ったものなので、後に返してもらう必要があります。その際に利用するのが立替金請求書(立替金支払依頼書)です。返済が遅くなると負債になってしまうケースもあるので立替金が発生した後は速やかに立替金請求書を発行するようにしましょう。

関連記事:立替金の支払いに必要な請求書の書き方や注意点について

6-1. 消費税の取り扱いに注意する

立替金は原則として消費税の対象になります。しかし、社外のために立替金が発生した場合は、自社で消費したものではないため消費税の対象外になります。

立替金の消費税の取り扱いに関しては複雑でわかりにくい部分が多いです。迷った場合は専門家に相談するか、以前の会社の処理方法を確認するようにしましょう。

6-2. 領収書を必ず発行してもらう

何らかの費用を立て替えた際は、その証拠に必ず領収書を発行してもらいましょう。

従業員が本来負担すべき費用を会社側が立て替えた場合はまだ問題になりにくいですが、取引先が負担するべき費用を立て替えた場合は、領収書がないと請求ができないことがほとんどです。

立て替えたことを客観的に証明できるものが必ず残るように、立替金の発生時には領収書を忘れてはいけません。

6-3. 似た勘定科目と間違えないようにする

前述したように立替金には仮払金や貸付金など、似た勘定科目があります。

似てはいるものの全く違う勘定科目であるため、正しく経費を仕訳して消費税の間違いをなくすために、間違えないように処理をしましょう。

慣れないうちは確認作業を二重にしたり、ベテランの助けを借りて仕訳したりすることも考えるとよいかもしれません。

7. 複雑な立替金は自社に合った方法で処理をしよう

ポイント

立替金は、仮払金や貸付金、預り金のように、一時的な金銭のやり取りを扱う勘定科目です。
出金に対して後から入金があるため、適切な消込処理をおこなう必要があります。そのままにしてしまうと貸付金に変えなければいけません。

立替金は数が増えるほど処理に多くの時間と労働力を必要としてしまいます。効率よく解決するためのアイデアの採用をぜひご検討ください。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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jinjer Blog 編集部

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