年俸制でボーナス(賞与)は支給する?税金・社会保険料も解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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年俸制でボーナス(賞与)は支給する?税金・社会保険料も解説

男性

「年俸制でボーナスって支払うの?」

「年俸制と月給制でボーナスに違いはある?」

上記の疑問を抱えていませんか。

ボーナスは企業の業績や従業員の評価によって決まるため、原則的に支給義務はありません。しかし、契約によっては支給義務が発生するケースもあります。

従業員との金銭的なトラブルを防ぐために、年俸制におけるボーナスの取扱いについて理解しておきましょう。

本記事では、年俸制におけるボーナスについて支給の義務や注意点、税金や社会保険料の取扱いについて解説しています。

年俸制でのボーナスについて知っておくべき情報を網羅的にまとめているので、ぜひ最後までお読みください。

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1. 年俸制でもボーナス(賞与)支給の義務はない

はてな

原則として、年俸制ではボーナスの支給義務はありません。

ボーナスは、一般的に企業の業績や従業員の貢献具合などに応じて決定されます。そのため、ボーナスの有無や支給する際の条件や方法については、企業の裁量次第です。

業績が著しく悪化した場合などには、ボーナスを減額したり支給を取りやめたりしても法的には問題ありません。

しかし、年俸の一部を形式的にボーナスとする場合は支給義務があります。年俸の一部を分割して支払う形となるため、業績や貢献具合を問わず全額を支払わなければなりません。

年俸にボーナスを含むかどうかで、法的な取扱いが異なる点には注意してください。

2. 年俸制でボーナス(賞与)を支給する方法

はてな

年俸制でボーナスを支給する方法は、以下の2つです。

  1. 年俸に含めて支給
  2. 年俸とは別に支給

ボーナスの支給方法によって取扱いが異なるため、違いを理解しておきましょう。2つの支給方法について、詳しく解説していきます。

2-1. 年俸に含めて支給

年俸制でボーナス(賞与)を支給する方法として、年俸に含めて支給することが挙げられます。具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 年俸額を決める
  2. 年俸額を13回以上で分割する
  3. 12回分を毎月の給与として支払う
  4. 残りの金額をボーナスとして支払う

例えば、年俸が560万円でボーナスが2回の場合、支給回数は14回となり毎月40万円、2回のボーナス時に40万円ずつ支払う形です。以下に具体例をいくつか紹介します。

年俸額 支払い回数 月給 ボーナス
500万円 13回 38万円 44万円
600万円 14回 42万円 96万円
(48万円×2回)
700万円 15回 46万円 148万円

(約49万円×3回)

あらかじめ支給額を決めるため、資金繰りが悪化したとしても金額は変えられません

また、ボーナスを年俸に含めて支給すると、労働基準法上では全額が年俸とみなされます。

2-2. 年俸とは別に支給

ボーナスの支給方法として年俸とは別で渡すかたちもあり、以下の手順でおこないます。

  1. 年俸額を決める
  2. 業績や従業員の評価に応じてボーナスを支払う

具体的な支給方法としては、銀行振込か手渡しが一般的です。ボーナスの金額に合わせるとよいでしょう。

ボーナスを別に支給する場合、企業側に法的な支払い義務はありません。

企業の業績や従業員の評価に応じて支給の有無や金額を決められるため、財務面のメリットが大きいといえます。

また社会保険料を削減できることも利点です。

ボーナスのうち、社会保険料の対象になる金額は150万円を上限とされています。超えた分は対象とならないため、年俸を調節してボーナスで150万円以上を支給すれば社会保険料を削減可能です。

3. 年俸制のボーナス(賞与)支給に関する注意点

虫眼鏡

年俸制でボーナスを支給する際、以下の2点に注意してください。

  1. 年俸に含める場合は支給が必須になる
  2. 従業員の納得感を重視する

3-1. 年俸に含める場合は支給が必須になる

ボーナスを年俸に含める場合、支給が必須になるため注意してください。先述の通り、年俸制でボーナスを支払う際は以下の2つの方法があります。

  • 年俸に含めて支給
  • 年俸とは別に支給

年俸の一部をボーナスとして支払う場合、企業の経営状況にかかわらず必ず支給しなければなりません。形式的にはボーナスだとしても、契約上は年俸の一部とみなされるためです。

従業員へ相談や交渉をせずに減額したり支払わなかったりすると、賃金未払いとなるリスクがあります。

資金繰りについて不安がある場合、年俸とは別でボーナスを支給する契約を結ぶのがおすすめです。

3-2.従業員の納得感を重視する

ボーナスの有無や金額は、従業員の納得感を重視して決めることも重要です。従業員が不満を抱えたままだと、モチベーションの低下やトラブルに繋がりかねません。

以下のような項目を具体的かつ明確に定めることで、従業員との給与面でのトラブルを防げるでしょう。

  • 支給の有無
  • 支給方法
  • 支給時期
  • 査定期間
  • 算定基準

ボーナスの金額は評価に応じて決めるのが一般的ですが、新卒と中途採用で差をつけたり入社時期を考慮したりして調整する方法もあります。

企業風土や業種に合わせて、従業員にとって納得度の高い算定方法を定めましょう。

4. 年俸制のボーナス(賞与)の税金

はてな

年俸制におけるボーナスの税金は、基本的に月給制と変わりません。所得税や住民税などの各種税金は、給与体系にかかわらず年間の総所得額に応じるためです。

ただし、源泉徴収額については異なり、一時的に徴収される税額に差異が出る可能性はあります。

源泉徴収額は1ヵ月あたりの支給額に応じて計算するためです。ボーナスで大きな金額が支払われた場合、基本的にほかの月よりも徴収額が多くなります。

5. 年俸制のボーナス(賞与)の社会保険料

コイン

年俸制のボーナスに対する社会保険料は、基本的に月給制と同じ仕組みです。

社会保険料は、毎月の給与と年間のボーナス額に基づいて計算されるため、どの給与体系でも保険料率は変わりません。

ただし、高額な給与を得ている従業員は社会保険料を削減できる可能性があります。

ボーナスに対する社会保険料のうち、厚生年金保険料を計算する際に使われる標準賞与額は150万円が上限です。できるだけ年俸を減らしてボーナスでまとめて支給すれば、150万円を超えた分の厚生年金保険料を節約できます。

企業が負担する社会保険料も削減できますが、毎月の手取り額や年金額が変動するため、従業員と相談したうえで決めましょう。

参考:従業員に賞与を支給したときの手続き|日本年金機構

6. 年俸制のボーナス(賞与)の途中退職や解雇時の扱い

書類

年俸制の従業員が途中退職した場合、退職日にもよりますが基本的にボーナスを支払う必要はありません

自己都合退職では、年俸にボーナスが含まれる契約であっても未払い分を支払う義務はないとされています。会社都合による解雇では、ボーナス相当分を含む未払い給与を従業員から請求されるケースもあるため注意してください。

契約書や就業規則にボーナスの支給日以前に退職した場合は支給しない旨の記載があれば、一般的に支払いは不要です。

従業員との金銭的なトラブルを防ぐために、途中退職や解雇時のボーナスの取扱いについて就業規則や雇用契約書に明記しておくことをおすすめします。

7. 年俸制のボーナス(賞与)を正しく支給しよう

電卓

年俸制でのボーナスの支給方法はさまざまで、企業ごとに異なります。

原則的にボーナスの支給義務はありません。しかし、ボーナスを年俸に含む契約の場合は、業績や従業員の評価を問わず支払う必要があります。

自社の給与制度や財務状況に合った支給方法を決め、従業員とのトラブルを防ぐために就業規則や雇用契約書に記載しておくのが重要です。

ボーナスの支給方法や金額について従業員が納得するかたちで説明し、誤解がないように努めましょう。

年俸制やボーナスに関する制度を変更する場合、一方的に決めるのではなく従業員の意見を十分に聞くことも大切です。

透明性の高い評価制度や公平な基準を定めつつ、必要に応じて労務管理の専門家に相談しながら適切な制度設計と運用を心がけましょう

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OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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