労働時間に休憩は含む?含まない?気になるルールと計算方法 | jinjerBlog

労働時間に休憩は含む?含まない?気になるルールと計算方法

労働時間に休憩は含む?含まない?気になるルールと計算方法

休憩時間はランチタイムやコーヒーブレイクの時間として、労働者にとって心身を休めるための重要な時間です。では、この休んでいる時間は、労働時間とみなされるのでしょうか。

たとえばパート・アルバイトとして働いている方は時給×労働時間で給与が決定します。その場合、労働時間に休憩時間は含むのかどうか、やや分かりにくい面もあります。

しかし、この分かりにくさを利用して、短時間労働者に対して本来支払うべき給与を安くしようとするブラック企業もあるようです。労働時間と休憩時間の関係性は、企業側と労働者側の双方がきちんと理解しておく必要があるでしょう。

そこで今回は、労働時間に休憩は含むのか、含まないのかや、休憩時間の定義と付与のルールに関して詳しく解説します。

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この記事をご覧になっているということは、労働時間について何かしらの疑問があるのではないでしょうか。

ジンジャーは、日々に人事担当者様から多くの質問をいただき、弊社の社労士が回答させていただいております。その中でも多くいただいている質問を32ページにまとめました。

【資料にまとめられている質問】

・労働時間と勤務時間の違いは?
・年間の労働時間の計算方法は?
・労働時間に休憩時間は含むのか、含まないのか?
・労働時間を守らなかったら、どのような罰則があるのか?

労働時間に関する疑問を解消するため、ぜひ「【一問一答】労働時間でよくある質問を徹底解説」をご参考にください。

1. 労働時間に休憩時間は含む?含まない?

クエスチョンマークのイラスト

労働時間と休憩時間の関係性については、労働基準法第34条にルールが定められています。

罰則規定も設けられているので、雇用主である企業は厳守が原則です。以下では、法律に基づいた休憩時間の算定方法について紹介します。

1-1. 休憩時間の定義

休憩時間とは、労働者が労働時間の途中に労働から離れて自由に過ごす権利を保障された時間です。一方、労働時間の定義とは「労働者が使用者の指揮命令下にある時間」とされています。

休憩時間中、従業員は労働から離れ使用者の指揮命令下にはいないため、休憩時間は労働時間に含みませんしたがって、使用者は休憩にあてられた時間に対して賃金を支払う義務もありません。

1-2.労働時間に応じて与えなくてはならない休憩時間数

休憩時間の確保については、労働基準法第34条におて「労働時間が6時間を超えて8時間以内の場合は少なくとも45分」および「労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも60分」と定められています。

そのため制度上は、労働時間が6時間ちょうどになるまでだと、休憩なしでも問題はないとされます。

また、8時間を超えて時間外労働を行う場合は、最低限60分の休憩時間を確保すれば、違法とはみなされません。

1-3. 労働時間と休憩時間の計算方法

賃金支払いの義務がある労働時間のなかに休憩時間は含まれません。たとえば9時出社で17時退社という場合、会社にいる時間は合計8時間です。

この8時間のうち昼食時間として12時から12時45分までを休憩と定めているならば、労働時間は7時間15分と計算されます。

特にパート・アルバイトなど時給換算で給与が支払われる場合、会社にいる時間ではなく実際に働いた労働時間をもとに給与計算が行われるので注意が必要です。

2. 労働基準法が定める休憩時間の3原則

ひらめきのイラスト

休憩時間の付与に関しては、休憩を与える時間数のみに注意が向きがちですが、それ以外にも法律に定められたルールがあります。

労働基準法第34条の1~3項では、休憩の付与にあたり3つの原則を設けていますので、一つずつ確認しておきましょう。

2-1. 労働時間の途中に付与する

休憩時間は、労働時間の途中に与えなければなりません。

たとえば、労働時間が7時間の場合、最低でも45分の休憩が労働時間の途中で付与される必要があります。

休憩時間はいらないから、その分早く帰りたいといって「3時間働いて15分休憩し、さらに4時間働いた後に終業時間よりも30分早く退社する」といった場合では、30分が労働時間の途中ではなく後に付与されているので、この場合おける実質の休憩時間は15分です。

法令違反であり、このままだと処罰対象とされます。

2-2. 休憩時間は一斉に付与する

労働基準法第34条2項では、「休憩時間は、一斉に与えなければならない。」と規定しています。休憩時間を労働者ごとに変えることは、制度上認められていないわけです。

ただし、労使間において別途協定がある場合は、一斉ではなく交代などによる休憩時間の付与でも問題はありません。

さらに、労使協定がない場合でも、労働基準法別表第1に掲げる業種(運送業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、郵便・信書便・電気通信業、保健精製業、接客娯楽業、官公署の事業)に該当する場合、一斉休憩の例外が認められています。

2-3. 休憩時間は従業員の自由に使わせる

同じく労働基準法第34条3項において「使用者は、休憩時間を自由に利用させなければならない。」と規定されています。

休憩時間というと食事休憩になることが多いですが、休憩時間に病院へいったり、ちょっとした買い物をしてきたりなど、従業員が労働から離れて自由に使える時間としなくてはなりません。

3. 休憩時間を与えるときの注意点

てんびんのイラスト

ここまでで、休憩時間の定義や付与すべき時間数、付与の仕方について解説してきました。休憩時間の基本的な考え方は上記の通りですが、その他にも勤怠管理の担当者や使用者は理解しておかなくてはならない休憩時間のルールがあります。しっかりと確認しておきましょう。

3-1. アルバイト・パートの休憩時間は正社員と同じ

正社員の他にパート・アルバイトや派遣社員、契約社員を雇用している場合も、休憩時間を付与する際のルールは雇用形態によらず同じです。

パート・アルバイトや派遣社員にも労働基準法で定められている通り、労働時間に応じて休憩時間を与える必要があります。

たとえば、同じ時間働いているにもかかわらず、「正社員には7時間労働で45分の休憩を与えるが、派遣社員には30分の休憩にしている」といった取り扱いはできません。

雇用形態の違いによらず、労働基準法に定められているルールで休憩時間を与えましょう。

3-2. 就業形態が異なっても休憩時間の取り扱いは同じ

就業先での働き方が、時短勤務や裁量労働制である場合においても、休憩時間を付与する際のルールは通常通りになります。

時短勤務は原則6時間の勤務時間となるため、休憩時間を取らせることは必須ではありません。ただし、1分でも残業をしてしまえば労働基準法違反になってしまうので、休憩時間を取得させるケースが多くなります。

また裁量労働制も休憩時間は適用されます。ただし、実労働時間ではなくみなし労働時間で考えますので、みなし労働時間が6時間を超えているかで判断しなければなりません。

上記のように、就業形態の違いによらず休憩時間は適用されますので、労働基準法に沿って与えましょう。

関連記事:時短勤務者の休憩時間は?その上限や注意点を詳しく解説
関連記事:裁量労働制とは?労働時間管理における3つのポイントを徹底解説

3-3. 分割して付与しても良い

休憩時間は、分割して付与することができます。

たとえば、休憩時間を90分として、お昼休憩に60分、午前と午後にそれぞれ15分ずつの休憩を付与するなど、分割付与が可能です。

ただし、分割して付与したとしても、休憩時間は労働時間の途中に与えなくてはならないルールに変わりはありません。「休憩せずに働いて、その分早く帰る」といった取り扱いはできませんので、注意しましょう。

3-4. 休憩しながら簡単な仕事をすることは、休憩時間とみなされない

仕事に追われている労働者のなかには、昼食中にパンやおにぎりを食べながら、仕事を続けるという人もいるかもしれません。

しかし、労働基準法第34条3項では、使用者=企業側が労働者に対して休憩時間を自由に利用させるべきことが規定されており、休憩中は仕事から完全に解放されている必要があります。

これは、労働者に対して休憩中に電話番をしてもらうというにも当てはまるのが通例です。

労働時間中に行っている業務よりも簡単な作業であっても、休憩中にしてもらうのは基本的に厳禁といえます。もし電話番や簡単な作業をしてもらっている場合は休憩時間を付与したとはみなされず、労働時間として賃金の支払いが必要になります。

従業員が休憩時間中に仕事をしていないかや、管理職が簡単な内容であっても業務を休憩時間中に指示していないかチェックしましょう。

3-5. 残業が発生したら追加で休憩をとらせるべき?

休憩をどれくらい与えるかは労働時間によって決まっています。残業をしたことで実労働時間が6時間を超えた場合は合計45分、8時間を超えた場合は合計1時間の休憩が追加で必要でになります。

たとえば、勤務時間が9時から17時までの場合、所定労働時間は7時間15分で休憩は45分必要になります。この会社で1時間残業すると総労働時間が8時間15分となり、1時間分の休憩が必要になるため、追加で15分の休憩が必要になります。

3-6. 休憩時間が取れなかったときは

たとえば飲食店のパート・アルバイトで、お昼時や夕食時に仕事が忙しくなってしまうなどの理由により、休憩時間を取らせることができないことがあるでしょう。

この場合、休憩せずに働いてもらった時間分は必ず給与を支払うようにします。時間外労働が発生した場合は、割増賃金を支払うことがルールです。

また、法律で決められている労働時間を付与できるよう、時間をずらすなどして、後からでも規定の休憩時間をとらせるようにしましょう。

ここで不用意に休憩していないことをごまかしてしまうと、従業員からのクレームや労働基準監督署によるチェックなど、会社に大きな影響が出てしまうため、人事担当者が休憩を正しく取らせるようにしましょう。当サイトでは、休憩時間や残業の定義など、労働時間にまつわる資料を無料で配布しております。自社の休憩の取り方・計算方法があやふやになっている方はこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

4. 労働時間と休憩時間はまったく別!休憩時間は給与算定の対象外

労働時間と休憩時間の関係性がよく分からないという方もいるかもしれませんが、両者は法律上、明確に区分されています。

労働基準法第34条3項では、休憩時間中に労働者は労働から完全に解放されているべき旨が規定されているので、もし休憩時間中に何らかの仕事を続けていたら、休憩とはみなされません。

ただし、就業規則などで休憩時間の規定は盛り込まれているので、企業側が作業の要求をしていないのに労働者側が自分で勝手に休憩中に仕事をして、それで給料を要求するのも不当といえます。

休憩時間の計算方法を企業側と労働者側がきちんと理解し、お互いが適正に運用することが大事です。

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