みなし残業(固定残業)が違法になるケースや対処法を解説
更新日: 2026.6.1 公開日: 2022.3.2 jinjer Blog 編集部

みなし残業(固定残業)とは、一定時間分の残業代を毎月の給料に最初から含めて支給する制度のことを指します。
みなし残業(固定残業)制度を導入している場合、残業していない場合も残業代が発生するだけでなく、みなし残業の時間を超過した分の残業代を支払わないと違法となるため注意しましょう。
この記事では、みなし残業が違法になるケースや対処法、未払金の扱いについて解説します。
目次
みなし残業(固定残業代)制度の運用で、こんな不安はありませんか?
- 固定時間を超えた分の残業代は、正しく計算・支給できているか?
- 求人票や労働条件通知書への記載は、厚生労働省の求める要件を満たしているか?
- 基本給が、地域の最低賃金を下回ってしまっていないか?
- 法律で義務化された「客観的な労働時間の把握」は徹底できているか?
1つでも不安があれば要注意です。本資料では、固定残業代制度の運用における重要ポイントを網羅的に解説しており、自社の制度が法的に問題ないか、この一冊で確認できます。
適切な制度設計のために参考にしたい方は、こちらからダウンロードしてご覧ください。
1. みなし残業が違法になる5つのケースとは


みなし残業を導入している企業では、求人募集のときから違法に当たらないように注意する必要があります。
みなし残業(固定残業代制度)は、一定時間分の時間外労働をあらかじめ見込んで賃金を支払う制度であり、制度そのものは法律で禁止されているものではありません。実際、多くの企業で人件費の見通しを立てやすくする目的などから導入されています。
そのため、みなし残業を導入すること自体は違法ではありませんが、導入の仕方を誤ると違法となる可能性があるため注意しましょう。
ここでは、違法となる5つのケースを解説します。
1-1. みなし残業代を基本給に含めて求人募集をする
みなし残業代を導入している企業で、募集要項や求人票を出す場合は、下記の内容すべてを明示するように厚生労働省が求めています。
- みなし残業代を除いた基本給の額
- みなし残業代の労働時間数と、金額の計算方法
- みなし残業時間を超える時間外労働(休日・深夜含める)には割増賃金を追加で支払う旨
そのため、求人票に基本給と固定残業代を区別せず、合算した総額のみを表示する場合には、固定残業代の内容が不明確となり、制度として無効と判断される可能性があります。また、表示内容が不十分である場合、労働条件の誤認を招いたとして、労働紛争や未払い残業代請求につながるリスクもあるため注意しましょう。
参考:固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。|厚生労働省
1-2. みなし残業代を除いた基本給が最低賃金を下回る
固定残業代制度を導入する場合でも、最低賃金を下回る賃金設定は認められていません。最低賃金の適用を判断する際には、固定残業代部分を除いた基本賃金をもとに計算する必要があります。
例えば、月給制の場合には、基本給を所定労働時間で割り、時間換算した賃金額が地域別最低賃金または特定最低賃金(産業別最低賃金)を下回っていないかを確認します。固定残業代を含めた総額で判断してしまうと、最低賃金を満たしているように見えても、実際には違反となっているケースがあります。
最低賃金を下回る賃金で労働契約を締結した場合、その契約の当該部分は無効となり、不足分の賃金を支払う義務が生じます。また、最低賃金法違反として下記の罰則対象となることもあるので注意してください。
地域別最低賃金を下回っている:最低賃金法により50万円以下の罰金
産業別最低賃金額を下回っている:労働基準法により30万円以下の罰金
上記それぞれの最低賃金に抵触しないか確認しましょう。
1-3. 公序良俗に反するみなし残業時間を設定している
固定残業時間については、法律上、具体的な上限時間が直接定められているわけではありません。しかし、設定する時間数が著しく長時間である場合には、その合理性が問題となり、制度自体が無効と判断される可能性があります。
時間外労働については、36協定に基づき、原則として月45時間・年360時間が上限とされています。特別条項付き36協定を締結している場合には一定の条件のもとでこれを超えることが可能ですが、通常の業務として長時間の時間外労働を前提とすることは、労働者の健康確保の観点からも望ましくありません。
そのため、固定残業時間を設定する際には、実際の業務内容や過去の労働時間の実績などを踏まえ、合理的な範囲内に収めることが求められます。
特に、長時間労働を前提とするような設定は、公序良俗に反すると判断される可能性があるため注意が必要です。
1-4. 従業員の残業時間がみなし残業時間を大幅に上回っている
みなし残業時間を上回る残業が発生した場合、その分は別途残業代を支給しなければいけません。
固定残業代制度では、あらかじめ一定時間分の時間外労働に対する割増賃金を支払いますが、実際の時間外労働が固定残業時間を超えた場合には、その超過分について追加の割増賃金を支払う必要があります。
例えば、みなし残業時間を月20時間として設定している場合でも、実際の時間外労働が45時間に達しているときには、超過した25時間分の割増賃金を別途支払わなければなりません。この支払いをおこなわない場合、未払い残業代として請求を受ける可能性があります。
また、みなし残業代に含まれる割増賃金の範囲が時間外労働のみである場合には、深夜労働や法定休日労働に対する割増賃金は別途支払いが必要です。そのため、固定残業代の範囲を明確にしたうえで、実際の労働時間を正確に把握することが重要です。
1-5. 就業規則にみなし残業の規定を定めていない
以上のように、みなし残業を会社に導入するためには、そもそも就業規則や雇用条件にみなし残業に関して明記する必要があります。
もし、就業規則にみなし残業に関する記述がないまま運用すれば違法となります。さらに、みなし残業について記載した就業規則を従業員に周知している必要があります。
そのため、みなし残業導入のため就業規則を変更したときなどは、周知漏れがないように注意しましょう。なお、みなし残業であっても、みなし残業時間を超えた場合は残業代を支払うということを記載しておく必要があります。
この記載がないと、万が一のトラブル発生時に、企業が不利な立場に置かれる可能性があります。具体的には、労働基準監督署による監査において、適切な対応をとっていないと判断されるリスクが考えられます。
2. みなし残業が認められない可能性があるケース


みなし残業制度は、一定の条件を満たしていれば適法に運用できる制度ですが、制度として導入しているだけでは必ずしも有効と認められるわけではありません。実際の労働条件や賃金の内容、制度の明確性などによっては、固定残業代としての効力が否定され、未払い残業代の支払い義務が発生する可能性があります。
特に裁判では、固定残業代の対象時間や金額が明確であるか、通常の賃金と区別されているかなどが重要な判断要素とされています。また、名称だけで固定残業代とされている場合や、実態が伴っていない場合には制度が無効と判断されることもあります。
ここでは、みなし残業制度が導入されていても、最終的に認められない可能性について解説します。
2-1. 基本給に組み込んだ時間外手当が認められないケース
会社によってはみなし残業で勤務している従業員に対して、会社独自で決めた一定の時間を超えた残業にしか割増賃金を支払わないケースがあります。
いくら基本給に時間外手当を組み込んでいても、会社が独自に決めた範囲でしか割増賃金を支払わないことは認められません。例えば、休憩時間1時間を含む8時から17時までが所定労働時間にも関わらず、19時からしか割増賃金を支払わなかった場合、基本給に時間外手当が組み込まれたとしても、追加で割増賃金の支払いが必要です。
時間外手当を正確に支払わなかった場合、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられるかもしれません。そのため、適切に時間外手当を支払うようにしてください。
参考:5-2 「割増賃金不払い」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性|裁判例|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省
2-2. 役職手当がみなし残業として扱われないケース
店長をはじめとして役職に対しての手当をみなし残業として扱うケースがあります。しかし、役職手当はみなし残業の残業手当として扱われない可能性があります。
企業によっては、残業代は役職手当のなかに含まれていると説明しているかもしれません。しかし、残業代は原則として役職手当とは性質が異なるものです。役職手当に固定残業代を含めて支払う場合は、就業規則等でその内訳(何時間分の残業代か)を明確に区分していなければ、労働基準法違反と判断されるリスクがあります。残業代は、管理監督者を除く労働者に対して発生します。役職者であっても管理監督者に該当しない場合には、役職手当とは別に分けておいたほうが誤解を生じにくくなります。
2-3. 月45時間を超える残業が発生しているケース
みなし残業には明確な残業時間の上限が設けられていません。しかし、みなし残業であっても月の残業時間は45時間、年の残業時間は360時間を上限するのが一般的です。では、みなし残業における残業時間が月45時間を超えるとどうなるのでしょうか。
みなし残業は残業の上限がないとされていても、一般的な残業時間上限である月45時間を超えると公序良俗に反していると判断される可能性が高いです。そのため、月45時間を超える残業が発生している場合は別途残業代を支払う必要があります。
もし、基本給に組み込まれたみなし残業代以外の残業代を支払っていない場合、従業員から請求される可能性があります。また、適切な勤怠管理をおこなっていない企業として、信頼は低下してしまうかもしれません。
2-4. みなし残業を強制しているケース
固定残業代制度を導入している場合でも、従業員に対して不要な残業をおこなわせることは適切ではありません。業務上の必要性がないにもかかわらず、固定残業時間に合わせる目的で残業を命じている場合には、制度の運用として問題が生じる可能性があります。
時間外労働を命じるためには、業務上の必要性や合理的な理由が求められます。固定残業時間が設定されていることを理由として、実際には必要のない業務を与えたり、残業時間を形式的に満たすような指示をしたりすることは、労務管理上の適切な運用とはいえません。
また、実際の時間外労働が固定残業時間を下回った場合でも、あらかじめ定めた固定残業代を減額することは原則として認められていません。固定残業代は、一定時間分の時間外労働を見込んで支払うものであるため、実際の残業時間の多少によって支給額を一方的に変更することは認められない点にも注意が必要です。
3. みなし残業が違法な場合の対処法


会社で運用しているみなし残業制度が法令に適合していない可能性がある場合には、制度内容を見直し、適切な対処をおこなうことが重要です。固定残業代制度は、制度の設計だけでなく、実際の運用状況も含めて適法性が判断されます。そのため、形式上制度を整備していても、実態が伴っていない場合には無効と判断されることがあります。
特に、賃金の内訳の明確化や労働時間の把握、就業規則の整備などは、行政指導や未払い残業代請求のリスクを回避するうえで重要なポイントとなります。制度に問題がある場合には、単に書面を修正するだけでなく、実際の運用方法まで含めて見直すことが求められます。
ここでは、みなし残業制度に違法性の疑いがある場合に、企業が取るべき主な対処方法について解説します。
3-1. 雇用契約書には基本給とみなし残業代を分けて記載する
みなし残業代制度を適切に運用するためには、基本給と固定残業代を明確に区別して記載することが重要です。固定残業代として認められるためには、通常の賃金部分と時間外労働の対価部分が明確に区別されている必要があります。
例えば、雇用契約書や労働条件通知書には、次のように基本給と固定残業代を分けて記載します。
【記載例】
基本給 180,000円
固定残業代(30時間分)70,000円
さらに、固定残業代については、対象となる時間数だけでなく、時間外労働に対する割増賃金としてどのように算出されているのかについても明示しましょう。例えば、時間単価や割増率の考え方を示しておくことで、制度の透明性が高まり、後のトラブルを防止することにつながります。
また、固定残業時間を設定する際には、過去の労働時間実績や業務量を踏まえ、合理的な範囲内で設定することが求められます。実態とかけ離れた時間数を設定した場合には、制度が無効と判断される可能性があるため注意が必要です。
3-2. 基本給が最低賃金を下回っていないか確認する
基本給を低く抑えている場合は、最低賃金以下となっていないか確認しましょう。
【例】
基本給(月給)140,800円
所定労働時間(月)160時間
上記の場合、時間給は880円となり、会社のある地域によっては最低賃金を下回ります。
最低賃金以下の労働契約は無効となり、差額分の支払いが必要です。
みなし残業代を基本給に含める場合にも注意が必要です。 みなし残業代を引いた基本給が最低賃金を下回ることがないよう、賃金設定を見直すことが求められます。
3-3. 月45時間を上回るみなし残業は設定を改める
平成31年4月に施行された働き方改革関連法案により、36協定を結んでおこなえる残業時間の上限が45時間までとなりました。みなし残業時間の上限は法律上これといった決まりがないものの、上記法改正に則り、45時間程度に収める方がよいでしょう。
また、特別条項付き36協定を締結している場合であっても、時間外労働には年720時間以内、単月100時間未満、複数月平均80時間以内といった上限が設けられています。これらの上限規制を踏まえずにみなし残業時間を設定している場合には、制度の見直しが必要となることがあります。
実際の時間外労働の実績がみなし残業時間を大きく超えている場合には、みなし残業時間そのものを見直すだけでなく、業務量や人員配置の見直しも検討することが重要です。固定残業代制度は、長時間労働を前提とする制度ではないことを理解し、実態に即した時間設定をしましょう。
関連記事:みなし残業の上限とは?種類やトラブルについても解説
3-4. 従業員の労働時間を適切に把握する
どのような労働契約であっても、会社側は従業員の労働時間を正しく把握しなければいけません。もし、みなし残業だからといって勤怠管理をおこなっていない場合は、速やかに勤怠管理ができるツールを導入しましょう。
特に、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなどから打刻ができる勤怠管理システムなら、みなし残業を導入している職種とも相性がよいでしょう。
また、実際の労働時間をしっかりと把握することで、必要に応じて労働条件を見直す際の有効なデータとなります。
3-5. 就業規則を変更したときは周知を徹底する
固定残業代制度を新たに導入する場合や、制度内容を見直す場合には、就業規則の変更が必要となることがあります。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出ることが義務付けられています。
また、就業規則を作成または変更した場合には、その内容を従業員に周知することも必要です。周知方法としては、次のような方法が認められています。
- 常時見やすい場所に掲示・または備え付ける
- 書面を従業員に交付する
- パソコンなどに保管した場合は、全員がいつでも見られるようにする
以上のように、就業規則は正しい方法で周知して初めて効力を発揮するため注意しましょう。
また、本章でみなし残業が違法な場合の対処法を解説しましたが、基本的な残業時間のルールを理解していれば防げる内容のものが多いです。当サイトでは、上述した基本的な残業時間のルールについて解説した「残業ルールBOOK」を無料で配布しております。法改正も挟み複雑化しているため、残業時間の規制に関して不安な点があるご担当者様は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
4. みなし残業制度が適法と認められる条件


みなし残業制度は、一定の条件を満たしたうえで適切に運用されている場合に限り、法令上有効な制度として認められます。制度を導入しているだけでは十分とはいえず、賃金の内訳や計算方法が明確に示されていること、実際の労働時間に応じた追加支払いがおこなわれていることなどが重要な判断要素となります。
みなし残業制度を適法に運用するためには、制度設計と実際の運用の両面を整備することが不可欠です。
ここでは、みなし残業制度が適法と認められるために押さえておくべき主な条件について解説します。
4-1. 基本給と固定残業代を明確に区別する
みなし残業制度が有効と認められるためには、基本給と固定残業代を明確に区別して支給することが重要です。
みなし残業代は、通常の労働時間に対する賃金とは別に、時間外労働に対する対価として支払われるものであるため、両者が明確に区別されていなければ制度の有効性が否定される可能性があります。
例えば、給与明細や雇用契約書において、基本給とは別の項目として「固定残業代」「時間外手当」などの名称を記載し、具体的な金額を明示することが求められます。固定残業代が基本給の中に含まれているかのような表示方法や、名称のみで内容が不明確な手当として支給されている場合には、みなし残業代としての性質が認められないかもしれません。
また、基本給とみなし残業代を区別することは、最低賃金との関係を確認するうえでも重要です。最低賃金の判定は基本給部分が基準となるため、区別が不十分だと適法性の確認が困難となるおそれがあります。
4-2. 固定残業時間と残業単価を明示する
みなし残業代が適法と認められるためには、みなし残業時間数だけでなく、その時間に対応する残業単価や算出方法を明確にしておくことが重要です。単に「固定残業代」として一定額を支給しているだけでは、その金額が時間外労働の対価として適切なのか判断することが難しくなります。
例えば、みなし残業代を設定する場合には、「月30時間分の時間外労働に対する割増賃金として支給する」など、対象となる時間数を具体的に示す必要があります。また、基本給をもとに算出した時間単価や割増率を踏まえ、どのように金額を計算しているかを説明できる状態にしておくことが望ましいでしょう。
4-3. 固定時間を超えた残業代を追加で支払う
みなし残業代制度を導入している場合であっても、みなし残業時間を超えて時間外労働が発生した場合には、その超過分について別途割増賃金を支払う必要があります。みなし残業代は、あらかじめ一定時間分の時間外労働を見込んで支払うもので、それ以上の時間外労働を無償でおこなわせるのは認められていません。
例えば、月30時間分のみなし残業代を設定している場合に、実際の時間外労働が40時間となった場合には、超過した10時間分について追加の割増賃金を支払う必要があります。
このような追加支払いが適切におこなわれていない場合には、未払い残業代が発生していると判断される可能性があります。
また、超過分の残業代を支払うためには、実際の労働時間を正確に把握しておくことが不可欠です。制度の適法性を維持するために、超過分を確実に支払う体制を整備しておきましょう。
4-4. 就業規則と雇用契約書に制度を明記する
みなし残業制度を適法に運用するためには、制度の内容を就業規則および雇用契約書に明確に記載しておくことが重要です。制度の存在や内容が書面上で確認できない場合には、みなし残業代としての効力が否定される可能性があります。
例えば、就業規則にはみなし残業代の支給対象となる時間数や計算方法、固定時間を超えた場合の追加支払いの取り扱いなどを具体的に記載します。また、雇用契約書や労働条件通知書においても、みなし残業代の金額や対象時間数を明示し、従業員が制度内容を理解できる状態にしておきましょう。
制度内容を明確に記録して実際の運用と一致させることは、みなし残業制度が適法と認められる条件となります。
5. 違法なみなし残業の未払い金は請求できるのか


2020年4月1日の民法と労働基準法の改正により、賃金請求権の消滅時効期間が2年から5年へ延長されました。しかし、当分の間は3年間遡って請求が可能となります。
そのため、下記のように遡って請求が可能となります。
2020年3月31日までの未払い賃金:2年間
2020年4月1日以降の未払い賃金 :3年間
企業は未払い分のみなし残業代を従業員から請求された場合、遡って支払いが必要となります。
また、訴訟などに発展し、そもそもみなし残業時間の設定が違法だと判決が下れば、残業代以外に遅延損害金などの支払いも必要となります。
そのため、みなし残業制度は正しく運用することはもちろんですが、従業員の自己判断で残業させない仕組み作りも大切です。
特に、未払い賃金の請求では、自己判断でおこなった残業代や、サービス残業代を従業員の退職後に請求されるケースもあります。
具体的な対策は次のとおりです。
- 残業は上長への事前申告制にする
- PCはログ管理システムを導入する
- 在宅勤務では、自宅PCでの作業を禁止する
- 従業員の残業時間を把握できる勤怠システムを導入する
今後は未払い賃金の消滅時効が5年に延長されるため、より正確な労働時間の把握が求められます。
関連記事:未払いの残業手当を従業員に請求された際の対策方法やリスクとは
6. 違法とされないためにも、みなし残業制では適切な勤怠管理が特に大切


みなし残業は、「基本給とみなし残業代を明確に区別する」「最低賃金を下回らない」「就業規則に明記する」など、今回の記事でご紹介した5つのポイントを押えることで、違法となるリスクを減らすことができます。
しかし、一定時間の残業をしたものとみなして賃金を支払うため、残業代の未払い請求など、労使間のトラブルにもつながりやすい制度です。違法性を疑われないためにも、入念な勤務管理をおこないましょう。
従業員数が多く、毎月の残業集計に頭を悩ませている場合は、勤怠管理システムなど労務管理を効率化するツールを導入してみるのも課題解決の手段としておすすめです。



みなし残業(固定残業代)制度の運用で、こんな不安はありませんか?
- 固定時間を超えた分の残業代は、正しく計算・支給できているか?
- 求人票や労働条件通知書への記載は、厚生労働省の求める要件を満たしているか?
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