ハイブリッドワークとは?導入企業の割合・メリット・デメリット・課題を解説
更新日: 2024.11.15
公開日: 2024.11.1
OHSUGI
「ハイブリッドワークの概要や導入企業の割合について知りたい」
「ハイブリッドワークのメリット・デメリットを知りたい」
上記のようにお困りの方も多いでしょう。
ハイブリッドワークとは、オフィスとオフィス以外の場所の両方で仕事をする働き方です。働く場所の決定は、従業員が自身で決める企業もあれば、従業員が会社の決定に従う企業もあります。
本記事で紹介する内容は、ハイブリッドワークの概要や導入企業の割合、メリットとデメリット、導入の課題や成功ポイントです。
そのほか、ハイブリッドワークとテレワーク・リモートワークの違いも解説しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワークとは、以下の2つの働き方を組み合わせた比較的新しい働き方です。
オフィスワーク | オフィスで仕事をする働き方 |
テレワーク | オフィスとは異なる場所で仕事をする働き方 |
テレワークでは、以下のような場所で仕事をします。
- 自宅
- シェアオフィス
- サテライトオフィス
ハイブリッドワークの代表的な種類は、以下の3タイプです。
従業員区分型 | 完全オフィスワークの従業員と完全テレワークの従業員を分けるタイプ |
企業主導型 | 企業がオフィスワークとテレワークの日(曜日)を決定し、企業の決定に従業員が従うタイプ |
従業員主導型 | 従業員が仕事内容に応じてオフィスワークとテレワークを自由に決定するタイプ |
上記の企業主導型を採用する企業のなかには、オフィスワークとテレワークの対象曜日を区分して固定化する企業もあります。
2. ハイブリッドワークとテレワーク・リモートワークの違い
ハイブリッドワークとテレワーク・リモートワークの違いは、以下のように働く場所が違います。
ハイブリッドワーク | オフィスとオフィス以外の場所のどちらか |
テレワーク・リモートワーク | オフィス以外の場所 |
またハイブリッドワークではオフィスでの勤務も選べますが、テレワークとリモートワークにおいてはオフィス勤務を選べません。
なおテレワークとリモートワークの意味には明確な違いがなく、一般的に同じ意味として使われています。
厚生労働省が公表しているテレワークの定義は、情報通信技術(ICT)を活用し、時間・場所を有効活用できる柔軟な働き方です。
テレワークは造語の一つで、以下の原語を組み合わせて作られました。
原語 | 日本語の意味 |
Tele | 遠く・遠隔の・離れてなど |
Work | 仕事など |
また情報通信技術を意味するICTは、英語のInformation and Communication Technologyの略語です。
テレワークとリモートワークには明確な違いがなく、両者とハイブリッドワークは働く場所やオフィス勤務の有無に違いがあると覚えておきましょう。
3. ハイブリッドワーク導入企業の割合
ハイブリッドワーク導入企業の割合は、増加傾向にあります。国土交通省による2023年のテレワーク人口実態調査で、2022年よりもハイブリッドワーカーの割合が増えている状況です。
一方、テレワーカーの割合は2022年よりも1.3ポイント減少していました。
ハイブリッドワーカーとはハイブリッドワークで働く従業員、テレワーカーとはテレワークで働く従業員を指します。
さらに週1〜4日のテレワーカーの割合が増加していることから、テレワークからハイブリッドワークへの移行がうかがえました。
なお首都圏のテレワーカーの割合は2022年よりも1.9ポイント減っているものの、同水準程度の約4割をキープしています。
一般企業による調査でも、首都圏でのハイブリッドワークの導入率が最も高く、首都圏から離れるほど導入率が下がる結果でした。
参考:テレワーカーの割合は減少、出社と組み合わせるハイブリットワークが拡大~令和5年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~|国土交通省
4. ハイブリッドワークのメリット
ハイブリッドワークの代表的なメリットは、以下の7つです。
- 多様な働き方の提供
- 生産性の向上
- 従業員の自主性の向上
- 従業員の満足度の向上
- 従業員のワークライフバランスの実現
- 企業価値の向上
- オフィスの維持・運用コストの削減
従業員が業務内容などに応じて働く場所を選択する、柔軟な働き方を提供できます。結果、従業員の自主性が育ち、生産性も向上するでしょう。
また多様な働き方を提供する企業として、採用における企業価値の向上も見込めます。
従業員は業務内容を把握した上で働く場所を選ぶことが多いため、日々のスケジュール管理が容易になるでしょう。結果、ワークライフバランスが実現しやすいため、従業員の満足度の向上も期待できます。
さらに常時オフィスに全従業員がいる場合と比べて、オフィスの維持・運営コストを削減できるでしょう。
5. ハイブリッドワークのデメリット
ハイブリッドワークのデメリットは、従業員間のコミュニケーションが不十分になりやすいことです。単純に従業員同士が出会う機会が減少するため、コミュニケーションを取りにくくなります。
オフィスワークのみの場合は、席や階を移動するだけで容易に対面コミュニケーションが取れるでしょう。相手と対面した際に、表情や雰囲気から読み取れる情報は多いです。
ハイブリッドワークでは、対面コミュニケーションの機会も減少するため、意向や情報の伝達・共有にかける手間や時間も増えるでしょう。
また従業員がさまざまな場所で仕事するため、従業員の勤怠管理が煩雑化して運用管理の手間や時間も増加します。加えて、情報の漏洩リスクも上昇するでしょう。
6. ハイブリッドワーク導入の課題
ハイブリッドワーク導入の課題は、社員間で不平等を感じやすい点です。テレワークができない顧客との対面業務の従事者などが、テレワーカーが自宅で楽していると感じて不満をもつ可能性があります。
一方、テレワーカーが上司の目に留まりやすいオフィスワーカーと比べて正当な評価を受けにくいと不満を抱くケースもあるでしょう。
テレワークの透明化のために情報を公開したり、正当な評価システムを再構築したりして、不平等感を抱く従業員の不満を減らす対策を講じます。
また異なる場所で働く従業員間のコミュニケーションの不活性化や、勤怠管理の煩雑化も課題です。以下のような機能を備えたチャットツールや勤怠管理ツールなどの導入により、課題の解決を図りましょう。
- 最新情報を入手できる
- 情報を共有できる
- 質問できる
- 日々の出退勤の打刻ができる
- 勤務状況が把握・確認できる
急なトラブルへの対応も課題の一つです。課題解決方法として、マニュアルを作成したり業務の仕組みをシンプルにしたりすることで、業務の属人化の解消を図るやり方もあります。
7. ハイブリッドワーク導入を成功させるポイント
ハイブリッドワーク導入を成功させるポイントは、以下のとおりです。
- 運用前にルールをつくる
- ICT環境を整備する
- フリーアドレスを導入する
- 業務の属人化を避ける
- セキュリティ対策を強化する
従業員が別々の場所で働いても業務がスムーズに進むように、組織単位・チーム単位のさまざまなルールを作りましょう。運用を開始してからも都度見直しが必要です。
煩雑な勤怠管理や不足しがちな社内コミュニケーションを円滑に進めるために、各種ツールの導入を検討しましょう。また、Web会議システムの整備もかかせません。
業務を属人化している場合、トラブルが発生した際にオフィスワークの従業員だけでは対応しきれない場合があります。業務の属人化を避けるための方法を探るだけでなく、急なトラブルに対するルールやマニュアル作りにも力を入れましょう。
オフィスの固定席を廃止し、好きな席を選んで仕事ができるフリーアドレスの導入も一つの手段です。作業効率や生産性のアップを見込め、以下のような目的別スペースを設置するとさらに高い効果を期待できます。
- 集中ブース
- ミーティングスペース
- 個室型ブース
さまざまな場所で働くハイブリッドワークでは、情報漏洩リスクがアップします。運用前にセキュリティシステムを見直し、情報の取り扱いに関する従業員への教育も徹底しましょう。
8. ハイブリッドワークについて理解を深めよう
ハイブリッドワークとは働き方の一つで、業務内容などに合わせてテレワークをしたりオフィスワークをしたりします。会社や自身の選択により、オフィスで働くかオフィス以外の場所で働くかを決める仕組みです。
ハイブリッドワークには、生産性や従業員の満足度の向上をはじめ多くのメリットを期待できます。そのため、導入企業の割合も増加傾向です。
不十分な社内コミュニケーションや煩雑な勤怠管理などの課題もあるものの、多くの場合は適切なツールの導入などで解決できます。
テレワーク・リモートワークとの違いも把握しつつ、ハイブリッドワークについての理解を深めて導入を検討しましょう。
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