労働基準法改正による労働時間の規制について要点を紹介 | jinjerBlog

労働基準法改正による労働時間の規制について要点を紹介

政府の働き方改革を受けて改正された労働時間規制の要点は、

1. 時間外労働の罰則化による長時間労働規制
2. 年5日以上の有休取得の義務化
3. フレックスタイム制度の精算期間を1ヶ月から3ヶ月に拡張
4. 高度プロフェッショナル制度の創設
5. 管理職を含む労働時間把握の義務化

です。労働基準法の改正を受けて、企業の人事担当者に求められる勤怠管理はより厳密なものになりました。改正労働基準法の施行後に「知らなかった」という場合であっても、法律に違反する勤怠管理をしていると企業が罰せられてしまうので、人事担当者として知っておくべき労働時間規制の変更点を押さえましょう。

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自社の残業時間数や管理が違法でないか心配な方へ

残業時間は労働基準法によって上限が設けられています。

しかし、法内残業やみなし残業・変形労働時間制などにおける残業時間の数え方など、残業の考え方は複雑であるため、どの部分が労働基準法における「時間外労働」に当てはまるのか分かりにくく、頭を悩ませている勤怠管理の担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向け、当サイトでは労働基準法で定める時間外労働(残業)の定義から法改正によって設けられた残業時間の上限、労働時間を正確に把握するための方法をまとめた資料を無料で配布しております。

自社の残業時間数や残業の計算・管理に問題がないか確認したい人は、ぜひ資料をダウンロードしてご覧ください。


1. 労働基準法の改正によって残業時間の罰則付き上限ができた

今回の労働基準法改正におけるもっとも大きな変更点は、時間外労働の罰則付き上限規制が作られたことです。詳しい内容は順次説明していきますが、改正前の労働基準法では、実質的に時間外労働の上限があってないようなものとして扱われていました。

その結果、度を越えた長時間労働が横行して社会的な労働問題が多々発生したため、過労死や従業員の健康維持対策として残業時間に正式な上限が設定されたのです。

長時間残業が当たり前だった状態の就業規則や36協定をそのままにしておくと、最悪の場合労働基準法違反で企業が摘発されてしまいます。法律に違反するリスクを避けるために、企業や人事担当者は、残業時間を始めとした労働時間の規制について理解しておきましょう。

1-1. 法定労働時間は改正前後でも1日8時間・週40時間

労働基準法における法定労働時間、つまり従業員を働かせてもよい時間は、『1日8時間・週40時間』の決まりは改正前と変更ありません。基本的に、助言を超えて従業員に労働を頼むことはできません。

法定労働時間を超えて仕事を依頼する場合は、残業や休日などについて定められた労使協定の一種、36協定を結んだうえで、残業代を支払う必要があります。そのため、自社で法定労働時間以上働く従業員がいるにも関わらず、36協定を結んでいない場合は、一刻も早く36協定を締結しましょう。

1-2. 36協定を結んだうえでの時間外労働時間制限付きは週45時間・年360時間

36協定を結んでいると、企業は従業員に対して時間外労働をしてもらうことができます。ただし、通常の36協定では無制限に残業を頼めるわけではありません。36協定を締結し、管轄の労働基準監督署に提出している場合でも、時間外労働時間は月45時間・年360時間が上限です。

原則として、企業は月45時間・年360時間以上の残業を従業員に求めることができません。法定労働時間と36協定を結んだ場合の時間外労働の上限時間は、労働基準法の改正前後でも一切変更点のない基本ルールです。

1-3. 特別な事情があっても時間外労働時間は年720時間を超えてはならない

大企業の場合は2019年4月から、中小企業の場合は2020年4月から施行される改正労働基準法において重要なポイントのひとつが、「特別条項付きの36協定を結んだ場合の時間外労働制限」です。

法改正が行われるまでは、「繁忙期なので月45時間以上の残業が必要」といった特別な条件付きの36協定を結んでいれば、「月45時間・年360時間」という残業時間制限を越えて時間外労働をしてもらうことができました。

特別条項付きの36協定については、時間外労働の上限や罰則がとくになかったため、実質的に企業は従業員をいくらでも残業させられる状態だったわけです。

しかし、多くの人間は過度の長時間労働に耐えられません。仕事によるストレスや劣悪な労働環境によって過労死などの労働問題が起き、社会的な問題にまで発展した結果、改正労働基準法では、「特別な事情があっても残業は年720時間まで」という制限が作られました。

ここまでテキストベースでお伝えしましたが、なかなか理解しづらい箇所もあるかと思います。当サイトでは、法改正で整備された6つの項目のうち「残業時間の上限規制」について詳細にまとめた資料を無料で配布しております。ブログの内容だけでは理解しづらい箇所がある方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

時間外労働の上限規制について
『休日出勤を含めて月間の時間外労働は最大でも100時間未満に抑える』『2~6ヶ月平均の残業時間が80時間以内になるよう調整すること』と定められています。これは、企業はやむを得ない事情があっても適切な勤怠管理をおこない、従業員一人に過度のストレスや負担がかからないように配慮すべきという制限です。
上記のルールを守れない場合は、労働基準法違反となり、30万円以下の罰金または半年以下の懲役刑に処せられてしまいます。

2. 2020年4月から中小企業での有休取得が義務化される

改正労働基準法における大きな変更点の一つが、『有休取得の義務化』です。企業は年間10日以上の有休が発生する従業員に対して、最低での5日以上の有休を付与する必要があります。

本来、有休取得とは仕事を頑張っている従業員に与えられる権利です。しかし、企業側に時季変更権が認められていることもあり、実質的には権利を持っていても自由に休むことができないといった従業員が数多く存在しました。

暗黙の了解や上司からのプレッシャー、本来不要な有休取得の理由による有休の利用拒否など、どれも基本的には従業員の利益にはなりません。

『有休を取得するかどうかは企業や従業員に任せる』という従来の方針だと、有休の取得率が一向に上がらないという現状を受けて、従業員に有休を取得させることが企業の義務となったのです。

なお、有給取得の消化機嫌は、従業員に有休を付与してから1年以内となります。働き始めてから半年以上経過しており、営業日数の80%以上出社している場合は、正社員だけではなくアルバイトも有休を付与する必要があるため、注意が必要です。

勤続年数と有休の付与日数の目安
半年:10日
1年半:11日
2年半:12日
3年半:14日
4年半:16日
5年半:18日
6年半以上:20日

3. フレックスタイム制の精算期間が1ヶ月から3ヶ月に延長される

フレックスタイム制とは、従業員が出社・退社時間を選べるフレックスタイムと絶対に勤務が必要なコアタイムを設けて、従業員がある程度自分で仕事量をコントロールできるようにした働き方のことです。

ただ、フレックスタイム制でも、労働時間が法定労働時間を越えていれば、残業手当の支払いが必要になります。また、従来のフレックスタイム制では、残業代などを1ヶ月単位で精算する必要があったため、多少の変動があっても結局毎月の労働量が同じくらいにそろえる必要があり、月をまたいで労働時間を調整できないという問題がありました。

たとえば、数ヶ月単位で労働時間を割り振って、忙しい月は長時間勤務し、そうでない月は休日を増やすといった対応を取るのが難しかったわけです。

しかし、今回の法改正で、フレックスタイム制の清算期間が最大3ヶ月に延長されています。その結果、企業は最大3ヶ月の範囲内で従業員の残業手当を管理したり、繁忙期に合わせて労働時間を割り振ったりすることができるようになりました。

なお、フレックスタイム制の場合、1日8時間という法定労働時間の制限を気にする必要はありません。そのかわり、週40時間の制限を守る必要があるため、清算期間内の労働時間が週40時間に収まるようにする調整も必要です。

また、従来の清算期間より長い清算期間を設定する場合、従業員との間で労使協定を締結したり、あらかじめ1ヶ月あたりの労働時間上限を決めておいたりする手続きも求められます。

3-1. 高度プロフェッショナル制度に伴う健康確保措置の義務化

高度プロフェッショナル制度は、労働基準法の改正に合わせて作られた新しい働き方のことです。年収1,075万円以上の専門職を対象に、従来の労働時間を基準にした給与形態ではなく、「仕事の成果」で給与を決めるという労働形態です。

これは、ほかの人が8時間かけて出す成果を2時間で出せる人は、実働2時間で帰宅してもほかの人と同じ給与をもらえるという内容になっています。高度プロフェッショナル制度の対象になった従業員は、一般的な労働時間や休憩などの対象になりません。

ただし、高度プロフェッショナル制度を悪用して、成果が出るまで長時間労働を強いるといった企業が出てくることも考えられます。そこで、高度プロフェッショナル制度を導入する場合は、労働時間の上限を決めておいたり、残業が一定時間を越えた場合に健康診断を受けさせたりする制度の導入も必要です。

3-2. 管理職を含む労働時間把握の義務化

過剰な長時間残業を問題視する改正労働基準法では、労働時間の把握も義務化されました。従業員の勤怠管理や働きすぎの予防は、あくまでも会社側の義務です。「社員が勝手に働いた」といったいい逃れをしても、実際に違法な長時間労働が発生していると企業が処罰の対象になってしまうため、人事担当者は確実に全社員の労働時間を把握しておく必要があります。

なお、労働時間の把握が義務化されるのは、一般社員だけではありません。一般的には、労働基準法の制限がかからない管理職の労働時間も管理の対象です。手作業での勤怠管理には限度があるため、労働時間を細かく把握できるように、勤怠管理システムの導入を検討しましょう。

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3-3. 勤務間インターバル制度の推奨

法律によって義務化されているわけではないものの、推奨されているのが「勤務間インターバル規制」の採用です。勤務間インターバルとは、「前日の退勤から翌日の出勤まで、最低◯時間以上空ける」というルールを指します。

人間が健康を維持しながら働くためには、適度な休息が必要不可欠です。「前日終電まで勤務をし、翌日は始発電車で出社をする」といったような状況では、疲労やストレスの蓄積を避けることができません。

その点、前日の退社時間に合わせて翌日の始業時間を繰り下げれば、十分な休息を取ることができます。始業・退社の管理が複雑になり、就業規則の変更も必要になりますが、制度自体は厚生労働省が推奨しているため、働き方改革の一環として自社での導入を検討してみることをおすすめします。

4. 労働基準法改正に合わせて勤怠管理をアップデートしよう

システムの画像

労働基準法の改正によって、長時間労働に罰則付きの上限ができたり、有給休暇の取得が義務化されたり、フレックスタイム制度が拡充されたりしています。これまで違法ではなかった労働環境も、法改正に伴って違法とされる場合が出てくるので、人事担当者の責任は重大です。

ただし、法律の求める基準を完ぺきにクリアするのは簡単ではありません。労働基準法の改正に合わせて勤怠管理自体をアップデートできるように、勤怠管理システムを取り入れて、人事担当者の労働時間管理の手間を軽減しましょう。

自社の残業時間数や管理が違法でないか心配な方へ

残業時間は労働基準法によって上限が設けられています。

しかし、法内残業やみなし残業・変形労働時間制などにおける残業時間の数え方など、残業の考え方は複雑であるため、どの部分が労働基準法における「時間外労働」に当てはまるのか分かりにくく、頭を悩ませている勤怠管理の担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向け、当サイトでは労働基準法で定める時間外労働(残業)の定義から法改正によって設けられた残業時間の上限、労働時間を正確に把握するための方法をまとめた資料を無料で配布しております。

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