年次有給休暇管理簿の作成が義務化!作成方法と保管期間を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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年次有給休暇管理簿の作成が義務化!作成方法と保管期間を解説

タブレットで従業員の稼働状況を見ている様子

2019年4月の働き方改革関連法による「有給の年5日取得義務化」に伴い、企業には従業員ごとの「年次有給休暇管理簿」の作成・保存が義務付けられました。

管理簿には基準日・取得日数・取得時季の3事項を必ず記載する必要がありますが、適切な管理を怠ると法令違反や労使トラブルに発展するリスクがあります。

本記事では、年次有給休暇管理簿の基本的な作成方法や保管期間から、未作成によるリスク、業務効率化のポイントまでをわかりやすく解説します。

関連記事:年次有給休暇の基本をわかりやすく解説!付与日数や取得要件も紹介

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◆この資料でわかること

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  • すぐに使える!Excelでの年次有給休暇管理簿の作り方

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1. 年次有給休暇管理簿とは?

タブレットでデータ管理をする人

年次有給休暇管理簿とは、従業員ごとの年次有給休暇の取得状況を記録する帳簿のことをいいます。法令により作成・保存が義務付けられており、労働基準監督署による調査の際に確認を求められることがある書類です。

関連記事:有給休暇の計算方法とは?出勤率や付与日数、取得時の賃金をミスなく算出するポイントを解説

1-1. 有給休暇の5日取得義務化によって管理簿の作成・保管も義務に

年次有給休暇管理簿は、2019年4月に施行された働き方改革関連法による「年次有給休暇の5日取得義務化」に伴い、企業に作成・保存が義務付けられました。作成した管理簿は、有給を与えた期間中およびその期間満了後5年間(当分の間は経過措置として3年間)保存する必要があります。

保存方法は紙に限られず、必要なときに速やかに出力できる状態であれば、システムなどを利用して電子データとして保存することも可能です。

なお、年次有給休暇が10日以上付与される労働者について、企業には基準日から1年以内に5日取得させる義務があります。そのため、企業は有給の付与日や取得日、取得状況などを適切に管理し、取得義務を確実に履行できるようにする必要があります。

参考:年次有給休暇管理簿について|厚生労働省

関連記事:有給休暇5日の取得義務化とは?時間単位の扱いから対応方法や罰則まで解説

1-2. 管理簿に記載する対象者(パート・アルバイトも対象?)

年次有給休暇管理簿は、正社員だけでなく、パート・アルバイトや契約社員など、年次有給休暇が付与されるすべての労働者が対象になりえます。

年次有給休暇管理簿は、労働基準法施行規則第24条の7に基づき「労働基準法第39条第5項から第7項までの規定により有給休暇を与えたとき」に労働者ごとに作成・保存が義務付けられているためです。

参考:労働基準法施行規則第24条の7|e-Gov法令検索

参考:労働基準法第39条|e-Gov法令検索

関連記事:年次有給休暇の基本をわかりやすく解説!付与日数や取得要件も紹介

2. 【記入例あり】年次有給休暇管理簿の作成方法

引用:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説 | 厚生労働省

年次有給休暇管理簿は、従業員も雇用主も有給休暇の取得状況を把握するうえで非常に重要なものですが、必ず記載しなければならない項目が定められています。それが基準日・日数・時季の3つです。それぞれについて解説します。

2-1. 基準日

基準日とは、従業員に年次有給休暇を付与する日(有給の権利が発生する日)を指します。入社日から6ヵ月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、年次有給休暇を付与する義務が発生します。

そのため、初回の基準日は原則として入社日から6ヵ月経過した日となります。その後は、原則として基準日から1年ごとに年次有給休暇を付与し、付与した日(基準日)を年次有給休暇管理簿に記載します。

なお、有給休暇を前倒しで付与する場合など、複数の基準日が発生するケースでは、該当する基準日をそれぞれ年次有給休暇管理簿に記載します。

関連記事:有給休暇義務化における「基準日」とは?5日間の取得義務についても解説

2-2. 日数

基準日から1年以内に取得した年次有給休暇の日数を記載します。なお、基準日が2つある場合は、第1基準日から第2基準日の1年後までの期間に取得した日数を記載します。

この際、取得日数に加えて、保有日数(残日数)も記載しておくと実務で役立ちます。

入社2年目以降は、前年に取得しきれなかった有給が翌年度へ繰り越される場合があるため、従業員ごとの保有日数管理が複雑になります。取得日数とあわせて保有日数を管理すれば、取得状況の把握や管理ミスの防止につながります。

なお、有給の繰り越しの仕組みについては次の記事で詳しく解説していますので、不安な方はぜひご覧ください。

【図解】有給休暇の繰越とは?上限日数・ルール・計算方法をわかりやすく解説

2-3. 取得時季

年次有給休暇を取得した日付(時季)を記載します。半日単位や時間単位で有給を取得した場合は、取得日数だけではなく、取得した時間数や取得単位も記録しておけば、取得状況を正確に管理できます。

2-4. 年次有給休暇管理簿のフォーマットに指定はある?

年次有給休暇管理簿は、法律上、決まった様式が定められているわけではありません。法令で求められる「基準日」「取得日数」「取得時季」の3つの事項を記載していれば、任意の形式で作成できます。

そのため、自社でExcelなどを用いて作成するほか、勤怠管理システムに搭載されている管理機能を利用して管理することも可能です。なお、厚生労働省では年次有給休暇管理簿の記載例や参考様式を公開しているので、作成時の参考にするとよいでしょう。

参考:年次有給休暇取得管理台帳|厚生労働省

3. 年次有給休暇管理簿を適切に管理しない場合のリスク

カレンダーをめくる男性のイラスト

年次有給休暇管理簿は、法令で作成・保存が求められているだけでなく、有給休暇を適切に運用するための重要な管理資料です。付与・取得状況や有効期限を正確に把握できるので、付与漏れや時効による失効といった管理ミスの防止につながります。

一方で、管理簿の作成や管理が不十分な場合には、法令違反や労使トラブルなどさまざまなリスクが生じるおそれがあります。ここでは、年次有給休暇管理簿を適切に管理しない場合の主なリスクを解説します。

3-1. 年5日の有給取得義務の履行状況を証明できない

年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、企業は毎年5日について時季を指定して取得させる義務があります。年次有給休暇管理簿を作成・保存していない場合、従業員ごとの取得状況を正確に把握できず、法定の取得義務を履行していたことの立証が困難になる可能性があります。

労働基準監督署の調査が入った際に取得状況を説明できなければ、法令違反を疑われるおそれもあります。また、取得漏れに気付かないまま運用が続くと、複数の従業員で違反状態が発生し、企業のコンプライアンス上の問題にもつながるリスクもあります。

3-2. 有給休暇の残日数を巡る労使トラブルが発生する

年次有給休暇管理簿は、有給休暇の付与日数や取得日数、残日数を管理するための重要な記録です。適切に管理されていない場合、企業と従業員の間で残日数の認識に食い違いが生じることがあります。

例えば、従業員が「まだ有給休暇が残っている」と主張している一方で、企業側が「すでに消化済み」と認識しているケースでは、管理簿がなければどちらの主張が正しいのか客観的に確認することが困難です。結果として、労使間の信頼関係が損なわれたり、労働トラブルへ発展したりするおそれがあります。

3-3. 労働基準法違反として行政指導や罰則の対象となる

年次有給休暇管理簿の未作成や保存義務違反に対する直接的な罰則規定はありませんが、労働基準監督署の調査で不備が確認された場合には是正指導の対象となることがあります。

一方で、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して年間5日の取得義務を履行しなかった場合には、労働基準法に基づき、対象労働者1人につき30万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、悪質な法令違反が認められた場合には、企業名の公表などの行政上の措置がおこなわれることもあり、企業の信用低下につながるおそれがあります。適正な労務管理を実現するためにも、年次有給休暇管理簿を継続的かつ正確に管理することが重要です。

4. 年次有給休暇管理簿の管理を効率化するポイント

ポイント

年次有給休暇管理簿を適切に管理するには、管理方法を工夫し、必要な情報をすぐに確認できる体制を整えることが重要です。ここでは、年次有給休暇管理簿の管理を効率化する具体的なポイントを紹介します。

4-1. 労働者名簿・賃金台帳とあわせて調製する

年次有給休暇管理簿は、労働者名簿や賃金台帳と一体的に管理することが認められています(労働基準法施行規則第55条の2)。従業員ごとの氏名や入社日、賃金情報などの基本情報とあわせて管理すれば、情報の確認や更新がしやすくなり、管理業務の効率化につながるでしょう。

また、労働者名簿・賃金台帳・年次有給休暇管理簿はいずれも法令により作成・保存が義務付けられている帳簿です。関連する情報を一元的に管理しておけば、労働基準監督署の調査や社内監査の際にも、必要な情報を迅速に確認・提出しやすくなります。

参考:労働基準法施行規則第55条の2|e-Gov法令検索

4-2. 有給休暇の基準日を統一する

従業員ごとに入社日が異なる場合、それぞれの基準日に応じて有給休暇を管理しなければならず、付与日数や取得義務の管理が複雑になります。そのため、基準日を統一する「斉一的取扱い」を導入することも有効です。

例えば、毎年4月1日や10月1日を全従業員の基準日に設定すれば、有給休暇の付与状況や年5日の取得義務の管理がしやすくなります。管理担当者の負担軽減だけでなく、取得状況の把握や計画的な休暇取得の促進にもつながるでしょう。

ただし、法定の基準日より前倒しで10日以上の年次有給休暇を付与した場合は、その付与日を起算日として1年以内に5日取得させる必要があります。基準日を統一する際は、こうしたルールを踏まえたうえで、年次有給休暇管理簿の運用方法についてもあわせて見直すことが重要です。

参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省

4-3. 勤怠管理システムを活用する

年次有給休暇管理簿の管理方法には「紙の台帳による手書き管理」「Excelなどの表計算ソフトによる管理」「勤怠管理システムの活用」などがあります。手作業で作成・更新をおこなう場合、入力・計算ミスが発生しやすく、従業員数が増えるほど管理負担も大きくなります。

一方、勤怠管理システムを活用すれば、有給休暇の付与・取得日数、残日数などを自動で集計・管理できるシステムも多く、管理業務の効率化につながるでしょう。また、年5日の取得義務に対する取得状況を自動で把握し、未取得者へのアラートを表示できる機能を備えたシステムもあり、取得漏れの防止にも役立ちます。

5. 年次有給休暇管理簿に関連するよくある質問

質問と回答

ここでは、年次有給休暇管理簿に関連するよくある質問への回答を紹介します。

5-1. 時季指定した有給の日程変更時に管理簿の修正は必要?

年5日の取得義務に基づいて企業が時季指定した年次有給休暇について、従業員との話し合いの結果、取得日を変更した場合は、年次有給休暇管理簿の記載内容も実際の取得日に合わせて更新する必要があります。

また、管理簿は労働基準監督署の調査などで確認される場合があるため、当初の指定日から変更が生じた際は、変更後の取得日だけでなく、変更の経緯や修正履歴も確認できるように管理しておくことが重要です。

参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省

関連記事:有給休暇の計画的付与制度とは?導入方法や注意点を紹介

5-2. 時間単位年休の取得状況も有給管理簿に記載できる?

時間単位年休の取得状況についても、年次有給休暇管理簿に記録できます。管理簿には、労働者ごとの「基準日」「取得日数」「取得時季」の3点の記載が不可欠です。

時間単位年休を管理簿へ記録する際は、1日の所定労働時間を基準として日数換算する方法のほか、取得した時間数をそのまま記録する方法などがあります。ただし、法定の記載事項である取得日数を確認できる状態にしておく必要があります。

また、時間単位年休は、労使協定を締結した場合に年次有給休暇のうち年5日分を上限として取得できる制度です。取得実績を正確に記録することで、残日数や取得状況を適切に把握しやすくなり、適正な労務管理につながります。

関連記事:時間単位の有給休暇とは?導入や計算方法、メリット・デメリットを解説

6. 年次有給休暇管理簿の作成で健全な企業づくりを

疑問が解決して喜んでいる様子

働き方改革による「有給休暇の年5日取得義務化」に伴い、企業には従業員ごとの年次有給休暇管理簿を作成し、5年間(当面の間は3年間)保存することが義務付けられました。管理簿には「基準日」「取得日数」「取得時季」の3事項を必ず記載しなければなりません。

形式は自由なためExcelや紙でも管理可能ですが、手作業では労使トラブルや管理ミスのリスクが高まります。リスクを防ぎ業務を効率化するには、他台帳との一体管理や基準日の統一、勤怠管理システムの活用が有効です。ルールを正しく理解し、健全な労務管理体制を構築しましょう。

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