有給休暇義務化における「基準日」とは?従業員管理の重要性を解説

2019年4月、改正労働基準法が施行されました。働き方改革関連法にもとづいて、労働時間の上限規定や有給休暇の取得推進などが盛り込まれていることが大きなポイントです。

有給休暇の取得推進については、企業は各従業員に対して「基準日」を設定し、一定の有給休暇を消化させることが重要です。

本記事では、基準日の意味や取り決め方、管理上の注意点などを紹介します。

「3分でわかる有休管理の工数削減方法」

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1. 有給休暇の取得義務化における「基準日」とは

改正労働基準法により、年10日以上有給休暇が付与される従業員に対して、最低5日の有給休暇を消化させることが、すべての企業に義務づけられました。年10日以上の有給休暇を付与した日が「基準日」であり、その日から1年以内に5日以上の有給休暇を取得させる必要があります。

たとえば、2020年4月1日に入社した正社員の場合、6ヶ月後の10月1日に10日間の有給休暇が付与されます。10月1日にこの従業員の基準日となり、企業側は2021年9月30日までに5日以上の有給休暇を消化させなければなりません。

1-1. 従業員自身が5日以上取得している場合は企業側から働きかける必要はない

従業員が自分で5日以上の有給休暇を取得する場合は、さらに取得するよう企業側から働きかける必要はありません。また、無理やり多くの有給休暇を取得させることもできないので、気をつけましょう。

1-2. 有給休暇を取得するタイミングは従業員の希望に合わせる

1年間で5日以上の有給休暇を取得する義務があるからといって、企業側が勝手に時期を決めることはできません。まずは、従業員に有給休暇を取得したい時期を聞く必要があります。

できる限り従業員の希望を尊重することは大切ですが、どうしても業務に支障が出る場合は時期を変更して取得してもらうことが可能です。その場合は、あらかじめ就業規則に記載する必要があります。

2. 例外的な「基準日」の決め方を3つのポイントで解説

基本的には入社後6ヶ月の時点で年10日の有給休暇が付与されるため、その日を基準日とするケースが多いでしょう。ただし、例外的に別の日を基準日とすることも可能です。ここでは3つの例外的なケースを紹介するので、確認しておきましょう。

2-1. 入社時に10日間の有給休暇を付与するケース

病気などの事情ですぐに有給休暇が必要になる場合もあるため、入社した時点で10日以上の有給休暇を付与している企業もあります。たとえば、2020年4月1日の入社時点で10日間の有給休暇を付与した場合は、その日が基準日となり、翌年3月31日までの1年間で5日の有給休暇を取得させる必要があります。

2-2. 10日間の有給休暇を分割して付与するケース

入社後6ヶ月時点で与えるべき10日間の有給休暇を分割して付与する企業もあります。たとえば、2020年4月1日に5日間、さらに7月1日に5日間の有給休暇を付与するケースです。

この場合は、付与した有給休暇が合計10日間になった7月1日が基準日となり、翌年6月30日までの1年間で5日の有給休暇を消化させなければなりません。

2-3. 2回目の有給休暇を前倒しして付与するケース

入社6ヵ月後である2020年10月1日に10日間の有給休暇を付与し、その後は会社全体で付与日を統一するため、翌年4月1日に次年度分の有給休暇を与える企業もあるでしょう。この場合、10月1日と翌年4月1日という2つの基準日の間隔が短く、5日の有給休暇を消化すべき1年間が重複してしまいます。

企業側の管理がとても煩雑になってしまうため、1回目の基準日2020年10月1日から、2回目の基準日の1年後2022年3月31日までの18ヵ月間に、7.5日(18ヵ月÷12ヵ月×5日)の有給休暇を取得させることも可能です。

3. 有給休暇の「基準日」を管理する際の5つの注意点

企業側は有給休暇の基準日をしっかりと管理しておく必要があります。基準日を忘れたり、有給休暇の取得促進を怠ったりすると、最悪の場合、罰金が課されることがあるので注意しましょう。ここでは、基準日を管理する際の5つの注意点を紹介します。

3-1. 基準日は従業員ごとに異なる

有給休暇の基準日は、従業員ごとに異なるため、注意が必要です。たとえば、4月1日に入社した従業員の基準日と、5月1日に入社した従業員の基準日は異なります。次に紹介するように、従業員ごとの管理簿を作成して、それぞれの基準日を把握しましょう。

3-2. 基準日を記載した有給休暇管理簿を作成し3年間保管する

企業は、従業員ごとに有給休暇を管理する書類を作成して、3年間保管する必要があります。この書類に記載する必要がある内容は、基準日・取得日数・取得日の3つです。

有給休暇管理簿は個別で作成するほか、従業員名簿に追記する形で作成する方法もあります。また、求められた際に出力できる状態であれば、紙ではなくデータで管理することは問題ありません。

3-3. アルバイトやパート従業員の基準日を管理する必要がある

正社員だけではなく、一定の条件を満たすアルバイトやパートについても、有給休暇の基準日を管理する必要があります。労働日数が少ないアルバイト従業員に付与される有給休暇の日数は以下の通りです。

上記の表の通り、週4日勤務で3.5年以上継続して働いているアルバイトや、週3日勤務で5.5年以上継続して働いているアルバイトには、年10日以上の有給休暇が付与されるため、基準日を管理して1年間で5日以上の有給休暇を消化させる必要があります。

3-4. 有給休暇に関する内容は就業規則へ記載する必要がある

休暇についての規定は、会社の就業規則へ記載しなければなりません。対象となる従業員には年5日の有給休暇を取得させることや、取得の時期は従業員の希望を尊重することなどを記載しましょう。

3-5. 基準日を適切に管理しないと企業側に罰則が科さられる

年5日の有給休暇を与えなかっった場合や、有給休暇に関する規定を就業規則に記載しなかった場合は、30万円以下の罰金が科されます。

また、従業員の希望する時期に有給休暇を与えなかった場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるので注意しましょう。

4. 有給休暇の「基準日」を管理するための2つのポイント

有給休暇の基準日を適切に管理するため、以下2つのポイントを参考にしてください。

4-1. 従業員全員の基準日を統一しておく

従業員全員の基準日を統一しておくことは、有休管理のポイントの一つです。多くの従業員が在籍する大企業や、従業員ごとに入社日が異なる企業においては、それぞれの基準日を管理するのが難しいでしょう。

そのため、統一した基準日を自社で設定しておくことで、より簡単に管理することができ、有給休暇の付与忘れを防ぐことができます。

4-2. 基準日に有給休暇取得の計画表を作成する

上司や同僚に気を使って自由に有給休暇を取得できない状況もあるでしょう。基準日に有給休暇の取得予定表を作成しておくことで、基準日を管理しやすいだけではなく、有給休暇の取得忘れ防止や、取得しやすい環境づくりにつながります。

5. 有給休暇の取得推進は企業の義務!基準日はしっかりと管理しよう

今回は、有給休暇の取得義務化における基準日の決め方や管理ポイントを紹介しました。適度な有給の取得は労働者のリフレッシュにつながり、結果として企業全体の生産性アップも期待できます。それぞれの労働者の基準日をしっかりと管理し、有給の取得推進を図っていきましょう。

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