有給休暇取得日の賃金計算で知っておきたい3つのポイント | jinjerBlog

有給休暇取得日の賃金計算で知っておきたい3つのポイント

従業員が有給休暇を取得した際の賃金計算は、思わぬ業務負担になります。労働基準法で認められた賃金計算の方法は3つあります。

どの方法も一長一短がありますが、賃金計算の方法は事前に就業規則への記載が必要です。

場合によって使い分けることができないため、自社の状況に合わせて方法を選びましょう。本記事では、有給休暇中の賃金計算の方法や注意点を解説します。

関連記事:【図解付き】有給休暇付与日数の正しい計算方法をわかりやすく解説

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1. 有給休暇取得日の賃金計算をおこなう3つの方法

有給休暇の取得日の賃金計算は、労働基準法上3つの方法が認められます。

有給休暇の取得日も通常通り勤務したとみなす方法のほか、直近3ヶ月の平均賃金を求める方法、標準報酬日額から算出する方法があります。

1-1. 通常勤務の賃金を支払う

有給休暇の賃金計算の手法で、もっとも一般的なのが、有給休暇を取得した期間も通常勤務と同じ金額の賃金を支払うものです。

【メリット】
・給与計算にともなう事務処理が大きく簡略化される
-どの従業員が何日有給休暇を取得したとしても、その期間を通常通りの出勤日とみなして給与計算をおこなうことができるため、特別な事務処理が必要ない

【デメリット】
・有給休暇を取得した期間分の給与額を減らすことはできない

1-2. 平均賃金を求める

平均賃金を有給分の給与として支給する場合には、以下の二通りの計算をして、金額が大きい方を使用します。

①直近3ヶ月の賃金の総額を休日を含んだ日数で割る
②直近3ヶ月の賃金の総額を労働日数で割った額の6割

たとえば、2020年4月から6月までの賃金総額が100万円だとすると、歴日は91日、労働日数は61日のため、①10,989円②9,836円となり、①の10,989円が有給休暇に支給される給与となります。

有給休暇の取得日数にこの平均賃金を掛け算することで、支払額を求めることができます。

【メリット】
・土日祝などが多く、歴日に対して給与が少ない場合は、支払い額が減る可能性がある

【デメリット】
・事務作業が面倒
・平均賃金には最低保障額が設けられているため計算時に注意が必要
-直近3ヶ月分の賃金総額を歴日ではなく、労働日数で割り算し、60%を乗じた額よりも平均賃金が少ない場合は、最低保障額を採用する必要がある

 1-3. 標準報酬月額を使う

健康保険料の算定に使う「標準報酬月額」を有給休暇中の給与支払いの根拠とすることができます。

すでに計算済みの標準報酬月額を流用し、日割りで計算すればよいため、平均賃金を計算する方法よりも簡単です。

ただし、標準報酬月額には金額の上限が設けられているため、有給休暇中の給与が少なくなるケースがあることから、この計算方法を選択する場合は、従業員との間に労使協定を締結しなければなりません。

2. 有給休暇は2019年4月から年5日の年休消化が義務化

有給休暇は労働基準法第39条で規定され、労働者の休暇日のうち、賃金が発生する有給の休暇日を指します。

2019年4月の働き方改革関連法案の施行にともない、年5日の年休消化が義務付けられたため、有給休暇取得日の賃金計算もより重要になりました。有給休暇の基本を再確認しておきましょう。

【労働基準法第39条】
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:労働基準法|e-Gov法令検索

関連記事:有給休暇年5日の取得義務化とは?企業がおこなうべき対応を解説

2-1. 2019年4月から年5日分の取得が義務化!賃金計算がより重要に

2019年4月、働き方改革関連法が施行され、有給休暇の取得が義務化されました。10日以上の年休が付与されるすべての労働者は、その期間に5日分の有給休暇を取得しなければなりません。

企業が必要な措置を取らなかった場合、違反者1人につき30万円以下の罰金が科されます。有給休暇の取得義務化により、休暇中の賃金計算もより重要になりました。

毎年1人あたり5日分の賃金計算が発生するため、賃金計算の方法や仕組みを学んでおきましょう。

有給休暇の法律に違反した場合は罰金が課せられる可能性もありますので、今のうちに法改正の再確認と有給休暇の効率的な管理方法を実践しておきましょう。

3. 有給休暇取得日の賃金計算に関する3つの注意点

有給休暇の取得日の賃金計算をする際、注意したいポイントは3つあります。まず、賃金計算の方法は就業規則に記載しておく必要があります。

また、毎年最低賃金が改定されるため、賃金計算もアップデートが必要になります。

有給休暇の賃金計算は、①有給休暇の取得日数の把握、②有給休暇の取得日数に応じた賃金計算と2つのステップが必要になるため、思わぬ業務負担になることがあります。

3-1. 賃金計算の方法は就業規則に記載する

労働基準法第39条第9項では、有給休暇中の賃金計算の方法は必ず就業規則に記載し、従業員に対してオープンであるべきだと規定しています。

たとえば、「平均賃金や標準報酬月額で賃金計算すると支払い額が減る」という理由で、臨機応変に計算方法を変更することはできません。

就業規則に記載した計算方法にもとづき、状況に関わらず常に同一の賃金計算の方法を取る必要があります。

関連記事:有給休暇の義務化で就業規則を変更する場合に注意すべき2つのポイント

3-2. 最低賃金の改定にともない賃金計算の方法の見直しを

最低賃金法の定めにより、従業員に支払う給与は、各都道府県が定める最低賃金を上回る水準でなければなりません。今回ご紹介した3つの計算方法で有給分の給与を計算した際に、最低賃金よりも下回ってしまった場合、金額を調整するようにしましょう。

もし最低賃金を下回る給与しか支払われなかった場合、1人あたり50万円以下の罰金が課されます。

有給休暇中の賃金計算も、最低賃金額を考慮しておこなう必要があります。最低賃金は毎年10月に改定されるため、給与計算の担当者は確認しておきましょう。

3-3. 有給休暇中の賃金計算は思わぬ業務負担になることも

有給休暇中の賃金計算は、思わぬ業務負担になります。

有給休暇中の賃金は、有給休暇の取得日分だけ発生するため、まずは従業員1人ひとりの年休消化数を把握しなければなりません。

そのうえで、就業規則で定めた方法に基づき、通常勤務の賃金をそのまま参考にしたり、3ヶ月分の賃金の平均を算定したりして、給与の支払い額を計算しなければなりません。

とくに多くのリソースを割くことが難しい中小企業にとって、限られた人員で休暇中の賃金計算をおこなう工夫が必要です。

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4. 有給休暇取得日の賃金計算について理解して、賃金計算を効率化しよう

今回は、有給休暇取得日の賃金計算や注意点を解説しました。

有給休暇中の給与計算の方法は、通常通りの給与を支払う、平均賃金を計算する、標準報酬月額を使う、という3つの方法があります。

どの方法にも一長一短がありますが、方法に関係なく、有給休暇中の賃金計算はあらかじめ就業規則への記載が必要です。

有給休暇酒盗日の賃金計算は、従業員1人ひとりの年休消化数を把握しなければならないため、思わぬ業務負担になります。

勤怠管理システムの導入などのよって、賃金計算の効率化に取り組みましょう。

関連記事:年次有給休暇とは?付与日数や取得義務化など法律をまとめて解説

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