住民税の扶養控除とは?適用条件・控除額・所得税との違いを解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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住民税の扶養控除とは?適用条件・控除額・所得税との違いを解説

コイン

住民税の扶養控除は、生計を一にする親族がいる場合に所得から一定額を差し引くことで、税負担を軽減できる重要な制度です。ただし、住民税は「前年の所得」を基準に翌年度の税額が決定されるため、所得税とは適用のタイミングや控除額の仕組みが異なる点に注意が必要です。

また、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定には影響するため、正確な申告が求められます。本記事では、住民税における扶養控除の適用条件や控除額の詳細に加え、最新の制度改正のポイントについてもわかりやすく解説します。

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1. 住民税の扶養控除とは|生計を一にする親族がいる場合に税負担を軽減できる制度

はてな

住民税の扶養控除とは、納税者に扶養している家族がいる場合に、一定額を所得から差し引くことで住民税の負担を軽減できる制度です。住民税は前年の所得を基に翌年度に課税される仕組みのため、扶養控除の適用有無によって翌年度の住民税額が変わります。

1-1. 住民税の扶養控除が適用される条件

令和8年度において住民税の扶養控除を受けるには、扶養親族が次の条件を満たしている必要があります。

  • 納税者と生計を一にしていること
  • 配偶者以外の親族であること(6親等内の血族・3親等内の姻族など)
  • 令和7年中の合計所得金額が58万円以下(給与収入のみの場合は年収132万円以下)であること
  • 青色事業専従者として給与を受け取っていないこと、または白色事業専従者でないこと

参考:住民税の扶養控除|葛飾区

「生計を一にする」とは、日常の生活費や学費などを共通の資金で支え合っている関係を指します。同居している場合だけでなく、別居していても継続的に生活費の援助をしていれば該当する可能性があります。

例えば、離れて暮らす大学生の子どもへ仕送りをしている場合や、単身赴任中の家族の生活費を負担している場合なども、一定の条件を満たせば扶養親族として認められます。

1-2. 住民税の扶養控除額はいくら?

住民税の扶養控除額は、扶養親族の年齢や同居状況によって異なります。主な控除額は次のとおりです。

扶養親族の区分 条件 控除額
年少扶養親族 16歳未満 控除対象外
一般扶養親族 16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満 33万円
特定扶養親族 19歳以上23歳未満 45万円
老人扶養親族 70歳以上 38万円
同居老親等 老人扶養親族のうち、納税義務者または配偶者の直系尊属(父母・祖父母など)で、納税義務者または配偶者と常に同居している場合 45万円

参考:住民税の扶養控除|葛飾区

扶養親族の区分は、原則としてその年の12月31日時点の年齢で判定されます。住民税は前年の所得を基に課税されるので、例えば令和8年度の住民税であれば、令和7年12月31日時点の年齢で判定します。したがって、現在15歳の人でも、その年の12月31日までに16歳になれば、扶養控除の対象となる可能性があります。

1-3. 【令和7年度税制改正】新たに特定親族特別控除が創設

令和7年度税制改正では「特定親族特別控除」が新設され、令和8年度以降の住民税から適用されます。令和8年度の住民税では、扶養控除の扶養親族の所得要件が「合計所得金額58万円以下」に引き上げられ、これを超えると通常の扶養控除は適用できません。

しかし、19歳以上23歳未満の親族については、合計所得金額が58万円を超えていても、123万円以下であれば「特定親族」に該当し、「特定親族特別控除」の適用対象となります。住民税における特定親族特別控除の最大控除額は45万円です。なお、特定親族の合計所得金額が95万円を超えると、控除額は段階的に減少します。

参考:特定親族特別控除の創設|町田市

関連記事:2025年新設!特定親族特別控除の概要や控除額・申請方法をわかりやすく解説

1-4. 【令和8年度税制改正】令和9年度以降の扶養親族の所得要件が変更される

令和8年度税制改正により、令和9年度以降の住民税では、扶養親族に該当するための合計所得金額の要件が「62万円以下」へ引き上げられます。さらに、給与所得控除の最低保障額も74万円(令和11年度以降は69万円)に引き上げられるため、給与収入のみの場合は、年収136万円以下(令和11年度以降は131万円以下)であれば扶養親族の要件を満たすことになります。

この改正により、従来は扶養控除の対象外だった人でも、今後は対象となる可能性があります。特に、アルバイトをしている学生やパート勤務の家族がいる世帯では、税負担や働き方に影響する場合があるので、制度改正の内容を事前に確認しておくことが大切です。

参考:令和9年度から適用される主な税制改正等|八尾市

関連記事:【2026年最新動向】年収の壁とは?所得税・住民税や社会保険の壁を徹底解説

2. 住民税の扶養控除の適用による税額シミュレーション【年収400万円】

住民税

ここでは、給与年収400万円の会社員を例に、住民税における扶養控除の有無で税額がどの程度変わるのかをシミュレーションします。なお、実際の税額は自治体や社会保険料額、その他の控除状況によって異なるため、あくまで目安としてご確認ください。

【シミュレーション条件】

  • 給与年収:400万円
  • 社会保険料控除:60万円
  • 基礎控除:43万円
  • 扶養親族:一般扶養親族1人(控除額33万円)

参考:個人住民税|東京都

2-1. 扶養控除の適用あり

給与収入が400万円の場合、給与所得控除額は124万円となるため、給与所得は276万円です。ここから社会保険料控除や基礎控除、扶養控除を差し引いて、住民税の課税所得を算出します。計算例は次のとおりです。

課税所得:140万円 = 給与所得:276万円 − 社会保険料控除:60万円 − 基礎控除:43万円 − 扶養控除:33万円

住民税の所得割の税率は、原則として10%です。そのため、所得割額は次のように計算されます。

所得割額:14万円 = 課税所得140万円 × 税率10%

さらに、均等割4,000円と森林環境税1,000円を加えると、最終的な住民税額は14万5,000円となります。

2-2. 扶養控除の適用なし

給与収入が400万円の場合、扶養控除の適用がなくとも給与所得は276万円です。ここから社会保険料控除と基礎控除を差し引いて、住民税の課税所得を算出します。計算例は次のとおりです。

課税所得:173万円 = 給与所得:276万円 − 社会保険料控除:60万円 − 基礎控除:43万円

住民税の所得割の税率10%を適用すると、所得割額は次のように計算されます。

所得割額:17万3,000円 = 課税所得173万円 × 税率10%

さらに、均等割4,000円と森林環境税1,000円を加えると、最終的な住民税額は17万8,000円となります。

このシミュレーションでは、一般扶養親族1人について扶養控除を適用することで、住民税額は約3万円軽減される計算です。なお、実際には調整控除などの影響により、税額が数千円程度前後する場合があります。

また、扶養親族の人数が増えたり、特定扶養親族や老人扶養親族に該当して控除額が大きくなったりする場合には、さらに減税効果が高くなるでしょう。

3. 住民税と所得税の扶養控除の違い

虫眼鏡

まず、所得税はその年の扶養状況をもとに税額を計算するため、扶養控除を申告した年の税額に反映されます。一方、住民税は前年の所得を基準に算定されるので、扶養控除の影響が反映されるのは翌年度の住民税です。

また、扶養控除額は所得税と住民税で異なり、一般的には所得税のほうが控除額が大きく設定されています。主な違いは次のとおりです。

区分 住民税 所得税 差額
年少扶養親族 控除対象外 控除対象外
一般扶養親族 33万円 38万円 5万円
特定扶養親族 45万円 63万円 18万円
老人扶養親族 38万円 48万円 10万円
同居老親等 45万円 58万円 13万円

参考:No.1180 扶養控除|国税庁

例えば、16歳以上19歳未満の一般扶養親族がいる場合、所得税では38万円、住民税では33万円の扶養控除を受けられます。特定扶養親族や老人扶養親族についても同様に、所得税のほうが控除額は大きく、税負担の軽減効果も大きくなります。

関連記事:所得税と住民税の違いは?高いのは?計算・徴収方法の違いをわかりやすく解説

3-1. 16歳未満の子どもの取り扱い

住民税と所得税では、16歳未満の子ども(年少扶養親族)について、いずれも扶養控除の対象外とされています。ただし、住民税では非課税判定をおこなう際に16歳未満の子どもの人数が考慮されます。

そのため、16歳未満の子どもを扶養親族として申告することで、所得割・均等割が非課税となる場合があります。例えば、東京23区では、次の条件に該当すると住民税(所得割・均等割)が非課税となります。

  • 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合:35万円 ×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者または扶養親族がいない場合:45万円以下

参考:個人住民税|東京都

なお、この「扶養親族」には16歳未満の子どもも含まれます。そのため、16歳未満の扶養親族がいると、住民税が非課税となる所得基準額が引き上げられます。

一方で、扶養親族として申告をしていない場合は「扶養親族なし」と判定されるので、本来は非課税となるケースでも課税対象となる可能性があります。16歳未満の子どもであっても、住民税の非課税判定に影響するため、年末調整などの手続きの際は従業員には忘れずに申告してもらうことが重要です。

関連記事:住民税非課税世帯とは?対象となる条件や優遇措置を解説

4. 住民税の扶養控除の適用方法

虫眼鏡

住民税の扶養控除を受けるためには、扶養親族に関する情報を自治体へ正しく申告する必要があります。会社員の場合は年末調整を通じて手続きをおこなうのが一般的です。

一方、年末調整を受けていない人などは確定申告によって控除を適用します。ここでは、それぞれの手続き方法について解説します。

4-1. 年末調整

会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者は、通常、勤務先で実施される年末調整を通じて住民税の扶養控除の適用を受けます。

年末調整では、「扶養控除等申告書」などを勤務先へ提出し、配偶者や扶養親族の所得見込み額などを申告します。勤務先はその内容をもとに所得税を計算し、あわせて自治体へ提出する「給与支払報告書」にも扶養情報を反映します。

自治体は、この給与支払報告書を基に翌年度の住民税額を決定するため、年末調整で従業員に扶養親族を正しく申告してもらうことで、住民税の扶養控除も適用されます。なお、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定に影響するので、扶養控除等申告書へ忘れずに記載してもらうことが大切です。

また、扶養親族の所得見込み額に誤りがある場合、後日住民税額が修正されたり、追加で税金を納める必要が生じたりすることがあります。扶養の要件を満たしているか、事前にしっかり確認しておきましょう。

関連記事:給与支払報告書とは?書き方や提出先、期限、提出不要となる条件を解説

4-2. 確定申告

年末調整は、すべての人が対象となるわけではありません。例えば、ほかの勤務先へ「扶養控除等申告書」を提出している人や、その年の給与収入が2,000万円を超える人は、年末調整の対象外となります。このような場合は、従業員自身で確定申告をおこなう必要があります。また、個人事業主やフリーランスが扶養控除を適用する場合も、確定申告が必要です。

確定申告書には扶養親族を記載する欄があり、扶養する家族の氏名や所得状況などを申告します。申告内容は税務署から各自治体へ共有され、その情報をもとに翌年度の住民税額が決定されます。

さらに、年末調整を受けている会社員であっても、副業所得が20万円を超える場合や、医療費控除・寄附金控除といった年末調整では適用できない控除を受ける場合には、別途確定申告が必要になるケースがあります。

その際、年末調整が済んでいるからといって確定申告書への扶養控除の記載を省略すると、控除が正しく適用されず、所得税だけでなく翌年度の住民税額にも影響する可能性があります。また、16歳未満の子どもについても、住民税の非課税判定に関わるため、忘れずに記載することが重要です。

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

関連記事:年末調整の対象者とは?必要書類や確定申告との関係も解説

5. 住民税の扶養控除に関連するよくある質問

コインと家

ここでは、住民税の扶養控除に関するよくある質問とその回答を紹介します。

5-1. 配偶者は住民税の扶養控除の対象になる?

配偶者は住民税の扶養控除の対象外です。ただし、配偶者控除を適用できる可能性があります。

住民税における配偶者控除の控除額は最大33万円(配偶者が70歳以上の場合は最大38万円)です。納税者本人の合計所得金額が900万円を超えると段階的に控除額が減少する点に注意が必要です。

令和8年度において住民税の配偶者控除を受けるには、次の条件を満たしている必要があります。

  • 納税者の合計所得金額が1,000万円以下であること
  • 配偶者が納税者と生計を一にしていること
  • 配偶者の令和7年中の合計所得金額が58万円以下であること
  • 配偶者が青色事業専従者として給与を受け取っていないこと、または白色事業専従者でないこと

参考:住民税の配偶者控除|葛飾区

なお、令和8年度税制改正により、令和9年度以降の住民税では、配偶者の所得要件は「62万円以下」へ引き上げられます。この要件を超える場合であっても、配偶者の合計所得金額が133万円以下であれば、所得に応じて配偶者特別控除の対象となる可能性があります。

配偶者控除・配偶者特別控除は、扶養控除とは異なり、納税者本人の所得制限が設けられている点が特徴です。また、同一人物について、配偶者控除と扶養控除を重複して適用することはできません。

例えば、夫が妻について配偶者控除を適用している場合、妻の親がその妻を扶養親族として扶養控除の対象にすることはできないので注意が必要です。

参考:令和9年度から適用される主な税制改正等|八尾市

5-2. 扶養内で働いているのに住民税が天引きされるのはなぜ?

扶養親族の所得要件と、自身の住民税における課税・非課税の判定基準(いわゆる年収の壁)は、それぞれ異なる基準で判断されることが理由のひとつです。なお、住民税の非課税基準については自治体ごとに差が生じる場合があります。

令和8年度における住民税の扶養控除では、扶養親族として認められるための所得要件は「合計所得金額58万円以下」です。一方で、住民税(所得割・均等割)が非課税となる基準は「合計所得金額45万円以下(東京都23区の単身者の場合)」と、より低い水準で設定されています。

参考:個人住民税|東京都

例えば、パート・アルバイトで給与収入を123万円以下に抑えた場合、扶養者は扶養控除を適用できる可能性があります。しかし、給与収入が110万円を超えると、基本的には住民税の非課税要件には該当しなくなるので、各種所得控除により所得割が課されないケースであっても、均等割については課税される可能性があるのです。

また、令和8年度税制改正により、令和9年度以降は扶養親族の所得要件が給与収入136万円以下(令和11年度以降は131万円以下)、住民税における年収の壁が給与収入119万円以下(令和11年度以降は114万円以下)へと変更される点にも留意が必要です。

参考:令和9年度から適用される主な税制改正等|八尾市

加えて、住民税は前年の所得を基に計算される仕組みのため、前年に一定以上の収入があった場合には、現在扶養内で働いている場合でも住民税が課税されることがあります。そのため、自治体から送付される住民税決定通知書の内容を確認し、正確な課税状況を把握したうえで従業員へ説明することが大切です。

関連記事:住民税決定通知書とは?見方や再発行の方法、ふるさと納税との関係も解説!

5-3. 社会保険の扶養に入っていても住民税がかかるのはなぜ?

社会保険上の扶養と、税法上の扶養は制度が異なるためです。まず、社会保険上の扶養に入るための収入要件は、原則として年収130万円未満とされています(配偶者を除く19歳以上23歳未満は150万円未満、60歳以上や一定の障害がある場合は180万円未満)。

参考:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|日本年金機構

一方、令和8年度の住民税の扶養控除を受けるための扶養親族の所得要件は年収123万円以下(給与収入のみ)です。そのため、社会保険上の扶養基準である年収130万円未満を満たしていても、年収が123万円を超えると住民税が課税される可能性があります。

さらに、令和8年度税制改正により、令和9年度以降は扶養親族の所得要件が年収136万円以下(令和11年度以降は131万円以下)へ引き上げられます。この影響により、住民税の扶養控除の範囲で収入を調整している場合でも、社会保険上の扶養から外れる可能性が生じる点には注意が必要です。

参考:令和9年度から適用される主な税制改正等|八尾市

なお、社会保険における年収130万円の判定方法は、2026年4月以降、従来の見込み収入ではなく労働契約内容を基準とする方式に変更されています。そのため、残業や休日出勤などにより一時的に収入が130万円を超えた場合であっても、直ちに扶養から外れることはありません。

参考:労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて|日本年金機構

関連記事:130万円の壁とは?2026年4月から労働契約ベースに計算方法が変更に!

6. 住民税の扶養控除を正しく理解して従業員対応に活かそう

腕を組んだ女性

扶養控除は、所得税がその年の所得を基準に控除額へ反映されるのに対し、住民税は前年の所得を基に翌年度の税額が決まる点に特徴があります。また、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定に一定の影響を与える場合があります。

さらに、令和7年度および令和8年度の税制改正により、扶養控除における所得要件や住民税の課税基準について大きな見直しがおこなわれています。年末調整や確定申告の手続きにおいては、従業員が正しく申告できるよう丁寧な案内をおこない、適正な税務処理と円滑な労務管理につなげることが重要です。

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