月またぎの振替休日とは?給与計算方法の注意点も解説! - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

月またぎの振替休日とは?給与計算方法の注意点も解説! - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

月またぎの振替休日とは?給与計算方法の注意点も解説! - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

月またぎの振替休日とは?給与計算方法の注意点も解説!

休日に自宅でリラックスする女性

振替休日とは、事前に休日と勤務日を入れ替えることを指します。例えば「今週の土曜日に出勤する代わりに、来週の火曜日を休みにする」といったケースが、振替休日に該当します。

振替休日は、単に勤務日と休日を入れ替えるだけの制度であるため、一見すると複雑な処理は不要のように思われがちです。しかし、月をまたいで振替休日を取得する場合には、勤怠管理や賃金の扱いなどにおいて注意すべき点がいくつかあります。

この記事では、企業が知っておくべき月またぎの振替休日の正しい処理方法について、法的観点や実務上のポイントを踏まえて解説します。

休日出勤の対応や 振休・代休の付与に不安のある方へ

人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。

そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
「休日出勤させた際の対応を知りたい」「代休・振休の付与ルールを確認したい」という人事担当者の方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 振替休日の月またぎとは?

チェックマークの画像

そもそも、振替休日の月またぎとはどのようなケースを指すのでしょうか。まずは、「振替休日の月またぎ」の意味や、該当するケースについて見ていきましょう。

1-1. 振替休日の月またぎは「翌月に振替をする」こと

振替休日の月またぎとは、振替によって勤務日が発生した翌月に休日を取得することです。

月をまたがない場合でも、「給与の締日」をまたぐと、勤怠処理上は月またぎと同様に扱われるケースがあります。例えば、締日が月末の企業で4月15日に振替休日によって出勤し、5月15日に休みをとった場合、月(締日)をまたいで振替休日をおこなったことになります。

なお、振替休日の取得期限について明確な法的規定はありませんが、一般的には労働基準法第115条の「賃金を除くその他の請求権」に基づく2年の時効が適用されると解されていることが多いです。そのため、月をまたいで振替休日を取得しても、就業規則などに反しない限り法的には問題ないとされています。

参考:労働基準法第115条|e-Gov法令検索

関連記事:振替休日に期限はある?週をまたいだ時の対応や期限における注意点を解説

1-2. 振替休日は同一賃金支払期間内におこなうことが原則

月をまたいだ振替休日の取得については、先述の通り、法的には明確な制限があるわけではないので原則として問題ありません。しかし実務上は、同一の賃金支払期間内で振替をおこなうことが推奨されています。

これは、勤務日と振替休日が異なる月にまたがることで、給与計算や勤怠管理が煩雑になるためです。また、休日の取得が過度に遅れると、従業員の健康維持や適切な休息確保の観点からも望ましくありません。

振替休日と労働日は、なるべく近接した日(直前または直後)に設定することで、企業・従業員双方にとって管理のしやすさや健康配慮といったメリットが得られます。なお、行政通達(昭和23年7月5日 基発968号、昭和63年3月14日 基発150号)においても、次のように示されています。

業務等の都合によりあらかじめ休日と定められた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とするいわゆる休日の振替を行う場合には、就業規則等においてできる限り、休日振替の具体的事由と振り替えるべき日を規定することが望ましいこと。なお、振り替えるべき日については、振り返られた日以降できる限り近接している日が望ましいこと。

引用:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇|厚生労働省

関連記事:振替休日とは?代休との違いや取得期限、労働基準法の観点から見る注意点を解説

2. 振替休日と代休の違い

書類をみて心配している

振替休日と同じような用語に「代休」があります。振替休日も代休も同じ「休日」ですが、管理上では意味がまったく異なります。

振替休日は、あらかじめ休日と定められていた日が労働日になる代わりに、他の労働日を休日とする「事前の休日振替」です。振替休日を適用する場合、休日に労働してもそれは通常の労働日とみなされるため、休日労働には該当せず、割増賃金の支払い義務も発生しません。ただし、時間外労働の割増賃金が発生する可能性はあります。

一方、代休は急な仕事や残業をしても終わらない業務などをするために、休日に働くことになり、その代わりに振り替えられた日を「休日」とする制度です。この場合、労働は休日におこなわれた事実として残るので、法定休日に労働した場合には、休日労働の割増賃金の支給が必要になります。

このように、振替休日は「事前に休日と労働日を入れ替える制度」、代休は「休日に働いたあとに代わりの休みを与える制度」であり、勤怠管理や給与計算などの管理上も法的な扱いも異なります。

参考:振替休日と代休の違いは何か。|厚生労働省

関連記事:振替休日(振休)と代休の違いは?定義をわかりやすく解説!

3. 月またぎで振替休日を取得した際の給与計算方法

電卓で計算する

月またぎの振替休日は望ましくないものの、実務上の都合でどうしても休日の取得が翌月以降になってしまうケースは少なくありません。

それでは、もし月をまたいで振替休日を取得することになる場合、企業はどのように対応すればよいのでしょうか。この章では、月またぎで振替休日を取得した際の正しい給与計算方法について解説します。

3-1. まずは休日に勤務した賃金を支払う

当月に休日勤務させて翌月以降に休みを取らせるという、月またぎで振替休日を取得することになる場合、労働基準法第24条の「賃金全額払いの原則」に基づき、まず当月に勤務した分に対する賃金を一旦すべて支払わなくてはいけません。

たとえ将来的に振替休日を与える予定であっても、締日を迎えた時点では、勤務実績に応じた給与をいったん支給する必要があります。

参考:労働基準法第24条|e-Gov法令検索

3-2. 休日を取得したあとに控除する

賃金支払い後、月をまたいで休日を取得したときは、その月の給与から休んだ分の賃金を控除します。

控除できるのは基本給の部分のみで、そのほかにかかった割増賃金などは控除できません。

なお、振替休日は「労働日と休日を入れ替えた」だけであるため、たとえ休日に出勤していても休日労働の割増賃金(休日手当)の支給は不要です。

ただし、予定していた振替休日が何らかの理由で取得できなかった場合、事後的に「代休」とみなされることになり、法定休日に勤務していた場合には35%以上の割増率を適用した休日手当の支払いが必要になるので注意しましょう。

参考:代休?振替休日?|厚生労働省

関連記事:休日出勤させて代休なしは違法?割増賃金や振替休日についても解説

3-3. 【注意】割増賃金の支払い義務が残るケース

振替休日はあらかじめ休日と勤務日を入れ替える制度であるため、休日手当の支払いは不要です。しかし、残業手当や深夜手当といったそのほかの割増賃金が発生する可能性はあります。

とくに月またぎの振替休日を取得する場合、休日と労働日を入れ替えたことで法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働が発生してしまうケースもよくあります。たとえ同一の賃金支払期間内で休日と労働日を入れ替えられ、基本給部分の賃金を相殺できても、割増賃金の支払い義務は残るので注意しましょう。

また、振替休日と代休を混在しがちな場合が多いですが、割増賃金の考え方は全くもって異なるため計算時には注意が必要です。当サイトでは、振替休日と代休でそれぞれどのように割増賃金が発生するのかまとめた資料を無料で配布しております。その他にも休日・休暇の定義の違いなども解説しておりますので、不安な点がある方はこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

3-4. 【具体例】月またぎで振替休日が発生した場合の給与計算方法

ここでは、月をまたいで振替休日を取得した場合の給与計算方法について、具体例を用いて解説します。

【前提条件】

  • 1日の所定労働時間:8時間
  • 1時間あたりの基礎賃金:2,000円
  • 賃金計算期間:毎月1日〜末日(月給制)
  • 時間外労働の割増率:25%
  • 4月10日(法定休日)に10時間勤務(所定8時間+時間外2時間)
  • 5月20日(通常勤務日)に振替休日を取得

※本事例は、事前に休日と労働日を入れ替える「振替休日制度」を適用しているものとします。

【4月の処理】

振替休日を事前に設定している場合、4月10日は通常の労働日として扱われます。そのため、法定休日労働の割増(35%)は発生しません。

ただし、賃金計算期間は4月1日〜4月30日であり、振替休日の取得は5月となるので、4月は実質的に労働日が1日多い状態になります。そのため、「賃金全額払いの原則」に則り、4月分給与に4月10日勤務分を加算する処理がおこなわれます。4月10日の給与計算は次のとおりです。

  • 通常勤務分:2,000円 × 8時間 = 16,000円
  • 時間外労働分:2,000円 × 2時間 × 1.25 = 5,000円

したがって、4月分の給与には、通常勤務分と時間外労働分を合わせた21,000円を加算して支払う必要があります。

【5月の処理】

5月20日に振替休日を取得した場合、一般的に1日分の給与を控除する処理をおこないます。ただし、控除できるのは通常勤務分に相当する金額(16,000円)であり、4月に発生した時間外労働分(5,000円)を控除することはできません。

なお、賃金控除する際の計算方法は複数考えられます。いずれの方法を採用する場合でも、賃金計算方法を就業規則や賃金規程に明記し、従業員に周知しておくことが重要です。

関連記事:割増賃金の基礎となる賃金とは?計算方法など労働基準法の規定から基本を解説

関連記事:勤怠控除とは?計算方法と注意するべきポイントを紹介

4. 月またぎの振替休日の注意点

パソコンを触っている女性

月またぎの振替休日は、一旦賃金を支払ってあとから控除する処理をおこなうことが一般的です。しかし、振替が月をまたいでしまうときは、賃金の処理以外にも注意したいポイントがあります。

ここでは、月またぎの振替休日における主な注意点について確認していきましょう。

4-1. 未取得の賃金で相殺することは違法

月またぎの振替休日を取得する場合、未取得の休日と実際に働いた分の賃金を相殺することは違法です。これは、労働基準法第24条に基づく「賃金全額払いの原則」により、労働の対価は原則として所定の支払日に全額支払う必要があるためです。

とくに中小企業などでは、事務負担の軽減を目的に未取得分の休日と相殺処理をおこなうケースが多いといわれていますが、法的には認められておらず是正が必要です。また、このような相殺処理をすると、後で従業員から未払い賃金の請求を受けるだけでなく、法令違反により罰則を課せられるおそれもあります。賃金の相殺ができるのは、同一賃金支払期間内での振り替えのみと理解し、正しく給与計算をおこないましょう。

参考:労働基準法第24条|e-Gov法令検索

関連記事:賃金支払いの5原則とは?例外や守られないときの罰則について

4-2. 法定休日を下回ってはいけない

労働基準法第35条では、週に1日もしくは4週に4日の休日を与えることが義務付けられています。この必須の法定条件である休日を「法定休日」といいますが、たとえ月をまたいで振替休日をおこなうとしても、法定休日を下回る休日を与えることはできません。

つまり、振替休日をおこなう際でも、週に1日もしくは4週に4日以上の休日を与える必要があるのです。法定休日を下回ってしまった場合、振替休日の適用が否認されるだけでなく、従業員の健康を害したりコンプライアンス違反による責任問題を追求されたりするおそれもあります。

そのため、振替休日の制度を運用する場合は、必ず法定休日の要件を満たすようにしましょう。

参考:労働基準法第35条|e-Gov法令検索

関連記事:所定休日と法定休日の違いや運用ルールを分かりやすく解説

4-3. 36協定の締結が必要

労働基準法では法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働を原則禁じています。とくに月またぎの振替休日を取得する場合、週に40時間を超えた労働が発生しやすくなります。

従業員に法定労働時間を超えた労働をおこなわせるためには、あらかじめ労使間で36協定(時間外・休日労働に関する協定)を締結し、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。また、36協定を締結・届出したとしても、時間外労働や休日労働には上限が設けられているので、それを超えないよう適切に勤怠管理をおこないましょう。

関連記事:36協定における残業時間の上限を基本からわかりやすく解説!

4-4. 月をまたいで先に休む(前倒しする)ことは可能?

振替休日とは、事前に休日と労働日を入れ替える制度です。そのため、あらかじめ振り替える日が決まっていれば、労働日より先に休む場合であっても、休日の前倒し処理が認められます。

この場合、先に休日を取得した月については、「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づき賃金控除が可能です。また、休日から勤務日に入れ替えられた日は通常の労働日扱いになるので、休日手当は発生しません。月をまたいで先に休む(前倒しする)振替休日制度を導入する場合、従業員とのトラブルを生まないためにも、就業規則に細かくルールを明記しておきましょう。

4-5. 振替休日を取得できないときは休日出勤扱いに

休日に出勤させる場合でも、あらかじめ代わりとなる休み(振替休日)を決めておけば、その出勤日は通常の労働日とみなされます。例えば、法定休日に出勤しても、事前に振替休日を設定していれば、その日は休日出勤とは扱われず、休日労働の割増賃金(休日手当)の支払いは不要です。

ただし、事前に決めた振替休日を実際に取得できなかった場合は、結果として法定休日に労働したことになるため、休日手当の支払いが必要です。また、休日出勤後に何らかの理由で振替休日が取れず、後日改めて休みを与えた場合、それは「代休」となります。代休では休日出勤の事実は変わらないので、たとえ後日休ませても、法定休日に出勤したのであれば、休日手当は支払わなければなりません。

4-6. 給与明細にわかりやすく記載する

所得税法第231条、所得税法施行規則第100条に基づき、給与の支払いをする企業に対しては、必要事項を記載した給与明細の発行が義務付けられています。

給与明細には決まったフォーマットはありませんが、少なくとも「総支給額」「控除項目(所得税・住民税・社会保険料など)」「差引支給額」といった基本的事項が明確に記載されていれば、法令上問題となることはないでしょう。

ただし、月をまたいで振替休日を取得するケースでは、出勤した月にいったん賃金を支給し、翌月に振替休日を取得した際にその分を調整(控除)する処理をおこなうことがあります。

この場合、支給月には賃金が一時的に多く見え、翌月には控除が発生するので、従業員が内容を十分に理解していないと疑問や不安を抱くおそれがあります。

そのため、振替休日に伴う賃金調整であることが明確にわかるよう、「前月振替分調整」「振替休日控除」などの項目名を給与明細上に明示することが望ましいでしょう。こうした対応は、賃金計算の透明性を確保するとともに、労使間の信頼関係を維持する観点からも重要だといえます。

参考:所得税法第231条|e-Gov法令検索

参考:所得税法施行規則第100条|e-Gov法令検索

関連記事:給与明細とは?保管期間や注意点、記載項目までくわしく解説

5. 正しく振替休日を運用する方法

順序を確認する

振替休日を導入する際には、法定休日を正しく確保するとともに、残業代や割増賃金を正確に計算・支給することが求められます。誤った運用は労働基準法違反につながるおそれがあるため、ルールの理解と制度の整備が不可欠です。

ここでは、振替休日を適切に運用するための具体的な方法や実務上の注意点について詳しく解説します。

5-1. あらかじめ法定休日を特定しておくことが望ましい

労働基準法では、「毎週1日」または「4週間で4日」の法定休日を与えることが義務付けられていますが、法定休日の特定義務までは定められていません。

しかし、振替休日を運用する場合には、当該休日が「法定休日」なのか「所定休日」なのかを区別しておくことが重要です。とくに月をまたいで法定休日を振り替える場合などには、結果として法定休日の付与要件(毎週1日または4週4日)を満たさなくなる可能性があります。

また、法定休日労働に対する割増賃金の取扱いにも影響が生じるため、実務上の混乱を防ぐ観点からも明確化が必要です。この点については、行政通達(昭和23年5月5日基発682号、昭和63年3月14日基発150号)においても、法の趣旨に照らせば法定休日をあらかじめ特定しておくことが望ましいと示されています。

さらに、近年は多様な働き方に対応する観点から労働基準法の見直しが議論されており、その検討項目の一つとして「法定休日の特定を法律上明確に規定すること」も挙げられています。現時点で法改正が確定しているわけではありませんが、将来的に制度化される可能性は否定できません。

以上を踏まえると、法的義務の有無にかかわらず、就業規則などにおいてあらかじめ法定休日を明確に定め、労使間で認識を共有しておくことが、適正な労務管理と紛争予防の観点から望ましいといえるでしょう。

参考:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇|厚生労働省

参考:「労働基準関係法制研究会」の報告書を公表します|厚生労働省

5-2. 振替休日の取得期限を定めておく

月またぎの振替休日が発生すると、勤怠管理や給与計算が複雑になりやすいです。そのため、できる限り月またぎの振替休日を発生させず、同一の賃金支払期間内で休日と労働日を振り替える運用体制を整えることが望ましいでしょう。

具体的には、「休日の振替は、原則として月曜日を起算日とする同一週内で指定する」といったルールを就業規則に明確に定めておくことが有効です。あらかじめ振替の範囲や方法を定義しておくことで、法定休日の確保や賃金計算への影響を整理しやすくなります。

関連記事:振替休日に期限はある?週をまたいだ時の対応や期限における注意点を解説

5-3. 振替休日の仕組みを就業規則に明記して従業員に周知する

振替休日は法律で義務づけられた制度ではなく、企業が自主的に導入する任意の制度です。そのため、振替休日を適切に運用するためには、就業規則にルールを明確に定めておくことが不可欠です。あらかじめ詳細な取り扱いを記載しておくことで、制度の運用がスムーズになり、従業員とのトラブルも未然に防げます。

ただし、「労働日の翌月に振替休日を取得した場合、その労働日に対する賃金は翌月に支払う」といった内容を就業規則に定めたとしても、その規定は労働基準法に違反するため無効となり、労働基準法の基準が優先されて適用されることになります(労働基準法第13条)。振替休日制度を導入する際は、法令に適合した内容で就業規則を整備することが重要です。

参考:労働基準法第13条|e-Gov法令検索

関連記事:雇用契約書と就業規則の優先順位とは?見直す際の2つのポイントを紹介

5-4. 勤怠管理システムを導入する

月またぎの振替休日を完全になくすことは難しいかもしれません。しかし、月をまたいで振替休日を取得させた際に、勤怠管理や給与計算を正しくおこなわなければ、労働基準法違反として、罰金などの罰則が課せられる可能性もあります。

このようなリスクを防ぎ、振替休日の管理を効率化したい場合には、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムを活用すれば、振替休日の申請・承認をツール上でスムーズにおこなえるだけでなく、労働時間の集計から残業代・割増賃金の計算まで自動化することも可能です。これにより、人的ミス削減とコンプライアンス強化の両立が実現できます。

6. 月またぎの振替休日で判断に迷いやすいケース

はてなマーク

月をまたいで振替休日を設定する場合、通常の固定労働時間制であれば比較的シンプルに整理できますが、労働時間制度によっては取り扱いが複雑になります。

特に「労働時間の総枠」で管理する制度では、どの月の労働時間としてカウントするか、割増賃金の要否はどうなるかといった点で判断に迷いやすくなります。ここでは、「フレックスタイム制」と「変形労働時間制」における月またぎの振替休日における注意点をそれぞれ紹介します。

6-1. フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、企業が定めた清算期間(最大3ヵ月)の総労働時間の範囲内で、従業員が始業・終業時刻を決めて柔軟に働くことのできる制度です。

フレックスタイム制でも、振替休日の制度を導入できます。清算期間内で休日を振り替えるのであれば、総労働時間は変わらないため、実労働時間が法定労働時間の総枠を超えなければ時間外労働の割増賃金の支払いは不要です。

一方、例えば清算期間1ヵ月の場合で、月またぎの(清算期間をまたぐ)振替休日を取得する場合を考えてみましょう。休日から勤務日に振り替えられた日を含む清算期間については労働日が1日増え、勤務日から休日に振り替えられた日を含む清算期間は労働日が1日少なくなります。

仮に清算期間の総労働時間の計算方法を「所定労働日数×1日の所定労働時間(8時間)」のように、振替休日による所定労働日数の増減を考慮して設定している場合、月またぎの振替休日の取得により、それぞれの清算期間の総労働時間および法定労働時間の総枠が変更され、それを超えた場合に残業代や割増賃金が生じることとなります。

なお、総労働時間を「暦日が30日の月は170時間」のように定めている場合には、月またぎの振替休日を取得したとしても、総労働時間・法定労働時間の総枠は変わりません。そのため、労働日が増えた月については、残業代が発生する可能性が高くなるので給与計算に注意しましょう。

関連記事:フレックスタイムにおける労使協定を解説!届け出が不要な場合も紹介

6-2. 変形労働時間制

変形労働時間制とは、1ヵ月単位や1年単位など一定の期間をあらかじめ設定し、その期間内で労働日や労働時間を調整できる制度です。あらかじめ定めた範囲内であれば、特定の日や週に法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて労働させられます。

なお、変形労働時間制を導入している場合でも、振替休日制度の活用は可能です。ただし、月をまたいで振替をおこなうと、変形期間内の総労働時間が増えてしまうケースがあります。その結果、あらかじめ定めた総労働時間の枠を超えた場合には、超過分について追加の賃金を支払う必要があります。

さらに、変形期間における法定労働時間の総枠を上回った場合などには、時間外労働として割増賃金の支払いが必要となる点にも留意しましょう。

参考:1か月単位の変形労働時間制

関連記事:変形労働制でも残業代は出さないとダメ!残業時間の計算ルールも解説

7. 月またぎの振替休日の処理は正確にしよう

チェックマークを付けている人の画像

月またぎの振替休日を取得する場合は、ひとまず休日に勤務してもらった分の賃金を支払い、休みをとった月に給与から控除する手続きをするのが原則です。月をまたいで未取得分の休日と労働した賃金を相殺することは違法であるため、十分に注意しましょう。

月またぎの振替休日に関しては、法定休日の確保や36協定の締結・届出といった法的な要件も関係していきます。勤怠管理や給与計算が複雑になりやすくなるので、可能な限り同一賃金支払期間内で振替をおこなう仕組みを設けることが望ましいでしょう。

関連記事:休日・休暇とは?違いや種類・賃金の注意点など勤怠管理のポイントを解説

 

休日出勤の対応や 振休・代休の付与に不安のある方へ

人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。

そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
「休日出勤させた際の対応を知りたい」「代休・振休の付与ルールを確認したい」という人事担当者の方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

勤怠・給与計算のピックアップ

新着記事