給与明細システムとは?導入するメリット・デメリットとおすすめのシステムを徹底解説
更新日: 2024.5.16
公開日: 2023.6.8
OHSUGI
従来、給与明細は紙で発行するのが一般的でした。しかし、ペーパーレス化の浸透により給与明細を給与明細システムによって電子化して発行する企業も出てきています。
この記事では給与明細システム導入のメリットやデメリット、導入のためのポイントについて解説します。
目次
1. 給与明細システムとは
給与明細システムとは従来は紙で発行していた給与明細を電子化して発行するシステムです。
これまで紙で発行していた給与明細を給与明細システムによって電子化することで、印刷コストや配布のコストを削減可能です。
関連記事:給与明細とは?保管期間や注意点、記載項目までくわしく解説
2. 給与明細システムを導入するメリット
給与明細システムを導入することでのメリットは、これまで明細発行でかかっていた費用を削減できるという点です。また、従来であれば発生する可能性があったヒューマンエラーの防止にもつながるでしょう。
2-1. 給与明細発行にかかる費用を削減できる
給与明細を紙で発行している場合、用紙や印刷費用が発生してしまいます。手渡しではなく郵送している場合では郵送費用も発生してしまいます。これらの費用が毎月、従業員の人数に応じて発生するため、それなりの費用が必要です。
一方、給与明細システムであれば、用紙や印刷費用、郵送費用が発生しないため、コストを大幅に削減可能です。給与明細の発行にかかっていた業務も効率化できるため、人件費も削減できます。
2-2. 給与の明細発行で発生するミスを削減できる
紙の給与明細を発行していると、印刷や封入のミスが発生する可能性があります。給与は従業員が働くうえでのモチベーションの一つといえます。そのため、給与明細でミスが発生してしまうと、従業員のモチベーション低下につながりかねません。
給与明細発行のミスを削減するには給与明細システムの導入を検討してみましょう。給与明細発行システムはシステムに則って機械的に処理されるため、ミスの発生を削減できます。
2-3. 従業員が給与明細をどこでも確認できる
給与明細システムの導入は、企業や給与明細を発行する担当者だけでなく、給与明細を受け取る従業員にもメリットがあります。
紙で給与明細を受け取っている場合、明細そのものがないと内容を確認できません。対して給与明細システムであれば、電子化された給与明細を確認できる環境であればどこでも確認可能です。なかでもクラウドで確認できるようにしておけば、インターネット環境が整っていればスマートフォンやタブレットからでも、給与明細を確認できます。
3. 給与明細システムを導入するデメリット
給与明細システムを導入することで、コストの削減やヒューマンエラーの防止につながります。一方で保管期間を過ぎたデータの管理や導入時に発生する費用がデメリットとして挙げられます。
3-1. 保管期間を過ぎたデータは適切に管理する必要がある
給与明細システムのデータはサーバーで適切に管理されています。しかし、一定の期間を超えるとデータが削除される給与明細システムもあります。そのような給与明細システムを利用しているのであれば、保管期間が過ぎた後のデータも適切に管理しましょう。
3-2. 導入時に費用が発生する
給与明細システムに限らず、システムを導入する際には費用が発生します。システムの導入には、初期費用に加えて月額利用料がかかるケースがあります。
給与明細システムによって明細を電子化することによるコスト削減の方が大きくなると考えられますが、システム導入時にかかる費用のことも考慮しておきましょう。
3-3. データでの発行と紙での発行が混在する可能性がある
給与明細システムによって給与明細をデータで発行するには、従業員からの同意が必要です。そのため、何らかの理由で紙での給与明細を希望する従業員がいた場合、データと紙が混在する可能性があります。
給与明細の発行がデータと紙とで混在してしまうと、管理が煩雑になってしまい、給与明細システム導入のメリットが薄れてしまいます。
3-4. システム障害による不具合が発生する可能性がある
給与明細システムに限らず、さまざまなシステムは障害によって不具合が発生する可能性があります。システム障害によって給与明細システムに不具合が発生してしまうと、期日までに明細を発行できない、明細に記載されている数字が間違っているといった、トラブルにつながりかねません。
4. おすすめの給与明細システムの選び方
給与明細システムは数多く存在しています。そのため、業務の効率化やコストの削減につなげるには自社にあった給与明細システムを選ぶ必要があります。
給与明細システムを選ぶ際は次の点を意識しましょう。
- 賞与や源泉徴収票に対応しているか
- 給与明細専用か一体型か
- 明細の確認方法はどうか
- セキュリティ対策が整っているか
- サポート体制が整っているか
4-1. 賞与や源泉徴収票に対応しているか
多くの企業が給与以外にも賞与を支給しています。また、源泉徴収票の発行も必要です。導入を検討している給与明細システムがこれらの発行にも適しているかを確認しましょう。
なかには、帳票をカスタムできるシステムもあります。このようなシステムを導入すれば、独自の帳票発行も可能です。
4-2. 給与明細専用か一体型か
給与明細システムのなかには、既存の給与明細ソフトと連携できる給与明細に特化した専用のシステムもあれば、労務管理ソフトの一部として備わっているシステムもあります。
既に導入しているソフトに給与明細システムの機能があれば、オプションとして追加可能です。一方、給与明細システムの機能がないのであれば、既存ソフトと連携できる給与明細システムを導入しましょう。
4-3. 明細の確認方法はどうか
給与明細システムでの給与明細発行は、主に次のような方法があります。
- 給与支給日にメールが従業員に届く
- 給与支給日に従業員が専用給与明細サイトにアクセスする
- 給与支給日に従業員が専用給与明細アプリにアクセスする
メールで届く場合、メールアドレスがあれば誰でも確認可能です。しかし、専用給与明細アプリにアクセスする場合、従業員が対応デバイスを持っていないと給与明細を確認できません。
4-4. セキュリティ対策が整っているか
給与明細システムは従業員の給与を取り扱うため、堅牢なセキュリティが求められます。セキュリティ対策が万全でなければ、情報漏えいのリスクが高まってしまいます。
給与明細システムにおけるセキュリティ対策を検討するのであれば、暗号化通信に対応しているか、IPアドレスでアクセスを制限できるかなどを確認しましょう。
4-5. サポート体制が整っているか
給与明細システムの導入後は、さまざまなトラブルや不明点が発生する可能性があります。そのため、サポート体制が整っているかどうかも、システム導入時のポイントです。サポート体制が整っている給与明細システムであれば、トラブルや不明点発生時に適切な対処が可能です。
5. 給与明細システムを導入して業務の効率化につなげよう
給与明細システムを導入することで、紙で明細を発行していたときよりも、コストを削減できます。業務を効率化できるうえにヒューマンエラーの防止にもつながります。
給与明細システムはさまざま発表されているため、セキュリティ対策やサポート体制が整っているかなどを確認して、自社にあったシステムを選ぶようにしましょう。
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