仮払金とは?立替金との違いや仕訳処理の方法などわかりやすく解説! - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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仮払金とは?立替金との違いや仕訳処理の方法などわかりやすく解説!

仮払金

従業員が業務に関連する費用を立て替えなければならない際に、その費用として企業が一時的に従業員に渡した金銭を仮払金といいます。仮払金は、一時的に「仮払金」という項目に仕訳ますが、精算をおこなった後は正しい科目に仕分けなければなりません。
そのため、担当者の方は仮払金の内容を正しく確認するとともに、立替金や仮受金との違いも理解しておく必要があります。
ここでは、仮払金についての概要や立替金・仮受金との違い、貸借対照表における位置づけ、仮払金の仕訳をおこなう際の注意点などについて解説していきます。

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などなど会計の理解を深める際に前提の基礎知識となる勘定科目や仕訳がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

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1. 仮払金とは?わかりやすく解説

はてな

仮払金は、企業が従業員に対して一時的に金銭を渡した場合の勘定項目です。
飲食代や出張費、交際費など、業務上で必要な費用を従業員が一時的に立て替えるシーンは少なくありません。
しかし、その費用が高額すぎると従業員個人に大きな負担をかけてしまうため、企業が事前に金銭を従業員に渡すことがあります。このお金のことを「仮払金」といいます。

仮払金は、業務上で必要な費用が高額な場合に支払われることが多いですが、使用用途や金額がわかっている場合にも支払われます。
この仮払金はあくまでも一時的な勘定項目ですので、金額が確定した場合は早急に本来の勘定項目に振り分ける必要があります。

1-1. 仮払金を仮払金を活用するシーン

仮払金を活用する例として、従業員に出張を依頼する場合を紹介します。
出張には、交通費や宿泊費、飲食費などさまざまな費用がかかります。これらの費用を事前にすべて計算し、一円単位で金銭を支給することは難しいです。
そのため、最初に五万円などまとまった金額を渡し、その中から出張にかかった費用を差し引いていきます。出張後、最終的にかかった費用を出張費として処理し、残った金額を返還してもらうというのが仮払金の精算の流れです。

仮払金は出張だけでなく、企業全体での会食などで幹事を担当した従業員が飲食代を支払う場合などでも活用されます。
仮払金を活用することで、従業員がポケットマネーで費用を賄うストレスをなくす、費用を後払いにすることで起こりうるトラブルを防ぐなどのメリットがあります。

関連記事:仮払金の精算ルールについて申請・精算フローを踏まえて詳しくご紹介

1-2. 仮払金はなぜ資産になるのか

仮払金は、貸借対照表では資産の勘定科目に分類され、「その他の流動資産」という表示になります。仮払金は、あル程度の使い道が決まっているとしても、支払う段階では「使い道が決まっていないお金」となるため、従業員に一時的に貸し付けるというイメージです。

貸付金は資産になるので、経費に使うためのお金であっても、仮払金の段階では資産に振り分けられるのです。

しかし、精算をおこなった後は通常の経費と同じ扱いになるため、仮払金「借方」から「貸方」に振り替えられ、借方の方に用途に沿った勘定科目に仕訳をおこないます。

1-3. 仮払金と立替金の違い

仮払金と似た勘定項目に、立替金があります。
立替金というのは、従業員が負担しなければならない金銭を一時的に企業が負担した場合に使用します。
仮払金は企業が従業員に対して事前に手渡す金銭であるのに対して、立替金は企業が事前に支払い、あとから従業員にその金額を返還してもらうというものです。
実際に金銭を手渡しで返還してもらうのではなく、給与からその金額を差し引くことも可能です。

1-4. 仮払金と仮受金の違い

仮払金と似た勘定項目に、仮受金もあります。
仮受金は、企業に対して何らかの入金があり、その目的が不明な場合に使われる勘定項目です。
企業の口座に取引先の口座から入金があったものの理由がわからず、取引先に確認を取る必要があるといった場合に、この仮受金という勘定項目を使います。
借受金は、時間が経つとどういった目的で入金されたのかがわかりにくくなってしまうため、入金理由が判明したらすぐに項目を修正する必要があります。

関連記事:仮受金と仮払金の違いについて財務諸表における位置付けなど徹底解説
関連記事:仮払金と前払金の違いや使い分けのポイントや処理方法について

2. 仮払金の賃借対照表における位置づけ

考える

前述していますが、仮払金は資産の「その他の流動資産」という扱いになります。
この「その他の流動資産」は、流動性のある資産の中でも現金でやり取りしやすい資産です。「その他の流動資産」には仮払金の他にも仮受金や短期貸付金、抵当証券、さらに仮払消費税なども含まれています。
こまごまとした費用が多いですが、これらをすべて合わせた金額がすべての資産の5%以下であれば「その他の流動資産」としてまとめて貸借対照表に記載しても構いません。
これは、財務諸表等規則の19条に記載されていますが、賃借対照表における位置づけをもう少し具体的に解説します。

2-1. 仮払金が総資産の5%を超える場合

仮払金の金額が総資産の5%を超えることはほとんどありませんが、高額な支払いが発生する可能性は充分にあり得ます。
しかし、総資産の5%を超える仮払金を従業員に渡し、その処理が賃借対照表を作成する締め切りまでに間に合わなかった場合、取引内容がわかる名称をつけた科目を用いて、賃借対照表に記載する必要があります。
例えば、パソコンなどのハードウエアを購入する場合は、「ハードウエア仮勘定」、事務所を新築する場合は「建設仮勘定」というように、何に使うのかがわかる科目で記載しましょう。

3. 仮払金の仕訳例

仕訳

ここからは、実際の具体例をもちいた仮払金の仕訳を見ていきましょう。

3-1. 仮払いをおこなった時

仮払いおこなうということは、会社の資産から現金が減ることになるため、貸方の勘定科目の仕訳は「現金」となります。また、減る原因は従業員に仮払金を支払うことなので、借方の勘定科目の仕訳は「仮払金」となります。

では、実際にとのように仕分けるか、以下の例をもとに見ていきましょう。

「従業員が出張をする予定があり、出張費の概算額として3万円を現金で前渡しした。」

この場合は仕訳は下記のようになります。

借方 貸方
仮払金 30,000 現金 30,000

3-2. 仮払金が余った時

後日、仮払金の内容が確定したら、実際に使った費用に該当する勘定科目に振り替える必要があります。実際に使った金額よりも仮払金の方が多かった場合は、従業員から返金してもらうことになります。

上記の例に併せて実際の出張が終わり、仮払金の内容や金額が判明した時の仕訳例を紹介します。

「従業員が出張から帰り、実際に出張にかかった経費の額が旅費交通費の2万円のみだったと報告があり、残額の1万円は現金で受け取った」

この場合の仕訳は、下記のようになります。

借方 貸方
旅費交通費 20,000 仮払金 30,000
現金 10,000    

3-3. 仮払金が不足した時

仮払金の内容確定後、金額が不足していたことがわかった場合は、不足分を従業員に支払わなければなりません。

「従業員が出張から帰り、実際に出張にかかった経費の額が旅費交通費の2万円、宿泊費2万円との報告があり、1万円は従業員が立替て払った」

この場合の仕訳は、下記のようになります。

借方 貸方
旅費交通費 20,000 仮払金 30,000
宿泊費 20,000 現金 10,000

4. 仕訳の際の注意点

注意

仮払金を取り入れることで従業員の負担を軽減できる、トラブルを回避しやすくなるといったメリットがありますが、その分仕分けの際には注意が必要です。
早めに処理をする、不正がおこなわれないようにする、ミスを防ぎ、業務の効率化についても考えるなど、仮払金の仕訳けの際の注意点を紹介します。

4-1. できるだけ早く処理する

仮払金は、内容や最終的な金額が不明な場合に簡単にその費用を処理できる便利な勘定項目です。しかし、従業員に仮払金を渡してから時間が経つと、使用用途や取り引きの内容がわかりにくくなってしまいます。
何の取り引きに使われたか、それを証明する書類はどこにあるかがわからなくなり、結果的に正しい勘定項目への振り分けができなくなる可能性もあります。
そのため、仮払金が発生したらできるだけ速やかにその金額を確認し、適切な処理をおこなうようにしてください。
また、あとからまとめておこなう場合は、書類などをすぐ確認できるよう整理しておく必要もあります。

4-2. 領収書などの信憑性を高める

仮払金を従業員に渡し、その中から必要な経費を支払ってもらう形を取ると、不正が発生しやすくなります。
従業員の私用に金銭が使われたり、費用をかさましして少ない金額を企業に返還したりという不正も少なくありません。
このような不正を防ぐためには領収書やレシート、契約書、支払い証明書など、信憑性の高い書類の提出を義務づけることが重要です。
実際に適切に仮払金が使われた場合でも、そのことを証明する書類がなければ従業員の自己負担になるということをあらかじめ説明しておきましょう。

4-3. 仕訳や処理の際のミスに注意する

仮払金は、一時的に処理をする場合には便利ですが、あとから書類などを確認して正しい勘定項目に振り返る際にミスが発生しやすいです。当然ですが、一円単位で金額を合わせる必要があり、この計算が合わない場合は再度計算をやり直さなければなりません。

仕訳や処理の際にミスをすると、経理担当者の時間や手間が、仮払金を活用しない場合に比べて多くなるので注意しましょう。

4-4. 業務の効率が下がらないようにする

上記のような理由で仮払金の処理に時間がかかると、その他の経理の業務に支障が出る可能性も高くなります。
経理の業務には日次業務、月次業務、年次業務など多くの業務があり締め切りも厳密に定められているため、経理担当者の負担が増え、ミスだけでなく残業時間が増える原因にもなります。経理担当者の負担を軽減するためにも、業務を効率化する方法を考えましょう。
人の手による計算や勘定項目の修正では、どうしてもミスが起きやすいです。このようなミスを防ぐには、会計ソフトを取り入れるという方法もおすすめです。
会計ソフトであればより簡単に、そして正確に仮払金の振り替え作業をおこなえます。そのため、経理担当者の負担軽減や業務のさらなる効率化にも役立ちます。

関連記事:仮払金を相殺処理する方法とは?具体例や計上方法を解説

5. 仮払金の基本的な扱い方を確認しよう

書類を確認する様子

仮払金を取り入れれば、従業員が立て替える必要がなくなるので負担が軽減します。しかし、仮払金は不正が発生しやすいという側面があります。また、「仮払金」というのは一時的な科目となるため、早い段階で正しい勘定科目で計上する必要があります。

計上を後回しにすると仮払金の処理が複雑になってしまうので、仮払が重複していないか、仮払金の経費精算が完了していかなどを常にチェックしなければなりません。

このような負担を軽減するには、会計ソフトを利用して業務を効率化するのがベストです。会計ソフトは、残高確認や勘定科目の仕訳も簡単にできるので、計上や仕訳忘れのミスを防ぐためにも導入を検討することをおすすめします。。

会計の基本は「勘定科目」と「仕訳」
86個の勘定科目と仕訳例をまとめて解説

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jinjer Blog 編集部

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