コーポレートカードの特徴とは?法人カードにおける特徴やメリットについて
更新日: 2024.7.1
公開日: 2022.1.13
jinjer Blog 編集部
コーポレートカードとは、法人カードの中でも大企業だけが利用できるクレジットカードです。会社運営に役立つさまざまな機能が利用でき、業務を効率化したり、福利厚生を充実させたりするのに役立ちます。
この記事では、コーポレートカードとは何か、会社で利用するメリットや注意点を解説します。
目次
1. コーポレートカードとは大企業に発行される法人カードのこと
クレジットカードの中でも法人向けに発行されるカードを法人カードといいます。その中でも、大企業のみが申し込めるものをコーポレートカードといいます。
企業単位だけでなく、会社の部門単位や従業員単位などで、追加発行もできるため、経費精算のような業務の効率化に役立ちます。
ただし、従業員数がある程度必要など、発行できる条件はカード会社により異なります。
1-1. 個人カードと法人カード(コーポレートカード)の違い
先に、法人カードと個人カードには下記のような違いがあります。
- 利用限度額
- 支払い口座
- 利用特典
一般的に法人カードは個人カードに比べ、限度額が300万円以上など、大きく設定されています。さらに、カード別に利用限度額を設定できるものもあります。また、支払い口座は法人口座・個人口座どちらも設定できます。そのため、従業員が現金で立て替えていた経費の支払いをカードに一本化し、法人口座で引き落とすことも可能です。
さらに、法人カードであれば以下のような利用特典がついていて、個人カード以上に利用メリットが多いこともあります。
- ショッピング補償保険
- 旅行での損害補償
- 福利厚生サービス
- カード別利用ポイントの一本化
- 利用店舗の制限
多くの法人カードが経費精算システムなどと連携可能なため、経理業務の手間を削減するのにも役立ちます。
関連記事:法人カードとはどんなクレジットカード?選ぶポイントや作る手順に関して
関連記事:法人カードのメリット5つ・デメリット3つを紹介!
1-2. ETCコーポレートカードとは?
ETCコーポレートカードカードとは、NEXCO(東/中/西日本高速道路株式会社)が法人向けに発行しているETCカードのことです。このカードには、一般的なETCカードにはない「大口・多頻度割引制度」があります。「大口・多頻度割引制度」とは、大口・多頻度利用者を対象とした高速道路などの通行料金の割引制度です。
ETCコーポレートカードの利用で経費削減につながることもあるため、気になる方は以下から詳細をご確認ください。
参考:法人ETCカード・ETCコーポレートカード|全国商工事業協同組合連合会
2. 法人カードにおけるコーポレートカードとビジネスカードの違い
また、会社向けの法人カードにもいくつか種類があります。名称や審査基準は発行元のカード会社により若干違いはあるものの、法人向けのクレジットカードには、大きく分けて下記の2つがあります。
- ビジネスカード:個人事業主や小規模事業者が対象
- コーポレートカード:従業員数の多い企業が対象
それぞれの違いを説明します。
2-1. ビジネスカードは個人事業主や小規模事業者が対象
個人事業主や中小零細企業が利用する法人カードで、従業員数が1~20名の場合申し込めるものが多いです。
個人カード以上に利用限度額が大きく、屋号付きの個人名義口座や法人名義口座から引き落とせるため、経費の一元管理にも役立ちます。また、付帯サービスが多い点も特徴です。
登記簿謄本不要で申し込めるカードも多いため、開業・起業してすぐでも作成できます。
関連記事:中小企業におすすめの法人カードとは?審査基準や選び方について
2-2. コーポレートカードは従業員数の多い企業が対象
従業員数が20~30名以上など、ある程度規模の大きい会社で利用できるカードです。
利用限度額は高額なだけでなく、自由に設定できるものもあります。また、カードの追加発行ができるので、従業員それぞれに携帯させられるなど、ビジネスカード以上に企業経営をサポートする仕組みが充実しています。
他にも、カードの私的利用を制限したり、経費精算システムと連携し経費利用を透明化したりする仕組みも備わっています。
3. 企業がコーポレートカードを導入する5つのメリット
企業がコーポレートカードを利用すると、企業ガバナンスの強化や福利厚生の充実など、経費精算が効率化できる以上に多くの利点が生まれます。5つの利点を解説します。
3-1. 経費精算の手間を大きく削減できる
旅費や交際費など、従業員が立て替えて支払ったり、小口現金から払ったりしていた経費を一元化できます。
そのため、従業員は経費申請書類の作成やその後の精算申請などが不要となるため、自分の仕事に専念できます。
経理部門では書類の突合せや、領収書の確認などの細かな作業が減り、経理業務の効率化が可能です。
また、カードの利用データはそのまま経費精算システムと連携できるため、手入力によるインプット間違いの防止にもつながります。
関連記事:法人カードで経費精算を行うメリット・デメリットや手順とは
関連記事:法人カードと会計ソフトを連携するメリットや使い方について
3-2. コーポレートカードの活用次第で経費削減も可能
通信費や消耗品費の支払いなど、締め日がバラバラだった経費も、支払いをまとめれば振込手数料が削減できます。
さらに、利用金額に応じたポイント付与制度や宿泊施設の割引制度もあるため、現金支払い以上にリーズナブルな価格でサービスを利用できます。
経費精算が効率化できれば、残業代の削減にもつながります。
3-3. 企業ガバナンスの強化につながる
利用金額や店舗の制限など、従業員の不正な経費利用を防止する仕組みも活用できるため企業ガバナンスの強化にもつながります。
また、利用明細をデータで管理できるため、誰が、どのような目的で、いつ、経費を利用したかすぐに特定することも可能です。
カード会社によっては、私的利用額を当該従業員に請求するサービスも展開しているため、より効果的に経費の不正を管理できます。
3-4. コーポレートカードは利用特典が充実している
下記のように、大企業をサポートする多種多様な特典が付与されます。なお、具体的な特典は導入するカードの種類(ベーシックかゴールドかなど)により異なるため、事前に確認しましょう。
- 電子マネー・ETC機能の追加
- 国内外の空港ラウンジの無料利用
- スポーツクラブや人間ドックなど福利厚生サービスを割引価格で提供
- 事務用品購入サイトの法人カード利用
この他にも、旅行やショッピングの損害保険などもあるため、企業の福利厚生の充実にも役立ちます。
3-5. プライベートと区別できる
コーポレートカードはプライベートと区別できるというのもメリットです。プライベートのカードを使用していると、公私の区別がつきづらくなってしまいます。公私の区別がつかなくなると、帳簿管理が煩雑になりかねません。事業にかかわる支払いをコーポレートカードでおこなえば、後の帳簿管理がスムーズに進められます。
4. コーポレートカード導入時の注意点
最後に、コーポレートカードを利用するときの注意点を解説します。キャッシングや分割・リボ払いができないこと、発行枚数に制限があることなど、気になることがあれば申し込み前に確認しましょう。
4-1. キャッシング・分割払いは不対応のものが多い
キャッシングやリボ・分割払いはできないものが多いため注意しましょう。
そのため、業務の効率化とはいえ、会社から完全に現金を廃止するのは難しいでしょう。冠婚葬祭など、いざというときのために小口現金は多少残しておく方が安全です。
また、一括払いしか選択できないカードもあるため、高額な経費を精算する際は注意しましょう。
4-2. 追加カードの発行枚数制限
カード会社によっては、追加カードに対して発行枚数制限を設けている場合もあります。また、追加カードごとに年会費が発生するものや、個別決済では手数料がかかる可能性もあります。
そのため、導入する際は、従業員の人数に合わせて発行できるか、年会費はどのような仕組みで発生するかなども確認し、企業の状況に合ったものを導入しましょう。
5. 法人カード(コーポレートカード)の選び方
法人カードを選定する上で下記の3つのポイントにそって選んでいくのが良いでしょう。
◇法人カードを選ぶ際の3つのポイント
- 年会費などの利用コスト
- 付帯サービスの種類
- カードの利用限度額
これらの法人カードを選ぶ際の3つのポイントについて細かく説明していきます。
5-1. 年会費などの利用コスト
法人カードには、年会費が無料のカードから有料なカード、また比較的高額なカードまでさまざまなレンジがあります。
高額なカードほど付帯サービスが充実している傾向がありますが、カードの維持費を少しでも削減したい場合は、年会費が無料、もしくは安価な法人カードを選ぶのがおすすめです。
5-2. 付帯サービスの種類
各種割引や特典などの付帯サービスもカード選びの重要なポイントです。
接待で利用した飲食店の割引が受けられたり、出張の際の空港ラウンジが無料で利用できたりと他にもさまざまな種類の特典があるので、自社にもっとも有効に活用できる付帯サービスがあるカードを選定することがポイントです。
5-3. カードの利用限度額
自社で法人カードを利用した際の金額を想定して、その上で必要な限度額を満たしたカードを選びましょう。ゴールド、プラチナ、ブラックなどのカードのグレードによって利用限度額は異なるため、月々の経費でいくら必要かを計測して、その限度額にあったカードを探しましょう。
関連記事:法人カードを比較!選ぶポイントや特徴別でカードを紹介
5-4. 利用人数に応じた発行枚数
コーポレートカードは従業員も使用可能です。しかし、コーポレートカードによって追加可能なカード枚数が異なります。そのため、利用人数に応じた枚数が発行できるコーポレートカードを選びましょう。注意すべきなのが、発行枚数に応じて年会費が高くなるという点です。また、発行枚数が増えるほど管理が煩雑になりがちなので注意しましょう。
6. 法人カード(コーポレートカード)の審査と申し込みの流れ
法人カード(コーポレートカード)を利用するまでの流れは下記の5つです。
▼法人カード(コーポレートカード)を利用するまでの5ステップ
- ステップ1:自社に最適な法人カードを選ぶ
- ステップ2:法人カード(コーポレートカード)の申込みをおこなう
- ステップ3:必要書類を準備して提出する
- ステップ4:申し込んだカード会社の審査を受ける
- ステップ5:法人カード(コーポレートカード)の発行
ここからはひとつひとつの手順について詳しく解説していきます。
ステップ1. 自社に最適な法人カードを選ぶ
法人カードにはあらゆる種類があり、それぞれ申込みをする要件や、年会費の金額、付帯サービスなどに違いがあります。自社にあった最適な法人カードを選定しましょう。
ステップ2. 法人カード(コーポレートカード)の申込みをおこなう
法人カードの申込みは郵送による手続きはもちろん、オンラインからも申請が可能です。
代表者の氏名や住所、電話番号といった個人情報のほか、従業員数、法人の種別(株式会社、有限会社など)、事業内容、資本金などさまざまな項目を記載する必要があります。
ステップ3. 必要書類を準備して提出する
法人カードの申込み後に、カードを申請するために必要な書類をカード会社に送信します。
郵送の場合は書類を、オンライン申し込みの際にはWEB上で画像データをアップロードします。
ステップ4. 申し込んだカード会社の審査を受ける
申込みと必要書類の提出が完了したら、カード会社による審査が始まります。
審査にかかる期間はカード会社によって異なりますが、法人カードの場合、最短で1週間以内、長いと1ヵ月ほどの時間がかかります。
審査の合否は一般的にメールや書面で通知されます。
ステップ5. 法人カード(コーポレートカード)の発行
メールや書面での通知から、一般的に約3~7営業日で法人カードが届きます。
また追加で社員カードを発行する場合は、追加発行の手続きも必要になってきます。
7. コーポレートカードを導入して経理精算を効率化しよう
コーポレートカードは、法人カードの中でも大企業のみが申し込めるクレジットカードです。
そのため、法人口座から引き落としできるのはもちろん、利用限度額が大きい、福利厚生サービスを利用できるなどの利点があります。
コーポレートカードは追加カードとして従業員の分も増やせるため、経理精算の一元化も可能です。さらに、利用データを経費精算システムと連携させれば経理部門の業務効率化にも役立ちます。
関連記事:法人カードで経費精算を行うメリット・デメリットや手順とは
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