士業の契約業務の課題は電子契約で解決!導入効果や活用事例を解説
更新日: 2022.12.8
公開日: 2021.12.9
HORIUCHI
税理士、弁護士、行政書士などの士業は、個人や少人数で法人を設立するケースが大半です。
しかし、顧問先との顧問契約書や、スポットでの業務委託契約書、従業員の入社時の秘密保持契約書、マイナンバーの取扱同意書など、士業が作成しなければならない契約書は多岐にわたります。数十社、数百社と同時に顧問契約を結ぶ場合、契約業務が大きな負担となるケースが少なくありません。
士業の契約業務の課題解決につながるのが、電子契約の導入です。契約書を電子化することで、どんなことを実現できるのでしょうか。
この記事では、士業における電子契約の導入効果や活用事例について、初めての方にもわかりやすく解説します。
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1.士業の契約業務における課題
士業でよく利用される契約書として次の5種類があります。
● 顧問契約書
● 業務委託契約書
● 秘密保持契約書
● 監査契約書
● マイナンバーの取扱同意書
法人によっては数千人規模の顧問を抱えるケースもあり、これらの契約書を印刷・製本・押印・郵送・スキャンするだけでも手間やコストがかかります。
士業の契約業務における課題を解決するには電子契約の導入が効果的です。実際の活用事例を挙げながら、電子契約の導入効果を紹介します。
1-1.士業における3つの課題
これまで、紙ベースでの契約締結フローには様々な問題がありました。士業の契約業務における課題として、「契約業務に工数がかかる」「契約書の郵送に時間がかかる」「スポットの業務委託契約を口頭で締結するリスク」の3つが挙げられます。
①契約業務に工数がかかる
契約書の発送業務には、印刷・製本・押印・郵送・スキャンなどの手間がかかり、担当者の業務負担が大きくなる
②契約書の郵送に時間がかかる
郵送でのやりとりには最低でも1週間かかり、書類不備や契約内容変更があった場合、さらに差し戻しの時間が発生する
③スポットの業務委託契約を口頭で締結するリスク
スポットで契約を結ぶ場合、こうした業務負担を避けるために口頭で契約締結することが多く、トラブルが発生したときのリスクがある
こうした課題を解決するため、税理士、弁護士、行政書士などの法人の多くが電子契約の導入を検討しています。その背景として、「顧問契約のリードタイムを短縮したい」というニーズが挙げられます。
紙べ―スの契約締結フローは最低1週間かかるため、それまでの間は双方の確認ができません。電子契約を導入すれば、契約書の郵送や持参が必要なく、担当者が出張中の場合でも、スマホやタブレットなどから契約締結可能です。
また、「従業員が少ないため、限られたリソースをより重要な業務に当てたい」というニーズもあります。電子契約なら、印刷・製本・押印・郵送・スキャンなどの作業が発生しません。一契約あたりの業務負荷を削減できれば、よりコアな業務に取り組むことができます。
1-2.3つの課題に対する解決策
電子契約サービスを導入することによって、契約業務の様々な課題を解決できます。
①契約業務に工数がかかる
電子契約サービスなら、契約書のPDFファイルのアップロードと、メールの送信の2点だけで契約締結が完了
印刷・製本・押印・郵送・スキャンのプロセスを省略可能
②契約書の郵送に時間がかかる
万が一、書類の不備や契約内容変更が発生しても、オンラインですぐに修正可能
スマホやタブレットの画面から双方がリアルタイムに合意可能
③スポットの業務委託契約を口頭で締結するリスク
契約業務の負担が軽減されるため、スポットの業務委託契約でも契約書を作成でき、トラブルのリスクを回避
電子契約サービスを導入すれば、契約書の作成・合意・保管の全てのプロセスがオンラインで完結するため、契約業務を大幅に効率化できます。電子契約サービスなら、テレワークやリモートワークで契約業務をおこなうことも可能です。
1-3.実際の活用事例
それでは、実際に電子契約サービスを導入した従業員規模20名の法人の事例を紹介します。こちらの法人では、「従業員数が限られているため、契約業務の工数を削減し、ほかの業務にあてたい」「顧問契約にかかる印紙税を削減したい」という2つの課題がありました。
そこで電子契約サービスを導入したところ、これまで1件あたり平均20分を要していた契約業務を平均2分でおこなうことができました。また、契約締結まで平均2週間のラグが発生していましたが、電子契約に切り替えてからは最短15分で双方の確認が完了し、スムーズに契約締結できるようになりました。
印紙税についても、契約1件につき200円、月間10件の締結で毎月2,000円かかっていた収入印紙代を削減し、コストカットを実現しています。
このように、士業においても契約関連の書類の電子化を進めることで、多くのメリットを受けることができますが、導入までの手順がわかりづらかったり、自社に合ったサービスの選び方がわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで当サイトでは、電子契約サービスの選定ポイントや導入時のチェックリストなどをまとめた資料を無料で配布しております。契約書類の電子化が気になっており、情報収集がしたいご担当者様は、こちらから「電子契約の始め方ガイドブック」をダウンロードしてご確認ください。
2.電子契約の流れと利用方法
電子契約サービスを導入すれば、契約書をクラウド上にアップロードするだけで、迅速な契約締結が可能です。しかし、電子契約の懸念点として、押印による書面契約と比較したセキュリティリスクの問題が挙げられる場合があります。
実は、電子契約は書面契約と同等かそれ以上に安全な契約方法です。電子契約の導入を検討中の方のため、電子契約の流れや利用イメージを解説します。
2-1.契約のイメージ
電子契約サービスでは、契約書をクラウド上にアップロードし、契約当事者とやりとりをおこないます。その際にポイントとなるのが、電子署名と呼ばれる本人確認方法です。電子署名とは、書面契約における押印に相当し、電子証明書によって本人性を担保することで契約書を改ざんから守ります。
そのため、契約の際に電子署名をおこなうことで、安全な契約締結が可能です。電子契約と聞くと、安全性やセキュリティリスクに不安を感じる方もいますが、電子契約は安全な契約方法です。
なお、電子署名の利用にあたって、顧問先の企業が電子契約サービスを契約する必要はありません。顧問先の担当者がWEBを通じ、必要箇所を入力するだけで契約手続きが完了します。
2-2.契約締結の具体的手順
電子契約サービスを用いた契約締結フローは次の通りです。
1. 契約書作成
電子契約サービスの管理画面から、書類名・取引先などの基本情報を入力し、テンプレートを用いて契約書をスピーディーに作成できます。
2. 送付
取引先の氏名やメールアドレスを管理画面に入力し、宛先登録をおこないます。その後、先方の担当者名、契約開始日・契約終了日などの管理項目を指定し、システム上で契約書をメール送信できます。
3. 合意
取引先と合意に至った場合は電子署名をおこない、相手方の最終確認者へ確認のメッセージを送信します。
4. 管理
電子契約サービスなら、締結した契約書の管理も簡単です。クラウド上に契約書のデータがPDFで保管されるため、いつでも必要なときに閲覧できます。
3.電子契約サービスを導入して士業の課題を解決しましょう
士業の契約業務における課題として、「契約業務に工数がかかる」「契約書の郵送に時間がかかる」「スポットの業務委託契約を口頭で締結するリスク」の3つが挙げられます。
電子契約サービスを導入すれば、これら3つの課題を全て解決できます。この記事で紹介した事例でも、契約書の発送業務に費やす時間が平均20分から平均2分、郵送もふくめた契約時間が平均2週間から最短15分へと短縮しました。
また、電子契約サービスなら契約書をPDFなどで安全に管理し、保管コストを抑えることも可能です。契約書を作成する機会が多い士業だからこそ、電子契約を導入し、契約業務にかかる手間を削減しましょう。
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