契約における印鑑の重要性や押印ルールを徹底解説
更新日: 2023.1.11
公開日: 2022.12.14
jinjer Blog 編集部
ビジネスの取り引き、雇用契約、さらに不動産の購入やスマートフォンの購入など、私たちの生活の中には契約の際に印鑑を押すシーンがたくさんあります。
なぜ契約時に印鑑が必要なのか、どのような印鑑を選ぶべきなのか、印鑑の種類やルールも確認しましょう。
「契約締結をするまでに具体的になにをしたらいいかわからない」
「契約書の作成の仕方がわからず困っている」
「契約の知識がないので、なにから始めたらいいかわからない」
などなど従業員からの対応に追われている法務担当者の方も多いのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは「ビジネスにおける契約マニュアル」という資料を配布しております。本資料では契約書の具体的な作成方法はもちろん、契約に関する基礎知識や取引に応じた契約の種類など網羅的に記載しております。
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またよくある質問集やリーガルチェック項目も添付しているので、従業員からの問い合わせにも柔軟に対応できます。
従業員に配布することで、社内研修資料としても活用できます。無料で配布しておりますでぜひご覧ください。
1. 契約における印鑑の意味や重要性
契約書は基本的に印鑑がなくても成立するものですが、日本では印鑑を押して契約完了とするものが多いです。
日本の契約書において印鑑は、同意による契約であることを示す、契約の有効性をより確実なものとする意味合いがあります。
近年広まりつつある電子契約の場合印鑑は不要ですが、電子署名の手続きが必要です。
1-1. 同意による契約であることを示す
印鑑があることで、当事者同士が契約書の内容に同意したことを示せます。契約書には当然契約の内容が記載されていますが、それだけでは当事者同士が契約内容に同意しているのかを確認できません。
印鑑の中でも実印はそれぞれにデザインが異なり、複製しにくく、本人性が高まります。とくに高額な契約や複雑な契約などの場合、印鑑を押した後に印鑑が本人のものであることを証明する印鑑証明書を用意しなければならないケースもあります。
1-2. 契約の有効性を確実なものにする
契約書に印鑑を押すことでその契約の有効性をより確実なものにできます。押印がない契約書でも、本人が契約していることを証明できればその契約書は効力を発揮します。
ですが、万が一契約内容をめぐり訴訟問題にまで発展した際、印鑑がなく本人性が認められない場合、正式な契約として認められない可能性があります。
印鑑を押すことでより契約を確実なものとし、偽造や捏造を防ぐ、トラブルのリスクを未然に防ぐ意味合いがあります。
1-3. 電子契約の場合印鑑は不要
紙の契約書には印鑑が必要ですが、電子契約書の場合印鑑は不要です。電子印鑑を用意して押印するケースもあるものの、電子印鑑は実印よりも本人性が薄く偽造されやすい特徴を持っています。
電子契約の場合はより本人性を確実にできる電子署名が必要です。
2. 契約に使う印鑑の種類
印鑑にはさまざまな種類がありますが、シーンによって使い分ける必要があります。
ビジネスやプライベートで使用される印鑑の種類を5つ紹介します。
2-1. 実印
印鑑登録をしている印鑑を実印と言います。実印は複製が難しくそれぞれに個性があるデザインをしています。公的に本人性を認めるための印鑑なので、偽造防止のためにあえて複雑なデザインにしているものも多いです。
ただ複雑な印鑑を持っていれば実印として使用できるわけではなく、印鑑登録をしなければなりません。
実印は信頼性が高く、不動産の取り引きや企業間の取り引きなど、契約に高額な金銭が関わる契約において重宝されます。
2-2. 認印
印鑑登録していない個人の印鑑は認印と呼びます。
実印に比べるとシンプルなものが多く、市販の同等のデザインのものもたくさんあります。簡単な取り引き、契約の際は認印で押印しても問題ありません。
印鑑登録をしていない印鑑は認印扱いになりますが、契約の内容によっては印鑑証明書を提出しなければならないものもあるので注意してください。
2-3. 銀行印
銀行で手続きをしたうえで届け出を出した印鑑は銀行印です。この銀行印は、銀行口座を作る際に作らなければなりません。個人であっても法人であっても、口座の開設には銀行印が必要です。
銀行印は実印だけでなく認印でも届け出が可能ですが、偽造防止のためには複雑なデザインの認印を用いることが推奨されます。
2-4. 社印
企業が使用する印鑑のうち、印鑑登録をしていない印鑑を社印と呼びます。
角印と呼ばれることもあり、正方形の形をしていることが多いです。個人の認印に対して、企業は簡易的な契約の際にはこの社印を使用します。
報告書や領収書など、社内で使用する書類の押印には社印でも問題ありません。
2-5. 代表者印
法人名と代表者の氏名がデザインされている法人用の印鑑を代表者印といいます。代表者印を実印登録し、企業の印鑑は銀行印や社印として用いる日本の企業が多いです。
代表者印は本人性が高く、個人の持つ実印に相当する扱いです。とくに重要な契約、高額な金銭が発生する契約には代表者印が用いられます。
3. 契約における押印ルール
印鑑を押す意味は契約書の内容、押す位置によって変わります。
印鑑をどこに押すべきか、何を示すのかなど押印に関するルールを確認しましょう。
3-1. 法的には印鑑の種類は問われない
まず、印鑑にはさまざまな種類があるものの、法的には契約書に押す印鑑の種類は問われません。
一方で、契約書に本人が押印したことを証明するためには印鑑証明を提出した実印が望ましいです。
また、海外の企業と契約する際は印鑑ではなくサインを求められることがほとんどです。
3-2. 署名印・契約印
契約書の内容に同意したことを示すのが署名印です。契約書の中でも重要な印鑑で、実印を用いることが多いです。
簡単な契約、規模の小さい契約では認印でも構いません。
一般的に、契約書の一番最後に署名とともに押印するケースが多いです。
3-3. 契印
契約書が一枚だけではないとき、ページの見開き部分に契印を押します。
契約書の内容があとから差し替えられたり偽造されたりすることを防ぐ目的があります。
3-4. 割印
割印は契約書を複数用意する際に必要です。
原本とコピーを契約者同士がそれぞれ保管しなければならないときに使用します。割印は契約書を重ねて、二枚以上に渡って押印します。
契印と同様に、契約書の内容の改ざん、偽造を防ぐ目的があります。
3-5. 訂正印
契約書の内容に間違いがあった際、間違いを直したのが本人であることを証明するために訂正印を押します。
訂正印の押し方には順序があります。まずは訂正したい部分に二重線を引き、訂正印を押し、近くに正しい内容を記載します。
訂正印は署名印と同じ印鑑を使用しなければなりません。ルールに則らず契約書を訂正した場合、訂正内容が無効になる可能性があります。
3-6. 捨印
訂正印を押さずに契約書の内容を訂正できるのが捨印です。
契約書の余白部分に印鑑を押しておくことで、訂正が発生した場合に訂正後、捨印のそばに訂正内容を記載します。
訂正印を毎回押す必要がないので便利ですが、どちらか一方に都合のいい契約内容に書き換えられてしまう可能性があるので注意してください。
3-7. 止印
契約書の下部に余りがある場合、後から内容を勝手に追加されないために押すのが止印です。
余白部分に押印し「以下余白」と記載します。
3-8. 消印
収入印紙が使用済みであることを証明するために押すのが消印です。収入印紙に重なるように押印しなければなりません。
契約書の内容には影響しませんが、押し方を間違えたり押し忘れていたりすると印紙税をきちんと支払わなかったとして罰則を受ける可能性があります。
このように、契約書には締結後も様々な決まりに則って運用する必要があることに注意しなければなりません。締結後も法務部門で一括管理している場合はトラブルが発生する可能性も低いですが、従業員にまかせている場合、そのまま送ってしまうこともあるでしょう。このような問題を避けるためにも、契約書の決まりを従業員が把握する必要があります。
また、従業員が契約書の内容を把握することで、取引先から受けた質問を担当する従業員から回答できるようになり、法務部門の負担を減らすことも可能です。回答内容に不安がある場合も、「〇〇の内容で返そうと思っています」と確認してもらう運用にすれば、1から考える必要がなくなりより円滑に進めることができるでしょう。
当サイトで無料配布している「【従業員周知用】ビジネスにおける契約マニュアル」では、契約の基本知識から契約書の役割、契約に関するよくある質問についてまとめています。
契約の知識がない方に向けてわかりやすく解説しているので、法務部門以外の人の勉強用資料としても最適です。従業員に「契約書の内容を理解してから、法務確認・締結を進めてほしい」と感じている方はぜひ、こちらからダウンロードしてご覧ください。
4. 印鑑の種類とルールを正しく確認しよう
契約書の作成には欠かせない印鑑のルール、種類を解説しました。
法的には印鑑がなくても成立する契約がほとんどですが、日本ではいまだに押印の週間が強く残っています。
ビジネスシーンなどで困らないためにも、必要な印鑑を用意し、適材適所で使い分けましょう。
「契約締結をするまでに具体的になにをしたらいいかわからない」
「契約書の作成の仕方がわからず困っている」
「契約の知識がないので、なにから始めたらいいかわからない」
などなど従業員からの対応に追われている法務担当者の方も多いのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは「ビジネスにおける契約マニュアル」という資料を配布しております。本資料では契約書の具体的な作成方法はもちろん、契約に関する基礎知識や取引に応じた契約の種類など網羅的に記載しております。
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