電子サインと電子署名の違いとは?電子サインで実現できることまでご紹介
更新日: 2023.1.18
公開日: 2021.7.3
HORIUCHI
インターネット上でさまざまなことができるようになっている昨今、電子サインなどを用いて契約をおこなう企業が増えてきました。
ただ、電子サインとは何かがイマイチわからない方も多いかと思います。
本記事では、電子サインとは何か、電子サインと混同しやすい用語や概念や電子サインを導入することのメリットなどについて解説します。
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1.電子サインとは?関連用語の意味も解説
電子サインとは、従来は紙の書類で行っていた同意や承認、本人証明などの認証を、電子上で行うことを意味します。タブレット上に表示される契約書にタッチペンなどを用いてサインする方法も電子サインの一種になります。
上述のように電子サインは広い意味で使われることが多く、それらを支える技術や関連する概念をきちんと把握しておかなければ、電子署名などと混同してしまうかもしれません。
そこで、電子サイン・電子署名・電子証明書・電子認証・タイムスタンプとは何か、それらがどのような役割を担っているかについて説明します。
関連記事:電子サインとは?|メリットや法的効力について具体的に解説!
1-1.電子サイン・電子署名の違い
言葉の定義が抽象的な電子契約関連の各用語ですが、主な意味の違いは以下の通りとなっています。
●電子サイン:簡易的な署名方法。電子契約サービスが用意した簡易的なものから、印影登録機能によって自社で任意の印鑑(電子印鑑)のものまで含まれます。
●電子署名:電子サインに電子証明書が発行されたもの。法的効力が担保されており、更にタイムスタンプを付与することで非改ざん性も担保でき、法的効力が強固なものとなります。
1-2.電子署名とは電子サインの手段の1つ
電子サインと電子署名は同じような意味合いで使われることも多いですが、厳密には両者が指し示す範囲は異なります。
電子サインとは署名や記録に法的な真正性を証明するための電子的なプロセスのことを指し、そのための手段のひとつに電子署名があります。
つまり電子サインは、電子署名を包含する概念なのです。電子契約における手続きとしては電子サインが用いられるのが一般的ですが、より高い法的な証明力を求められる場合には、電子署名を用いることが多くなります。
1-3.電子署名は電子証明書発行により電子データの本人性を担保する仕組み
電子証明書は、電子データの作成者が間違いなく本人であることを担保する技術的な仕組みのことです。
現実世界では重要な書類などに捺印する場合には実印を利用すると思いますが、それは実印が印鑑証明書によって、「確かにその持ち主のものであること」が証明されているからです。
デジタルの世界に印鑑は存在しませんが、「印鑑に相当するもの」を作った場合に、それが間違いなく本人のものであることを証明してもらう必要があります。
そのための第三者が「電子認証局」であり、電子認証局によって発行される電子証明書が、デジタルの世界での印鑑証明書に相当するものとなるのです。
1-4.電子認証はなりすましや情報の改ざんを防止する技術
電子認証とは、電子認証局から発行される「電子証明書」を用いて、なりすましや情報の改ざんを防止するための技術です。
電子署名や暗号化通信・電子署名の証明を組み合わせた技術であり、安全に契約するための土台を成しています。
1-5.タイムスタンプとは電子データの時刻を担保する仕組み
タイムスタンプは、ある時刻においてその電子データが存在していたことおよび、それ以降改ざんされていないことを証明するための技術的な仕組みのことを指します。
契約においては「誰が」「いつ」「何を」契約したかを証明できることが重要であり、電子署名や電子証明書では、このうち「誰が」と「何を」を証明することができます。
一方のタイムスタンプでは「いつ」と「何を」を証明することができます。
つまり、電子契約において電子署名や電子証明書とタイムスタンプを併用することで、「誰が」「いつ」「何を」のすべてを証明することができるようになり、契約の信頼性がより強固なものになるのです。
2.電子サインの法的根拠と法的効力
電子サインは、一定の要件を満たすことで法的根拠と法的効力が担保されます。
法的効力が最も高いとされる電子署名は「電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)」によって、法的根拠と法的効力が認められています。
同法では電子文書の法的な有効性と、有効性が認められるための水準を規定しており、それらを満たすとき電子文書が本人の意思に基づいて作成されたものと推定されます。
(電子署名の場合、「本人性の確認」を電子証明書で、「非改ざん性」をタイムスタンプで担保している)
上記より、法的に有効と認められるための重要なポイントが、「本人性の確認」と「非改ざん性」の担保です。
よって、電子サインにおいても「本人性の確認」と「非改ざん性」が担保されれば、法的効力があるということができます。
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3.電子サインと似た用語(電子契約・電子印鑑)も解説
電子サインを支える技術や関連する概念について説明してきましたが、電子サインと似たような用語はほかにもあります。
以下では、「電子契約」と「電子印鑑」の意味や電子サインとの違いなどについて、説明します。
3-1.電子契約とはインターネット上で締結する契約
電子契約とは、インターネット上で締結する契約のことです。通常の契約においては契約書にペンなどでサインしますが、電子契約においてはそのサインが電子サインになると考えれば、意味を混同しにくくなるでしょう。
先ほども少し触れましたが、電子契約には「本人証明」「非改ざん証明」「存在証明」の3つの要素が必要です。
電子署名や電子証明書・タイムスタンプを用いることで3つの要素をいずれも満たすことができ、完全性の高い電子契約を交わすことが可能です。
電子契約のサービスやシステムはいくつもありますが、その中にはタイムスタンプ機能を搭載していないものもあります。
ただ、そこまでの厳密さが求められない契約であれば、タイムスタンプ機能のないシステムでも十分なので、求められるセキュリティの度合いに応じて利用するシステムを選ぶことが重要です。
3-2.電子印鑑は電子上で使用できる印鑑のこと
電子印鑑とはパソコンやタブレットなどで使用可能な印鑑のことで、PDFなどの電子化した文書にデータ化された印影を押印します。
電子サインと電子印鑑の関係は、現実世界におけるサインと印鑑の関係と同じようなものだと思っていただけるとわかりやすいです。
電子印鑑には、単に印影を画像化したものと印影に識別情報を付与したものがあります。
前者は画像化した印影をパソコンなどに取り込み、背景を透過させてPDFなどにデータ化された書類に貼り付ける形で用います。複製されやすく本人を証明する効力はそこまで強くないので、社内書類への押印などに用いられることが多いです。
後者は印影の画像データに使用者の識別情報や日時情報などを付与することで、いつ誰が押印したのかが記録されるようになっています。本人を証明する力も強く、改ざんも難しいので、取引先の許可や同意があれば、契約書や請求書といった重要な書類でも利用することができます。
4.電子サインの導入で実現できること
電子サインは比較的新しい技術なので、従来の方法に慣れている場合は導入に対して多少なりとも反発があるかもしれません。
ただ、電子サインを導入することには以下のようなメリットがあると考えられます。積極的に導入を検討してみましょう。
・ コストを削減できる
・ 保管スペースが不要になる
それぞれのメリットについて、説明します。
4-1.コストを削減可能
電子サインを利用して電子契約をおこなうことで、契約書に用いる紙が不要になるので、紙代や印刷代などを削減できます。
また、紙ベースの契約書では金額に応じた収入印紙を貼ることが義務付けられているため、交わす契約の数が多くその金額も高いような企業の場合、印紙代としてかかる金額はかなりのものになります。
電子契約では収入印紙を貼る必要がなく、印紙代をまるまる削減することができるというのは、非常に大きなメリットです。
また、紙ベースの契約書では契約書の作成や準備・印刷・郵送などに手間と工数が必要ですが、電子サインを用いた電子契約に切り替えることによって、手間と工数を大幅に削減ができます。
紙代や印刷代だけでなく人的コストの削減にもつながるので、総合的に見てかなりのコストを削減することができるでしょう。
4-2.保管スペースが不要
契約書などは一定期間保管しておく必要があるため、書類を保管しておくためのキャビネットなどを用意しなければなりません。
電子サインを用いた電子契約では、契約書はパソコンやクラウド上で保管することができるので、保管スペースを設ける必要がなく、その分のスペースをほかの用途に活用できます。
また、紙ベースの契約書だと数多くある書類の中から探し出すのが難しいこともありますが、電子契約だと検索機能を利用することで必要な書類を簡単に見つけ出すことができます。
そのほかにも、災害などが起きた際の紛失リスクの減少や契約までの時間短縮が期待できるのでおすすめです。
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5.電子サイン・電子署名の法的効力をチェックし自社にあった形式での導入を推奨
電子サインは契約書などの書面に対する署名や記録について証明する、電子的なプロセスのことを指します。
電子署名や電子証明書・タイムスタンプなどを用いることで、法的効力の高い電子契約を交わすことが可能です。
電子サインによる電子契約を導入する際は、電子署名の法的効力と比べた上で、自社にあった契約方式を導入することをおすすめします。
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