1on1とは?目的や人事面談・フィードバックとの違いをわかりやすく解説
公開日: 2024.2.29 OHSUGI
「1on1を企業に取り入れる目的ってなに?」
「1on1って実際に何を話すの?」
「人事面談やフィードバックとの違いや関係性は?」
1on1ミーティングの導入が決まったけれど、1on1ミーティングの具体的な概要を知らない方は多いのではないでしょうか。
1on1は、上司と部下で実施される短時間のミーティングです。企業のコミュニケーションの活性化を図るうえで、1on1ミーティングの導入は効果的とされています。
しかし1on1ミーティングを正しく理解していなければ、上司と部下のコミュニケーションの活性化を向上することはできません。
そこで本記事では、1on1の概要や目的、人事面談との違いやフィードバックとの関係性についてわかりやすく解説します。また、1on1を実施するうえで部下から話を引き出す手順やコツ・注意点なども解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. 1on1とは?上司と部下で実施する短時間のミーティング
1on1とは、上司・部下で実施されるミーティングの種類の一つです。
大人数が集まって数時間実施するミーティングとは異なり、1対1でなおかつ15分〜30分程度の短時間でミーティングを実施します。
1on1で話す内容として挙げられるのは、上司と部下の情報共有です。些細な点でも、細かに情報共有をすることで、コミュニケーション不足によるさまざまなトラブルを防止できます。
働き方改革によるリモートワークが推進される中、直接話す機会が限られます。1on1を取り入れることで、社内コミュニケーションの活性化が図れるでしょう。
2. 1on1を導入する主な目的
1on1を導入する目的は、企業によって異なります。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、1on1の導入目的として「社員の主体性・自律性の向上」や「自律的キャリア形成の支援」などが挙げられています。
働き方の多様性が求められる時代だからこそ、企業はどのような働き方でも目標達成ができる組織であり続けなければなりません。
企業の目標達成を図るためにも、従業員は主体性を持って業務に取り組むことが大切です。また、目標達成のために自ら計画を立てて、業務を遂行する力も必要となるでしょう。
目的を達成するための手段として1on1を取り入れ、従業員の主体性・自律性の向上や部下のキャリア形成のために有効活用してください。
3. 1on1と人事面談の違い
1on1と人事面談の違いについて、「実施目的」「話し合う内容」「実施する頻度」の3項目に分け、表にまとめました。
– | 実施目的 | 話し合う内容 | 実施する頻度 |
1on1 | ・社員の主体性や自律性の向上 ・キャリア形成の支援 |
・業務の相談、個人的な悩みなど | ・毎日15分〜30分程度 |
人事面談 | ・各従業員の適切な評価 | ・業務内容や実績、成果など | ・3ヵ月に1回もしくは半年に1回 |
上表のとおり、1on1と人事面談では目的・内容・頻度の違いが挙げられます。
まず、1on1の実施目的が社員の主体性や自律性の向上などである一方、人事面談は従業員を適切に評価することが目的です。
また、1on1では話す内容として業務の相談だけでなく、プライベートな悩み相談などのフランクな内容も含まれます。
一方、人事面談では話す内容として、フランクな内容は含まれません。適切な評価をするために必要な業務成果を確認します。
そして1on1を実施する頻度が日々15分〜30分程度である一方、人事面談は3ヵ月〜半年に1回程度が目安です。
1on1と人事面談の違いを理解し、適切なミーティングを実施しましょう。
4. 1on1とフィードバックの関係性
1on1を実施する際、フィードバックの手法を用いることで適切なアドバイスができます。
フィードバックは、業務の過程や成果について讃えたり、問題点を示したりしたうえで、今後のアクションについてアドバイスを伝える手法です。
1on1を実施するうえで、部下から相談・悩みごとを打ち明けられた場合は、フィードバックを取り入れましょう。
ただし、1on1の際は、従業員の業務意欲が下がるネガティブフィードバックは適切ではありません。
1on1では部下の話を聞くことが目的であることを忘れず、相談や悩みに対してポジティブにフィードバックすることを心がけましょう。
5. 1on1をスムーズに進めるための事前準備
1on1をスムーズに進めるために、ミーティングテーマ(会議の内容)を事前に準備しましょう。ミーティングテーマを準備しておくことで、15分〜30分の短時間でもテンポよく話し合えます。
ミーティングテーマは、上司・部下のどちらが用意しても問題ありません。上司・部下が交互にミーティングテーマを準備する方法や、日程や曜日を決めてテーマを準備する方法などが挙げられます。
そしてミーティングテーマが決まったら、1on1が始まる前にテーマ内容を共有しましょう。事前にテーマを共有することで、部下から業務の相談があった場合、上司は回答する準備ができます。
6. 1on1ミーティングで部下から話を引き出す手順
1on1ミーティングで部下から話を引き出す手順は以下のとおりです。
- 【導入】アイスブレイクの実施|部下の緊張を和らげる
- 【展開】アクティブリスニングを取り入れる|部下の話す内容を把握する
- 【まとめ】フィードバックを伝える|適切なアドバイスを与える
6-1. 【導入】アイスブレイクの実施|部下の緊張を和らげる
まず1on1で部下の話を聞く前に、アイスブレイクで部下の緊張を和らげましょう。1on1に慣れていない場合、フランクな会話をすることが目的であったとしても、上司と話すことに緊張を感じる場合があります。
まずは上司から部下に対して、近況確認やニュースなどの話題を提供し、発言しやすい環境を整えましょう。部下にとって話しやすい環境をつくった後、話題を切り替えて本題に移ります。
6-2. 【展開】アクティブリスニングを取り入れる|部下の話す内容を把握する
次に1on1の本題に入った際は、アクティブリスニングを心がけましょう。アクティブリスニングとは、相手の話に集中するコミュニケーション手法の1つです。
ただ部下の話を聞く・頷くだけではなく、話の内容を要約したり言い換えたりして、自らが理解したことを示します。部下への理解を示すことで、信頼関係を築けるでしょう。
6-3. 【まとめ】フィードバックを伝える|適切なアドバイスを与える
部下の話す内容を把握した後、必要であればフィードバックを伝えましょう。適切なアドバイスを与えることで、部下が抱える問題解決に繋がります。
ただし、1on1では部下を否定するようなネガティブフィードバックは控えましょう。上司が意図せずした発言でも、受け取り方次第では否定されたと勘違いされる恐れがあります。
1on1では部下を「褒める」「讃える」ような、ポジティブフィードバックを心がけてください。
7. 1on1で部下から話を引き出すコツや注意点
1on1部下から話を引き出すコツや注意点は、以下の3つです。
- 定期的に実施する
- 話しやすい場所を設定する
- 話した内容のメモを取る
7-1. 定期的に実施する
1on1で部下から話を引き出すために、上司・部下のスケジュールを調整しましょう。たった一度の実施では、1on1が目的とする「社員の主体性や自律性の向上」や「キャリア形成の支援」などを達成できません。
部下とのコミュニケーションを活性化させるためには、1on1の定期開催が必須です。事前に上司・部下のスケジュールを調整し、継続的に1on1を実施しましょう。
7-2. 話しやすい場所を設定する
1on1で部下から話を引き出す方法として、話しやすい場所を設定しましょう。ほかの従業員がいる場所で話しづらい内容を聞き出すためにも、部下と1対1になれる空間がベストです。
社内で話しにくい場合は、カフェなどの場所で1on1を実施しても問題ありません。リモートワークであれば、オンラインツールを使って1on1を実施しましょう。
7-3. 話した内容のメモを取る
1on1で相談を受けた内容を振り返ったり、進捗確認をしたりするために、メモを作成しましょう。アドバイスした内容が実行できているか、問題は解決したのかなどの進捗を確認できます。
話した内容を部下と共有する場合は、共有できるアプリやツール(Googleドキュメントなど)の使用がおすすめです。
8. 1on1で部下の成長をサポートしよう
1on1は、上司と部下で実施される短時間のミーティングです。
1on1をスムーズに進めるためには、ミーティングテーマの事前準備が欠かせません。
実際に1on1を実施する際は、アイスブレイク・アクティブリスニング・フィードバックなどのコミュニケーション手法を活用し、部下から話を引き出しましょう。
そして部下から相談を受けた場合は、モチベーションの維持・向上できるようなポジティブなフィードバックを心がけてください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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