【テンプレートあり】欠勤届とは?意味や給料との関係・企業側の取るべき対応を解説
更新日: 2024.5.24
公開日: 2024.4.29
OHSUGI
「欠勤届とはどういうもの?」
「欠勤届の必要性は?」
「欠勤届のテンプレートの項目には何がある?」
上記のようにお悩みではありませんか。
欠勤届は、従業員が勤務日に出勤しない場合に提出する書類です。欠勤の理由と期間を正式に企業に報告するために必要になります。
経理や労務担当者にとって、欠勤届は従業員の勤務時間、賃金計算、さらには人事評価に直接関係がある重要な書類です。
本記事では、欠勤届の概要や必要性、企業側が直面する可能性のあるトラブルへの対応について、詳しく解説しています。最後までぜひご一読ください。
目次
「承認までの流れが遅い」「今誰が稟議を持っているのかがわからない」「承認のためだけに出社しなければいけない」 などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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1. 欠勤届とは
欠勤届とは、従業員が所定の勤務日に出勤しないときに、理由や期間を記載して提出する書類です。
提出先は直属の上司や人事部門となります。提出期限は可能な限り早く、できれば欠勤する前に提出させましょう。
ただし、急な体調不良や家庭の事情などで事前に提出できない場合は、欠勤した日もしくは後日に提出させます。
また欠勤すると該日の給与は支払われません。 つまり、欠勤は減給の対象になる休みということを理解しておきましょう。
1-1. 欠勤届と休暇申請の違い
欠勤届と休暇申請は、従業員が仕事を休む際の手続きとして用いられますが、その目的や申請する状況には大きな違いがあります。
欠勤届は、予期せぬ事態で仕事を休む場合に提出されます。たとえば、急な病気や家庭事情、交通事故による治療が必要な場合などです。一般的に、欠勤届は発生当日や緊急時に提出されることが多いです。
一方、休暇申請はあらかじめ計画された休暇を取得するために行われます。夏季休暇や年末年始休暇、有給休暇などがその代表例です。休暇申請は通常、事前に提出され、会社の定める提出期限に沿って計画的に行われることが求められます。
つまり、欠勤届は予測できない出来事に対して、休暇申請は計画的な休暇に対して使用されるという明確な違いがあります。企業や組織においては、それぞれの手続きや申請期限が異なるため、人事担当者や労務管理者はこれらの違いを理解し、適切に対応することが重要です。
2. 欠勤届はなぜ必要?理由を解説
欠勤届の提出が必要な理由は、以下の4点です。
- 給与計算の正確性を保つ
- 欠勤理由の透明性を高める
- 従業員の健康状態を把握できる
- 人事評価に使用する
2-1. 給与計算の正確性を保つ
欠勤届の提出は、給与計算の正確性を保つ上で重要な役割を果たします。欠勤届の提出による正確な欠勤記録により、勤務日数や時間に応じた給与計算ができるためです。
記録がなければ給与計算に誤差が生じ、過払いや不足払いが発生する可能性があります。
給与計算を正しくおこなうためにも、欠勤届を提出させることが重要です。
2-2. 欠勤理由の透明性を高める
欠勤届により欠勤理由の透明性を高められます。欠勤届には理由を明記し、必要に応じて医師の診断書などの書類をあわせて提出させるためです。
欠勤理由を正式に報告することで、不要な誤解や不信感を避けられるでしょう。企業側も従業員が責任を持って行動していることを認識できます。
欠勤届の提出は、従業員と企業間のコミュニケーションと信頼関係のためにも重要です。
2-3. 従業員の健康状態を把握できる
とくに病気による欠勤の場合、従業員の健康状態を把握するために欠勤届が必要です。
例えば、従業員がインフルエンザなどの感染症に罹患した場合には、欠勤届で病状の重大さや休息の必要性が把握できます。企業は従業員に必要な休息期間を確保し、早期の回復をサポートすることが可能です。
また、長期にわたる病気や慢性的な健康問題の場合、企業は欠勤届をもとに従業員に対する長期的なサポートや職場復帰に向けた計画を立てられます。
健康問題に起因する欠勤の適切な管理と対応は、従業員の早期回復につながるうえ、職場全体の生産性と士気を高めるでしょう。
2-4. 人事評価に使用する
定期的な欠勤がある場合、欠勤届は人事評価に影響を与える記録となります。正当な理由での欠勤とそうでない欠勤を区別することで、公平で正確な評価ができるためです。
従業員にとっても、正当な理由に基づく欠勤を正確に記録し報告することにより、不当な評価を受けるリスクを減らせます。
3. 欠勤届のテンプレートの項目
欠勤届のテンプレートの項目は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
提出日 | 欠勤届を提出する日付 |
従業員情報 | 氏名、部署、職位など、従業員の情報 |
欠勤期間 | 欠勤する予定の具体的な開始日と終了日 |
欠勤理由 | 欠勤する具体的な理由、病気や事情 |
連絡先情報 | 緊急連絡先としての電話番号やメールアドレス |
上司の承認 | 承認を得るための署名やコメント欄 |
同一のテンプレートを作成することで必要な情報が整理できます。
所属する組織の指示やガイドラインがあれば、追加項目を加えてください。
4. 従業員が欠勤した場合は欠勤届の提出を依頼する
従業員が欠勤する場合、理由が何であれ事前もしくは事後に欠勤届の提出を依頼しましょう。
欠勤届を適切に運用するために、以下の事前準備をすると円滑な仕組みづくりができます。
事前準備の項目 | 準備の内容 |
欠勤届のテンプレートの準備 | 社内の共有ドライブなどにテンプレートを掲載することで、従業員が簡単にアクセスして利用できる体制を整える |
欠勤届提出のガイドラインの明確化 | 提出方法や提出期限、承認プロセスについてのガイドラインを決めて公開する |
上司や人事部門の研修 | 欠勤届の扱い方、承認プロセス、従業員からの問い合わせに対する対応方法を理解し、適切に実行できるようにトレーニングする |
サポート体制の構築 | 長期間の欠勤や繰り返しの欠勤が見られる場合に備え、従業員サポートプログラムや健康管理プログラムを作成する |
事前準備を進めるうえで重要なことは、従業員とのコミュニケーションです。事前準備の意図や目的、従業員にとってもたらすメリットを明確に伝えることで、欠勤届の提出を促すことにつながります。
さらに、従業員からの意見を積極的に受け入れ、欠勤届のガイドラインやサポート体制を継続的に改善していくことで、信頼も高まるでしょう。
4-1. 欠勤届の提出方法(直接・メール・FAX・システム)
欠勤届の提出方法は、会社の規定に従い適切に選ぶことが重要です。一般的には以下の方法があります。
①直接提出
欠勤届を上司や人事部に直接提出する方法です。提出先が明確に決まっている場合、直接提出が最も確実で迅速です。上長や人事担当者に直接渡すことで、迅速な対応が期待できます。
②メールでの提出
メールで欠勤届を提出する場合、指定のフォーマットを添付し、必要事項を記入して送信します。提出先のメールアドレスや期限を確認して適切に対応する必要があります。特定の件名やフォーマットが指定されている場合、その指示に従いましょう。
③FAXでの提出
FAXで欠勤届を提出する場合、専用の用紙に記入して送信します。送信先が明確であることを確認して、電話などで受信確認を行うことで、確実に届いたことを確認する必要があります。
④システムでの提出
勤怠管理システムやワークフローシステムを使用している場合、それらを利用してオンライン上で欠勤届を提出することもできます。特にクラウドシステムであれば、インターネットにつなげればどこでも申請ができるため、場所を選ばず迅速に欠勤届を提出できます。フォーマットや提出先もあらかじめ決めておけるため、作成や確認に手間がかかりません。
以上の方法を利用し、各提出方法における規定や期限を遵守して、勤務管理をスムーズに行いましょう。
5. 欠勤届でよくあるトラブルへの企業側の対応
欠勤届でよくあるトラブルごとに企業側の対応例を紹介します。
- 欠勤届の提出遅れや不備がある場合
- 欠勤理由が不明確になっている場合
- 無断欠勤がある場合
- 欠勤届の承認遅延がおきている場合
- 欠勤届を紛失した場合
5-1. 欠勤届の提出遅れや提出漏れがある場合
欠勤届の提出期限遅れや提出漏れが発生した場合は、速やかに従業員に連絡を取り、提出や修正を促します。特に理由を丁寧に聞き取ることで、再発防止の具体的な対策を検討する材料になりますので怠らず行いましょう。その後、速やかな再提出を指示し、再提出が完了した後には欠勤届のガイドラインを再提示します。この際、提出期限や記入事項などの重要ポイントを従業員全員が再認識できるように詳細に説明しましょう。さらに、全従業員に対して提出期限厳守の重要性を周知するメールや社内通知を発行することで、再発防止を徹底します。
5-2. 欠勤届の提出内容に不備がある場合
提出された欠勤届に不備が見つかった場合、どの部分が不足しているのかを具体的に明示し、再提出を求めることが重要です。その際、欠勤届に必要な事項を再確認するための記入方法ガイドラインを提供すると効果的です。欠勤届に必要な事項とは、欠勤理由、欠勤期間、連絡先情報などです。不完全な情報が含まれていると、正確な処理ができず、結果として労務管理に影響を与える可能性があります。そのため、必要事項をしっかりと確認し、正確な情報を記入して再提出するように案内しましょう。事前にテンプレートを提供することで、不備が発生するリスクを最小限に抑えることができます。
5-3. 欠勤理由が不明確になっている場合
欠勤理由が不明確な場合、より詳細に記述するよう従業員に促し、必要であれば追加の説明を求めます。
理由が私的な事情に関わる場合は、従業員のプライバシーを尊重しつつ、適切な対応を図りましょう。
5-4. 無断欠勤がある場合
従業員の無断欠勤が発生した場合、状況確認の連絡をしましょう。本人の状況を把握したうえで、原則として必ず事前連絡をするよう伝えます。
後日、従業員との個別面談を通じて理由を確認し、再発防止策を講じることも大切です。必要に応じて、警告などの人事措置をすることも検討しましょう。
無断欠勤は職場の秩序と効率に影響を与えるため、企業は厳格に対処する必要があります。無断欠勤に対するガイドラインを設定し、従業員に周知することが重要です。
5-5. 欠勤届の承認遅延がおきている場合
欠勤届の承認遅延がおきている場合、承認者に手続きを進めるよう促しましょう。
欠勤届の承認過程において遅延が発生することは、従業員の不安を招く原因となります。承認権限を持つ管理職に対しては、承認の迅速化に向けたトレーニングが必要です。
また、承認遅延の原因がシステム上にある場合は、技術的な改善も視野にいれる必要があります。
5-6. 欠勤届を紛失した場合
労務側で欠勤届を紛失した場合は、従業員に事情を説明し、再度の提出を求めましょう。情報が外部に流出しないよう、書類の捜索・適切な廃棄もおこないます。
書類の紛失は勤怠管理の信頼性を損なう原因になりかねません。再発防止策として以下を実行しましょう。
- 書類の対応フローの見直し
- 書類の管理体制の見直し
- 勤怠管理システム導入の検討
一つの方法として、電子的な勤怠管理システムの導入があります。デジタル化されたシステムでは、提出された欠勤届のデータが自動的に記録されるため、紛失のリスクを低減できるでしょう。
6. 欠勤届を適切に扱い従業員の労働時間・賃金を把握しよう
本記事では、欠勤届の概要や必要な理由、企業が直面する可能性のあるトラブルと対応について詳しく説明しました。
欠勤届は、従業員が仕事を欠勤する際に提出を依頼する書類です。欠勤届を適切に管理することで、企業は従業員の労働時間と賃金を正確に把握できます。
欠勤届でよくあるトラブルに対しては、適切な準備と対応を講じることが重要です。経理・労務担当者は、欠勤届のガイドラインを明確にし、従業員に対して指導とサポートを提供することが求められます。
欠勤届を適切に取り扱い、労働時間と賃金の正確な管理を目指しましょう。
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