入社手続きで必要な書類は何がある?種類と作成方法を詳しく解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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入社手続きで必要な書類は何がある?種類と作成方法を詳しく解説

「入社手続き」には提出や回収が必要な書類も多く、具体的に何をするのかをまとめておかなければ対応漏れやミスが発生してしまいます。

提出が必要な書類は、社員の家にあるものから所定のフォーマットに記入する必要があるもの、役所の窓口で発行が必要なものなど幅広く、定めた期日までに提出してもらえるように、早い段階で伝達しておかなければなりません。

万が一、提出が遅れた場合には、追加で必要な提出物が増えるだけでなく、新たに入社した従業員にも迷惑をかけてしまうため、注意しましょう。

本記事では、入社手続きに必要な書類、各書類の役割、必要書類を用意できていない場合の対処などについてご説明します。

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1. 入社手続きで必要な8つの書類

会社は新しく社員を雇用した際に、社員の保険加入手続きや税金を納めるのに必要な手続きをおこなう必要があります。

そのため、新たに雇用した従業員には入社時に、手続きに必要な書類を提出してもらわなければなりません。

入社手続きで必要になる書類は会社によって異なりますが、どのような会社でもほぼ確実に必要になる書類としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 労働条件通知書
  • 年金手帳
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 扶養控除等申告書
  • 健康保険被扶養者異動届
  • 給与振込先の届書
  • マイナンバー

それぞれの書類について、説明します。

1-1. 労働条件通知書

労働条件通知書は労働条件を示した書類で、企業が従業員を雇用する際に作成義務のある書類です。

企業は従業員が入社する際に、賃金や就業時間などの労働条件を明示しておかなければなりません。
労働条件通知書には必ず記載しておくべき絶対的明示事項があり、労働条件の明示をしていない場合は、労働基準法第120条により、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
そのため、労働条件通知書は必ず作成して従業員に渡しましょう。

詳しい作成方法などは以下の記事でわかりやすく解説しています。

関連記事:労働条件通知書とは?必要な理由や項目別の書き方について

1-2. 年金手帳

年金手帳は年金加入手続きのために必要な書類で、年金手帳の写しを提出してもらう会社が多いです。

万が一、新入社員が年金手帳を紛失してしまっている場合は、年金事務所に基礎年金番号通知書を再交付してもらいましょう。

1-3. 雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は雇用保険に加入するために必要な書類で、前の職場を退職する際に受け取ることになります。

万が一、新入社員が年金手帳を紛失してしまっている場合には、居住地を管轄しているハローワークで再発行してもらいましょう。

また、当サイトで無料公開している「入社手続きマニュアル」では、新入社員が入社した際におこなう社会保険の加入手続きについても詳しく解説しています。 入社手続きで生じる複雑な対応でお困りの方は、ぜひこちらからご覧ください。

1-4. 源泉徴収票

源泉徴収票も前の職場を退職する際に受け取る書類です。

年末調整を適切に行うためには1年間の給与総額を把握する必要があります。
そのため、入社タイミングが退職と同じ年である場合には、源泉徴収票を提出してもらいましょう。
ただし、入社が年明けになる場合には、提出しないこともあります。

1-5. 扶養控除等申告書

扶養控除等申告書は、税金の手続きを行うために必要な書類です。

上述してきた書類はいずれも、社員が持っている書類を会社に対して提出する形でしたが、扶養控除等申告書は会社から渡された書類に必要事項を記入・捺印して提出してもらいます。

扶養控除などに関する書類ではありますが、扶養家族がいない場合でも提出してもらわなければならない点には注意が必要です。

1-6. 健康保険被扶養者異動届

健康保険被扶養者異動届は、社会保険の手続きを行うために必要な書類です。

扶養控除等申告書と同様に、会社から渡す書類に必要事項を記入・捺印して提出してもらいますが、扶養控除等申告書とは異なり扶養義務のある家族がいない場合は提出の必要はありません。

1-7. 給与振込先の届書

給与振込先の届書は、給与振込を受ける金融機関の口座を届け出るための書類です。

会社が渡す書類に、支店名や口座番号・口座名義人などの必要事項を記入して提出してもらいますが、場合によっては、支店名と口座名が記載された銀行通帳のページのコピーの提出を求めることもあります。

1-8. マイナンバー

マイナンバーは、雇用保険や社会保険、年末調整などの手続きに必要となる書類です。

収集時には、マイナンバー情報の使用目的を本人にしっかりと伝えるようにしましょう。
また、マイナンバーカードは取得している場合と取得していない場合で提出書類が異なります。

マイナンバーカードを取得している場合

マイナンバーカードの両面コピーを提出します。
カードの裏面で番号確認をおこない、表面で本人確認をおこないます。

マイナンバーカードを取得していない場合

カードを取得していない場合には、書類のコピーを2枚以上提出する必要があります。
番号確認は通知カードもしくは、マイナンバーが記載された住民票でおこなうことが可能です。
本人確認は運転免許証もしくは、パスポートでおこないます。

運転免許証やパスポートなどの「顔写真付きの身分証」を所持していない場合は、健康保険証と年金手帳のコピーも提出する必要があるので、注意しておきましょう。

2. 入社手続きで場合によっては必要になる書類10種類

入社時に必要になる書類の中には、会社や新しく入社する社員によって、必要な場合と必要でない場合が分かれるものもあります。

入社手続きで場合によっては必要になる書類としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 入社誓約書
  • 雇用契約書
  • 身元保証書
  • 従業員調書
  • 住民票記載事項証明書
  • 免許や資格に関係する書類
  • 卒業証明書
  • 成績証明書
  • 健康診断書
  • 退職証明書

それぞれについて、説明します。

2-1. 入社誓約書

入社誓約書は、内定通知を受けた場合に決められた期日までに会社に提出してもらう書類で、就業規則に関することや秘密保持・守秘義務に関することなどが記載されています。

入社後の待遇などを確認したうえで署名捺印をおこない、提出してもらいましょう。

会社によっては内定時に「入社承諾書」と兼用で提出を求める場合もあります。

2-2. 雇用契約書

雇用契約書は、会社が社員を雇用する際に労働条件を明示するために発行する書類です。

発行が義務付けられている「労働条件通知書」と兼用で、「労働条件通知書兼雇用契約書」という形で作成することもあるので、確認しましょう。

会社と社員双方の署名捺印が必要であることから、労働条件についてお互いが納得していることを示す役割を担っています。

2-3. 身元保証書

身元保証書は、社員が入社した後に起こした問題に関して身元保証人が連帯して賠償責任を負うことを、会社に約束するための書類です。

社員ではなく身元保証人の方が署名捺印する必要があり、会社によっては身元保証書と一緒に印鑑証明の提出を求めることもあります。

また、身元保証人は誰でもなれるわけではなく、一定の条件が設けられているケースが多いです。

2-4. 従業員調書

従業員調書とは、従業員マスタに登録される人事管理のための基本的な資料で、家族に関する情報など社員の個人情報を記入して提出してもらいます。

決まったテンプレートなどはないため、会社ごとに必要な情報を記載してもらうようにしましょう。最近では履歴書で代用されることも多くなっています。

2-5. 住民票記載事項証明書

住民票記載事項証明書は、社員が履歴書と同一の住所に居住しているかを確認し、住民税支払いの手続きを適切に行うために必要な書類です。

現住所の確認は住民票でも行うことができますが、個人情報保護の観点から、必要な情報のみを確認できる住民票記載事項証明書を利用することが多くなってきています。

住民票記載事項証明書の用紙を配布し、市区町村の役所の窓口に持っていき、手続きを行ってもらいます。

2-6. 免許や資格に関係する書類

会社や職種によっては、特定の免許を保有している、または一定の技能や知識を身に付けている人でなければ採用が難しい場合があるでしょう。

たとえば、医療関係の資格取得証明書、長距離ドライバーの無事故・無違反証明書、通訳の仕事に応募する場合のTOEICの点数を示す書類などです。

また、そういった書類を提出せずとも勤務が可能な場合でも、資格手当を出すためには免許や資格関連の書類を提出してもらう必要があります。

2-7. 卒業証明書

卒業証明書は、社員の学歴が正しいかどうかを確認するために必要な書類です。中途採用の場合は必要ありませんが、新卒や第2新卒で就職する場合は提出を求めることが多いです。

なお、新卒採用の場合は厳密にはまだ卒業していない段階であるため、「卒業見込証明書」を提出してもらうことになります。

2-8. 成績証明書

成績証明書は、学校での成績が記載された書類です。

卒業証明書と同様、中途採用の場合には提出の必要がなく、新卒採用の場合に提出を求めることが多いです。場合によっては、配属先の判断軸になることもあるでしょう。

2-9. 健康診断書

健康診断書は、会社が社員の健康状態を適切に把握するために必要な書類です。

健康診断は入社後におこなわれることもありますが、場合によっては入社前に提出が必要となることもあるでしょう。健康診断の実施は会社側の義務なので、会社側が費用を負担するのが一般的です。新入社員が診断を受けやすくなるよう、病院や日時を指定しておくのがよいでしょう。

2-10. 退職証明書

退職証明書とは、会社を退職していることを証明する書類です。

新しい会社で保険に加入するために、被保険者資格がないことを確認するために必要となります。
退職証明書は前職の会社から発行されるものなので、提出を求める場合は早めに伝えておいた方がよいでしょう。

3. 入社手続き書類に捺印してもらう印鑑はほとんどの場合、認印でOK

押印している様子

入社手続き書類への捺印は、大抵の場合、認印で問題ありません。
ただし、身元保証書のように保証人の印鑑証明を提出する場合には、実印が必要になることもあります。

新入社員から質問があった際にすぐ答えられるように、事前に認識しておくとよいでしょう。

4. 必要書類は持っているものをそのまま提出か所定のフォーマットに記入して提出

ここまで取り上げてきた書類は、社員が持っているものをそのまま提出するものと、会社が指定する所定のフォーマットに必要事項を記入(捺印)して提出してもらうものに分けられます。

前者は雇用保険被保険者証や源泉徴収票、卒業証明書、免許、資格に関係する書類などがあり、後者のものには扶養控除等申告書や健康保険被扶養者異動届、入社誓約書、従業員調書などがあります。

そのまま提出してもらう書類は手元に用意さえすれば問題ないですが、必要事項を記入しなければならない書類は、準備に時間がかかることもあります。

新入社員にはなるべく早く必要書類と提出期限を伝達し、不備のない状態で提出してもらえるようにしましょう。

5. 入社手続き書類の送付方法

郵便をポストに入れる様子

入社手続き書類は直接手渡しすることも多いですが、郵便やメールで送ってもらう場合もあります。以下では、それぞれの方法を簡単に紹介します。

5-1.入社手続き書類の送付を郵送で依頼する場合

郵送の場合はA4サイズの封筒に入れて送るようにしましょう。また、署名と捺印をしてもらってから返送してもらう必要があるので、返信用の封筒も同封しておくとよいでしょう。

もちろんですが、書類の内容は大事な社員の個人情報なので、簡易書留などを利用してもらうのがおすすめです。

添え状(送付状)の書き方

入社手続き書類を郵送する際は、提出書類だけでなく、添え状(送付状)も同封するようにしましょう。
添え状には基本的に以下の内容を記載します。

  • 送付年月日
  • 宛名
  • 差出人
  • 頭語と結語
  • 挨拶文
  • 記書き
  • 送付内容

送付内容には、書類名だけでなく部数も記載しておきましょう。

関連記事:入社手続きの書類を郵送するときに押さえるべき3つのポイント

5-2.入社手続き書類の送付をメールで依頼する方法

入社手続き書類の送付をメールで依頼する場合には、文面に「提出してほしい書類」「提出期限」「注意事項」を明記するとよいでしょう。

送付が相手が理解しやすい文章を心がけると、書類に不備なく収集することができるでしょう。

関連記事:入社手続きで内定者に送る通知メールの書き方3つの基本

6. 必要書類を用意できていない場合などの対処は事情や書類の種類によって異なる

社員が必要書類を用意できていない場合の対処方法は、用意できていない理由や書類の種類によって異なります。
単に準備できていないだけであれば、早めに対応してもらうよう呼びかけましょう。

書類を紛失してしまったという場合は、事情をヒアリングして書類を発行してもらうなり、前職の職場や役所の窓口などしかるべきところに連絡をして再発行してもらうなりする必要があります。

再発行に時間がかかる可能性もあるので、早急に集めたい書類の場合には、いつまでに準備ができそうなのかを確認しておくとよいでしょう。

7. 入社手続き書類をきちんと提出してもらおう

入社時に必要な書類は非常に種類が多いうえに、会社または職種によって、実際に提出しなければならない書類は異なります。

特に、中途入社が多い、パート・アルバイトの採用が多いなどの理由で従業員の出入りが激しい場合は、入社書類を抜け漏れなく準備して、郵送するだけでも一苦労でしょう。

入社手続きにかかる工数を減らすため、2019年の法改正によって認められた労働条件通知書のペーパーレス化にあわせて、入社手続きを電子化する企業も増えています。入社手続きの電子化が気になる方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事▶入社手続きを電子化するメリット・デメリットを徹底解説

人事担当者は、どの書類をどのように提出してもらうのが適切なのかを明確に把握し、不備のない入社手続き書類を集められるよう、新入社員との積極的なコミュニケーションを図りましょう。

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