育児休業等終了時報酬月額変更届とは?意味やデメリットを紹介
時短勤務に切り替えることで、一般的に給与は減ってしまうことが多いでしょう。減額された給与に応じて社会保険料も下がれば良いのですが、そのためには月額変更届を提出しなければなりません。
この記事では、育休明けの従業員が活用できる「育児休業等終了時報酬月額変更届」についてわかりやすく詳しく解説しています。通常の月額変更届とどう違うのか、いつ出すのかデメリットや手続き方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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社会保険料の算定は従業員の報酬に基づいて計算されるため、
とくに育児休業からの復職後に多くあるケースで、短時間勤務に切り替える従業員がいる場合は、それに伴い報酬が低下するため「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出する必要があります。
一方でこのような手続きは、実際に従業員の給与から控除する金額にダイレクトに紐づくため、書類の記入内容や提出はミスなく確実に処理しなければなりません。
しかし、書類の記入欄は項目が多く複雑で、さらに申請書や届出にはそれぞれ期限があり、提出が遅れた場合にはペナルティが課せられるケースもあります。
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目次
1. 育児休業等終了時報酬月額変更届とは?
育児休業からの復職後、短時間勤務に切り替える人は多いでしょう。それに伴い給与額も下がるケースが多いため、社会保険料の支払額が高いままだと手取り額が下がってしまう可能性があります。
給与が下がれば支払う社会保険料額も下がるため、育児休業等を終了したタイミングで月額変更届を提出して随時改定をおこなうのが一般的です。出し忘れがないように注意しましょう。
しかし、育休復帰後の時短勤務により月額変更届をおこなおうとしても、要件に当てはまらず変更できないケースがあります。
そこで用意されているのが「育児休業等終了時報酬月額変更届」と呼ばれる制度です。
この届出をおこなうと、時短勤務によって下がった3か月の平均給与から算定した標準月額報酬に改定できます。
標準報酬月額は、給与額から等級で区分されているものです。厚生年金は1~32等級、健康保険は1~50等級で分けられています。
1-1. 育児休業等終了時報酬月額変更届が提出できる条件
育児休業明けの従業員のための制度ではありますが、随時改定をおこなうには一定の要件を満たしている必要があります。
以下は、育休後に随時改定ができる条件です。
- 3歳未満の子どもを養育していること
- 育児休業前の標準報酬月額と改定後の額に1等級以上の差があること
- 育休明けに勤務した3ヵ月間で基礎日数が17日以上ある月が少なくても1ヵ月あること
これらの条件は、通常の月額変更届より緩和されているため、給与が減ってしまった育児休業明けの従業員は利用しやすいでしょう。
1-2. 本人からの申し出が必要
育児休業等終了時報酬月額変更届はメリットの大きい制度ですが、従業員が希望した場合のみ、届出をおこなう必要があります。
通常は従業員の給与額に変更があった場合、会社側が手続きをするものですが、育児休業等終了時報酬月額変更届に関しては、本人の意思確認が必要です。
しかし、従業員が制度を知らない可能性もありますので、復職後のトラブルを避けるためにも、会社から変更届の説明をしても良いでしょう。
なお、申し出があったとしても要件を満たしていない場合や、育休明けに続けて産休を開始している場合は変更届の提出はできません。
2. 育児休業等終了時報酬月額変更届のデメリットはある?
育児休業等終了時報酬月額変更届は、時短勤務になって給与が減ってしまった従業員にとっては嬉しい制度ですが、何かデメリットはあるのでしょうか。
ここでは、月額変更届を提出することによって生じる可能性のあるデメリットについて紹介します。
2-1. 受け取る年金額が少なくなる
育児休業等終了時報酬月額変更届を提出すると、標準報酬月額が変更されるため、月々の社会保険料支払い額が減ります。
社会保険料が減額されれば手取り額が増えますが、厚生年金保険料の支払額が減ったことになるので、将来受け取るはずの年金額が減ってしまうでしょう。
しかし、「養育期間標準報酬月額特例」を利用すれば、この問題は解決できます。
養育期間標準報酬月額特例とは、厚生年金の支払額が減っても、減る前の額を納付したとみなして年金額を計算してくれる制度です。
育児休業等終了時報酬月額変更届を提出することによるデメリットは、別の特例制度によってカバーされています。ただし、子どもが3歳になるまでの限定的な制度であることを覚えておきましょう。
この制度は3歳未満の子どもを養育している人であれば男性でも利用可能です。また、時短勤務をせずに復職した人でも、残業をしなくなったことで標準報酬月額が減った場合は対象となります。
2-2. 出産手当・傷病手当の額が少なくなる
出産手当や傷病手当は、標準報酬月額から計算されます。そのため、2人目の出産を間近に控えている場合などは、随時改定をおこなうともらえる出産手当金の額が減ってしまうでしょう。
厚生年金では特例制度によってデメリットが補えていましたが、健康保険料に関しては特例措置がありません。
年金のように将来に影響するものではありませんが、万が一病気になったときや、2人目以降の出産を考えている人にとっては、デメリットと言えるでしょう。
これらを考慮し、あえて育児休業等終了時報酬月額変更届を提出しなかったとしても、通常の随時改定の要件に当てはまったり、7月の定時決定の時期と被ったりする場合は、標準報酬月額が変更されます。
3. 通常の月額変更届との違い
通常は、昇給や降給などで給料が変動したとき、月額変更届を提出して給料に応じた社会保険料を支払います。
通常の月額変更届の要件は以下の通りです。
- 昇給、降給などで賃金に変動があった
- 変動した月から3ヵ月の平均報酬額が現在の標準報酬月額と比べて2等級以上差がある
- 3ヵ月間の基礎日数が17日以上ある
先ほど紹介した、育児休業等終了時報酬月額変更届の要件と比べると、等級の差と必要な基礎日数を含む月の数が異なることが分かります。
通常は月額変更届を提出しなくても、毎年7月にその年の4~6月の給与平均額から、標準報酬月額が決定されるものです。
しかし、育休明けの従業員と異なり、通常は3ヵ月間の平均給与額の中で2等級以上の差があった場合、従業員の希望にかかわらず標準報酬月額が見直されます。
4. 育児休業等終了時報酬月額変更届を出す場合の手順
従業員から報酬月額変更届の依頼を受けたら、会社側は必要な手続きをおこなわなければなりません。手続きが遅れてしまうと給与額にも影響が出てきてしまうので、届出の流れは理解しておく必要があるでしょう。
まずは、日本年金機構のホームページから、育児休業等終了時報酬月額変更届の用紙をダウンロードします。なお、届出は電子申請でも可能です。
変更届には、事業所情報や従業員の被保険者番号などの記入が必要になります。復職後の3ヵ月間で支払われた給与額を記入する欄がありますので、企業担当者は従業員の給与支払い状況が分かるようにしておきましょう。
変更届以外に必要な添付書類はありません。必要事項の記入が完了したら、日本年金機構に提出しましょう。郵送でも受け付けています。
なお、厚生年金保険料の特例措置である「養育期間標準報酬月額特例申出書」の提出先も日本年金機構なので、同時に提出すると手間が省けるでしょう。
5. 育児休業等終了時報酬月額変更届を提出して負担額を減らそう
育児休業等終了時報酬月額変更届とは、育児休業後明けに職場復帰した従業員のために設けられた特別な制度です。
通常の月額変更届と異なり要件が緩和されているため、復職した従業員の多くが利用できるようになっています。
しかし、標準報酬月額の等級や1ヵ月間の基礎日数の必須要件などがあるため、従業員からの申し出があった場合は当てはまるかどうか確認する必要があるでしょう。
出産手当や傷病手当のもらえる額が減ってしまうデメリットはありますが、厚生年金保険料に関しては特例措置が存在するので、デメリットよりメリットが大きい制度なのではないでしょうか。
変更届の依頼を受けたら、企業は速やかに手続きをおこなうことが大切です。
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社会保険料の算定は従業員の報酬に基づいて計算されるため、
とくに育児休業からの復職後に多くあるケースで、短時間勤務に切り替える従業員がいる場合は、それに伴い報酬が低下するため「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出する必要があります。
一方でこのような手続きは、実際に従業員の給与から控除する金額にダイレクトに紐づくため、書類の記入内容や提出はミスなく確実に処理しなければなりません。
しかし、書類の記入欄は項目が多く複雑で、さらに申請書や届出にはそれぞれ期限があり、提出が遅れた場合にはペナルティが課せられるケースもあります。
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