社会保険の随時改定(月額変更届)とは?改定するタイミングと手続方法 - バックオフィスクラウドのジンジャー(jinjer)

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社会保険の随時改定(月額変更届)とは?改定するタイミングと手続方法

家族を守る様子

定期的な見直し以外で行う標準報酬月額の改定を「随時改定」といいます。
この社会保険の随時改定は誰でも実施できるわけではなく、3つの条件をすべて満たさなければなりません。
そこで本記事では、随時改定の基礎概要、実施するための条件、書き方や提出方法を解説します。

▼社会保険の概要や加入条件、雇用保険との違いなどを詳しく知りたい方はこちら
社会保険とは?雇用保険との違いや種類、加入するメリットを徹底解説

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1.社会保険の随時改定(月額変更届)とは

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社会保険料は賃金に応じて負担額が決められているため、毎年4〜6月までの給与額をベースにして定期的な見直しが入ります。しかし、毎月支給される賃金の手当などに変更があった場合、定期的な見直しを待たずに標準報酬月額を改定します。

この標準報酬月額の改定が「社会保険の随時改定」といい、標準報酬月額を変更する際の届出を「月額変更届」といいます。

1-1. 随時改定で決まった標準報酬月額はいつからいつまで反映されるのか

随時改定とは別に定時決定という標準報酬月額の決め方があり、原則として年1回、4月から6月の3ヶ月の報酬額をもとに算出します。このことから、随時改定で決まった標準報酬月額は、届け出を提出した月の4か月後から変更されます。

また、随時改定で決まった標準報酬月額は、変更した月によって採用される期間が異なります。

①1月から6月の間に随時改定された場合:改定された月から同年8月まで採用
②7月から12月の間に随時改定された場合:改定された月から翌年の8月まで採用

上記のように、定時決定の更新時期に合わせて随時改定の反映時期が決められております。随時改定が反映されるまで3か月あるという点と、採用される期間が事ある点を忘れないようにしましょう。

2.標準報酬月額が確定するタイミング

仕事に打ち込む様子

社会保険の随時改定を深く理解するためにも、標準報酬月額が確定するタイミングを把握しておきましょう。
以下、1つずつ解説していきます。

2-1.資格取得時の決定

従業員を雇った場合は労働契約に基づいて標準報酬月額を決定し、その年の8月まで使用します。
しかし、6月1日から12月31日までに資格を取得した際には、翌年の8月までの使用となります。

2-2.定時改定

毎年、7月1日になるまでの4〜6月に支払った報酬月額が事業主から提出され、このときの報酬総額を基にして標準報酬月額が決定されます。
このことを「定時改定」もしくは「定時決定」といい、原則として同年9月から翌年8月まで使用します。

なお、この定時改定の対象者は7月1日時点での被保険者の従業員すべてです。
育児休暇や介護休暇などで休業中の従業員も含まれるため注意しましょう。
ただし、すでに標準報酬月額が翌年8月まで決まっているという理由から、以下の従業員は対象外となります。

・6月1日以降に被保険者となった人
・6月30日以前に退職した人
・7月に月額変更届を提出する人

▼定時決定について詳しく確認したい方はこちらをご覧ください
社会保険の定時決定(算定基礎届)とは?必要な書類や作成時の注意点

2-3.随時改定

「資格取得時の決定」と「定時改定」は決まった時期に標準報酬月額が確定しますが、「随時改定」は時期を問わず、固定的賃金が大きく変動する際に見直しが入ります。
この「随時改定」で見直された標準報酬月額は次の定時改定まで有効です。

3.社会保険の随時改定を行うための条件3つ

check list

ここまでにお話した社会保険の随時改定は、以下の条件をすべて満たした場合にのみ行われます。先に全体の流れを下記の画像を参考に確認しておきましょう。

月額変更届

出典:日本年金機構「随時改定と月額変更届

正しく随時改定を実施するためにも、本章にて理解しましょう。

3-1.昇給・降給等により固定的賃金が変動する場合

随時改定を行うための条件1つ目は、昇給・降給等により固定的賃金が変動する場合です。
従業員の報酬は大きく分けて固定的賃金と非固定的賃金の2つがあります。

固定的賃金とは、従業員の労働時間や実績に関係なく、基本給や各種手当などの支給額が決まっているものです。
一方、非固定的賃金は労働時間や実績によって支給額が変動するものであり、残業手当や夜勤手当などが非固定的賃金に含まれます。

変動した理由が非固定的賃金のみである場合は、随時改定を行うための条件に該当しませんが、定的賃金の金額が大きく変動するケースでは随時改定の検討が必要です。
固定的賃金の変動については以下のようなパターンがあります。

・基本給の昇給・降給
・給与体系の変更
・基礎単価の変更
・歩合率の変更
・各種手当における支給額の変更

3-2.3ヶ月間の支払基礎日数が17日以上である場合

随時改定を行うための条件2つ目として、3ヶ月間の支払基礎日数が17日以上である場合があげられます。

支払基礎日数とは、報酬を計算する際の基礎となる日数のことを指します。この支払基礎日数は賃金締日によって変動するものであり、有給休暇は含めるものの欠勤日は含めません。

例えば、定時決定を定める期間である4月~6月を例にとると、給与締め日により支払基礎日数は次のようになります。

● 毎月15日締めの会社
・4月の対象期間:3月16日~4月15日 = 支払基礎日数31日
・5月の対象期間:4月16日~5月15日 = 支払基礎日数30日
・6月の対象期間:5月16日~6月15日 = 支払基礎日数31日

● 毎月末締めの会社
・4月の対象期間:4月1日~4月30日 = 支払基礎日数30日
・5月の対象期間:5月1日~5月31日 = 支払基礎日数31日
・6月の対象期間:6月1日~6月30日 = 支払基礎日数30日

ただし、特定適用事業所などによる短時間労働者の場合は11日以上が条件となります。この短時間労働者の定義としては、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。

3-3.変更前後で2等級以上の差がある場合

随時改定を行うための条件3つ目は、変更前後で2等級以上の差がある場合です。
固定的賃金が変動したことにより、標準報酬月額が改定前と改定後で2等級以上の差が生じる場合は対象となります。
ただし、あくまで固定的賃金の差であるため、非固定的賃金は対象にはなりません。

4.随時改定を考えるときの注意点

ビックリマーク

随時改定を行う条件は先ほど3つあると解説しましたが、固定的賃金にはどのような項目が含まれ、非固定的賃金にはどのような項目が含まれるのかなど、随時改定の条件を満たすか考える際に勘違いしやすい注意点がありますので、本章ではそちらを解説します。

4-1.固定的賃金には通勤手当などの一部手当を含む

まず初めに、固定的賃金には何を含むのかわからなくなってしまう担当の方は多いのではないでしょうか。

固定的賃金は、ある給与計算期間において、毎月必ず同じ金額が支払われる支給項目のことを言います。具体的には、基本給や家族手当、通勤手当などの給与支給項目が固定的賃金に含まれます。

4-2.残業代などの非固定的賃金の変動は対象外

上述したように、標準報酬月額の算出には固定的賃金を用います。そのため、非固定的賃金は含まないということを覚えておきましょう。

非固定的賃金の具体的な項目は、
・残業代
・精皆勤手当て
・育児・介護休業手当
などがあります。

定時決定の期間外において、あからさまに所得が増えた時期がありましたら、それが昇格や降格などが要因なのか、それとも残業時間が長くなったことが要因なのかなどの理由を明らかにしたのちに、随時改定に該当するのか確認しましょう。

5.社会保険の随時改定の手続方法

書類を確認する様子

最後に、社会保険の随時改定の手続き方法をみていきましょう。
これから手続きする予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

5-1.月額変更届の入手方法

社会保険の随時改定は「月額変更届」の必要事項を記入して提出します。
この月額変更届の正式名称は「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届」であり、「月変(げっぺい)」ともいわれています。
月額変更届が手元にない場合は年金事務所や健康保険組合で入手できるほか、日本年金機構の公式サイトからダウンロード可能です。

なお、対象者が複数いる場合は1枚に5名までまとめて記載できます。

5-2.月額変更届の書き方

月額変更届を入手したら、必要箇所に記入していきます。
月額変更届の書き方は下記をご参考ください。

1. 提出日を記入する
2. 提出者記入欄に届出事業所の情報を記入する
3. 個人別記入欄の各項目にそれぞれ記入する

個人別記入欄は具体的に、被保険者の整理番号、氏名、生年月日、改定年月などを記入します。
なお、日本年金機構のホームページに記入例が用意されているため、はじめて記入する方は記入例を参考にしましょう。

参考:日本年金機構「随時改定と月額変更届

5-3.月額変更届の提出方法

月額変更届の記入が終わったあとは、提出先を確認して提出しましょう。提出先は管轄の年金事務所や事務センターであり、提出方法は窓口に直接持参するほか、郵送や電子申請などがあげられます。

なお、2020年の4月から、特定の法人を対象に電子申請の義務化が始まっているので、自社が当てはまっているか確認したのちに申請方法を決めるようにしましょう。

上記の特定の法人とは、
・資本金、出資金または銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
・相互会社
・投資法人
・特定目的会社
のいずれかを指しています。

随時改定に該当している場合は速やかに提出する必要があるため、できるだけ早めに月額変更届を所定の場所に提出しましょう。

また、通常の随時改定であれば添付書類は不要ですが、「年間平均の保険者算定」を申請するときは以下の書類が追加で必要です。

・年間報酬の平均で算定することの申立書(随時改定用)
・健康保険厚生年金保険被保険者報酬月額変更届・保険者算定申立に係る例年の状況、標準報酬月額の比較及び被保険者の同意書(随時改定用)

これら書類は日本年金機構のホームページでダウンロードできます。

参考:日本年金機構「主な届書様式の一覧

6.社会保険の随時改定は速やかに手続きしよう

書類を提出する様子

本記事では、随時改定の基礎概要、実施するための条件、書き方や提出方法を解説しました。
社会保険の随時改定は全員が実施できるわけではなく、3つの条件をすべて満たす必要があります。
また、月額変更届は早めの提出が推奨されているほか、複数書類を用意する場合もあるため注意が必要です。
そのため社会保険の随時改定に該当している方は、本記事の内容を参考にして速やかに手続きを行いましょう。

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目黒颯己

目黒颯己

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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