労働基準法の年間休日最低ラインは105日?法律の概要についても解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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労働基準法の年間休日最低ラインは105日?法律の概要についても解説

年間休日をチェックする

労働者を雇うときには、規定の休日を設ける必要があります。

労働者の雇用を守る法律として労働基準法があり、労働基準法には業務時間の上限や休憩の取り方とともに、休日に関する取り決めが盛り込まれているのです。

休日なしで働かせ続けることは労働基準法違反となるので十分に気をつけましょう。

この記事では、労働基準法が定める年間休日の考え方と数え方について詳しくご紹介いたします。

▼そもそも労働基準法とは?という方はこちらの記事をまずはご覧ください。
労働基準法とは?雇用者が押さえるべき6つのポイントを解説

自社の年間休日日数に不安はありませんか?

「「有給休暇は年間休日に含まれる?」
「世の中の平均的な年間休日数ってどのくらい?」
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など自社の年間休日や有給休暇の日数に不安がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方に向けて、当サイトでは「労働基準法年間休日解説BOOK」を無料配布しております。

本資料では、労働基準法に則った年間休日数の基礎知識はもちろん、違反とみなされる可能性のある休日日数や、逆に違反にならないケースなど、休日日数に関して網羅的に解説しております。

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労働基準法年間休日解説BOOK

1.労働基準法が定める年間休日の考え方・数え方とは

休日をカレンダーに書く

労働基準法の第35条には「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回、または4週間に4回の法定休日を与えなければならない」とあります。
また労働基準法32条では、労働時間の上限を1日8時間、週40時間までと定めています。

この2つの決まりを適用すれば、1日8時間の労働時間で年間に働かせることのできる日数の上限は260日程度となります。
つまり、最低限必要な年間休日数は、365日-260日という計算により105日ということになるのです。

労働基準法の35条に定められているのはあくまで法定休日の考え方です。

たとえば企業が労働基準法第35条の取り決めに応じて毎週1回の休日を設けた場合、年間の休日数は年間の週数と同じ52日前後にとどまります。
これでは、年間105日という休日の基準には遠く及びません。

そのため多くの企業では、年間の休日数の基準を満たすために、法定休日とともに法定外休日を設けているというわけです。

1-1. 年間休日を104日とする義務化はある?

2019年4月から新設された「高度プロフェッショナル制度」で働く労働者に対しては、年間104日以上、かつ4週を通じて4日以上の休日を確保することが義務付けられています。

高度プロフェッショナル制度とは、アナリストやコンサルタントなど高度な専門的知識をもち、高い年収を得ている労働者に適用される制度で、適切な健康・福祉措置をとったうえで労働基準法に定められた労働時間、休憩、休日、割増賃金に関する規定を適用しない制度です。

高度プロフェッショナル制度は適用するにあたって「高度な専門的知識をもっている」「業務範囲が明確」「年収が1,075万円以上」など高いハードルがあるため、適用される労働者はごくわずかです。

したがって、年間休日を104日以上とする義務化は、ほとんどの労働者には適用されないと考えてよいでしょう。

参考:「働き方」が変わります!!|厚生労働省

1-2.年間休日に有給休暇や夏季休暇は含まれる?

まず有給休暇は年間休日には含まれません。そもそも年間休日とは、社員全員に適用される休日休暇のことを指します。

それに対し有給休暇とは、条件を満たした労働者全員に付与される休日であり、全員が同じ日に取得することはありません。そのため、人それぞれ取得できる日数や取得する日程が異なる有給休暇は年間休日に含まれないのです。

完全週休2日という形で年間120日程度の休日を設定するほか、ゴールデンウイークや夏季休暇、年末年始休暇を長めに設定して年間の休日数を調整するケースもあります。

1-3.そもそも休日や休暇などの定義やその違いとは?

ここまで読んで、そもそも年間休日にある休日や休暇の違いがわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。休日や休暇だけではなく、振替休日や代休などの休みもあります。改めて各項目の定義も細かく紹介していきます。

休日
休日とは労働契約上、労働の義務がない日のことで、企業側が必ず労働者に与える義務があります。
休日の中でも、法定休日、法定外休日の大きく2つに分かれます。

休暇
労働の義務がある日に、企業側から労働を免除された日。
休暇の中でも、法定休暇と特別休暇の2つがあり、法定休暇の中に最も一般的な年次有給休暇があります。

振替休日と代休
振替休日や代休は、休日に労働を行った場合に、その代わりとして付与される休日のことです。
振替休日は、あらかじめ休日と定めていた日を事前に労働日として労働を行い、そのかわりに他の労働日を休日とすることです。
その一方、代休は休日労働があった後に、その代わりとして労働日を休日とすることをいいます。

関連記事:労働基準法に定められた休日とは?そのルールを分かりやすく解説

2.多くの企業は労働基準法をもとに適切な休日数を設定している

定められた休日

厚生労働省の就労条件総合調査によると、会社員が年間に取得している休日数の平均は113.7日です。
また、転職サイトDODAによる業種別休日数ランキングの調査では、年間休日数の平均は121.9日でした。

厚生労働省の調査では、金融業や保険業、情報通信業、電気ガス・熱供給・水道業、学術研究・専門技術サービス業、製造業(メーカー)では年間の平均休日数が120日以上に達していたといいます。
これに対し、外食や小売、サービス業、宿泊業などの接客業、運輸業、建設業などでは年間の平均休日数が100日に満たないケースも多いとされています。

一般的な企業が労働基準法をもとに設定している年間休日の平均日数は120日程度となります。
1年間には104日前後の土日があり、さらに祝日が16日あるのでこれを合計すれば120日ということになります。

つまり完全週休2日で土日を休日とし、さらに祝日やお盆、年末年始休暇を設定している企業であれば、年間休日数は120日以上になるのです。

3.労働基準法に置ける年間休日数の最低ラインでの働き方とは

青い背景とミニカレンダー

労働基準法の1日8時間から考えると年間休日の、105日とされています。
たとえば土日を完全に休日とする場合には、土日のみで年間休日数の105日に達してしまうことになります。

この場合には祝日の出勤が必要となるほか、ゴールデンウイークや夏季休暇、年末年始休暇の取得もできなくなってしまいます。
祝日や長期休暇のタイミングで休みを取得したいのであれば、土曜日に隔週出勤するなどの工夫が必要となります。

いずれにしても、年間休日数105日というのはかなり休日の少ない働き方ということになります。
もちろん、出勤する日が多ければ給与額が高まる可能性もあるため、休日の少なさは労働者にとって必ずしもマイナスになるわけではありません。

しかし、休息時間やプライベートの時間を十分に確保できないことは、労働者にとって大きな損失となってしまいます。

そのため労働者と企業側とでよく話し合い、労働者の意見を最大限汲み取った上で、年間休日数を設定することが大切です。

4.労働基準法の年間休日が105日を下回っても違法にならないケース

カレンダーにメモする

年間休日数の設定はあくまで基準ということになります。
状況によっては、年間休日数が105日を下回っても違法となりません。

年間休日数の少ない働き方には以下のような条件があります。

4-1.労働時間が短い場合

労働基準法における年間休日数の下限は105日とされていますが、これを下回っても必ず労働基準法に抵触するわけではありません。
労働基準法第35条の規定では労働者に毎週1回または4週間に4回以上の休日を与える必要があります。

また、労働基準法第36条には法定労働時間について、1日8時間、週40時間という定めがあります。

たとえば労働者の労働時間が1日6時間だった場合には、週6日勤務しても1週間の労働時間合計は36時間となります。
これは、労働基準法第36条の1日8時間、週40時間という取り決めの範囲内です。

この働き方を1年間続けた場合には、年間の休日数は52日前後となります。
しかし、週に1度休日を設定して週6日勤務という形式にしていれば、労働基準法には抵触しません。

つまり、労働時間を短く設定すれば年間の休日数が少なくても罰則の対象とはならないのです。

4-2.年間休日に有給休暇を含めて設計する場合

年間休日に有給休暇は含まれないとすでに説明したと思いますが、この特徴を活かして年間休日を100日で設定するケースがあります。

ではどうやって105日を満たすのかといいますと、年間休日100日と年次有給休暇を合わせて休日数を105日にするということです。

フルタイム労働者の場合、有給休暇は入社後6ヶ月働くと10日もらえます。フル消化は難しいかもしれませんが、2019年から有給義務化が始まったので年5日は必ず有給で休めるので、ちょうど105日になるというわけです。

ただ前提として労働基準法36条をクリアしていることが必須になるので、週6日出勤が必要になった際は該当者の出勤状況を注意深く確認するようにしましょう。

4-3.36協定を締結している場合

36協定とは、時間外・休日労働に関する協定届のことを指します。
これは労働基準法第36条に基づき、法定労働時間を超えて時間外労働をさせるときの取り決めです。

36協定では時間外労働の上限を月45時間、年360時間と定めています。
この範囲内であれば休日数が少なくなっても違法とはなりません。

ただし36協定は、社員の過半数で組織する労働組合との協定または社員の過半数を代表する人との協定が必要となります。
適用には所轄労働基準監督署への届け出が必須です。

また、36協定で時間外労働や休日労働をさせるときには、必ず所定の割増賃金を支給しましょう。

関連記事:労働基準法の第36条に定められた協定の内容や届出の記入法

4-4.特殊な労働形態を採用している場合

企業が変則労働制を採用しているのであれば、労働時間は1日単位ではなく月単位や年単位で換算されます。
変則労働制は、繁忙期に集中して働いてもらい閑散期に休日を設定したい場合などに向いています。

また、タクシー業界やホテル業界が変則労働制を採用する例もあります。
ほかに、フレックスタイム制や裁量労働制を採用している場合にも、労働基準法における年間休日の取り決めの適用外となるケースがあります。

本章で解説しているように年間休日が105日を下回っていても違反にならないケースもありますが、36協定を締結していない場合は法律違反になる可能性が高いです。そのため、用語の定義や休日・休暇の種類から正しく理解しなければなりません。

ここまで読んで、複雑な内容が多く、正しく理解できているか不安という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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5.労働基準法による年間休日を守るためには?

カレンダーにマークをつける

企業によっては十分な休日数の確保が難しいということもあるかもしれません。
また、繁忙期などの関係で休日出勤をお願いしなければならない事情も出てくると思います。

こういった事情が重なり法定休日を労働者に与えず働かせ続けてしまった場合には、労働基準法第119条の規定により6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されることになります。
企業は十分な休日を確保し労働者に提供する必要があります。

多くの労働者は、休日が少なく労働時間の長い企業に対して魅力を感じないものです。
休日を少なく設定していると、労働者はより年間休日数の多い会社を選んで転職してしまうかもしれません。

貴重な人材の流出を防ぐためにも、十分な休日数を設定するようにしましょう。
完全週休2日制や長期休暇の導入のほか、リフレッシュ休暇を定めるといった方法で休日数を増やすのも効果的な方法です。

6.労働基準法の年間休日の考え方を把握し、十分に休日を与えましょう

休日をチェックする

労働基準法をもとに労働時間を1日8時間、週40時間に設定しているのであれば、年間休日数の下限は105日となります。
労働時間や労働形式によって、必要な年間休日の日数は異なるので、法令を十分に確認しておくことが大切です。

休日は労働者にとって貴重なリフレッシュの時間となります。
労働者が気持ちよく働けるよう、十分な休日を設定するなどの配慮をしましょう。

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MEGURO

MEGURO

HR NOTEのライター、総合求人サイトとシニア向け情報メディアの立ち上げを経て、現在はjinjer blogの運営に携わっています。 事業視点から、バックオフィスの重要性を啓蒙するコンテンツを作っています。 保有資格:ファイナンシャル・プランニング技能士(3級)

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