連続勤務日数が13日を超えると違法になる?労働基準法の改正案と実務対応を解説
更新日: 2026.3.11 公開日: 2026.3.11 jinjer Blog 編集部

現行の労働基準法は「連続勤務日数○日まで」といった明確な上限規定を設けていません。
しかし、「毎週少くとも1回の休日」の原則に基づけば12連勤が可能であり、例外的に変形週休制などを活用すれば48連勤が可能になります。規制の中心は法定休日の付与にあり、休日の置き方次第では社員に長期の連続勤務をさせることができます。
厚生労働省の有識者会議(労働基準関係法制研究会)の報告書では、労働基準法の大改正に向けた検討論点の一つとして、過度な連続勤務を抑止する観点から「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を設けるべきと提言しています。
現時点ではあくまで検討段階であり、直ちに違法となるとは限りませんが、どのような内容が議論されているか把握しておくとよいでしょう。
参考:「労働基準関係法制研究会」の報告書を公表します|厚生労働省
本記事では、現行の労働基準法における連続勤務日数の上限の考え方と、労働基準法の大改正で14日以上連続勤務が違法になった場合の影響、シフト運用・就業規則・36協定などの見直しポイントについて解説します。
関連記事:連勤は何日まで可能?上限の12日や法律上違反になる場合も解説
人事担当者であれば、労働基準法の知識は必須です。しかし、その内容は多岐にわたり、複雑なため、全てを正確に把握するのは簡単ではありません。
◆労働基準法のポイント
- 労働時間:36協定で定める残業の上限時間は?
- 年次有給休暇:年5日の取得義務の対象者は?
- 賃金:守るべき「賃金支払いの5原則」とは?
- 就業規則:作成・変更時に必要な手続きは?
- 40年ぶりの大改正:人事担当者が押さえておきたい項目は?
これらの疑問に一つでも不安を感じた方へ。
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1. 連続勤務日数の上限が13日までになる?法改正の最新動向


本章では、改正議論の現在地を整理します。ポイントは、「4週4休の見直し」だけでなく、36協定により休日労働をおこなう場合も含めて、連続勤務の上限を設ける方向性が示されている点です。
「労働基準関係法制研究会報告書」でなぜ「14日以上の連続勤務禁止(=13日超の連続勤務禁止)」が検討されているのか、どのような制度変更が想定されているのかなどを確認します。
関連記事:2026年の労働基準法の改正は見送り?施行時期や議論中のテーマを解説
- この記事を執筆した社労士からのコメント
- 法改正は政策判断の影響を受けます。「労働基準関係法制研究会報告書」では、「13日を超える連続勤務」を含む労働者の負担を軽減する方向性が示されていました。しかし現政権は労働時間の上限規制の緩和を提言しており、議論されていた論点のいくつかは法制化されない可能性が生じています。
断片的な情報を鵜呑みにせず、引き続き最新の一次情報を確認し続けることが大切です。
1-1. 14日以上連続勤務禁止の改正内容はどうなる?
「労働基準関係法制研究会報告書」では、健康確保の観点から労働基準法上に「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を設けるべきと提言しています。これは実務上、14日以上の連続勤務を禁止する設計です。
36協定に休日労働の条項を設けた場合も含め、精神障害の労災認定基準も踏まえると、2週間以上の連続勤務を防ぐという観点から、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきであると考えられる。
また例外として、災害復旧や顧客・従業員の安全上やむを得ない場合などは労使合意のもと代替措置を検討すべきとしています。
1-2. なぜ14日なのか?
「14日以上連続勤務」を問題視する背景として、精神障害の労災認定基準における評価要素があります。労災保険における精神障害の認定基準では「2週間以上にわたって休日のない連続勤務」が心理的負荷となる具体的出来事の一つとして示されています。「労働基準関係法制研究会報告書」でも、精神障害の労災認定基準を踏まえ、2週間以上の連続勤務を防ぐという観点から整理されています。
長期連続勤務が常態化すれば、労災・安全配慮義務の観点からリスクが高まります。14日以上連続勤務禁止の狙いは、その入口で歯止めをかけることにあるでしょう。
1-3. 14日以上連続勤務禁止はいつから施行される?
2026年2月時点で施行日は確定していません。厚生労働大臣も会見で「2026年の通常国会での法案提出は、現在のところ考えていない」と発言しており、法制化・施行時期は流動的です。
参考:労働基準法の改正案、26年国会提出見送り 成長戦略会議踏まえ検討|日本経済新聞
1-4. 14日以上連続勤務禁止に違反した場合の罰則はどうなる?
改正後の条文設計(どの条文に、どの違反類型として位置付くか)次第で変わるものの、現行法でも休日付与(35条)や36協定に関する規定違反は罰則対象です。
労働基準法119条は、35条違反等について、「6ヵ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」を定めているため、35条違反と位置付けられた場合、この罰則の対象となります。
2. 現行法での連続勤務日数の上限は何日?


現行の労働基準法で「連続勤務日数」をどのように規制しているかを解説します。結論として、現行法は連続勤務日数そのものの上限を定めていませんが、理論上の所定労働日の上限は48日連続勤務です。
2-1. 原則:1週1休の場合12日間連続勤務
労働基準法35条は、労働者へ原則「毎週少くとも1回の休日」を与える義務を定めています(1週1休)。この原則だけを見ると「最大6連勤」と理解されがちですが、休日を週の端に配置すると、2週にまたがって最大12日間の連続勤務が成立します。
したがって、14日以上連続勤務禁止が導入された場合でも、休日労働をしない限り1週1休ベースの12連勤は上限規制に抵触しません。
2-2. 例外:4週4休の場合48日間連続勤務
労働基準法では週1回以上の休日を与える「1週1休」が原則ですが、例外的に4週間で4日以上の休日を与える変形週休制(4週4休)の導入も認められています。この制度を採用すれば、4週単位の中で任意の日に法定休日を付与することで、毎週の休日付与義務が適用除外となります。
例えば、4週間の最初の4日間と次の4週間の最後の4日間に休日をまとめて配置することで、その間に最大48日間の連続勤務が理論上可能になります。さらに注意点として、36協定を締結し届出をおこなえば、協定で定める上限日数まで休日労働をさせることができ、48日を超えて連続勤務させられます。
法改正で14日以上連続勤務が禁止された場合、4週4休の特例は運用できる範囲が大きく制限され、現行のような連続勤務を伴う休日設計は維持しにくくなる可能性があります。
3. 14日以上連続勤務禁止への人事実務の対応


14日以上連続勤務が禁止となった場合、どのような対応を検討すべきでしょうか。結論としては、「勤務シフト」「就業規則」「36協定」「労働条件通知書」「周知」の5点を同時に整合させることが重要です。
3-1. 勤務シフトの作成ルール見直し
現場で発生する連続勤務の大半はシフト設計と運用ルールに起因します。連続勤務日数の上限をシフト作成する際に明文化し、可能であれば勤怠システムで自動検知するような設計としましょう。
現状把握(過去データで検証)
勤務実績から、個人別の最大連続勤務日数、発生部署、発生要因(欠員、繁忙、障害対応など)を抽出します。その際、連勤が発生した要因の分類は不可欠です。なぜなら、連続勤務の抑制は健康確保の観点から重要である一方、災害復旧やシステムトラブル対応などでやむを得ない連勤が生じてしまう場合に例外運用とするかどうかを検討する必要があるためです。
社内基準の設定
社内ルールとして、少なくとも「13日超の連続勤務を発生させない」基準を設けます。労務リスクを低減する観点では、連続勤務日数はより短く設計することが望ましいといえます。
なぜなら、連続勤務日数の上限ぎりぎりの水準で休日を設定し、業務上の必要から休日労働をおこなうと、結果として14日以上の連続勤務が発生してしまうためです。とくに繁忙期や突発対応が発生する部署では、休日勤務発生の可能性を加味し休日を設定するとよいでしょう。
勤怠システムの設定
対応した勤怠システムであれば、「休日日数が規定に満たないシフトの提出をブロックする」「連続勤務が一定日数に到達した時点で管理者にアラートを出す」「その月の法定休日/所定休日の休日区分を管理者側であらかじめ設定する」などが可能です。必要に応じてこれらの設定を検討するとよいでしょう。
例外運用の規定
「労働基準関係法制研究会報告書」が例外(災害復旧等、顧客・従業員の安全)を論点としていることを踏まえ、例外を認める場合は「原因の限定」「責任者承認」「代替措置」などをあらかじめ定めておきましょう。
3-2. 就業規則の改定
就業規則は、絶対的必要記載事項として「休日・休暇および交替制就業に関する事項」の記載が義務づけられています。4週4休を採用している場合、現行運用の継続が難しくなる可能性があるため、新たに連続勤務上限と矛盾しない休日設計へ見直す必要があります。
また1週1休を採用している場合も含め、休日勤務は14日以上連続勤務とならない範囲でおこなうこと、連続勤務上限の例外運用や代替措置の記載を検討するとよいでしょう。
関連記事:就業規則とは?人事担当者が知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説
3-3. 36協定の見直し
労働基準法第36条は、休日労働をさせる場合「休日に労働させることができる休日の日数」を協定で定めて、労働基準監督署へ提出することを義務づけています。現行法ではこの日数に制限はありません。
ただし、「労働基準関係法制研究会報告書」では休日勤務の日数に制限がないことを問題視していると読み取れます。今後の法制化の方向次第では、13日超の連勤を許容する協定運用の設計は不適合となる可能性があるため、動向を注視しましょう。
関連記事:36協定における残業時間の上限を基本からわかりやすく解説!
3-4. 労働条件通知書の見直し
労働条件通知書も必要に応じて更新しましょう。労働条件通知書には休日に関する事項を明示する義務があります。休日を4週4休で記載している場合、見直しが必要となるでしょう。
関連記事:労働条件通知書とは?雇用契約書との違いや記載事項の内容、法改正の明示ルールを解説
3-5. 現場の管理職・従業員への周知
最後に、新たな連続勤務上限ルールの周知も不可欠です。従業員や、実際にシフトを編成・管理する管理職や現場責任者へ教育をおこないましょう。
具体的には、原則「13日連続を超えるシフト作成や休日勤務は禁止」であること、例外とすることができる条件など実務上の判断基準を周知します。
4. 4週4休を採用している企業は法改正の動向に注視しよう


現行制度で4週4休を採用している企業は、現在議論されている労働基準法大改正の最新動向に特に注意が必要です。
4週4休は業種や繁忙状況によっては実務上便利な面がある一方、休日をまとめて付与できる分連続勤務が長期化しやすいリスクがあります。極端な長期間の連勤も可能なため、実質的に廃止・制限される見込みです。
法改正の正式な決定までには不確定要素もありますが、従業員に無理な連続勤務をさせないことは労働者の健康確保の観点からも重要です。法改正の動向に注視しつつ、健全な働き方へ自社の就業ルールをアップデートしていくことが求められています。



人事担当者であれば、労働基準法の知識は必須です。しかし、その内容は多岐にわたり、複雑なため、全てを正確に把握するのは簡単ではありません。
◆労働基準法のポイント
- 労働時間:36協定で定める残業の上限時間は?
- 年次有給休暇:年5日の取得義務の対象者は?
- 賃金:守るべき「賃金支払いの5原則」とは?
- 就業規則:作成・変更時に必要な手続きは?
- 40年ぶりの大改正:人事担当者が押さえておきたい項目は?
これらの疑問に一つでも不安を感じた方へ。
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