労働基準法における退職の定義と手続き方法を分かりやすく解説 | jinjerBlog

労働基準法における退職の定義と手続き方法を分かりやすく解説

手続き

労働基準法には退職に関する具体的な定義がありません。

そのため、従業員の退職に関しては民法の規定が適用されます。

民法では、2週間前に会社に対して退職の申し出をすれば、自由に辞められると定義されています。
この記事では、従業員の退職の定義と手続き方法、退職に関するトラブルの解決方法を解説します。

▼そもそも労働基準法とは?という方はこちらの記事をまずはご覧ください。
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人事担当者など従業員を管理する役割に就いている場合、雇用に関する法律への理解は大変重要です。
例外や特例なども含めて法律の内容を理解しておくと、従業員に何かあったときに、人事担当者として適切な対応を取ることができます。

今回は、労働基準法の改正から基本的な内容までを解説した「労働基準法総まとめBOOK」をご用意しました。

労働基準法の改正から基本的な内容まで、分かりやすく解説しています。
より良い職場環境を目指すためにも、ぜひご一読ください。

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1.労働基準法における退職の定義

定義

退職とは労働者からの申し出により、労働契約を終了することです。
実は、労働基準法に退職に関する明確な定義は定められておらず、あくまで労働者の自由であるとされています。
そのため、労働者の退職は、就業規則以外に、民法の規定を適用します。

2.労働基準法における退職の手続き方法

手続き方法

前述のように、従業員の退職は民法が適用され、さらに、雇用期間に定めがあるか否かによっても扱いが異なります。[注1]

[注1]E-Gov法令検索.「民法(明治二十九年法律第八十九号)」

2-1.雇用期間に定めのない者の退職(無期雇用)

正社員・パート、アルバイトを問わず、雇用期間の定めのない従業員は、民法上、退職の2週間前までに口頭や文章で申し出ればよいとされています。(民法第627条第1項)

そのため、仮に就業規則に規定されている期限を過ぎていても、会社側は退職の申し出を受理しなくてはいけません。

関連記事:労働基準法による退職届は何日前までに必要?法的ルールを解説
関連記事:労働基準法上は退職2週間前通知で大丈夫?スムーズな手続き方法

2-2.雇用期間に定めのある者の退職(有期雇用)

雇用期間に定めのある従業員の場合、雇用契約の満了により労働契約が終了するため、更新をしなければその時点で退職となります。
また、基本的には雇用契約の途中で退職はできません。

ただし、労働者にやむを得ない事情(育児、介護、など)がある場合は、雇用契約を解消し退職できるとしています。(民法第628条)
やむを得ない事情がないにも関わらず、雇用契約を解消する場合は、会社との合意が必要です。

2-3.雇用期間に定めのある者で1年以上経過している場合

雇用期間に定めのある者の中でも、例外的に途中退職が認められるケースがあります。
雇用契約期間が1年以上の場合、契約日期間の初日から1年を過ぎていれば、使用者に申し出ることでいつでも自由に退職できます。これを「契約期間の経過措置」といいます。(労働基準法 第137条)

2-4.就業規則の規定よりも民法が優先される

就業規則で退職について規定していた場合も、手続き上は民法の規定が優先されます。
そのため、「退職の際は〇ヵ月前までに申し出ること」と書いていても、左記を理由に退職を引き留めることは法律上できません。

3.労働基準法上の退職に関するトラブル 

トラブル

退職に関するトラブルでは、従業員に対して損害賠償請求ができるケースと、会社側が訴えられてしまいかねないケースがあります。
それぞれのケースを把握し、トラブルなく退職手続きを行いましょう。

3-1.有期雇用者が一方的に退職したケース

有期雇用者がやむを得ない理由もなく、会社との合意もないままに一方的に退職した場合、会社側は従業員に対して損害賠償請求が可能であると、民法上定められています。

これとは逆に、会社側に過失(賃金の未払いやパワハラ・セクハラなど。)があった際は、従業員が一方的に退職したとしても、損害賠償を請求される可能性があります。

3-2.無期雇用者が引継ぎをせず退職したケース

無期雇用者は法律上2週間前に申し出れば退職できますが、引継ぎなどを一切せずに辞めてしてしまった場合、会社側は従業員に対して損害賠償請求が可能です。
とはいえ、このようなトラブルを避けるためにも、退職方法を事前に従業員に周知するなどの対策も必要でしょう。

3-3.労働条件が異なっていたケース

実際に就業した結果、会社側が提示した労働条件と著しく異なっていた場合、従業員は労働契約を即時解除できます。
さらに、就職のため転居をしていたなら、14日以内申請により帰郷費用を会社側が負担しなくてはいけません。(労基法第15条)

著しく異なるとは、次のようなケースがあげられます。

・無期雇用と記載して募集していたたにもかかわらず、採用時は有期雇用だった。
・求人票に記載されている給与と採用時の給料が明らかにことなり、事前に説明も受けていない。

求人票の内容は曖昧に記載しないことや、入社時には労働条件など正しく説明し、合意を得る必要があります。

3-4.会社側が違法な引き止めをしてしまったケース

会社側が退職する従業員に対して、「引継ぎが見つかるまで退職を認めない」「退職金を支払わない」などと無理に引き止めてしまうと、録音され、労働基準監督署や弁護士に相談されるケースも考えられます。
労働者が退職を申し出た際は、法律に則った対処をしましょう。

関連記事:労働基準法に退職金の規定はある?金額の決め方を詳しく解説

4.2週間前に申し出れば、従業員は自由に退職できる

自由退職

民法では、従業員は退職を希望する2週間前までに会社に申し出ることで、いつでも自由に退職できると定められています。
しかしながら、2週間前に申し出れば全てのケースが認められるわけではなく、引継ぎをせずに退職するなど、会社に損失を与えた場合は損害賠償請求が可能となります。
退職トラブルを避けるためにも、就業規則の遵守を促すことや、信義誠実の原則に従わない場合の罰則などについて、事前に周知するとよいでしょう。

関連記事:労働基準法に定められた「退職の自由」の意味を分かりやすく解説

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人事担当者など従業員を管理する役割に就いている場合、雇用に関する法律への理解は大変重要です。
例外や特例なども含めて法律の内容を理解しておくと、従業員に何かあったときに、人事担当者として適切な対応を取ることができます。

今回は、労働基準法の改正から基本的な内容までを解説した「労働基準法総まとめBOOK」をご用意しました。

労働基準法の改正から基本的な内容まで、分かりやすく解説しています。
より良い職場環境を目指すためにも、ぜひご一読ください。

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