MBOとOKRの違いとは?6つのポイントでわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

MBOとOKRの違いとは?6つのポイントでわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

MBOとOKRの違いとは?6つのポイントでわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

MBOとOKRの違いとは?6つのポイントでわかりやすく解説

5つ星目標管理ツールというと一般的にはMBOの名が出てくる企業は多く、広く一般的に使われていることがわかります。一方でOKRという管理ツールも近年注目を集めており、MBOとの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。MBOとOKRの違いを5つのポイントに焦点を当てて詳しく解説します。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

人事評価のebook

1. MBOとは?

目標の積み木MBOとは「Management By Objectives(目標管理制度)」の略です。1954年に経済学者のピーター・F・ドラッガーの著書『現代の経営』によって提唱されました。

MBOは従業員個人やグループで設定した目標がどれだけ達成されたかで評価を決める制度です。各自が企業目標について考え、さらに自己目標で企業に貢献するという参画意識を持たせることで、仕事へのモチベーションを高めることができます。

目標設定のポイントは以下のとおりです。

  • 明確で具体的
  • 目標のレベルが高すぎず低すぎず適正
  • 時間軸の設定
  • 企業目標と個人目標の関連付け

上司やリーダーは個々の従業員の能力と成果を引き出すことが重要なため、成果主義にならないよう注意する必要があります。プロセスの管理や確認、目標達成のための軌道修正を促すなど、あくまでアドバイザーやサポート役として動くことが大切です。

1-1. MBOのメリット・デメリット

MBOにはメリット、デメリットそれぞれあります。MBOのメリット、デメリットは次のとおりです。

メリット ●従業員のモチベーション向上

●従業員の能力向上

●組織運営に統一が生まれる

デメリット ●管理職の負担増加

●職種によっては目標が設定しづらい

MBOは従業員自身が目標を設定するため、従業員それぞれのモチベーションや能力向上につながります。一方、管理者は従業員の目標達成率の測定やフィードバックなど、負担が増加してしまうというデメリットもあります。

2. OKRとは?

OKR

OKRとは「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略です。アメリカのインテル社で50年前に生まれ、現在ではGoogle社などのシリコンバレー大手企業が導入していることで注目を集めています。

OKRは「全従業員が同じ結果を求めて明確な優先順位を持ち、一定のペースで計画を進めること」をゴールと定めているのが特徴です。ゴールに向かって高い頻度で設定と追跡、再評価をおこないます。

OKRはMBOで得られる効果をより高くするために開発されました。急速に変化していく現代、イノベーションを引き起こすためにも従業員と企業が一体となりたいという企業ニーズが浸透理由のひとつです。

2-1. OKRの仕組み「O:Objectives」

企業目標を指し、以下のような定義があります。

  • 定性的な目標
  • 従業員のモチベーションを引き上げるチャレンジングなもの
  • シンプルで覚えやすいもの
  • 1~3ヵ月(四半期)で達成できるもの
  • 数字を使わない抽象的なもの

従業員のモチベーションを高め、シンプルであることを基本とします。

2-2. OKRの仕組み「KR:Key Results」

主要な結果を指し、先に設定した目標の進展度をはかる細かい指標でもあります。

  • 数値で測れる
  • 個数は2~5個
  • 頑張れば達成できそうな目標(ストレッチ目標:60~70%達成で成功)

KRの特徴は数値的に測れることです。ひとつのObjectiveにはKRが多くても5つ程度がよいとされ、多すぎは従業員同士のコミュニケーションの妨げになりかねません。目標の難易度も「不可能ではない」「頑張れば達成できそう」と感じさせるストレッチがかかったものが望ましいです。そのため60~70%を達成すれば成功とみなします。

ただしこれは「ムーンショット」と呼ばれる難易度の高い目標を立てた場合であり、実現可能な難易度の「ルーフショット」と呼ばれる目標の場合は100%達成で成功となります。ルーフショットはOKR導入直後など、まだ目標達成が難しい時期におすすめです。

2-3. OKRのメリット・デメリット

OKRのメリット、デメリットは次のとおりです。

メリット ●組織と従業員とが同じ方向を向ける

●柔軟な対応ができる

●業務の優先度を把握しやすい

デメリット ●運用に負担がかかる

●従業員のモチベーションが低下しかねない

OKRは組織全体が目指す目標を設定したうえで部署や個人の目標を設定します。そのため、組織と従業員とが同じ目標に向かって動きやすいでしょう。また、従業員は目標達成のためにどのような業務を優先すればよいのかも把握しやすくなります。

一方、OKRは高い目標に対して60~70%を達成とみなすため、従業員にとっては負担と感じるかもしれません。

3. MBOとOKRの違いを6つのポイントで解説

5つのポイント

MBOとOKRはどちらも目標管理ツールです。しかしMBOとOKRには明確な違いがあります。それぞれの違いを5つのポイントに焦点を当てて解説します。

3-1. 目的

MBOは従業員の業績を可視化することで評価し、報酬を決定することが主な目的です。結果として個々の従業員に焦点を当てる目標管理の方法といえます。

一方でOKRの目的は企業としての目標達成であり、個々の従業員の報酬は関係ありません。従業員全員が共有することになる目標が「なぜこの内容なのか」を理解させるのに役立つのも異なる点です。

共通する目的もあります。生産性の向上です。設定した目標を達成することでより高い生産性を目指しています。

3-2. サイクル期間

MBOでは一般的に半年~1年周期で目標達成度合いを業績として分析し評価します。評価対象もあくまでその従業員個人です。

一方のOKRは1ヵ月~3ヵ月(四半期)という短期間で見直しをおこないます。短いサイクルで分析・評価することで、こまめに目標の軌道修正ができるのが大きな違いです。

3-3. 上司と部下の面談頻度

MBOでは、評価や進捗の確認をおこなうための面談を6ヵ月または1年に1回のペースで実施するのが一般的です。

MBOは従業員個人が業務の進捗を管理したり、実行したりすることで人材育成を促す側面があり、頻繁に確認をおこなう必要がないためです。

一方、OKRは企業目標の達成を最終目標としているため、タスクが計画通りに進行しているかどうか、上司が適宜チェックする必要があります。

そのため、上司と部下が話し合う頻度もMBOより高く、制度の導入当初は週1回以上のペースで面談をおこなうのが一般的です。

高頻度で1対1の面談をおこなうためには、面談の方法そのものを簡素化し、時間や手間を省く工夫が必要となります。

例えばWeb会議ツールなどを導入し、いつでもどこでも手軽に面談をおこなえる環境を整えておくと、部下の物理的・心理的なプレッシャーを軽減できるでしょう。

3-4. 共有範囲

MBOでは目標をはじめとしたさまざまな情報は、各従業員とその上司、報告を受け取る人事担当者と限られた中での共有です。あくまで個人情報として扱われるため、開示されることはありません。報酬に直結しているためでもあります。

一方のOKRでは目標は企業全体のものです。そのため個人のものはもちろん、チームの目標も開示されます。全体が透明化しているためコミュニケーションも取りやすく、業務の効率化が可能です。

3-5. 計測方法

MBOでは評価方法は企業ごとに異なるのが一般的です。目標の達成度合いが影響する定量評価だけでなく「技術習得」などの数値化できない定性評価もあります。

一方でOKRでは目標は定性的で数値はありませんが、定量的に評価指標が併記される決まりです。評価はあくまで定量のみのため、明確であるとともに厳格なものになっています。

3-6. 達成の期待水準

MBOでは目標の達成がそのまま従業員の評価に直結するため、100%近く、場合によっては100%以上の成果を求められます。評価がしにくくなるという理由で目標の変更が認められていないこともあり、当初の予定と異なる状況に見舞われる可能性もあります。

一方のOKRで求められる達成率は60〜70%と低めに抑えられています。これは100%達成できる目標は簡単すぎて生産性が低いとみなされるためです。ゆえに、達成できるギリギリの目標を立てることで、企業や従業員の成長を少しでも高い位置まで引き上げるのがよいとされます。数値では低い期待水準でも、内容は決して易しいものではありません。

4. MBOとOKRのどちらを選ぶべき?

2つのはてな

まずは自社がどのような企業かを確認しましょう。従業員の人事評価にも活用するのであればMBOが合っています。個人の目標を企業やチームの目標と連動しやすいことから、階層的な管理体制になっている企業向けです。

企業全体で生産性の向上を目指し、変化にも対応しやすい管理体制ならOKRが合っています。即座に対応が必要な企業向けです。

MBOもOKRもそれぞれに一長一短があるため、自社の方向性に合ったものを選びましょう。

4-1. MBOとOKRは併用可能

MBOとOKRはそれぞれにメリット、デメリットがあります。両者を併用することで、メリットを生かしつつ、デメリットを補うことが可能です。

例えばMBOは給与に関係する目標設定であるのに対して、OKRは従業員の給与ではなく、企業としての目標達成のための目標設定です。例えばOKRでは挑戦的な目標管理をして、MBOでは従来の目標管理をするといったような使い分けが可能です。

まずは自社の状況を洗い出して、どのような目標管理方法が適しているかを確認しましょう。

5. 自社に合った目標管理方法を選ぼう

ポイントを指す女性

MBOとOKR、2つの目標管理ツールについて解説しました。目標を従業員の評価にもつなげるMBOと、あくまで企業全体の目標として扱うOKRと、どちらにも長所があります。

しかしその長所を生かすためには企業の体質と合わなければ意味がありません。自社に合うのはどちらのタイプなのか、方向性や体制などをよく分析してピッタリなツールを選んでください。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

人事評価のebook

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事