メルクマールとは?意味や設定方法・導入するメリットを解説
更新日: 2024.10.18
公開日: 2024.5.31
OHSUGI
「メルクマールの意味は?」
「メルクマールの設定方法は?」
「メルクマールを導入するメリットは?」
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
メルクマールは、プロジェクトを効率よく管理して遂行させるために有効な指標の一つです。上手く設定することで、最終目標までの道のりが可視化されて管理しやすくなります。
本記事では、メルクマールの意味や導入メリット、設定方法について解説します。混同しやすい類語との違いについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. メルクマールとは
メルクマールとは、最終目標達成までの過程や中間目標のことです。途中結果を確認するチェックポイントとして用いられます。企業の最終目標を達成するために、メルクマールの設定は欠かせません。
メルクマールは、ドイツ語の「Merkmal」が語源で、「思い出す」「気づく」を意味します。英語が由来であるとよく勘違いされがちですが、実はドイツ語に端を発しています。
メルクマールは、法律業界や医療業界でも用いられる言葉です。ただし、ビジネスシーンとは異なった意味で利用されます。
医療業界では治療効果などの「評価指数」として用いられ、法律業界や金融業界では「判断基準」として用いられます。
1-1. ビジネスシーンでのメルクマールの使い方
ビジネスシーンにおいて、メルクマールはプロジェクトの進捗管理をおこなう場面で良く使われます。例えば、営業で売上1億円達成を最終目標としている場合、その目標に対して成約率30%をメルクマールとして設定するようなことが挙げられるでしょう。
営業であれば成約率以外に、架電件数やリピート率などもメルマークとして設定されることが多いです。また、マーケティングであればCV数やPV数、回遊率、採用活動であれば応募者数や内定率などがメルクマールとして使われることがあります。
2. メルクマールとマイルストーン・KPI・ベンチマークの違い
メルクマールと似た用語「マイルストーン」「KPI」「ベンチマーク」について、それぞれの違いは下記のとおりです。
用語 | 意味 |
メルクマール | 最終目標達成までの「過程」「中間指標」「達成度」 |
マイルストーン | 最終目標達成までの「通過点」 |
KPI | 最終目標達成までのプロセスを示す「重要業績評価指標」 |
ベンチマーク | 競合他社等との比較をおこなう際の「基準点」 |
本来マイルストーンは、距離を測るための「1マイルごとに置かれた石」を意味していました。もとの意味が転じて、どのくらい進んだかを示す指標となったのです。
マイルストーンは「中間地点からゴールまでの過程」、メルクマールは「事業開始から中間地点までどのくらい進んだのか」を意味します。
KPIは、目標達成までの進捗を計測する「中間管理指標」の意味を多く含んでいます。メルクマールも同じ意味を持ちますが、対象が中間管理指標だけではありません。
KPIとメルクマールは非常に似ている用語ですが、メルクマールは広義を持ち、業界によって異なる意味を持つことも特徴です。
また、ベンチマークは、他社との比較をおこない自社のパフォーマンスを測る際に主に使われるもので、メルクマールとは設定する目的が大きく異なります。
3. メルクマールを設定する重要性
メルクマールの重要性は、最終目標を達成する過程における基準や具体的な施策を明確化できる点にあります。
中間に具体的な指標を設定することで、最終目標までの道筋がわかりやすくなるでしょう。仕事の進捗状況を把握しやすくなるため、問題が発生した際の軌道修正にも便利です。
また、成果を数値で管理できるため、弱点を見つけやすく改善する際にも役立ちます。会社の利益アップや成長のために、メルクマールの設定は不可欠といえるでしょう。
従業員同士が積極的にコミュニケーションを取ることで、問題点にも気づきやすくなります。
4. メルクマールの設定方法を3ステップで解説
メルクマールの設定方法は以下の3ステップです。
- 最終目標の設定
- メルクマールの設定
- 短期目標の設定
4-1. 最終目標の設定
はじめは、最終的に達成したい目標を設定します。最終的にどうなりたいかを考え、検討しましょう。
最終目標を設定するポイントは、目標を数値化し達成までの期限を設けることです。数値化すると目指すべき基準が具体的になり、計画を立てやすくなります。
最終目標を達成するまでの期間が長すぎると、計画を立てることが難しくなり、途中で挫折しやすくなります。そのため、現実的に無理のない期間で最終目標を立てることを心がけましょう。
4-2. メルクマールの設定
次に、中間目標となるメルクマールを設定します。最終目標までの全体像に対して、半分程度の期間・内容で達成したいことを検討しましょう。
メルクマールを達成した際は、その時点までの反省点や修正点を振り返ります。メルクマールから最終目標までの道のりに反映することで、着実に最終目標達成を実現できるためです。
一区切りとなることを意識して、どの程度の目標であれば効果的なメルクマールとなるかを考えるといいでしょう。
メルクマールを設定すると、従業員の継続意識もわきやすくなり達成感も味わえます。結果として、従業員の仕事に対する意欲の維持やマンネリ化の防止につながるでしょう。
4-3. 短期目標の設定
最後に、短期目標の設定をします。達成感を得るためにも、1週間程度の短いスパンで達成できる目標を設定しましょう。
短期的な目標を確実にクリアすることが、メルクマールを達成し、最終目標に到達することにつながります。
短期目標は、複数設定しても問題ありません。短期目標が計画通りに進まない、もしくは達成できない場合、よりハードルの低い目標を再検討するといいでしょう。
5. メルクマールを導入する3つのメリット
メルクマールを導入するメリットは下記の3つです。
- 課題を明確化できる
- 問題発生時に軌道修正がしやすい
- 従業員の意欲向上につながる
5-1. 課題を明確化できる
メルクマールを設定すると、目標を達成した項目と未達成の項目がわかり、課題が明確になります。目標未達成となった項目の原因解明や解消を行い、達成することで課題を乗り越えられるでしょう。
最終目標を達成するためには、その手間にある中間地点を必ず通過しなければいけません。つまり、中間地点で課題を解決できなければ、最終目標が達成できない、もしくは課題を抱えたままの状態になります。
業務の遅れが生じたり、最終目標を達成できなかったりすることを避けるため、課題を明確にし解決することが重要です。
5-2. 問題発生時に軌道修正がしやすい
中間地点で進捗状況と課題を整理することで、問題点を把握でき軌道修正がしやすくなります。問題点を放置する、もしくは気づかないなどの事態を回避できるでしょう。
例えば、設定した期間までに遅れが発生している場合、メルクマールを振り返りどこで遅れが発生しているか確認できます。
反対に、スムーズに進んでいる場合も成功理由の分析が可能です。問題点の発見や、成功のポイントを深掘りすることで、今後の事業展開に活用できるでしょう。
5-3. 従業員の意欲向上につながる
メルクマールを設定すると、従業員の意欲向上につながります。最終目標に向けた進捗具合を意識できるうえ、メルクマール達成の際にも達成感を得られるためです。
目標を達成する度に課題を見直したり、よかった点を褒めたりすることで従業員の自主性が芽生え、成長につながるでしょう。
6. メルクマールの達成に重要な3つのポイント
メルクマールの達成に重要なポイントは以下の3つです。
- 具体的で現実的な目標を設定する
- 情報共有を密におこなう
- コミュニケーションを積極的にとる
6-1. 具体的で現実的な目標を設定する
メルクマールは、最終目標達成に向けて取り組む指標になるため、具体的で現実的な目標を設定しましょう。目標がはっきりしておらず現実的ではないと、従業員のやる気が下がる可能性があるためです。
適切な目標を設定しなければ逆効果になる場合があります。達成までチーム全体が一丸となって取り組めるよう、具体的かつ現実的であるかを意識して目標を設定しましょう。
6-2. 情報共有を密におこなう
メルクマールを達成するためには、密な情報共有がポイントとなります。メルクマールを導入する際は、従業員に「導入する目的」や「メリット」をわかりやすく説明することが重要です。
導入後は、定期的な情報共有の場を設け、報告の頻度を取り決めるとよいでしょう。情報を共有し、指示やアドバイスをすることで効果的に進められます。
6-3. コミュニケーションを積極的にとる
従業員のやる気が低下しないよう、積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。日々コミュニケーションを取ることで、問題点もいち早く見つけられるでしょう。
組織が一丸となり目標に向けて取り組むことが大切なため、いい点・悪い点どちらも伝え合うことが重要です。
特に組織の管理職は、従業員が目標を意識できる声掛けをおこなうよう心がけましょう。コミュニケーションを活性化することで、目標に対して意識を高められることにつながります。
7. 目標を達成するためにメルクマールを活用しよう
メルクマールとは、最終目標達成までの過程や中間目標のことです。最終目標を達成するために、メルクマールの設定は欠かせません。
メルクマールを設定すると目標までの過程が明確になり、問題点も見つけやすくなります。
従業員との積極的な情報共有や、コミュニケーションをとることが大切です。具体的で明確なメルクマールを設定して、従業員の成長につなげましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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