リソース管理とは?種類・やり方・成功させるポイントをわかりやすく解説
更新日: 2024.12.9
公開日: 2024.12.9
OHSUGI
「リソース管理とはどういうもの?」
「リソース管理のやり方は?」
上記の疑問をお持ちではありませんか。
リソース管理とはヒトやモノ・カネなどの経営資源を最大限に活用し、効率的にプロジェクトを進めるための手法です。プロジェクトの成功には、リソースの適切な管理が欠かせません。
本記事では、リソース管理の概要や、対象となるリソースの種類、やり方、成功させるためのポイントなどを詳しく解説します。効果的なリソース管理をおこない、プロジェクトを円滑に進めましょう。
目次
1. リソース管理とは
リソース管理とは、ヒトやモノ、カネなどの限られた経営資源(リソース)を効率的に活用し、プロジェクトや業務を成功に導く手法です。
リソースには設備や資金といった目にみえる有形資産だけでなく、スキルやノウハウなどの目に見えない無形資産も含まれます。
リソースは無限ではないため、限られた資源の中で最大限の成果を出すことが不可欠です。適切にリソースを配分し、計画的に管理することで、プロジェクトが順調に進行する可能性が高まります。
2. リソース管理の対象となる種類
リソース管理の対象となる種類は、以下のとおりです。
- ヒト
- モノ
- カネ
- 時間
- 情報
- 知的財産
2-1. ヒト
リソース管理の中で最も重要なのが「ヒト」、つまり「人的リソース」です。
プロジェクトを成功させるには、適切な人材の確保と管理が欠かせません。しかし、人的リソースの管理はほかのリソースと比べて複雑です。
スキルや経験は個々で違い、さらに感情やモチベーションなどの心理的要素も考慮する必要があります。
従業員一人ひとりのスキルや経験・キャパシティを正確に把握し、それぞれに合った業務に配置することが重要です。
ヒトのマネジメントには、以下のような方法があります。
- ストレスマネジメント
- スキルマネジメント
- パフォーマンスマネジメント
- 人材管理マネジメント
2-2. モノ
リソース管理において「モノ」の管理も欠かせません。モノは「物的リソース」とも言われ、以下のようなものが該当します。
- 設備
- 備品
- 車両
- 建物
- 生産機器
上記に加え、ソフトウェアやサーバーなどのデジタル資産も対象です。
物的リソースが適切に管理されていないと、プロジェクトの進行に支障をきたすおそれがあります。
プロジェクトに必要な物的リソースを事前に把握し、必要なタイミングで使用できるように準備しましょう。
リソースが不足している場合は、新たに購入するなどの調整が必要ですが、その際には資金とのバランスも考慮する必要があります。
2-3. カネ
リソース管理の対象の一つは「カネ」です。カネとは経営資金のことで、以下のようなものが対象となります。
- 現金
- 株式
- 債権
- 借入金
- プロジェクトメンバーの給与
カネは、設備や備品の購入、さらには人材の確保にも不可欠です。しかし、資金管理が不十分であれば、プロジェクトの途中で資金が不足し、失敗するリスクがあります。
プロジェクトにかかる費用を正確に計算し、どのように資金を配分するか慎重に検討しましょう。必要に応じて、融資を受けるなどの資金調達方法を検討することも大事です。
2-4. 時間
「時間」もリソース管理の対象の一つです。時間には以下のようなものが該当します。
- プロジェクトの期間
- 各タスクの締め切りまでの期間
- 従業員の稼働時間
時間は目に見えないリソースであるため、常に意識して管理することが必要です。
だれがどのタスクに、どれだけの時間を費やしているのかを正確に把握し、時間がかかる業務に対しては効率化を図ることが求められます。
従業員を無制限に労働させることはできません。タスクの優先順位を明確にし、重要な仕事から進めることが重要です。
また、各タスクにも個別に期限を設定し、プロジェクト全体の進捗を管理することも求められます。時間の管理をしっかりとおこなうことで、プロジェクトの遅延を防げるでしょう。
2-5. 情報
「情報」も経営資源の一つです。近年、情報は特に重要な経営資源として認識されています。
情報とは企業の運営に必要なさまざまなデータや知識です。具体的には以下のようなものが対象となります。
- 売上データ
- 顧客情報
- 製品の製造技術
- ノウハウ
- 業務マニュアル
情報をシステムやExcelで管理し、必要な人が適切にアクセスできる状態を整備すれば、業務のスピードと正確性が向上します。
一方で、情報が流出すると企業にとって大きなリスクとなるため、セキュリティ対策も欠かせません。
情報を資源として捉え、適切に管理し活用することが重要です。
2-6. 知的財産
知的財産もリソース管理の対象となります。
知的財産とは、企業が開発したアイデアや発明、創造物などです。会社の利益を生み出す重要な資源であるため、他社に無断で使用されないように保護する必要があります。
特許や商標権などの法的手段を活用し、知的財産を適切に守りましょう。
3. リソース管理のメリット
リソース管理をおこなうメリットは、以下の3つです。
- プロジェクトの全体像をつかめる
- 限られた経営資源を最大限に活用できる
- トラブルを事前に回避できる
3-1. プロジェクトの全体像をつかめる
リソース管理をおこなうメリットは、プロジェクトの全体像をつかめることです。
リソース管理によって、プロジェクトに必要な要素が明らかになり、プロジェクトの規模や難易度を正確に把握することができます。
具体的には、以下の要素をリソース管理で把握することが可能です。
- プロジェクト遂行にかかる期間
- プロジェクトに必要な人数
- プロジェクトにかかる費用
- プロジェクト遂行に必要なスキルや知識
プロジェクトの全体像が理解できれば、リソースを最適に配分できます。その結果、プロジェクトを効率よく進められるでしょう。
3-2. 限られた経営資源を最大限に活用できる
リソース管理をおこなうことで、限られた経営資源を最大限に活用できます。
適切にリソースを管理すれば、ヒト・モノ・カネなどの経営資源を効率よく配分できるためです。
例えば、従業員のスキルを正確に把握し、適材適所に配置できれば、業務効率が大幅にアップします。
時間や資金も適切に管理することで、プロジェクトの円滑な進行に期待できるでしょう。リソース管理を徹底すれば、限られた経営資源を無駄なく活用できます。
3-3. トラブルを事前に回避できる
トラブルを事前に回避できることも、リソース管理をおこなうメリットの一つです。
リソース管理を実施することで、以下のような問題を早期に予測し、適切な対策を講じることができます。
- 人員不足
- 予算不足
- 納期遅れ
また、特定のメンバーに負担が集中することも避けられ、オーバーワークや燃え尽き症候群も予防できます。
適切なリソース管理により、プロジェクトの進行がスムーズになり、予期せぬトラブルにも迅速に対応できるでしょう。
4. リソース管理の具体的なやり方
リソース管理の効果的なやり方は、以下の流れです。
- 現状あるリソースを一覧化する
- 必要なリソースを把握する
- リソースを配分し計画を実行する
- 計画を評価し修正する
4-1. 現状あるリソースを一覧化する
リソース管理の第一歩は、「現状あるリソースを一覧化」することです。
プロジェクトに投入できる資金、各メンバーのスキルや稼働時間など、あらゆるリソースを正確に把握し、一覧にまとめましょう。
この際、「人的リソース」には特に注意が必要です。人的リソースは個人のスキルや経験、時間管理などに依存するため、管理が難しい場合があります。
メンバーごとのスキルや経験などを正確に見極め、適切に割り当てることが重要です。
4-2. 必要なリソースを把握する
次に、プロジェクトを進める上で必要なリソースを把握します。プロジェクトの目的を達成するために、どのリソースが必要かを明確にしましょう。
例えば、以下のようなリソースを明らかにします。
- プロジェクトに必要な人員数
- 求められるスキルや知識
- 予算
- モノや設備
- 情報
- 知的財産
リソースを把握する際には、突発的な状況に対応できるよう、余裕を持たせることが重要です。余裕があることで、トラブルにも柔軟に対応できるでしょう。
4-3. リソースを配分し計画を実行する
必要なリソースを把握したあとは、現状あるリソースを適切に配分し、計画を実行します。
プロジェクトにどのくらいのリソースを投入するのか、どの人員をどのタスクに割り当てられるのかを慎重に検討しましょう。
リソースの偏りや不足を防ぐことで、プロジェクトを円滑に進められます。
4-4. 計画を評価し修正する
計画を実行したあとは、進捗状況を確認し、必要に応じて修正をおこないます。
プロジェクトが計画どおりに進むことは稀です。進行中にさまざまな課題や問題が発生します。
定期的に計画を評価し、問題があればただちに修正しましょう。
問題をいち早く発見するためには、プロジェクトメンバーと定期的にコミュニケーションを取ることが重要です。
同じ問題が再発しないよう、原因を分析し、適切な対策を立てることも求められます。
5. リソース管理を成功させるポイント
リソース管理を成功させるポイントは、以下の2つです。
- 業務適性を正確に判断する
- 進捗状況を定期的に確認する
5-1. 業務適性を正確に判断する
リソース管理の効果を最大限に引き出すためには、各メンバーの業務適性を正確に判断することが不可欠です。
メンバーはそれぞれ強みと弱みを持っています。個々の特性を理解し、適材適所に配置することで、業務効率が向上するでしょう。
例えば、細かい作業が苦手な人でも、対人スキルを活かして営業などの分野で優れた成果を上げられるかもしれません。
もし適性に合わない業務に配置されると、ストレスが増え、パフォーマンスが低下するリスクがあります。
メンバーとのコミュニケーションを密に取り、スキルや特性をしっかり把握しましょう。
5-2. 進捗状況を定期的に確認する
プロジェクトの進捗状況を定期的に確認することも、リソース管理を成功させる秘訣です。
プロジェクトが計画どおりに進むことは少なく、予期せぬ問題やタスクが頻繁に発生します。
進捗確認の際には、以下の項目を確認しましょう。
- スケジュールは順調に進んでいるか
- リソースに偏りはないか
- タスクの優先順位は適切か
進捗に問題があれば、計画を見直し、リソースの再分配やスケジュールの再調整をおこない、プロジェクトの円滑な進行を確保する必要があります。
6. リソースを適切に管理して限りある経営資源を最大限に活用しよう
リソース管理とは経営資源を効果的に運用するための手法です。
経営資源にはヒトやモノ、カネ、時間、情報、知的財産などさまざまな資源が含まれます。中でも重要となる経営資源は「人的リソース」です。
従業員のスキルや経験を的確に把握し、適切な業務に配置することで、プロジェクトはよりスムーズに進行します。
適切なリソース管理をおこない、限られた経営資源を最大限に活用し、プロジェクトを成功に導きましょう。
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