従業員エクスペリエンスとは?向上させる5つのコツを紹介
更新日: 2024.7.2
公開日: 2022.12.3
OHSUGI
近年、ビジネスシーンにおいて従業員エクスペリエンスの注目度が高まりつつあります。従業員エクスペリエンスとは、従業員が職場で享受する全ての経験のことです。
本記事では従業員エクスペリエンスを高める方法やメリットについて詳しく紹介していきます。
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方はこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 従業員エクスペリエンスとは
従業員エクスペリエンスは従業員エンゲージメントと混同されることも多く、少し意味があいまいになりやすいです。どのようなものか、基本から確認していきましょう。
1-1. 仕事や労働環境に対する従業員の満足度
従業員エクスペリエンスとは、従業員がその企業で働く中で得る経験のことで、英訳したときのEmployeeExperienceの頭文字を取ってEXとも呼ばれます。
従業員の経験とは、会社組織で働く中での経験のほか、自身の健康状態、スキルアップの目標、満足度など、会社にいる時間に経験できる全ての要素を指します。
従業員が会社で過ごす時間に何を体験し、どのように考えたり感じたりしたのかに着目するのが従業員エクスペリエンスのポイントです。従業員が仕事をする中での満足度や幸福度を高めることを従業員エクスペリエンスの定義とすることも多いです。
1-2. エンゲージメントとの違い
従業員エクスペリエンスとエンゲージメントは、どちらも会社に対する満足度や意欲に関係するものです。どちらも重要なものですが、少し違いがあります。
従業員エンゲージメントは、従業員が「会社に対して貢献したいという意欲」や「会社に対する信頼感」などを指すものです。一方で従業員エクスペリエンスは、「職場での体験によって変化する心理状態」を指すことが多いです。従業員エクスペリエンスの方がより広い意味を持っており、職場での心理状態だけでなくライフサイクル全体に関係するものです。
また、従業員エクスペリエンスを高めるエンゲージメントも向上するため、双方は密接な関係にあります。
1-3. 従業員エクスペリエンスが重要な理由
終身雇用の時代には、従業員は企業の論理や方向性に従うことが当然とされてきました。しかし近年では終身雇用の制度が崩壊し、転職しながらスキルアップを目指すビジネスパーソンが増加しつつあります。また、生産人口の減少やコロナ禍の影響などによって離職が加速し、一部の企業は存続が危ぶまれる状況になっています。
従業員エクスペリエンスは、従業員を自社に定着させることを主目的とした施策です。人材が流出しやすい今の時代だからこそ重要視されており、企業の成長や存続には欠かせないものになりつつあります。
2. 従業員エクスペリエンスを向上させるメリット
従業員エクスペリエンスの向上によって、企業には以下のような数多くの良い効果がもたらされます。
2-1. 帰属意識が高まりやすくなる
従業員エクスペリエンスを向上させるよう意識すれば、従業員の帰属意識は高まりやすくなります。
帰属意識とは企業という集団に所属している自覚のことです。終身雇用の時代、多くの会社員には当然のように帰属意識が身についていました。しかし近年ではよりよい環境を求めて転職するのが当たり前となっていることから、帰属意識も低下しやすくなっています。
帰属意識の低下は従業員の離職につながりやすくなります。多くの従業員が離職した場合には日々の業務に支障が生じやすくなる上、人材の確保にも大きな手間やコストがかかってしまいます。
従業員の離職を防いで定着率を上昇させるためにも、従業員エクスペリエンスの向上は欠かせません。
2-2. 生産性が向上しやすくなる
従業員エクスペリエンスの高い企業ほど事業の生産性向上が実現できているといわれます。従業員が多くの良い体験をして充実した日々を送ることによって、個々のモチベーションは上昇し、パフォーマンスも向上しやすくなります。
個人のパフォーマンス向上はやがてチーム全体に伝播します。結果として、生産性向上という良い効果が企業全体にもたらされやすくなるのです。
2-3. 企業価値の向上につながる
従業員エクスペリエンスの向上は企業価値を向上させることにもつながります。
従業員が日々の仕事に充実感を覚え、高いモチベーションを維持して取り組んでいる企業では、不平や不満が噴出することはほぼありません。結果として企業の評判が良くなり、優良企業として認識されやすくなります。
優良企業であるという認識が広がれば企業のブランディング力も自然と向上します。好循環を生み出すためにも、ぜひ従業員エクスペリエンスを意識した施策を実践してみましょう。
このように、従業員エクスペリエンスを向上させることにはいくつかのメリットがあります。
そもそも、従業員エクスペリエンスを向上させるには、現在従業員がどのような点に満足し、どのような点に不満を持っているのかをしておくことが必要です。当サイトでは、そのような従業員の会社に対する満足度をはかる「従業員満足度調査」の方法や調査後の満足度向上策を解説したハンドブックを無料でお配りしています。従業員エクスペリエンスの向上に必要なことを知りたい方は、こちらから「従業員満足度のハンドブック」をダウンロードして参考にしてみてください。
3. 従業員エクスペリエンスを向上させる5つのコツ
従業員エクスペリエンスの向上は、企業や従業員に多くのメリットがあることがわかりました。
単に待遇を良くすれば従業員エクスペリエンスが向上するというわけではありません。ここからは、従業員エクスペリエンスを向上させるためのポイントについて説明します。
3-1. 従業員を理解してサポートする
個々の従業員を十分に理解することが、従業員エクスペリエンスを高めることにつながります。従業員と日常的なコミュニケーションを取ることに加え、こまめな面談や調査の機会を設けることも重要なポイントです。面談や調査によって企業の問題や従業員が抱える悩みが明らかになり、早期解決をしやすくなるでしょう。
3-2. 従業員の主体性を意識する
従業員エクスペリエンスの改善を上層部だけでおこなおうとしても、なかなかスムーズに進みません。
従業員を置き去りにした施策を実行すると、かえって疎外感から従業員のモチベーションが低下してしまう可能性も考えられます。
組織は従業員が一丸となって動かしていくものと考え、従業員を巻き込むような改善策を検討しましょう。主体性を意識して従業員エクスペリエンスの改善をすれば、従業員はアクティブな気持ちを持てるようになっていきます。
3-3. エンプロイジャーニーマップを作成する
従業員エクスペリエンスを可視化するためにエンプロイジャーニーマップを作成する企業もあるものです。エンプロイジャーニーマップとは従業員が職場で体験できる事柄を時系列ごとにまとめた表のことです。
エンプロイジャーニーマップを作ることによって従業員エクスペリエンスは可視化され、従業員の体験と心情の変化を具体的に理解できます。
従業員が抱く不満や問題点を事前に把握しやすくなるのも、エンプロイジャーニーマップを作成するメリットです。
採用から退職までの一連のフローを盛り込み、従業員がどの場面でどんなエクスペリエンスを得るのかを整理しましょう。
3-4. オフィス環境を改善する
オフィス環境の改善も従業員エクスペリエンス向上に効果を発揮します。
良好なオフィス環境が整っていれば従業員はクリエイティビティな刺激を受けることができ、良いアイディアが生まれやすくなります。また、従業員同士の活発なコミュニケーションが展開されやすいのもオフィス改革を進める良さです。
オフィスは単に仕事をする場ではなく、従業員が一日の大半の時間を過ごす重要な拠点です。従業員エクスペリエンス向上を目指し、ぜひオフィスの環境改革に踏み切りましょう。
3-5. 調査やデータ収集を実施する
従業員エクスペリエンスの向上のために調査やデータ収集をおこなうのも有効な方法です。
従業員が普段の業務の中で何を体験しているのか、現状にどのような不満を抱いており何を求めているのかといった情報を効率的に収集しましょう。
従業員満足度調査や従業員意識調査などを通して定期的なデータ収集を実施し、その内容を仔細に分析すれば実用的なフィードバックを得ることができます。
3-6. 従業員の能力開発や学習の機会を作る
新しいスキルを身に着けたり、保有している能力を伸ばせたり、スキルアップを目指せる機会を会社側が作ることも大切です。
自分の成長を実感でき、それが評価されれば従業員エクスペリエンスは非常に高くなります。同時に「もっと貢献したい」という意識も生まれるため、人材の育成も効率的に進みます。
勉強会や資格取得の補助など、会社独自の手当支給も含めてぜひ検討してみましょう。
4. 従業員エクスペリエンスを向上させて会社の発展につなげよう
終身雇用制度の崩壊によって離職率が増加の一途をたどり、人手不足に悩まされる企業も増えてきました。その対策として大きな効果を発揮するのが従業員エクスペリエンスの考え方です。
従業員エクスペリエンスとは従業員が組織の中で経験すること全てを指します。従業員エクスペリエンスを改善することによって定着率アップやモチベーション向上といった多くの効果が見込めます。
エンプロイジャーニーマップを作成し従業員の視点で改革をするなどの工夫で、従業員エクスペリエンスの向上に注力してみましょう。
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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