社内アンケートの作成方法や集計のコツを詳しく解説
更新日: 2026.3.31 公開日: 2022.11.11 jinjer Blog 編集部

社内でどのような意見があるか、従業員がどのように考えているかを把握する方法として、ミーティングがあります。ですが、ミーティングは時間がかかってしまううえに、関係性によっては本音を引き出せないかもしれません。
そこでおすすめなのが社内アンケートの実施です。今回は社内アンケートを実施する目的と作成方法などを解説します。
目次
従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 社内アンケートを実施する目的とは


社内アンケートを実施する目的とは、経営方針が浸透しているか、人事や福利厚生などの社内制度に対しての従業員の意見や満足度がどれくらいか、管理者が部下を適切にマネジメントできているかなどを測ることです。
労働時間管理や業務量の適正化、マネジメント体制の状況などは、外部指標だけでは正確な判断ができません。そこで社内アンケートを実施し、従業員の認識を数値として取得することで、改善の方向性を明確にできます。
また、アンケート内容によっては、制度運用の理解度や職場のコミュニケーション状況など、労務リスクにつながりやすい領域を早期に把握することも可能です。
課題の原因を推測ではなく実測値から捉えることで、改善施策の優先度を整理できるので、組織運営の精度向上につながります。
2. Webで社内アンケートを作成する5つのメリット


Webフォームを利用した社内アンケートは、紙やExcelを用いた従来の手法と比べると集計作業がスムーズになります。
Web上で回答できるので従業員の負担を減らせるのはもちろん、集計や進捗確認を自動化できるため、担当者の作業工数を大幅に削減できます。また、回答漏れの自動チェックやアクセス権限の管理など、Webならではの機能がミス防止や情報セキュリティの強化にもつながります。
ここでは、業務効率化やリスク低減の観点から、Webアンケートの具体的なメリットを整理します。
2-1. 集計にミスがない
Webアンケートは、選択肢の集計や自由回答の分類を自動で処理できるため、手作業で発生しがちな入力ミスや計算間違いなどのヒューマンエラーを防げます。
紙やExcelで集計をおこなう場合、転記作業や関数設定の誤りによるズレが起こりやすく、担当者の確認作業にも多くの時間を要します。一方、Webアンケートは回答がデータベースに直接蓄積されるため、集計処理が自動化され、正確な結果を短時間で確認できます。
さらに、回答者数の増加や設問数が多い場合でも、集計ミスのリスクがないのは大きなメリットです。
2-2. リアルタイムで進捗を確認できる
Webアンケートでは、回答状況を管理画面上でリアルタイムに把握できるのがメリットです。部署別や職位別の回答率を瞬時に確認できるため、回答が遅れている部門へのリマインドや、締め切り調整などの対応も効率的におこなえます。
従来の紙ベースでは、アンケート回収状況を逐一確認する手間がかかり、集計作業も回答の回収後にまとめる必要がありました。Web形式であれば、回答の入力と同時にデータが集められるので、期間中の傾向把握や途中段階の分析も可能になります。
これにより、担当者は進捗管理にかかる負担を軽減し、スムーズにプロジェクトを進められるというメリットも得られます。
2-3. 回答漏れや白紙回答をなくせる
Webアンケートには、未回答項目がある場合に送信できない仕組みや、入力形式に誤りがある際に警告を表示する機能が搭載されています。そのため、紙やExcelでよく見られる回答漏れや白紙提出といった問題を防げるというメリットがあります。
また、設問ごとに必須項目を設定できるので、分析に必要な情報を確実に収集できるのもメリットです。特に大規模なアンケートの場合、回答の欠損が多いと分析結果の精度に影響が出てしまいますが、Web化によりデータ品質を高めることができます。
担当者は回収後の確認作業も削減できるので、効率的な運用が可能です。
2-4. 回答者にわかりやすいように設計できる
Webアンケートであれば、回答者にわかりやすい設計ができるというメリットがあります。例えば、「①の質問で“はい”と回答した人のみ②に進む」といったように複雑な質問の場合、紙ベースのアンケートでは混乱することがあるかもしれません。しかしWebアンケートであれば、②を回答する必要がない“いいえ”と回答した人に対しては、②を非表示するといったことも可能です。
わかりやすい設問設計は回答率向上にもつながるので、アンケート全体の精度を高める効果も期待できます。
2-5. 情報漏洩のリスク防止
Webアンケートでは、アクセス権限の管理やデータの暗号化など、情報セキュリティを確保する機能が充実してるので、情報漏洩のリスク防止に役立つというのもメリットです。
紙アンケートでは紛失や不正閲覧のリスクがあり、Excel形式でもパスワード管理が不十分な場合に情報流出の可能性が生じます。これに対し、Web形式では回答データをシステム上で一元管理し、閲覧権限を限定することでリスクの抑止が可能です。
また、ログ管理によってアクセス履歴を確認できるため、不正利用を防ぐ仕組みも整っています。組織内で個人情報を扱うアンケートは、安全性を確保した運用が不可欠なので、Webアンケートはその観点からも優れた選択肢といえるでしょう。
3. 社内アンケートを進める5つのステップ


社内アンケートを効果的に運用するためには、目的設定から集計・分析までのプロセスを体系的に進めることが重要です。組織では、部署間の業務特性や就業環境が異なるため、全体最適の観点でアンケート設計をおこなう必要があります。
目的が曖昧なまま実施すると、収集したデータが活用されず、改善施策にも結び付きません。アンケートは単なる調査ではなく、組織課題を把握し改善につなげるための手段となります。ここでは、実施から集計・分析までの流れをステップごとに解説します。
3-1. アンケートの目的とゴールを明確にする
アンケートを開始する前には、取得したい情報や解決したい課題を明確にすることが必要です。目的が不明確なまま設問を作成すると、回答にばらつきが生じ、分析結果の精度も低下します。
例えば、従業員満足度の可視化を目的とする場合と、業務負荷の適正性を確認する場合では、必要な設問内容が大きく異なります。また、調査後にどのような改善策を実行するかを想定しておくことで、設問の粒度や回答方式を適切に選択できます。
目的とゴールを整理するプロセスは、アンケート全体の質に直結し、収集データを効果的に活用するための基礎となります。
3-2. 回答率を上げるルール作り
有効なデータを得るためには、回答率を上げるルール作りが不可欠です。回答の任意性が高すぎると、特定層の意見しか集まりません。これでは組織全体の実態を正確に把握できないので、選択できる回答を用意するなどの工夫が必要です。
また、実施期間を明確に設定し、部署単位での回答状況を確認できる体制を整えるため、業務時間内に回答できる環境づくりや管理職への協力依頼も効果的です。
Webアンケートの場合は、リマインド通知や回答期限の自動表示など、回答を促す機能を活用することで、無理なく参加率を高めることができます。適切なルール設定は、分析結果の信頼性を高めるための重要なポイントです。
3-3. アンケート内容と回答形式の設計
目的に沿った設問を作成するためには、質問文の表現や回答形式の選択が重要です。
回答形式は、選択肢方式、5段階評価、自由記述など複数の方法があり、必要な情報の性質に合わせて使い分ける必要があります。また、設問が多すぎると回答負担が増え、無回答や途中離脱につながる恐れがあるので、重要度の高い項目を優先し、関連する質問はまとめて配置しましょう。
さらに、誤解を招かない明確な表現にすることで、回答の精度が向上します。
3-4. アンケートの配信・回答の収集
アンケートの配信方法は、回答率や回収スピードに直結します。
Webアンケートの場合、メール配信や社内ポータルへの掲載など複数の方法を組み合わせることで、従業員がアクセスしやすい環境を整えられます。配信時には目的や利用範囲を明確に記載し、安心して回答できる状況を確保することが求められます。
また、回答期間中は進捗を確認し、必要に応じてリマインドをおこなうことで、回収漏れを防げます。紙形式と比べて回収作業が効率化される点もWeb配信の利点であり、短期間での実施にも適した方法といえます。
集計するときのコツ
アンケートを集計する際は、グラフや折れ線グラフを適切に使い分けましょう。ひとつの質問に対して単一の回答である場合は円グラフや帯グラフが、複数選択の回答であれば棒グラフを使うとわかりやすいでしょう。
社内アンケートにおけるクロス集計とは、勤続年数×アンケート回答、人事評価×アンケート回答などが挙げられます。クロス集計をおこなうことで、どういった従業員がどういった回答をする傾向にあるかが把握可能です。
3-5. 集計・分析で課題を可視化
アンケートの集計・分析では、組織全体の傾向と部署ごとの差異を把握することが重要です。特に、回答が低評価に集中している項目は、業務負荷やマネジメントの問題など改善が必要な領域が示されている可能性があるので見逃さないようにしましょう。
また、自由記述の内容から具体的な要因を読み取ることで、数値だけでは把握できない課題も明らかになります。
分析結果は、課題の可視化により優先度を整理し、改善施策の方向性を決定するための基礎資料です。定量データと定性データの両面を活用し、より精度の高い可視化を目指しましょう。
4. 効果的に社内アンケートを効果的に実施するポイント


社内アンケートは、単に質問を並べるだけでは不十分です。従業員の満足と不満を引き起こす要因を理解し、体系的に質問を設計しなければ意味がありません。
ここでは、ハーズバーグの二要因理論を基にした質問設計の考え方と、具体的な質問項目例を紹介します。
4-1. ハーズバーグの二要因理論とは
フレデリック・ハーズバーグが提唱した二要因理論とは、従業員の「満足」と「不満足」がそれぞれ異なる要因によって引き起こされると考える理論です。
一つは「動機付け要因(モチベーター)」と呼ばれ、仕事への達成感、承認、仕事そのもののやりがい、責任、昇進、成長などが含まれます。これらが満たされると従業員の満足感が高まり、積極的に業務に取り組むようになるでしょう。しかし、これらが不足していても、直接的な不満には繋がりません。
もう一つは「衛生要因(ハイジーンファクター)」です。会社の経営方針、給与、人間関係、労働条件、職場環境などが該当します。これらが満たされない場合、従業員は強い不満を抱きますが、満たされたとしても満足度が大きく向上するわけではなく、不満が解消されるに過ぎません。
この理論の重要な示唆は、不満を解消するだけでは従業員のやる気は高まらないという点です。真に従業員のエンゲージメントやモチベーションを向上させるには、衛生要因で不満を取り除きつつ、動機付け要因へ積極的にアプローチをおこなう事が不可欠であると考えられています。
4-2. 質問設計の基本的な視点と項目例
社内アンケートを効果的におこなうためには、単に質問を並べるだけでは不十分です。従業員の満足と不満足を引き起こす要因を理解し、体系的に質問を設計するようにしましょう。
回答者の基本情報に加えて二要因理論に基づく「動機付け要因」と「衛生要因」を測る設問を用意します。
関連記事:社内アンケートの具体的な質問例を厳選7項目38問で紹介!作成時の注意点とは?
回答者の基本情報
回答者の基本情報は以下の情報です。
- 性別
- 年齢層
- 所属部署
- 役職
- 勤続年数
ただし、社内アンケートを匿名でおこなう場合は注意が必要です。
ただし、あまり詳細を質問すると、匿名であっても回答者がわかってしまう可能性があります。
また、回答者としても「特定されるかもしれない」と不安に思って実際よりも良い点数をつけてしまうこともあるかもしれません。
また、集計するときにわかりにくくなるため、年齢や勤続年数は一定の区切りを設けて設定すると良いでしょう。
動機付け要因に関する項目
従業員の「やる気」や「働きがい」に直結する要因を把握するための設問項目です。
仕事のやりがいや評価の正当性、裁量権について質問します。
|
質問カテゴリ |
質問例 |
|
仕事内容 |
・現在の仕事にやりがいを感じますか? ・仕事を通じて自己成長を実感できていますか? ・仕事内容が自身の適性や興味に合っていると思いますか? |
|
承認・評価 |
・自身の業務における貢献が、正当に評価されていると感じますか?」 ・上司や同僚から、自身の仕事が認められていると感じる瞬間がありますか? |
|
責任・裁量 |
・自身の業務において、ある程度の裁量を持って進める事ができていますか? ・重要な意思決定に、自身の意見が反映されていると感じますか? |
衛生要因に関する項目
従業員の「不満」や「ストレス」の軽減に直結する要因を把握するための設問項目です。これらが不足すると、従業員満足度が低下する可能性が高まります。
|
質問カテゴリ |
質問例 |
|
職場環境 |
・職場の設備(デスク、PC、会議室など)は、業務をおこなう上で十分快適ですか? ・集中して仕事に取り組める環境が整備されていますか? |
|
人間関係 |
・チーム内のコミュニケーションは円滑におこなわれていますか? ・困った事があった際、安心して相談できる同僚や上司がいますか? |
|
マネジメント |
・上司からのフィードバックは、具体的で分かりやすいと感じますか? ・上司は、メンバーの意見や提案を真摯に受け止めてくれますか? |
|
ワーク・ライフ・バランス |
・現在の業務量で、仕事とプライベートのバランスが取れていると思いますか? ・有給休暇や育児・介護休暇などを、気兼ねなく取得できる雰囲気がありますか? |
|
企業文化・コンプライアンス |
・自由に意見を言える風通しの良い企業文化だと思いますか? ・ハラスメント対策やコンプライアンス教育は適切におこなわれていますか? |
5. 社内アンケート結果を改善施策に活かす方法


アンケート結果を効果的に活用するためには、集計後の分析から改善施策の立案、実行までの流れを組織的に進める必要があります。単にデータを収集するだけでは、従業員の課題が解決されず、調査の信頼性も損なわれます。
改善策を適切に実施し、結果を次回調査に反映させることで、アンケートの継続的な価値を高めることができます。ここでは、分析結果を改善施策に活かす方法を解説します。
5-1. 集計結果を活かすポイント
集計結果を活かすためには、組織全体と部署ごとの傾向を比較し、課題の優先度を整理することが重要です。特に、自由記述の内容は具体的な要望が含まれることが多く、定量データを補完する情報として価値があります。
結果を社内へ共有する際は、個人が特定されない形式でまとめ、透明性を確保することが信頼につながります。分析結果を適切に整理することで、改善施策の精度を高めることができます。
5-2. 改善策の実施方法
改善施策の実施では、優先度と実現可能性を基準に計画を立てることが求められます。業務負荷の偏りや評価制度への不満などアンケートで明らかになった課題に対して、短期的に改善可能な内容と、中長期的に取り組む内容を区別して進めるという実施方法が効果的です。
また、施策の目的と期待される成果を明確にし、関係部署と連携しながら実施すると、取り組みの実効性が高まります。
改善は継続的にフォローし、実施後の変化を測定する仕組みも整えておきましょう。
5-3. フィードバックを次回に活かす
アンケート結果と改善施策の内容を従業員へ適切にフィードバックすることは、調査に対する信頼性を高めるうえで欠かせません。結果の共有が不十分だと、調査が形骸化し、次回の回答率が低下する原因になります。
フィードバックでは、改善に向けた取り組み状況や、組織としての方針を明確に伝えることが重要です。また、施策の効果を定期的にモニタリングし、その結果を次回アンケートの設計に反映させることで、調査の精度を高められます。
継続的な改善サイクルの確立は、アンケートの価値の持続につながります。
6. 社内アンケートは集計ミスが少ない方法で作成しよう


社内アンケートを効果的に活用するためには、目的設定から設問設計、回収、分析までのプロセスを丁寧に進めることが重要です。Web形式を活用すれば、集計ミスの防止や進捗管理の効率化が可能となり、組織全体の実態を正確に把握できます。
また、動機付け要因と衛生要因を分けた設問設計や、属性情報を踏まえた分析により、課題の可視化が進み、改善策の精度も高まります。社内アンケートを正しく実施し集計することで、従業員の意見や満足度が把握できます。状況に応じた対策を講じて従業員が働きやすい環境を整えましょう。



従業員の定着率の低さが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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