パルスサーベイとは?目的や実施するメリットをわかりやすく解説
更新日: 2024.7.4
公開日: 2022.11.9
jinjer Blog 編集部
企業にとって従業員が自社に満足しているか、業務に負担を感じていないかを把握することは重要です。これらの問題を見過ごしてしまうと離職につながってしまいます。
従業員の満足度や業務の負荷について把握する際に役立つのがパルスサーベイです。
今回はパルスサーベイの意味や実際に行う際の質問例を紹介します。
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方はこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. パルスサーベイとは?
まずはパルスサーベイとはどのようなものなのか、実施する目的と合わせて知っておきましょう。
1-1. 意識調査方法のひとつ
パルスサーベイとは簡易的な質問を通して、従業員が自社に対して満足しているか、業務負担がないかなどを把握する方法のことです。
パルスサーベイと似た言葉として、モーラルサーベイが挙げられますが、両者は以下のとおり異なります。
- パルスサーベイ:毎日、週に1回、月に1回といった短いスパンで実施
- モーラルサーベイ:年に1回、数ヶ月に1回といった比較的長いスパンで実施
1-2. パルスサーベイの目的
パルスサーベイを実施する主な目的な、社内の課題に対して迅速に対応したり、従業員のモチベーションやエンゲージメントを向上したりすることにあります。
従業員の意識調査をおこなうことで抱えている不満や問題を把握し、それに対応することでよい影響をもたらすことが目的です。
問題の解決による安心感に加えて、従業員はパルスサーベイとその結果に向かい合う会社側の姿勢を見て信頼感を持ち、モチベーションが高まることが期待されます。
また、パルスサーベイは短期間で繰り返し実施されるため、自社内で簡単に調査が可能です。
設問数や回答工数を減らせば従業員側の負担も少なく、低負担・低コストの意識調査ができる点もパルスサーベイをおこなう理由のひとつです。
2. パルスサーベイのメリット
パルスサーベイのメリットは他の従業員に対する調査よりも、タイムリーに問題解決に取り組めるという点です。また、質問数が少なく、従業員側の労力や会社側のコストも抑えやすい点も大きなメリットです。
2-1. 従業員の満足度がタイムリーに把握できる
パルスサーベイは従業員満足度調査よりも、短いスパンで実施されます。そのため、従業員がどういう点で自社に満足していないかがタイムリーで把握可能です。迅速に従業員が抱えている問題を把握できれば、ヒアリングや対応もすぐにできるため長期間不満を抱える従業員は減るでしょう。
従業員満足度調査のようにスパンが長い場合、不満を抱えていた従業員が対策を講じるまでに退職してしまう恐れがあります。一方、パルスサーベイであれば迅速に対応可能なため、離職を防げるでしょう。
2-2. 自社内でコストを抑えて実施しやすい
従業員満足度調査を実施する場合、質問数が多くなるため、質問の設定や集計、分析に時間がかかってしまいます。従業員が少ない、調査に十分な時間が割けない企業は外部の調査会社に委託することもあります。一方、パルスサーベイは用意する質問数が少ないため、自社のスタッフでも運用可能です。
従業員側も時間的な負担が少ないため、業務を圧迫したりパルスサーベイがストレスになってしまったりするリスクが低いです。
2-3. エンゲージメントが向上する
パルスサーベイを利用することで、従業員満足度向上が期待できます。パルスサーベイでは頻繁に従業員が抱える悩みや不安を拾い上げられるため、迅速なフォローが可能です。そのため、フォローされた従業員側も会社の対応に安心してくれるでしょう。結果、従業員の自社に対する満足度向上につながります。
エンゲージメントの向上はモチベーションの回復や維持に直結します。会社全体の業績アップや従業員間の関係改善にも一役買ってくれるでしょう。
2-4. オンボーディングとして活用可能
パルスサーベイは新入社員や異動で新たに配属された従業員のオンボーディングに活用可能です。オンボーディングとは新しいメンバーの順応を促す取り組みです。
パルスサーベイによって短期間で繰り返し、新たに配属された従業員の状態を調査することで、問題点に対して早めに対応できます。
環境に慣れていない従業員でも、短時間でできるパルスサーベイなら負担になりにくく、会社側の取り組みに安心感を持ってもらえる効果も期待できます。
2-5. 従業員のメンタルヘルスを細かに把握できる
企業には従業員の健康面に配慮した経営が求められています。なかでも従業員のメンタルヘルスに対するケアは重要な課題です。
パルスサーベイは従業員が抱えている業務や会社に対しての悩みがわかるため、メンタルヘルスの状態を細やかに把握しやすくなります。
すぐに解決できない問題だとしても、会社側が理解する姿勢を示すだけでも従業員のメンタルは回復します。
メンタルヘルスの問題は隠れてしまいやすいため、深い部分まで把握したい場合はパルスサーベイの設問内容や実施方法には工夫をしなければなりません。
パルスサーベイを含む従業員満足度調査方法を理解したい方はこちらから「従業員満足度のハンドブック」をダウンロードしてご活用ください。
3. パルスサーベイの質問項目例
パルスサーベイの質問は次の3つに応じて作成します。
- 従業員幸福度・満足度について
- 経営理念・ビジョンの浸透について
- 業務について
それぞれの項目に2つ~3つ程度の設問数が適しています。どのような問いがよいのか、具体例を見ていきましょう・
3-1. 従業員幸福度・満足度について
従業員幸福度や満足度とは、従業員が仕事のやりがいや喜びびついて主観的に評価する数値です。従業員幸福度・満足度を調査することで、従業員がどういったことにやりがいを感じているか、どういったことに不満を感じているかが把握できるため、従業員のモチベーションアップに活かせます。
従業員幸福度を測定する質問として次のようなものが挙げられます。
- 友人や家族に自社を勧めたいか
- 自分のスキル業務で最大限発揮できているか
- 自分の意見が社内で尊重されているか
業種や事業規模によって設問内容をより具体的なものにするのもよいでしょう。
3-2. 経営理念・ビジョンの浸透について
企業活動を進めるうえでは、従業員が自社の経営理念やビジョンを理解していることが大切です。従業員が自社の経営理念やビジョンを理解していれば、経営層と同じ方向に向かって業務を進められます。経営理念やビジョンが従業員まで浸透しているかを測るには、次のような質問を用意しましょう。
- 会社の目的や目標、戦略を理解できているか
- 経営陣の事業方針は健全であるか
- 現在の事業方針や企業としての姿勢に疑問はないか
3-3. 業務について
従業員の生産性向上というパルスサーベイのメリットを得るためには、業務についての質問が欠かせません。従業員が抱えている業務を負担に感じていないか、従業員それぞれの特性に適した業務が割り振られているかといった点を洗い出しましょう。
また、チームや部署としての業務に負荷がないかも確認することも大切です。
業務について従業員に質問する際は次のような設問を用意しましょう。
- 現在の仕事量でプライベートと仕事が両立できているか
- 業務において適切な役目を負えているか
- 業務の量に偏りは感じていないか
4. パルスサーベイを意味あるものにするには
従業員が抱えている悩みなどを迅速に把握・対処できるパルスサービスですが、有意義なものにするために意識したい注意点があります。
パルスサーベイの項目を作る前に以下の4点に気をつけておきましょう。
4-1. 目的を共有する
パルスサーベイを実施する際は、目的を従業員に共有しておきましょう。なぜ回答する必要があるのか、何に使われるのか、がわかれば従業員も安心して回答できます。
また、目的が共有されていることで、前向きに質問に回答できるだけでなく、会社が業務改善に動いていることも理解してくれます。
4-2. 回答しやすいようにしておく
パルスサーベイの目的は従業員が自社や業務に対して抱いている不安を明かにして、対策を講じることです。そのため、従業員が本音で回答できるようにしておく必要があります。
従業員が回答しやすくする方法は、回答を公開する範囲の共有や匿名での回答を認めることです。匿名かつ一部の範囲だけが回答を閲覧できる状態であれば、従業員も気兼ねなくパルスサーベイに取り組めます。パルスサーベイはメンタルヘルスという個人的かつ繊細な問題にも関わるため、匿名回答が可能であることと、回答の閲覧範囲を明示しておくようにしましょう。
4-3. 調査のマンネリ化を防ぐ
パルスサーベイは短いスパンでおこなわれるため、回答する従業員が次第に慣れてきてしまいます。設問の内容に変化がないと、前回と同じ回答をするだけになることもあるでしょう。
調査がマンネリ化してしまうと正確な意識調査ができず、形だけの調査になりやすいです。
そうならないように定期的に設問内容を変更したり、パルスサーベイの重要性を従業員に理解してもらう機会を作ったりしましょう。
4-4. 調査結果を活かせるシステムを作る
パルスサーベイは実施しただけでは効果を十分に発揮しません。実施することが目的ではなく、得られた調査結果を活かして改善することが目的です。
そのためには調査結果を活かせる社内システムを作成することが大切です。
調査結果の分析や分析結果による個人へのフォロー、順調な社員のモチベーション維持のサポートなど、パルスサーベイ実施後にすべきことは少なくありません。
パルスサーベイの流れをシステム化して調査結果を活かせるような社内システムを作っておきましょう。
5. パルスサーベイを有効活用して満足度の高い環境を目指そう
従業員が働きやすい職場であれば、エンゲージメントやモチベーションが高まって人材の定着や生産性の向上が期待できます。
そのような職場を整えるためには、各種調査が効果的です。なかでも、パルスサーベイであれば、短いスパンで調査するため従業員の悩みに対してタイムリーに対応できます。
パルスサーベイを効果的に実施して、従業員が常に働きやすい職場を目指しましょう。
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。
従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
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