シンパシーとエンパシーの違いとは?求められる理由や活用法を解説
更新日: 2025.5.27
公開日: 2025.5.13
jinjer Blog 編集部
シンパシーとエンパシーはどちらも「共感」に関係する言葉ですが、意味や使われ方には明確な違いがあります。
両者の違いを理解することは、職場におけるコミュニケーション力や人間関係構築において非常に重要です。
本記事ではシンパシーとエンパシーの違いを解説し、それぞれが活きる場面や高め方まで丁寧にご紹介します。人間関係を円滑にするヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
人事評価制度は、従業員のモチベーションに直結するため、適切に設計・見直し・改善をおこなわなければ、最悪の場合、従業員の退職に繋がるリスクもあります。
しかし「人事評価制度に改善したいが、いまの組織に合わせてどう変えるべきか悩んでいる」「前任者が設計した評価制度が古く、見直したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
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1. シンパシーとエンパシーの違いとは
シンパシーとエンパシーはどちらも「共感」を意味する言葉です。しかし、共感の仕方に大きな違いがあります。
シンパシー | エンパシー | |
---|---|---|
意味 | 自分の感情と重ねて共感・同情する | 他者の気持ちや考えを想像し理解する |
アプローチ | 自分の立場から感じる | 相手の視点に立つ |
ニュアンス | 同調・思いやり・同情 | 理解・配慮 |
シンパシーは自分の視点から相手に感情を寄せることです。「かわいそう」「自分にも経験がある」など、相手の感情に自分の気持ちを重ねて、心を寄せるニュアンスがあります。
一方で、エンパシーとは相手の立場に立ち、相手の気持ちや考えを想像する力のことです。自分と異なる価値観でも受け止め、理解しようとする姿勢が求められます。
つまり、シンパシーは「自分の感情と重ねる共鳴」であり、エンパシーは「相手の心に寄り添う理解」と言えるのです。
2. シンパシーとエンパシーが求められる理由
現代社会では、シンパシーとエンパシーの両方が求められる場面が増えています。
特にエンパシーはリーダーや管理職には欠かせない能力です。ビジネスの場では相手の気持ちを想像し、配慮した対応を取るエンパシーが信頼構築の鍵となります。
テレワークが主流となった今、直接顔を合わせずに意思疎通を図るには、相手の立場を理解するエンパシーの重要性が高まっていると言えるでしょう。
一方で、日常の人間関係や社会活動ではシンパシーが活躍します。「同じ気持ちを抱いたことがある」「あなたのつらさがわかる」と共鳴できることで相手との親近感が生まれ、信頼関係を深められるためです。
シンパシーとエンパシーは、どちらも豊かな人間関係や調和ある社会を築くために欠かせないスキルと言えます。
3. シンパシーやエンパシーが高い人に共通する特徴
シンパシーやエンパシーが高い人に共通する特徴を解説します。
3-1. シンパシーが高い人の特徴
シンパシーが高い人には以下の特徴があります。
- 感情移入しやすい
- 他人の好きなものや背景に関心を持ちやすい
- 感受性が高く傷つきやすい
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
3-1-1. 感情移入しやすい
シンパシーが高い人は、他人の感情に深く入り込みやすい傾向があります。
物語や映画、ニュースなどを見て、登場人物や被害者に強く共感し、まるで自分のことのように感じる場面が多いのが特徴です。
例えば、映画の登場人物が困難を乗り越えたシーンで感動して涙を流したり、ニュースで災害や事故の話を聞いて心を痛めたりします。
3-1-2. 他人の好きなものや背景に関心を持ちやすい
シンパシーが高い人は、他人の価値観や過去の経験に自然と興味を持ちます。
相手のことを深く理解したい気持ちが強く、ただ聞くだけでなく、相手の内面にある想いや感情までもくみ取ろうとするのが特徴です。
例えば、相手が話す趣味や家族のこと、過去の出来事などに対して、「どうしてそれが好きなのか」「その経験から何を感じたのか」といった背景にまで関心を向けます。
3-1-3. 感受性が高く傷つきやすい
シンパシーが高い人は感受性が豊かで、他人の感情に強く影響を受けやすい傾向があります。
そのため、何気ない一言や場の空気にも敏感に反応し、心が揺さぶられることが多いです。
例えば、相手に悪気がなくても、強い口調や否定的な態度を向けられると、「責められている」と感じてしまい、深く落ち込んでしまうこともあります。
他人の悲しみやつらさに共鳴しすぎて、自分自身が疲れてしまうケースも少なくありません。
3-2. エンパシーが高い人の特徴
エンパシーが高い人は以下の特徴があります。
- 他者の考えや立場に関心を持ちやすい
- 相手の話を尊重しながら傾聴できる
- 相手の感情や変化に気づきやすい
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
3-2-1. 他者の考えや立場に関心を持ちやすい
エンパシーが高い人は、自分とは異なる意見や価値観にも強い関心を持ちます。相手の視点に立って物事を理解しようとする姿勢が自然と備わっているからです。
例えば、会話中に「なぜこの人はそう考えるのか?」といった思考が働き、背景や状況、相手の気持ちまで掘り下げて理解しようとします。
自分の考えを押しつけず、他者の感じ方を尊重できるのが特徴です。
3-2-2. 相手の話を尊重しながら傾聴できる
エンパシーが高い人は相手の話にじっくりと耳を傾け、話の内容や感情を大切に扱います。
ただ聞くだけではなく、相手の気持ちに寄り添いながら、真剣に受け止められるのです。
例えば、会話中に意見が異なっても否定せず「そう考えるのには理由があるはず」と受け入れる姿勢を見せます。
相手が話しやすいように適度な相づちを打ったり、表情で反応を返したりといった配慮も欠かしません。
3-2-3. 相手の感情や変化に気づきやすい
エンパシーが高い人は、相手の気持ちや心の動きに敏感に反応できる力を持っています。
ちょっとした表情の変化や声のトーンの違いなどから、感情の揺れを感じ取れるのです。
例えば、普段は明るい人が少し元気がなかっただけで「何かあったのかな?」と察し、
無理に問いたださず、さりげなく気遣えます。
相手の変化に気づけることは、関係性をより深めるための大きな武器です。エンパシーの高い人は、まわりの空気を読みながら、思いやりある行動が自然と取れる存在と言えます。
3-3. シンパシー・エンパシーが高い人の共通点
シンパシー・エンパシーが高い人の共通点は「相手を深く理解しようとする姿勢」と「感情に対する敏感さ」です。相手の話を丁寧に受け取り、背景や気持ちに思いを馳せる姿勢が自然と備わっています。
例えば、他人の喜びや悲しみに共鳴したり、表情の変化から相手の気持ちを察したりと、心の機微に対して非常に繊細です。
シンパシー・エンパシーが高い人は、思いやりと理解力が高く、人との関わりに温かさをもたらします。職場でも人間関係をスムーズに築ける傾向があり、信頼されやすい存在です。
4. シンパシーやエンパシーが活きる労務対応の具体例
実際のビジネスシーンでシンパシーやエンパシーが活きる場面の具体例を解説します。
4-1. シンパシーが活きる場面
シンパシーは相手と感情を共有し、親しみを築く力です。まだ関係性が浅い相手とも、共通の経験や感情を通じて距離を縮められます。
例えば、新入社員との面談時に「自分も同じような緊張をしたよ」といった体験を共有すると、相手は安心感を覚え、心を開きやすくなるはずです。
また、同僚や部下が困難な状況にあるとき、「それはつらかったですね」と共感を示すことで、「理解してもらえた」と感じてもらい、信頼を築く第一歩となるでしょう。
4-2. エンパシーが活きる場面
エンパシーは、相手の立場や状況を理解しようとする姿勢です。
労務対応では、部下の業務負担やメンタル状況を読み取り、無理のない業務指示ができる上司が求められます。
例えば、急ぎの仕事を依頼する際も「ほかの業務があるなら調整する」と伝えることで、
部下の立場に配慮した指示が可能です。
また、部下が上司に対してエンパシーを活かせる場面もあります。「上司が何を知りたいのか」「どのような不安を抱えているか」を読み取り、的確かつ丁寧な報告をおこなうことで、業務がスムーズに進むはずです。
5. シンパシーやエンパシーを高めるためにできること
シンパシーやエンパシーの高め方を、それぞれ解説します。
5-1. シンパシーを高めるためにできること
シンパシーを高めるには、相手と似たような経験を思い出すことが効果的です。
同じような状況や感情を体験した記憶があることで、相手の気持ちに自然と共感しやすくなります。
例えば、友人が仕事で失敗して落ち込んでいるとき、「自分も以前、似たような失敗をしたことがある」と思い出せば心から共感できるでしょう。
過去の経験をベースに共感することで、表面的ではない深い関係が築けます。
5-2. エンパシーを高めるためにできること
エンパシーを高めるには、日頃から「傾聴の姿勢」を意識して人と向き合うことが大切です。
傾聴とは相手の話をただ聞くだけでなく、その背景にある気持ちや意図を理解しようとする積極的な姿勢を指します。
例えば、だれかが悩みを話しているとき「この人はなぜこの話をするのか」「何に困っているのか」など、言葉の奥にある感情を読み取る意識を持つことが大切です。
傾聴の習慣を身につけることで、より深く相手の気持ちに寄り添えるようになります。
6. シンパシーとエンパシーの違いを理解してコミュニケーションの質を高めよう
シンパシーとエンパシーは、どちらも共感を表す言葉ですが、意味や使い方が異なります。
シンパシーは「相手の気持ちに寄り添って、同じように感じること」、エンパシーは「相手の立場になって考え、思いやること」です。
シンパシーとエンパシーの違いを理解することで、ビジネスでも日常生活でも円滑なコミュニケーションを築けます。
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