ワークフローのDXとは?重要性やDXの流れをわかりやすく解説
更新日: 2024.1.16
公開日: 2023.5.31
OHSUGI
経済産業省が平成30年9月7日に発表した「DXレポート」で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が示されました。しかし、DXといっても、具体的にどのようなことから取り組めばよいのかわからない企業も多いのではないでしょうか。DXの第一歩と呼ばれるのが、「ワークフローのDX」です。本記事では、ワークフローのDXの重要性や流れをわかりやすく説明していきます。
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などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ワークフローをシステム化することで、以下のようなメリットがあります。
①リアルタイムでの承認・進捗状況が把握できる
②リモートワークなどどこにいても稟議対応ができる
③稟議の紛失リスクがない
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1. ワークフローのDXとは?
ワークフローのDXとは、ワークフローシステムをはじめとしたITツールを活用し、申請・承認・決裁などの業務の流れを効率化する取り組みです。ワークフローのDXと呼ばれていますが、厳密にはワークフローシステムの導入によって、DX(デジタルトランスフォーメーション)が実現されるわけではありません。
DXの3つのステップのうち、最初のデジタイゼーションを実現するうえで、ワークフローのDXが重要です。つまり、ワークフローのDXは、デジタルトランスフォーメーションに向けた最初の一歩であることを知っておきましょう。ここでは、DXの3つのステップや、ワークフローのDXによって実現できることを簡単に説明します。
関連記事:ワークフローシステムとは?導入メリットや注意点、比較ポイントを紹介
1-1. DX(デジタルトランスフォーメーション)の3つのステップ
総務省の令和3年版情報通信白書によると、DXを実現するには、以下の3つのステップが必要です。[注1]
Digitization(デジタイゼーション) | 既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換すること |
Digitalization(デジタライゼーション) | 組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供するよりよい方法を構築すること |
Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション) | 企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること |
つまり、ITツールを用いて特定の業務プロセスをデジタル化するのが「デジタイゼーション」、取引先や外部パートナーを含めて、業務プロセス全体をデジタル化するのが「デジタライゼーション」です。DXを実現するには、まずデジタイゼーションやデジタライゼーションに取り組む必要があります。
ワークフローDXは、上記の3つのステップのなかで、最初のデジタイゼーションに相当する取り組みです。そのため、DXを推進したい企業は、まずワークフローのDXから取り組むことをおすすめします。
1-2. ワークフローのDXでできること
ワークフローのDXによって、以下の4つのことを実現できます。
- 紙の申請書類をペーパーレス化し、業務効率化を実現できる
- ワークフローの全体像を見える化し、承認・決裁漏れを防止できる
- 申請・承認にスマートフォンを使用し、業務のフットワークが軽くなる
- 多様な社内システムと連携し、データ活用を一本化できる
これまで紙で作成していた書類をデジタル化することで、書類を印刷したり、記名押印したりする手間を削減できます。また、ワークフローシステムを導入すれば、承認プロセス全体を見える化し、手続きの漏れを未然に防止することが可能です。また、従来の手続きをスマートフォンやタブレットで行えるため、業務のフットワークが軽くなります。テレワークやリモートワークなど、多様化する働き方に対応できるのもメリットです。
あくまでも、ワークフローのDXはデジタルトランスフォーメーションの第一歩にすぎません。ゆくゆくは勤怠管理システム、人事管理システム、雇用契約システム、経費精算システム、給与計算システムなど、さまざまな社内システムと連携し、自社の業務プロセス全体をデジタル化していく必要があります。その最初の一歩として、ワークフローのDXを目指しましょう。
関連記事:ワークフローをペーパーレス化するには?効果や方法を徹底解説
関連記事:ワークフローを電子化するメリット・デメリットを詳しく紹介
2. ワークフローDXの重要性
そもそも、なぜワークフローのDXに取り組む必要があるのでしょうか。経済産業省が平成30年9月7日に発表した「DXレポート」では、2025年の崖と呼ばれる問題が提起されました。2025年の崖とは、老朽化したシステム(レガシーシステム)を変更せず、十全なデータ活用ができない状態を放置した場合、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が発生するという試算です。[注2]
たとえば、申請書や稟議書などの文書を紙やエクセルで作成し、非効率的な管理を続けている企業が少なくありません。こうした企業がDXに着手せず、市場のデジタル競争に敗北した場合、将来的に大きな損失をこうむるリスクがあります。
ワークフローシステムの導入は、全社的なDXの第一歩となる取り組みです。どんな企業であっても、申請書や稟議書を用いた申請・承認・決裁のプロセスが存在します。そのため、業種や業態にかかわらず、最初に着手できるのがワークフローのDXです。「DXを推進したいが、どのようなことから取り組めばよいかわからない」という人は、まずワークフローのDXを目指しましょう。
[注2]経済産業省|「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」
3. ワークフローをDX化する流れ
ワークフローDXの流れは、大きく4つのステップに分けられます。
- DX人材を育成・確保する
- 現状の業務の流れを把握する
- 既存のワークフローの問題点を整理する
- ワークフローシステムを導入する
まずは、ワークフローのDXをはじめとしたビジネス変革に取り組むDX人材の育成・確保が必要です。経済産業省の「DXレポート」でも、DXを実行するための人材の特徴として、以下の5点を挙げています。[注3]
- システム刷新をビジネス変革につなげて経営改革を牽引できるトップ人材
- 業務内容にも精通しつつITで何ができるかを理解し、経営改革をITシステムに落とし込んで実現できる人材
- 各事業部門においてビジネス変革で求める要件を明確にできる人材
- ビジネス変革で求められる要件をもとに設計、開発できる人材
- AIの活用などができる人材、データサイエンティスト
社内のDX人材を中心として、ワークフローのDXを進めていきましょう。まずは、現状の業務プロセスを再検討することが大切です。たとえば、稟議プロセスの場合、役員、部長、課長などの上層部が管理者となり、稟議書を順番に承認していく流れが一般的です。しかし、スピーディーな経営判断が求められる事柄の場合、複数人の承認を前提としたワークフローでは、意思決定の遅れにつながる恐れがあります。既存のワークフローの問題点を洗い出し、改善すべきポイントがないか分析しましょう。
ワークフローのDXには、ワークフローシステムの導入が必要不可欠です。浮き彫りになった課題をもとにして、自社に合ったワークフローシステムを選ぶことが大切です。
[注3]経済産業省|「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」
関連記事:ワークフローシステムの自作とは?作り方や注意点、運用のメリット・デメリットを解説
4. DX推進の切り口として、ワークフローのDXに取り組もう
ワークフローのDXとは、ワークフローシステムをはじめとしたITツールを導入し、申請・承認・決裁などの業務の流れをデジタル化することを意味します。DXの3つのステップのうち、最初の関門であるデジタイゼーションに相当するのが、ワークフローのDXです。DXの推進といっても、具体的にどのようなことから取り組めばよいのか、ピンとこない企業も少なくありません。ワークフローのDXは、ワークフローシステムを導入することで比較的容易に実現できます。デジタルトランスフォーメーションの第一歩として、ワークフローのDXに取り組みましょう。
関連記事:ワークフローとは?意味や作り方・システムの比較方法も解説
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