トライアル雇用とは?導入のメリット・デメリットや助成金の申請手順を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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トライアル雇用とは?導入のメリット・デメリットや助成金の申請手順を徹底解説


「トライアル雇用って何?」

「トライアル雇用をすると、何ができる?」

初めてトライアル雇用を見聞きした人は、上記のようにお悩みではないでしょうか。

トライアル雇用とは、ハローワークから紹介を得た求職者を一定期間試しに雇用できる制度のことです。事前に能力や適性がわかるためミスマッチを防ぎ、効率よく採用活動ができます。

本記事では、トライアル雇用の概要や導入によるメリット・デメリットについて解説します。また、トライアル雇用を実施することで得られる助成金についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

1. トライアル雇用とは

疑問を浮かべる人

トライアル雇用は、企業が求職者を一定期間試しに雇用し、能力や適性を見極めたうえで常用雇用できる制度です。就業経験が不足している人や長期間のブランクがある人、障害者など、就職が困難な求職者を支援する目的で設けられています。

トライアル雇用には、原則として3ヵ月間の試行期間が設けられている点が特徴です。期間中に企業と求職者が互いの適性を確認できます。

試行期間終了後に常用雇用へ移行することが目的ですが、企業側には必ずしも採用しなければならない義務はありません。求職者の適性が合わないと判断した場合、契約を終了できる仕組みになっています。

企業にとっては採用ミスマッチを防ぐ手段となり、求職者にとっては職場環境や業務内容を理解する機会となるでしょう。

2. トライアル雇用を導入する2つのメリット

トライアル雇用を企業に導入することで、以下のメリットが得られます。

  • 雇用のミスマッチを防止できる
  • 採用・教育にかかるコストを削減できる

それぞれ具体的に解説します。

2-1. 雇用のミスマッチを防止できる

トライアル雇用を導入することで、企業と求職者の間で発生するミスマッチを防げます。面接や履歴書だけで適性や能力の把握が求められる通常採用と異なり、実際に働いてもらってから採用を決められるためです。

企業は求職者の業務遂行能力や職場への適応性を直接観察でき、求職者も企業の職場環境や業務内容を体験できます。双方が適切な判断をくだしやすくなり、採用後のミスマッチを未然に防げるでしょう。

2-2. 採用・教育にかかるコストを削減できる

トライアル雇用を導入することで、企業は採用・教育にかかるコストを大幅に削減可能です。

通常の採用活動では、求人広告の掲載費用やエージェントへの手数料、面接のための時間と労力など、多くのコストが発生します。しかし、トライアル雇用はハローワークを介して求人をするため、諸々の費用がほとんどかかりません

また、求職者の適性を見極めるための期間を設けることから、正規採用後に早期退職や解雇が発生するリスクも減少できます。

長期的な視点で見た場合の人材育成コストも抑えられるため、企業にとっては非常に有益な制度といえるでしょう。

3. トライアル雇用を導入する2つのデメリット

トライアル雇用を導入することで、以下のデメリットが生じる可能性があります。

  • 教育に時間とコストがかかる
  • 事務負担がかかる

それぞれ、具体的に解説します。

3-1. 教育に時間とコストがかかる

トライアル雇用を導入する際の大きなデメリットの一つに、教育に時間とコストがかかる点が挙げられます。

トライアル雇用の対象者は、就業経験が少なかったり、長期間のブランクがある場合が多かったりするためです。基本的なビジネスマナーから教える必要があることも珍しくありません。

企業は特別に教育担当者を配置する必要があるなど、通常よりも多くの時間や手間、費用がかかるおそれがあるでしょう。

3-2. 事務負担がかかる

トライアル雇用を導入する際には、事務手続きの負担が増加するというデメリットもあります。トライアル雇用助成金の受給には、「トライアル雇用計画書」や助成金の申請書を提出する必要があるためです。

手続きは労働者ごとにおこなわなければなりません。​​トライアル雇用を実施する人数が増えれば増えるほど、事務作業の手間が増大します。

さらに、助成金の申請手続きは複雑で、スケジュール管理が難しいのも現状です。必要な書類の準備や提出、進捗の管理など、細かな事務作業が多いため、効率的に処理するための体制を整える必要があるでしょう。

4. トライアル雇用には助成金がある

トライアル雇用には、厚生労働省が提供する「トライアル雇用助成金」があります。企業がハローワークを通じて求職者を一定期間試行的に雇用する際に受け取れる助成金制度です。

トライアル雇用助成金には以下の3種類があります。

種類 助成金額
一般トライアルコース 月額4万円

(母子家庭や父子家庭は月額5万円)

障害者トライアルコース 支給対象者1人につき

(1)対象労働者が精神障害者の場合は、月額最大8万円を3ヵ月、月額最大4万円を3ヵ月(最長6ヵ月間)

(2)1以外の場合、月額最大4万円(最長3ヵ月間)

障害者短時間トライアルコース 支給対象者1人につき月額最大4万円(最長12ヵ月間)

それぞれのコースの支給額や支給対象者、雇入条件は厚生労働省の公式情報を参考にしてください。

参考:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)|厚生労働省

参考:障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース|厚生労働省

5. トライアル雇用助成金の手続き方法

トライアル雇用助成金の手続きは、以下の4ステップで実施します。

  1. ハローワークにトライアル雇用求人の申込みをする
  2. 応募者を採用する
  3. 「トライアル雇用実施計画書」をハローワークに提出する
  4. トライアル雇用助成金の支給を申請する

それぞれ、詳細に解説します。

5-1. ハローワークにトライアル雇用求人の申込みをする

まずはハローワークでトライアル雇用の求人を申し込みましょう

求職者を紹介してもらうため、求人票を作成してハローワークに提出します。求人票にはトライアル雇用であることを明記し、助成金を受け取る意向を示すとよいでしょう。

5-2. 応募者を採用する

ハローワークから求職者を紹介されたら、書類選考や面接を実施し、トライアル雇用として採用するかどうかを決定します

企業は求職者の適性や能力を見極め、無期雇用への移行を前提に試行雇用を実施可能です。

5-3. 「トライアル雇用実施計画書」をハローワークに提出する

トライアル雇用を開始した後、「トライアル雇用実施計画書」を2週間以内にハローワークに提出します。雇用契約や労働条件を確認できる書類を添付しなければなりません。

計画書の提出は、助成金を受け取るための重要な手続きであるため、見落としや提出し忘れがないよう気をつけましょう。

計画書の内容が適正であるかどうかをハローワークが確認し、問題がなければ助成金の支給手続きが進められます。

5-4. トライアル雇用助成金の支給を申請する

トライアル雇用期間が終了したら、ハローワークか労働局に「結果報告書兼支給申請書」を出し、助成金の支給を申請しましょう。

申請書には、トライアル雇用の結果や常用雇用への移行状況などを記入し、必要な書類を添付する必要があります。

また、トライアル雇用が終了した日の翌日から2ヵ月以内と期限がある点に注意が必要です。申請書類の不備がないよう丁寧に準備し、期限内に正確に手続きをおこないましょう。

6. トライアル雇用の理解を深めて人材を確保しよう

トライアル雇用は、ハローワークから紹介を得た求職者を一定期間試しに雇用できる制度です。

一定の期間を経て求職者の能力や適性を把握したうえで採用できるうえ、求人にかかる費用も抑えられます。メリットやデメリットを理解した上で活用しましょう。

実施の際は、助成金もうまく利用すると経済面の負担を小さくできます。トライアル雇用の導入により、自社にマッチした人材を採用しましょう。

OHSUGI

OHSUGI

クラウド型勤怠管理システムジンジャーの営業、人事向けに採用ノウハウを発信するWebメディアの運営を経て、jinjerBlog編集部に参加。営業時代にお客様から伺った勤怠管理のお悩みや身につけた労務知識をもとに、勤怠・人事管理や給与計算業務に役立つ情報を発信しています。

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