領収書の送付状(添え状)の書き方と注意点!郵送時のテンプレートやメール文例を紹介
更新日: 2024.10.7
公開日: 2024.3.18
jinjer Blog 編集部
顧客や取引先に領収書を郵送する際、送付状を同封するのが一般的です。送付状は印刷したものでなく、手書きで作成しても問題ありません。今回は、領収書に送付状を添える必要性や、送付状の書き方を送付状の文例テンプレートを用いて解説します。
「宛名は上様でもいい?」「宛名を書かなくてもいい取引はある?」
「領収書に宛名がない場合はどうする?」「領収書の宛名を書き間違えたときはどうする?」などなど領収書の宛名に関してお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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目次
1. 領収書送付時の正しい送付状の書き方
送付状は、Word等で作成し印刷したものでなく、手書きで作成してものでも問題ありません。
また、送付状に記載する内容に決まったルールはありませんが、先方に伝えたい情報をもれなく記載できるよう、あらかじめ書き方のコツを押さえておく必要があります。領収書に添付する領収書には、以下のような内容を記載するのが一般的です。
- 発行の日付
- 宛名
- タイトル
- 本文
- 発行事業所の名称、住所、連絡先、担当者の氏名、部署
ここでは、領収書に添える送付状の書き方のポイントをご紹介します。
1-1. 発行の日付
送付状の作成日を明記します。領収書を発行した日付または発送日を記載することで、送付日を明確にし、記録として残ります。この日付はビジネスマンや事務職にとって重要な情報であり、取引や経理処理に役立ちます。
1-2. 宛名
宛名の記入はビジネスマナーとして非常に重要です。まず、用紙の左上には宛先を記入し、必ず正式名称を使用します。(有)(株)などの略称は避け、「株式会社〇〇」「有限会社〇〇」と記載します。相手が法人の場合、会社名に加え、可能であれば担当者の部署と名前も記載します。例えば、「株式会社〇〇〇〇 営業部 〇〇様」と具体的に書くことが求められます。
相手が個人の場合は、「屋号+名前」もしくは「名前のみ」を記載します。例えば、「〇〇〇〇商店 〇〇様」または「〇〇様」とします。社名や名前を間違えると信用を損ねるため、記載内容に誤りがないか確認することが必須です。
1-3. タイトル
郵送する書類が領収書であることを一目で分かるように、適切なタイトルを記載しましょう。例えば、「領収書送付のご案内」や「領収書送付のお知らせ」といった具体的な表現を使用します。タイトルは宛名の下、本文の上の中央部分に記載し、本文の文字サイズより少し大きく(約1.3倍)しましょう。例えば、本文が11ポイントの文字サイズであれば、タイトルは14ポイントに設定すると良いです。この配慮により、受け取った相手が同封されている書類を即座に理解しやすくなります。
1-4. 本文
本文では感謝の意を示しつつ、今回の送付内容を具体的に説明します。例:「お世話になっております。下記の通り、領収書をお送りいたします。」など。また、領収書送付状の書き方について具体的に説明します。日頃のお付き合いに感謝し、入金の御礼を述べ、領収書の詳細を明記することが重要です。
例えば「〇〇〇〇年〇月〇日にご依頼いただいた撮影費の領収書」や「〇〇〇〇年〇月〇日に行われた〇〇のイベントの装飾代」など、請求日や取引内容を具体的に記載します。また、同封する領収書が一枚であっても「領収書1枚」などと明記し、郵送ミスの防止に努めます。
同送状の文面は手書きでも問題ありませんが、必須要素をしっかり含めることが大切です。本文は「時候の挨拶」「本件の詳細」「締めの挨拶」の3部構成にします。
1-5. 発行事業所の情報
送付元情報の記載は、領収書送付時の送付状で重要です。発行事業所の名称、住所、連絡先などの情報を明示することで、相手が確認したい際にすぐに連絡できるようになります。具体的には、発行会社もしくは個人名、住所、電話番号、担当者名を明記します。たとえば、学校の場合は「〇〇学校○○学科」、企業の場合は「〇〇株式会社○○部」といった具体的な名称を記載します。
さらに、より正式な文書にするためには、会社の角印や担当者の印を押印することが効果的です。これにより、送付元の信頼性が高まり、受取人も安心して領収書を確認することができます。
2. シーン別・領収書送付時の送付状テンプレート
領収書送付時の送付書の書き方について、記載する項目や内容について具体的に解説してきました。ここからは、実際に構成要素テンプレート化してシーン別に紹介します。
2-1. 郵送やFAXで送る場合の例
領収書は普通郵便で送付しても問題ありません。郵送やFAXで領収書を送付する際には、正式な書面形式の送付状が必要です。以下に、郵送で領収書を送る際の送付状のテンプレートを紹介します。
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、◯月◯日付けで請求させていただきました××××の代金につきまして、お振込いただき誠にありがとうございます。 つきましては、領収書を送付させていただきますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。敬具 記 – 領収書 1通 以上 |
なお、「記 - 領収書 1通」というように添付書類の内容を明記する欄は省略することも可能です。
2-2. メールで送る場合の例
続いてメールで送付する際のテンプレートを紹介します。
いつもお世話になっております。株式会社◯◯◯◯の山田でございます。
先日ご請求させていただきました「××××」の代金につきまして、◯月◯日付けでお振込の確認をいたしました。お忙しい中、迅速なご対応をいただき誠にありがとうございます。 この度は領収書をPDFファイルにてお送りいたします。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。また、添付ファイルの内容に不備やご不明点がございましたら、お手数ですがご一報いただければ幸いです。 【添付ファイル】 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 |
なお「【添付ファイル】・××××領収書(PDF) 1通」こちらの記載内容は省略することも可能です。
3. 領収書の送付状はなぜ必要?
送付状を添えなくても、法律上で問題があるわけではありませんが、送付状を添付するほうが望ましいといえます。書類の入れ忘れや紛失などのトラブルを回避するほか、相手に対する印象をよくすることができます。
送付状はコツさえつかめば簡単に作成できるので、領収書を郵送する際は、なるべく送付状を添えることをおすすめします。
ここでは、領収書に送付状を添えた方が良い理由を4つのポイントに分けて説明します。
3-1. 取引先への挨拶代わりになる
領収書には、宛名や金額、発行年月日、発行事業者の名称といった、必要事項しか記載されません。
そのため、封筒の中に領収書が一枚だけ入っていると、殺風景で無愛想な印象を与えてしまいます。送付状に今回の取引や、日頃のお付き合いについて感謝している旨を記載すれば、受領した側に好印象を抱いてもらいやすくなります。相手との関係性が良好であれば、リピーターや末永いお付き合いにつながる確率も高くなるでしょう。
3-2. 取引先の手間を省ける
簡易的な様式の領収書には、領収した金額は記載されているものの、「いつ」「何に」「どのくらいの代金を支払ったのか」などの詳細な情報が記されていません。
なかには、取引した商品の名称や数量、金額などが記載されているものもありますが、商品名を見ただけでは、どの取引に関する領収書なのかわからないケースもあります。送付状に取引に関する情報を記載しておけば、どの取引の領収書なのか、一目で確認することができます。
3-3. 同封忘れや紛失など郵送ミスを防ぐことができる
詳しい内容は後述しますが、送付状には発行事業所の社名や住所、発行した領収書の枚数などを記載します。送付状の内容を確認しながら領収書の封入作業をおこなうことで、郵送ミスを防ぐことができます。
また、万が一、2通送るはずだった領収書を、誤って1通のみ郵送してしまった場合、受領側に郵送ミスが起きたことに気がついてもらいやすいです。
3-4. もしもの場合の連絡先を通知できる
領収書には発行元の事業所や連絡先が記載されていますが、問い合わせ先である担当者名は明記されていません。
そのため、取引先はまず受付に事情を説明し、話を聞いた受付が担当部署に連絡して担当者につないでもらうといった一連の流れが必要になります。送付状にあらかじめ領収書に関する問い合わせやミスの対応をする部署や担当者名を記載しておけば、担当者とスムーズにコンタクトを取ることができます。
4. 送付状作成時のマナーは?注意点を解説
正しい領収書の送付書を作成する上で抑えておくべきポイントを紹介します。
4-1. 内容を簡潔にまとめ1枚に納める
送付状は簡潔で分かりやすく1枚にまとめることが重要です。ページが長すぎると読み手に負担をかけ、相手に無駄な時間を使わせる可能性があります。領収書の送付状を作成する際は必要な情報だけを記載し、余計な表現は避けましょう。
4-2. 添付書類の1枚目に添える
送付状は領収書など重要書類の1枚目に添えましょう。これは受け取る側が書類を開封した際にすぐ内容を確認できるようにするためです。送付状は何が同封されているかを明確に知らせる役割を果たします。もし送付状が書類の最後にあると、受け取った人が内容を把握するまで時間がかかり、手間が増える可能性があります。特に郵送やファックスの場合は、送付状を一番最初に添付することがマナーです。
5. 領収書の正しい送り方は普通郵便よりも簡易書留
領収書は、法人税や所得税などの申告に使用する国税関係書類のひとつです。領収書がないと、税金の申告を正確におこなうことができず、取引先に迷惑がかかってしまいます。そのため、領収書および送付状は郵送でも法律的には問題ありませんが、なるべく郵送情報が記録される簡易書留や特定記録を利用して郵送するほうが安心です。
簡易書留の場合、依頼の日時や配達の時間が記録される上、郵便物は手渡しされる決まりになっています。一方の特定記録は、郵送の記録は残るものの、郵便物はポスト投函になります。
より安全かつ信頼性の高い方法で領収書を郵送したいのなら、簡易書留を選びましょう。なお、日本では特定の受取人に対して差出人の意思を表示または事実を通知する「信書」の送達は、総務大臣の許可を受けた信書便事業者(日本郵便株式会社など)に限って認められています。(※1)
信書には領収書など請求書の類いも含まれていますので、信書便事業者以外の事業所が提供する宅配便サービスなどで領収書および送付状を送るのは禁じられています。仮に領収書を宅配便で送った場合、郵便法第4条に抵触するおそれがあります。
6. ビジネスシーンにおける領収書の送付時には正しい形式の送付状を
領収書を取引先に送る際は、一緒に挨拶や日頃の感謝の気持ちを綴った送付状を添えるのが一般的です。領収書だけを送るよりも丁寧で真面目な印象を与えるため、今後のお付き合いにも良い影響をもたらします。
また、相手の手間を省いたり、郵送ミスを防いだりする効果も期待できます。送付状は書き方のコツを押さえれば簡単に作成できますので、領収書を送る際は送付状を同封することをおすすめします。
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