
商品やサービスを提供した場合、代金を受領したことを証明するために領収書を発行します。
現在では支払い方法が多様化しているため、領収書の書き方もやや変わってきます。
そこで現金決済とクレジット決済それぞれの領収書発行方法の違いについて解説します。
経費精算書類の電子化が注目を集めている中で「申請書や領収書を電子化したいけど、何から手を付けたらよいのかわからない。。。」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために、今回「領収書を電子化するためのノウハウ資料」をご用意いたしました。
資料には、以下のようなことがまとめられています。
・領収書電子化のルール
・領収書電子化のメリット
・経費精算システムを使用した領収書の電子化
領収書の電子化を実現するために「領収書の電子化を実現するためのノウハウBOOK」をご参考にください。
1. 現金決済とクレジット決済それぞれの領収書の書き方

現在ではクレジット決済も推奨されているため、現金決済だけでなくクレジット決済による支払いも増えてきました。
クレジット決済では実際に現金をやり取りするわけではないものの、購入者が領収書を依頼すれば発行可能です。
では現金決済とクレジット決済それぞれの領収書の書き方について見ていきましょう。
1-1. 現金決済の領収書の書き方
現金決済の領収書にはいくつか書き方のポイントがあります。
領収書は支払いの証明となる重要な書類なので、必要な項目の記載がなければ領収書として認められなかったり会社として信用を失ってしまったりするかもしれません。
領収書の書き方は以下のとおりです。
まず「領収書」と中央上部もしくは上部左側に大きく記載します。
続いて宛名を記載します。取引相手が株式会社や有限会社である場合、(株)や(有)と略さず正式に書いた方がよいでしょう。
宛名が空白の場合には領収書が無効であると判断されることもあるので注意しましょう。
さらに金額にも細かいルールが決められています。
まず先頭には「¥」を書き、末尾には「-」や「※」と書きます。
加えて数字は3桁ごとにコンマを打って金額の改ざんを防ぎます。
領収書には但し書きも記入しなければなりません。
どんな商品やサービスに対して支払われた代金なのかをできるだけ具体的に記載します。
もし但し書きに記載しきれない場合には、納品書などを添付して第三者からも何の目的で領収書を発行したかが分かるようにします。
さらに領収書の発行者、発行した日付を記入し、領収書の金額が5万円を超える場合には収入印紙を貼ってから消印を押します。
1-2. クレジット決済の領収書の書き方
クレジット決済で領収書を求められた場合、現金決済の領収書とはやや異なります。
そもそもクレジット決済ではレシートやお客様控えが領収書の代わりとなるので、領収書を必要とするケースは多くありません。
しかしもし代金を支払った企業や個人から領収書の発行を依頼された場合、領収書を発行することは可能です。
基本的な書き方は現金決済の領収書と同じですが、一つだけ異なるポイントがあります。
それは「但し書き」の部分です。
但し書きには、「クレジットカード払いによる」といった記載をして、支払い方法がクレジット決済であったことを明記しなければなりません。
これは代金を支払った企業や個人と、クレジットカード会社の両方から二重に支払いを受けたのではないかという疑いをかけられないためです。
2. 現金決済とクレジット決済の領収書相違点

現金決済とクレジット決済の領収書にはいくつかの相違点があります。
領収書を発行することがある場合は、その相違点についても覚えておく必要があるでしょう。
現金決済とクレジット決済の領収書相違点を3つ解説します。
2-1. 現金決済の領収書は義務、クレジット決済の領収書は義務ではない
まず大きな相違点といえるのは、領収書の発行が法的な義務かどうかという点でしょう。
そもそも領収書とは、代金の支払いが確実に行われたことを証明するものです。
そのため現金決済で代金が支払われたのであれば、領収書を発行するのは法的な義務となります。
これは民法第486条に定められており、もし代金を支払った企業や個人が請求書の発行を請求したなら、代金を受け取った側は必ず領収書を発行しなければなりません。
もし領収書の発行を拒否する場合、代金を支払う側は支払いを拒否することも可能です。
一方クレジット決済の領収書の場合はそうではありません。
クレジット決済では現金のやり取りがないため、通常領収書の発行が行われません。
領収書が発行されない代わりに、レシートや利用明細書などが領収書の代わりになります。
もちろん代金を受け取った側がサービスとして領収書を発行することはあり得ますが、現金決済の領収書とは違い、正式な書類とはならないことを覚えておきましょう。
e-GOV法令検索:民法
2-2. クレジット決済の領収書では必ず但し書きが必要
現金決済では但し書きの部分にどんな商品やサービスが提供されたかを具体的に記載しなければなりません。
たとえば「お品代」といった但し書きは具体性がないため、税務署から指摘される恐れがあります。
「印刷用紙代」や「書籍代」などのようにできるだけ詳しく記載しましょう。
第三者から見てどのように経費が使われたか明確にわかるように記載することが重要です。
一方でクレジット決済の領収書では必ず但し書きにクレジット決済であることを記載する必要があります。
但し書きを忘れると、税務署から指摘される可能性があるので注意が必要です。
2-3. 収入印紙の有無
収入印紙とは、税金を納めるために納付者が購入する証票です。
現金決済の領収書の場合、金額が5万円以上になると課税文書となるため収入印紙を貼らなければなりません。
5万円未満の領収書の場合には、現金決済であっても非課税文書になるため収入印紙は必要ありません。
- 5万円以上100万円以下の領収書:200円分の収入印紙
- 100万円以上200万円以下の領収書:400円分の収入印紙
と金額によって税額が決められています。
一方クレジット決済の領収書は正式な書類ではないので、金額にかかわらず収入印紙は不要です。
3. 現金決済とクレジット決済の領収書発行の注意すべき2つのこと

現金決済であれクレジット決済であれ、領収書を発行する際には注意すべき点があります。
では領収書発行の際の注意点について見ていきましょう。
3-1. 領収書の再発行は基本的に不可
現金決済やクレジット決済で領収書を発行したにもかかわらず、受け取った側が紛失してしまうことがあります。
そのような場合、領収書の再発行を依頼されるかもしれませんが、基本的に領収書の再発行はできません。
現金決済では領収書の発行は法的な義務ですが、再発行はそうではありません。
複数の領収書を発行させて経費を水増しするといった不正が行われる恐れもあります。
共犯の疑惑をかけられないためにも、領収書の再発行には応じないようにしましょう。
ただし領収書が汚損・破損してしまったという理由で、元の領収書を持参のうえ再発行を依頼されたのであれば、再発行が可能な場合もあります。
3-2. 領収書の控えを保管しておく
領収書は企業や個人が、代金を支払ったことの証明として発行を依頼するものです。
そのため領収書を渡してしまうと、領収書を発行した側は取引を行った記録となるものが何もなくなってしまいます。
領収書を受け取った側は最大7年間保管する法的義務がありますが、発行した側はそうではありません。
お金の流れを証明する書類を残すためにも、領収書の控えを保管しておくことが賢明です。
4. 現金決済とクレジット決済の領収書の違いを把握して正しい使い方をしよう

現金決済とクレジット決済とでは、領収書の書き方などに違いがあります。
この点をしっかり把握しておかないと、取引先や税務署とトラブルになる恐れがあるので注意が必要です。
それぞれの決済の方法による領収書の書き方の知識を身に付け、正しく領収書を発行できるようにしましょう。
近年、人手不足などの背景からバックオフィス業務の効率化が多くの企業から注目されています。
経費精算業務における申請書類や領収書は保管義務があるため、ファイリングや管理にストレスを感じる方も少なくないでしょう。
そして、どうにか「経費精算関連書類」を電子化したいけど、どうしたらいいかわからないとお悩みの方も少なくないでしょう。
また、最近では「電子帳簿保存法の改正」もあり、書類の電子化をより業務に活用できるようになりました。今後電子化を進めたいとお考えの方は具体的に電子化した際の業務をイメージしておきましょう。
【システムを利用した経費精算で実現できること】
・領収書をはじめ、あらゆる経費精算関連書類を電子化できる
・クラウド上での書類保管により管理工数が削減できる
・書類の電子化だけでなく、経費精算業務全体を効率化することができる
など、経理業務全体の効率化につながります。
「領収書を電子化したいけど、何から手を付ければよいかわからない」という経理担当者様のために、領収書の電子化におけるルールや電子化した際の業務イメージをまとめたノウハウ資料を用意しました。
経理の働き方改革を成功させるため、ぜひ「領収書の電子化を実現するためのノウハウBOOK」をご参考にください。