賞与とは?給与との違いや社会保険料・税金を引いた手取りの計算方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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賞与とは?給与との違いや社会保険料・税金を引いた手取りの計算方法を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

賞与とは?給与との違いや社会保険料・税金を引いた手取りの計算方法を解説

パソコン賞与(ボーナス)は、毎月の給与とは別に企業が支給する一時金です。法律で一律に支給が義務付けられているものではありませんが、従業員のモチベーション向上に寄与する重要な役割を担っています。

本記事では、賞与の基本的な仕組みや給与との違い、種類別の特徴を整理するとともに、支給額の計算から税金の納付、賞与支払届の提出といった実務の流れまでを詳しく解説します。

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1. 賞与とは

はてな

賞与とは、毎月の給与とは別に、企業が一定の時期に支給する一時金のことです。一般的には「ボーナス」ともよばれ、企業によっては「期末手当」「特別手当」などの名称が使われることもあります。支給時期は夏季・冬季の年2回としている企業が多くみられます。

なお、賞与の支給は法律で義務づけられているものではなく、支給の有無や時期、金額は各企業の判断に委ねられています。ただし、就業規則や雇用契約書に賞与の支給について定めがある場合は、その内容に従って支給する必要があります。

1-1. 給与との違い

給与と賞与の大きな違いは、給与が「継続的・固定的に支払われる賃金」であるのに対し、賞与は「臨時的・変動的に支払われる賃金」である点です。

給与は、毎月あらかじめ定められた時期に継続して支払われるもので、基本給のほか、各種手当や時間外労働に対する割増賃金などが含まれます。従業員が日々の労働を提供したことに対する基本的な対価であり、支給にあたっては労働基準法で定められた「賃金支払いの5原則」に従う必要があります。

一般的に、賞与は毎月の給与とは別に支給されるので、従業員にとっては一度にまとまった収入を得られる点が特徴で、モチベーション向上にもつながりやすいです。しかし、賞与にも社会保険料や所得税が課されるため、必ずしも手取り額の面で大きく有利になるわけではありません。人件費全体への影響も踏まえながら、給与と賞与の支給バランスを検討することが重要です。

関連記事:賃金支払いの5原則とは?例外や守られないときの罰則について

1-2. 賞与の平均支給額

厚生労働省の最新の毎月勤労統計調査によると、労働者一人あたりの平均賞与額は次のとおりです。

労働者一人平均賞与額 規模5人以上 規模30人以上
夏季賞与(令和7年9月分) 426,337円 496,889円
年末賞与(令和8年2月分) 424,889円 490,695円

参考:毎月勤労統計調査 2025(令和7年)9月分結果速報|厚生労働省

参考:毎月勤労統計調査 2026(令和8年)2月分結果速報|厚生労働省

賞与の支給額は、企業規模だけでなく、業種や地域、従業員の役職、勤続年数などによって大きく異なります。一般的には、1回あたりの賞与額を月給の1〜2ヵ月分程度とする企業が多く、年間では月給の2〜4ヵ月分程度がひとつの目安とされています。

ただし、賞与は企業業績の影響を受けやすく、業績が好調であれば支給額が増えることもある一方で、状況によっては支給を見送る場合もあります。そのため、上記の平均額はあくまで参考値として捉え、自社の賃金制度や支給方針に沿って検討することが大切です。

2. 賞与の種類

電卓

代表的な賞与の種類は、次の4つです。

  1. 基本給連動型賞与
  2. 業績連動型賞与
  3. 決算賞与
  4. 寸志

各種類の概要を解説します。

2-1. 基本給連動型賞与

基本給連動型賞与とは、基本給を基準に賞与額を決める方式です。一般的には「基本給の○ヵ月分」という形で支給額を算定します。例えば、賞与を「基本給の2ヵ月分」と定めており、基本給が30万円の場合、賞与額は次のようになります。

30万円 × 2ヵ月 = 60万円

基本給連動型賞与の主なメリットは、計算方法がシンプルで、企業側・従業員側の双方にとって支給額を把握しやすい点にあります。

一方で、基本給が高い従業員ほど賞与額も大きくなるため、勤続年数や役職による差が生じやすくなります。その結果、若手社員や高い成果を上げた従業員にとっては、評価が賞与に反映されにくく、モチベーション低下につながることがある点には留意が必要です。

2-2. 業績連動型賞与

業績連動型賞与とは、企業全体の業績や部門の成果、個人の評価などをもとに支給額を決定する賞与制度です。企業ごとに算定方法は異なりますが、一般的には基本給を基準に、企業業績・部門評価・個人評価を反映する係数を用いて支給額を調整します。

業績が好調な場合は賞与額が増えやすく、従業員にとっては成果が処遇に反映されることで、働く意欲の向上につながりやすい仕組みです。また、評価基準が明確であれば、日々の業務で何を意識すべきかがわかりやすくなり、生産性の改善にもつながるでしょう。

一方で、個人の成果だけを強く重視しすぎると、部門間や従業員同士の連携が弱まり、組織全体の一体感に影響を及ぼす可能性があります。そのため、制度を設計する際は、成果を適切に反映しつつ、組織内の協働を損なわないようバランスを取ることが大切です。

2-3. 決算賞与

決算賞与は、「臨時賞与」「特別賞与」「年度末賞与」などともよばれ、決算で生じた利益の一部を従業員へ還元する目的で支給される賞与です。

決算賞与のメリットは、企業の業績が好調であることを従業員に示せるので、モチベーション向上につながりやすい点にあります。また、一定の要件を満たすことで当期の損金として処理でき、法人税負担の軽減が期待できることも利点のひとつです。

一方で、決算賞与を支給すると手元資金が減少するため、資金繰りに影響を与える可能性があります。さらに、業績の悪化によって支給できない年が続くと、従業員の期待との間に差が生まれ、意欲の低下につながるおそれがある点に留意が必要です。

2-4. 寸志

寸志(すんし)とは、企業が従業員に対して日頃の感謝や労をねぎらう目的で支給する金銭のことです。例えば、新入社員が入社初年度の夏に受け取る金銭について、在籍期間が短く正式な賞与の算定基準を満たさない場合などには、寸志として支給されるケースがあります。

この制度の特徴は、運用の柔軟性が高い点にあります。定期的に支給される賞与とは異なり、企業の業績や状況に応じて支給の有無や金額を比較的自由に決定できるので、従業員への感謝やインセンティブとして活用しやすい仕組みといえます。

3. 賞与の計算から支給まで流れ

チェック

賞与は通常の給与とは異なり、社会保険料や所得税の計算方法、届出手続きなどに特有のルールがあります。支給額の計算ミスや届出漏れがあると、従業員とのトラブルや行政手続きの修正対応につながる可能性もあるため、各ステップを正確に進めることが重要です。

3-1. 賞与の総支給額を決定する

賞与の計算は、まず従業員ごとの総支給額を決めるところから始まります。後の社会保険料や所得税の計算はこの総支給額が算定の基礎となるので、就業規則や賃金規程に沿って正確に計算することが重要です。

3-2. 賞与にかかる社会保険料を計算する

総支給額が決まったら、次に賞与から控除する社会保険料を計算します。賞与から控除される社会保険料の種類は次の4つです。なお、労災保険料や子ども・子育て手当拠出金は企業が全額負担するため、従業員の賞与から控除されません。

社会保険料の種類 計算方法
健康保険料 標準賞与額 × 健康保険料率 ÷ 2
介護保険料(40歳以上65歳未満の従業員が対象) 標準賞与額 × 介護保険料率 ÷ 2
厚生年金保険料 標準賞与額 × 厚生年金保険料率(18.3%) ÷ 2
雇用保険料 賞与の総支給額 × 雇用保険料率(従業員負担分)

健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は、企業と従業員がそれぞれ半分ずつ負担します。一方、雇用保険料も企業と従業員の双方で負担しますが、負担割合は折半ではなく異なるため、計算の際には注意が必要です。

なお、標準賞与額とは、賞与の総支給額から1,000円未満を切り捨てた額をいいます。なお、この標準賞与額には上限が設けられており、健康保険では年度(毎年4月1日から翌年3月31日まで)の累計で573万円、厚生年金保険では1ヵ月あたり150万円が上限とされています。

参考:賞与にかかる保険料はどのように計算するのですか。|日本年金機構

関連記事:賞与から控除する社会保険料の計算方法とは?保険料率や給与との違いも解説

3-3. 源泉徴収する所得税を計算する

社会保険料を計算した後は、賞与から差し引く所得税を算定します。賞与にかかる所得税は、通常の給与とは異なる方法で計算され、原則として「前月の社会保険料控除後の給与額」と「扶養親族等の人数」を基に、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を用いて税額を求めます。

扶養控除等申告書を提出している従業員は「甲欄」、提出していない従業員は「乙欄」を適用し、該当する算出率を確認します。そのうえで、次の計算式により、賞与から源泉徴収する所得税額を算定します。

所得税額 = (賞与の総支給額 − 賞与から控除される社会保険料〔健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料〕) × 賞与に対する源泉徴収税額の算出率

前月の給与支給がない場合などには、通常とは異なる計算方法が適用されることがあるため、国税庁が公表している最新の税額表を確認しながら対応することが重要です。

また、令和8年度税制改正により、2026年分の所得税について基礎控除や給与所得控除が引き上げられます。一方で、毎月の給与や賞与の源泉徴収に用いる税額表の改定は2027年1月以降であるので、源泉徴収実務と年末調整における取り扱いには注意が必要です。

なお、賞与から住民税を徴収する必要はありません。住民税は原則として市区町村から事業主へ通知される税額をもとに、毎年6月から翌年5月までの12ヵ月に分けて、毎月の給与から天引きする形で納付するためです。

参考:No.2523 賞与に対する源泉徴収|国税庁
参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁

関連記事:賞与(ボーナス)から引かれる源泉所得税の計算方法をわかりやすく解説

3-4. 振込支給額を確定して賞与明細を発行する

総支給額から社会保険料や所得税などを差し引いた金額が、実際に従業員へ支給する金額となります。各控除額に誤りがないか確認したうえで、最終的な振込額を確定します。

また、賞与を支給する際は、賞与明細を作成・交付します。賞与明細には、総支給額、社会保険料や税金などの控除額、差引支給額を記載し、従業員が支給内容を確認できるようにすることが大切です。なお、賞与明細の交付は所得税法に基づき義務付けられているため、忘れずに対応しましょう。

参考:所得税法第231条|e-Gov法令検索

関連記事:賞与明細とは?給与明細との違いや作成方法を詳しく解説

3-5. 賞与支払届を作成する

賞与を支給した場合は、支給日から5日以内に、年金事務所または健康保険組合へ「賞与支払届」を提出する必要があります。賞与支払届は、社会保険料の適正な算定や、将来の年金額の計算基礎となる重要な届出です。

届出には、被保険者ごとの賞与額や支給年月日などを記載します。提出漏れや遅れがあると、後日訂正や追加の手続きが必要になる場合があるため、賞与支給後は早めに準備・提出をおこないましょう。

参考:従業員に賞与を支給したときの手続き|日本年金機構

関連記事:賞与支払届とは?手続きの方法や注意点、電子申請についても解説

3-6. 社会保険料・税金を納付する

賞与を支給した後は、控除した社会保険料と源泉徴収した所得税を、それぞれの期限までに納付する必要があります。社会保険料は、通常の給与に係る保険料と合算し、翌月末日までに納付します。この際、従業員負担分だけでなく、企業負担分もあわせて納める点に注意が必要です。

一方、所得税は原則として、賞与を支給した月の翌月10日までに納付します。ただし、常時使用する従業員が10人未満の事業所で「納期の特例」の承認を受けている場合には、1月から6月分を7月10日、7月から12月分を翌年1月20日に、それぞれまとめて納付できます。

なお、納付期限を過ぎると延滞金や不納付加算税といったペナルティが課されるおそれがあります。そのため、スケジュールを適切に管理し、確実に期限内に手続きをおこなうことが重要です。

参考:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁

関連記事:社会保険料の納付方法は?仕組みや納付期限、納付書について解説
関連記事:源泉所得税の納付方法は?おすすめの選び方・納付期限を解説

4. 賞与を支給する際に押さえておきたいポイント

計算

賞与は、従業員のモチベーション向上や人材定着に役立つ一方で、支給方法や制度設計を誤ると労務トラブルや想定外のコスト増につながることがあります。ここでは、賞与を支給する際に確認しておきたい実務上のポイントを解説します。

4-1. 就業規則・雇用契約書に支給条件を明確に定める

賞与を支給する場合は、労働基準法に基づき、就業規則にその内容を定めておく必要があります。支給時期や支給対象者、評価基準、算定方法などをあらかじめ明確にしておくことで、従業員との認識の相違やトラブルを防ぎやすくなります。

また、退職者に対する賞与の取り扱いについても、事前にルール化しておくことが重要です。例えば「支給日に在籍している者に限り支給する」といった在籍要件を定めておけば、実務上の混乱を抑えられます。なお、このような在籍要件を就業規則に定める場合、不利益変更に該当する可能性があるので、従業員の同意を得るなど、労働契約法に基づいた適切な手続きを踏む必要があります。

さらに、採用時に賞与制度を労働条件として提示する場合には、その支給条件を明確に示す必要があります。とくに、パート・アルバイトや契約社員については、パートタイム・有期雇用労働法により「賞与の有無」の明示が義務付けられています。トラブル防止の観点からも、労働条件通知書の交付に加え、雇用契約書を締結しておくことが望ましいでしょう。

参考:就業規則を作成しましょう|厚生労働省
参考:採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。|厚生労働省
参考:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則第2条|e-Gov法令検索

関連記事:退職者の賞与の不払いは違法?賞与の減額や退職金扱いの可否・退職月の賞与の社会保険料と賞与支払届の扱いを解説

4-2. 賞与は最低賃金や割増賃金の算定基礎に含めない

最低賃金や割増賃金を計算する際には、「臨時に支払われる賃金」や「1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は算定基礎から除外されます。そのため、一般的に賞与はこれらの計算には含まれません。

最低賃金の適否を確認する際は、原則として、基本給や毎月固定的に支給される手当をもとに判断します。したがって、賞与の支給額が多い場合であっても、毎月の賃金が最低賃金を下回っていると、法令違反となる可能性があるので注意が必要です。

参考:最低賃金の対象となる賃金|厚生労働省
参考:割増賃金の基礎となる賃金とは?|厚生労働省

関連記事:労働基準法に基づく最低賃金とは?その基準や違反への罰則を解説

4-3. 年4回以上支給する場合は社会保険料の扱いに注意する

賞与を年4回以上支給する場合、社会保険上は賞与ではなく、報酬(毎月の給与に準じるもの)として扱われます。その場合、標準賞与額ではなく、標準報酬月額の算定対象となり、社会保険料の計算方法に影響が生じます。

また、年4回以上支給される賞与は、雇用保険上も賃金として扱われ、離職証明書に記載する賃金額に含まれます。そのため、失業給付(基本手当)の算定にも影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

参考:従業員に賞与を支給したときの手続き|日本年金機構
参考:第6章 賃金について|厚生労働省

関連記事:離職証明書とは?必要なケースや記載事項をわかりやすく解説

5. 賞与の仕組みや計算方法について理解を深めよう

会議

賞与は、毎月の給与とは異なり、企業の業績や人事評価などに応じて支給される一時的な金銭です。法律上、支給自体は原則として義務付けられていませんが、就業規則や雇用契約書に支給条件を定めた場合には、その内容に基づく支払い義務が生じます。

また、所得税や社会保険料の計算では給与とは異なる取り扱いがされるため、それぞれのルールを踏まえて適切に処理する必要があります。さらに、支給回数が年4回以上となる場合には、社会保険上は賞与ではなく報酬として扱われるなど、取り扱いが変わる点にも注意が必要です。

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jinjer Blog 編集部

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